シャーレの先生だ、よろしく頼む   作:桜花=サン

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私たちはあの日、少女に出会った

 

「さて、中には入れたが………」

 

構造を把握し、トラップを設置して別の入り口を封鎖して…等と考えつつ実行しようとしていると、一番後ろに居たミドリから声が掛かる

 

「あれ?先生、あのロボット達帰っていってますよ」

 

「……ほう?」

 

私も目視でその様子を確認し、アロナにサーチを頼む

 

『ミドリさんの言う通りですね…敵性反応、撤退していきます』

 

「ふむ………この場所が何か特別かもしれないか……モモイ、興味が湧くのは理解できるが単独行動は危ないから禁止だぞ」

 

今いる室内を歩き回っていたモモイを捕まえる

 

「わ、分かってるよ先生」

 

「離れすぎないようにな。安心しろ、何があっても二人共私が護る。その為に私の近くに居て欲しいんだ。近くに居ないと、咄嗟に護れないから」

 

「……うん…ごめん…」

 

「あぁ、謝れて偉いな。次から気を付けるように」

 

微笑みつつモモイの頭を撫で、ミドリも呼ぶ

方針を改めてはっきりさせよう

 

「さて、ここからどうするかだ。モモイ、ヴェリタスから貰ったと言っていたG.Bibleの座標は?」

 

モモイがスマホを確認する

 

「もうちょっと先かも、この工場を抜けていくことができたら……」

 

「なるほどな。では取り敢えず入ってきた所とは別の出入り口を探そうか。二人共、体力は大丈夫そうか?」

 

「私はまだ大丈夫!」

 

「私も…殆ど戦闘もしてませんし、大丈夫です。先生も大丈夫ですか?」

 

「お前達に比べたら私は確かに貧弱だが、体力には自信がある方でな。私もまだまだ大丈夫だ。皆大丈夫そうなら、探索を開始しようか」

 

二人も頷き、私達は工場の探索を始めた

探索の途中、モモイが話しかけてくる

 

「そういえば先生、結構色々準備してたよね」

 

「ナイフも綺麗に研いでましたね、何のために、と思っていましたがさっき使ってましたし……」

 

「廃墟探索…しかもそれが連邦生徒会が封鎖していた区域となれば警戒もするだろう。何かがあってからでは遅いからな」

 

ロープに閃光弾、グレネードと煙幕弾…他にも様々な物を持ち込んでいる。何が弱点になるかは相手次第だ、手札は多い方がいい

それに、崩落や落下の危険性もある。緊急用のエアクッションに降下するためのアンカーなど、本当に様々な物を持ってきた

まぁ、私の取り柄である機動力と技術を潰さない程度に…だが

こういう不可思議な物は私の得意分野ではないし、本当に何が起こっても不思議じゃない

こういうのに関しては恐らく虚の方が詳しいだろう、黒服に色々聞いていそうだ

 

「なるほど、先生は推奨レベルより沢山レベル上げて装備をその時点の最強装備にしてアイテムも潤沢に整えて敵に挑むタイプって事!」

 

これは…ゲームの例えか

プレイしたことはほぼ無いが、意味だけなら学んでいる

 

「テレビゲームはあまりやった事がないが、準備する時間があるのならできるだけ最善の状態で敵には挑みたいな」

 

そう、現実には物事までの時間があり、準備のタイムリミットはどうしても訪れてしまう

もしそのタイムリミットが無いゲームの世界なら……うん、今出来る最高の状態まで私は準備を行うだろうな…

 

「先生、ゲームやった事ないの!?すっごく楽しいよ!帰ったら一緒にやろうよ!」

 

「ゲーム開発部が無事に存続することになったら、だな。そうしたら、モモイとミドリにゲームを教えてもらう事にしよう」

 

「そ、そうだった…!それが第一だった…!」

 

「忘れないでよお姉ちゃん…」

 

「でもでも、存続させたい理由が増えたよ!先生にも、ゲームの凄さを教えてあげないと!」

 

「あぁ、楽しみにしているぞ」

 

そんな会話をしたり…

 

「ねぇ先生、先生ってなんでそんなに強いの?さっきの身のこなしとか凄かったし…弾に当たっただけでも私達と違って大怪我なんでしょ?」

 

「お、お姉ちゃん?!多分それ皆気になってるけど聞かないやつだよ普通!」

 

ミドリもミドリで少し口に出やすいというか…まぁ、モモイよりは遥かに大人しいのは確かだが

 

「えっ、そ、そうなの!?ごめん先生!」

 

モモイがそう言って頭を下げてくる

 

「ふふっ、大丈夫だ。事細やかには話せないが、話せる事はあるしな。理由としては…大まかに3つ程だろうか。1つ目は、私の育った環境。2つ目に、憧れの人に近づく為。3つ目が、生徒を護りたいから…だな」

 

「憧れの人に……その人、すっごく強いの?」

 

そう聞いてくるモモイに頷く

 

「あぁ、強い。私よりも、ずっとな」

 

「せ、先生より………?」

 

ゴクリとつばを飲み込むモモイとミドリ

しかし先生は恐らく彼女達が想像している強さとは違う強さだ

 

「ふふ、私とあの人では"戦い方"が違うからな。私には…少し難しいんだ。だから、私は私の方法…この技術で、少しでも追いつきたいと思っている」

 

