目の前ではてなマークを浮かべているアリスを眺めつつ私は呟く
「とはいえ…話し方の矯正か」
「うーん、どういうのが良いんでしょう…」
「ふむ、文章を読んでもらう……あぁ、それこそゲームではないか?その為の資料なら幾らでもあるだろう」
私は床に散らばっているゲームのパッケージを拾い集めながら言う
…これパッケージと中に入っているカセットが違うのだが良いのだろうか
その間にミドリはアリスに話し掛けに行った
「確かに!えーっと、アリス…ちゃんで良いんだよね?」
「はい、本機の名称はアリスです」
「アリスちゃん、ゲームをやってみない?会話について、よく分かるかもしれないよ」
「…ゲーム?」
「新しい知識を身に着けたくはないか、アリス。自分の事を今よりもっと適切に伝えられるだろうし、理解できる事が増える筈だ。何より、楽しいと思うぞ」
まぁ、私はそこまで詳しくもないのだが
だが、ミサキはよくゲームをしているようで、私に色々話してくれた覚えがある
ミサキは心から楽しそうだったからな。きっと楽しいのだろう
「……『楽しい』という理由は、理解出来ませんでした。しかし、これも…理解できるようになる可能性がある…と?」
私は頷く
「あぁ、どうする?アリス」
「…肯定。アリスはゲームをします」
よし、やる気になったようだ
あとは……どのゲームをするかだな
「ミドリ、初心者でも遊びやすいゲームとかはあるか?」
「あ、はい。今持ってきま……アリスちゃん?」
じっと、アリスは一点を見つめていた
目線の先には…ゲームのパッケージか
私はそれを拾い上げる
………これは
「あ、テイルズ・サガ・クロニクル…」
ミドリが私の手にあるパッケージを見てそう言う
「…アリス、これをやりたいのか?」
「不明。ですが…」
なんとか言語化しようとしているが、どうやら少し難しいらしい
「気になったか。…ふむ、ミドリ。アリスにこれをやらせても大丈夫か?」
「は、はい…ネットでは酷評されちゃったけど…アリスちゃん、これやる?」
アリスは頷いた
「肯定。アリスはテイルズ・サガ・クロニクルをします」
「分かった、準備するからちょっと待ってね…」
ミドリがゲーム機などのセッティングを始める
正直、どんなゲームなのかは私も気になっていた
アリスのプレイを見守る事にしよう
「あ、先生はそのクッション使っていいですよ。アリスちゃんはこっち」
ミドリがクッションを3つ持ってくる
ゲーム機が起動され、画面にテイルズ・サガ・クロニクルとタイトルが表示された
「アリス、ゲームを開始します…」
アリスはNEW GAMEを選択し、決定する
プロローグ…どうやら何処かのある年に人類がピンチらしいということは分かった
【チュートリアルを開始します】
【Bボタンを押し、目の前の武器を装備してみてください】
「Bボタン…」
アリスがコントローラーに視線を落とし、Bと書いてあるボタンを押す
すると、爆発音が画面から響いた
真っ暗な画面に、赤いGAME OVERの文字が浮かび上がってくる
「「?!?!」」
アリスは確かにBボタンを押していた筈だが…何処か別の場所も押していたか?
というか、何処から攻撃…いやチュートリアルだぞ?