私の取り柄は、戦いに関する事だけだ

敵を倒す事、ターゲットを殺す事

その為の手段、方法、技術…全て持っている

私は、完全に先生の代わりにはなれない

私が一番分かっている

でも、私は私なりに、その穴を埋めるしかない

先生のお陰で、私の持つ技術と知識は、敵を倒す為…その為だけではなく、敵を倒し…味方を、家族を、生徒を守る為に使えるようになった

先生から、頼まれた…というのも勿論あるが、何よりも…私が生徒を導き、助けると決めたから

モモイが、口を開いた

 

「そうなんだ…でも、よくわかんないけど、先生ならきっとできるよ!まだ会ったばっかりだけど、私達の事真剣に考えてくれてるのも分かるし!」

 

「先生はもっと自信を持っていいと思いますよ、まぁ…確かにその仮面は最初はちょっと怖かったですけど…先生が優しいのは、すぐに分かりましたから」

 

「…ありがとう、モモイ、ミドリ」

 

二人の頭を撫でる

モモイは嬉しそうにしているし、ミドリは少し恥ずかしそうだが拒否はしない。嫌じゃなかったのなら良かった

うん、良い子達だ、良い子達なのだが………

ユウカから教えてもらった所業が脳裏にチラつく…

やはりブレーキ役が足りないのが駄目なのだろうか

そんな事を考えつつも歩いていると……

 

『接近を確認』

 

「っ!モモイ、ミドリ、下がれ!」

 

何処からか謎の声が響いた

 

(アロナ)

 

『ごめんなさい、位置の特定がなんだか難しくて…!』

 

(そうか、なら今は声については良い。敵影の確認を)

 

『分かりました…!』

 

「わ、何!何!?」

 

「せ、先生…」

 

『対象の身元を確認します。才羽モモイ、資格がありません。対象の身元を確認します。才羽ミドリ、資格がありません』

 

部屋全体に響く謎の声。私どころか、アロナですら発信源すら分からないとは

私はナイフと拳銃に手を伸ばし、周囲を警戒する

 

『対象の身元を………身元…を……【■■■先生】……システムエラー発生。システムエラー発生。再起動を行います』

 

謎の声が一度止まった

 

「……なんだ…?」

 

『システム再起動完了、対象の身元を再確認します。【サラ先生】………資格を確認しました、入室権限を付与します』

 

「えぇっ!?」

 

「せ、先生はいつこの建物と仲良しになったの!?」

 

「いや、そんな覚えは微塵もないのだが…」

 

本当に何も無い。そもそもここに来たのは初めてだ

何が起こっているのか分からない私達を置いて謎の声は響き続ける

 

『才羽モモイ、才羽ミドリの両名を生徒として設定、同行者である生徒にも入室権限を与えます。承認………下部の扉を開放します』

 

「扉?扉なんて…………」

 

「………ッ…!まず───」

 

ガチャンという音と共に私達の立っていた床が割れる

 

「嘘ぉ!?」

 

「落ちるー!?!?」

 

「アンカー!」

 

落下する直前、右腕部分につけていたコンパクトな機械から鋭いモノとワイヤーが射出される

 

『射出成功、天井にしっかり刺さりました!3人ほどなら確実に重さに耐えられます!ですが先生の右腕にかかる負荷が…!』

 

自分に対する負荷は問題ない、千切れるわけでもないのなら。その心配があるのならアロナは言っているだろうし、今回は大丈夫なのだろう

千切れたとして義手でもなんでも使えば……いや、流石にこれは先生と姫達に怒られるな…

私は左手でモモイの手を掴む

モモイはミドリの手を掴んでいたようだ、よくやった

引っ張り上げ、2人を抱える形になる

 

「二人共大丈夫か?びっくりしたな…」

 

「あ、ありがとう先生……」

 

「下は見えますけど…結構高さありますね…」

 

下には床が見えていた

部屋への招待にしては心臓に悪すぎるのだが

 

「まぁ生徒なら少し痛いぐらいだろうが…痛みなんて無い方が良いからな。どうする?降りるか?このワイヤーを巻き上げれば上に戻れるぞ」

 

正直答えは分かりきっているが、そう聞く

 

「先生、私気になる!もしかしたら、G.Bibleかもしれないよ!」

 

「…わ、私もちょっと……気になります…」

 

モモイはそう言うと思っていたが、まさかミドリもとは

うーむ…………………………

 

「………危なそうだったら、すぐに戻るからな」

 

「「やった!」」

 

私は2人を抱えたまま、下へと降り立つ

苔なども生えている部屋。やはりかなり古いな

雑草もチラホラと………

部屋の中央に、目線が向く

 

「…………あれは」

 

服すら着ていないとても長い黒髪の少女が、椅子に座ったまま明かりに照らされて眠っていた




体力という面で言えばサオリ先生は逸般人してます、無理だろうがなんだろうが鋼の意志で自分の体の限界以上に動けるからですね、その分体に数倍の負担が来てぶっ倒れますけど
でも筋力は流石にモブ生徒にも敵いません
あれだけ鍛えててあれだけ強くても信頼している生徒相手には普段は隙だらけなのであなたがモブ生徒だったとしても特に悪い事もしてない限り押し倒そうと思えばいけちゃいます
コツは背後からはしない事です、背後からは条件反射で投げられます
でも投げられた場合正気に戻ったサオリ先生に滅茶苦茶謝り倒されてなんでもするから償わせてくれと言われるので文字通りなんでもすればいいと思います()

サオリが仮入部する所どっちがいいですか!!!!!!

  • 正義実現委員会!!!!!!!!!!!
  • シスターフッド!!!!!!!!!!!
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