「あははっ!」
後方で笑い声が聞こえる
モモイが帰ってきたようだ、早かったな
というか、早すぎるな…そういえば今の時間は結構遅い、誰も居なかったか
「モモイ、さっきのは何が起こったんだ?」
「予想できる展開って面白くないでしょ?だからあそこはBボタンじゃなくてAボタンを押さないといけないの!」
「………なるほど?」
予想できる展開は面白くない……はまぁ、一理ある
いや、モノによるとも思うが
それよりも…
「………まだチュートリアルだぞ?」
「改めて見ても、この部分は私も酷いと思います…というかお姉ちゃん、学生証は?」
「遅い時間だったから誰も居なかったの、また明日作りに行ってくる」
困惑でフリーズしていたアリスが復帰する
「ゲームを再開します…」
三人でアリスのプレイを見守る
今度は無事に武器を手に入れ、少し歩くと戦闘に入った。プニプニという名前の敵のようだ
アリスは先ほど手に入れた剣で攻撃を行おうとしたが…
銃声と共に画面が暗転。GAME OVERの文字
「!?!?」
ミドリが私に声をかけてくる
「……先生?なんでナイフを?」
「ナイフ?」
自分の手元を見れば、ナイフの刀身が姿を見せていた
慌てて私はしまう
「…すまない。銃声を聞くとつい条件反射で…」
謝りつつ、私は画面に目をやる
おや、GAME OVERの文字だけではないな
【どれだけ剣術を極めた所で、我が銃の前には無力…ふっ。】
というプニプニのセリフ付きだった
─────────────────────
「おや虚。くしゃみとは、風邪でも引きましたか?」
「冗談言わないでください、私の身体で病気など即座に再生して終わりですよ。…何故か突然腹が立って…何処の馬の骨とも知らない奴に馬鹿にされた気分です」
─────────────────────
再びアリスはフリーズしている
「うーん、やっぱりプニプニがふっ、て言うのは不自然かな…」
「ツッコミどころはそこじゃないと思うよお姉ちゃん」
「思考停止、電算処理が追いつきません…」
アリスが少しフラフラしだした
な、何が起こったんだ……
銃声とセリフ的にあのプニプニは銃を隠し持っていたのか。あの透明な体の一体何処に…いや、体に装備しているとも限らないのか。草むらから現れたからな、その辺りに隠していたのかもしれない
そもそも、プニプニが現れたという文章だ。つまりやってきたのはプニプニ側。この草むらはこのプニプニの狩場だったのかもしれない
そして勇者はレベル1、旅立ったばかりの勇者は普通の人間…つまり私と同じぐらいの防御力だったのか
「ふむ…確かに、剣で銃弾を弾く等の技術を持ち得ない場合は剣を使って銃を持った敵への勝ち目は薄いだろうな。技量が足りないのなら銃弾を弾ける程の防御力か、傷を再生させる等の力を持っていなくては無理…と。レベル1の勇者ではどれも足りないからな。銃の前には無力なのも仕方ないか」
「冷静に分析しないでください先生…」
「え、先生、剣で銃弾って弾けるものなの?」
「私がナイフで出来ている事だ。多少取り回しは悪くなるが剣を極めた人物ならば可能だと思うぞ。私はナイフでしか出来ないが」
「そうなんだ…剣なんて使ってる人見ないもんね。銃の方が楽だし…え、いや先生ってナイフで銃弾弾けるの?」
…ふむ…理屈は理解できた。理解できたが…
……よくよく考えると…
「…やられる理屈に納得はしたがチュートリアル後の初戦闘がこれなのはどうなんだ…?」
アリスの様子を見てみる
「…リブート、ゲームを再開します」
どうやら持ち直したらしい
今度は対策を立てつつ挑むようだ
そして、2時間後───
「電算処理系統、及び意思表示システムに致命的なエラーが発生…」
「が、頑張ってアリスちゃん…」
「あと少し!あと少しで待望のクライマックスだから!」
「草食系って言葉が思い出せなかったからって植物人間って代わりに書くのは本当にどうかと思うよお姉ちゃん…!」
「母親がヒロインで…それでいて前世の妻で…?そしてその妻の元に子供の頃に別れたきりの腹違いの友人がタイムリープしてきていて…?…腹違い……腹違いの友人ってなんだ…!?なんだ、まだ隠されている情報があるのか……!?それとも既存の情報で見落としている部分が───」
「エラー発生!エラー発生!」
「ついに設定をしっかり把握しようとしてた先生までバグっちゃったよお姉ちゃん!?序盤の最後辺りからゲームシステムへのツッコミすら無くなってたよ!」
「も、もう少し頑張ってアリス!先生!」
小説書くためにパヴァーヌ編見返してたら虚がプニプニに煽られてて流石に草生えました
サオリが仮入部する所どっちがいいですか!!!!!!
-
正義実現委員会!!!!!!!!!!!
-
シスターフッド!!!!!!!!!!!