シャーレの先生だ、よろしく頼む   作:桜花=サン

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得た情報

あの白いオートマタが居た場所の近辺を探索してみると、他にも数体、白いオートマタを発見できた

大盾を持っているオートマタに、普通のオートマタ、白いドローンに……大型の戦闘用機体まで

 

「かなりの量だな……」

 

「はい。ですが…あの白い機械は基本的に徘徊せずにずっとその場に……」

 

「ふむ…何かを守っているのか……?」

 

守っているとなるといったい何を……と考えたその時、シッテムの箱からアロナの驚いたような声が響く

 

『……!?これは…!?』

 

(アロナ?何か見つかったか?)

 

『巧妙に隠された隔壁と、大量の敵性反応…そして、巨大な何かがその奥地に存在しています…!機械…の筈なのに……何か…異様な感じが…』

 

アロナですら分からない…か…

距離がありすぎるからなのか、それともその機械はアリスのような何かだからか

なにはともあれ、一番まずいのは大量の敵性反応だ

ワカモと私の二人では分が悪すぎる

 

「……………ワカモ、今日は引き上げよう。急いで来た道を────」

 

その瞬間、警報音が鳴り響く

 

「…!?」

 

「なっ…!?」

 

『そんな!?周囲に敵性反応は…!』

 

なんだ、何に見つかっ……いや…!今見つかったのではなく…既に見つかっていたか…!!

 

「チッ、誘い込まれていた…!ワカモ!退路を確保して逃げるぞ!すぐに囲まれる、その時は包囲が薄い場所を一点突破だ!」

 

「分かりました…!」

 

壁だと思っていた場所に亀裂…いや、そこはアロナが言っていた隔壁だったのだろう

隔壁は開き、そこからゾロゾロと白いオートマタが此方に走ってくる

隔壁の先。最深部に……球体に変形する何かを一瞬視認した。しかも、その上部には…

 

「………ヘイロー…?」

 

巨大なヘイローが、展開されていた

ワカモに声を掛けられる

 

「先生!」

 

「あ、あぁ、すまない!」

 

『出来るだけ包囲が薄いルートを提示します!』

 

私は急いでやって来た方の道へ駆け出す

あれがアロナが言っていた機械だろう。気にはなるが、今は逃げることが最優先だ。ワカモ単独ならこれぐらいは逃げられるだろうが、先手を取られた上、私という弱点を背負ったままでの戦闘となると分が悪すぎる

一対多は今の私としては絶対に避けたい。10人以下ならまだしも、これだけいれば銃弾を弾くだったり避けるの次元ではない

裏路地に入り、背後からの射線を切るように曲がれる場所は曲がっていく

 

『先生!前方に別の敵性反応、青いオートマタです!数が3機!』

 

騒ぎを感知したのか、此方に来たらしい

私をまだ視認はしていないようだ

 

【──────!?】

 

「邪魔だ!」

 

先手を取り、最大出力で電磁パルスをお見舞いする

動きが硬直した所で、ハンドガンを何発も撃ち込めばあの白いオートマタよりは硬くないようで装甲を突き破り、メインエンジンを破壊した

 

「はあっ!!」

 

ワカモは銃剣で残りの2体の頭部を跳ね飛ばし、メインエンジンを突き刺して破壊する

 

「不味いな、このままだと……」

 

『先生!回り込まれました…!』

 

嫌な予感は的中する

前方から白いドローンが飛んでくるのが分かる

結構な数だ

そして、後方からは微かな振動。大きめな戦闘用機械だろう

挟まれたか……

 

「…先生、私が注意を引き付けます。その間に逃げて下さい」

 

「…っ……いや、その必要は───」

 

この状況だ、友人達の力は借りないようにして大人のカードを使うしか───

 

「美しい友情ですね。あぁ、それとも愛情でしょうか。お邪魔してしまって申し訳ないです」

 

空中に展開された漆黒から人影が飛び出す

前方のドローンを全て両断し、再びその手に持つ刀を振れば、私の前方に漆黒が展開される

私は咄嗟にワカモの手を引き、その漆黒へ飛び込んだ

一瞬、視界が黒に染まった後……視界が開ける

ここは…ミレニアム自治区の裏路地か

数秒後、私の背後の漆黒から白いドレスの生徒…虚が姿を見せる

ため息をつきつつ私に話しかけてくる

 

「…デカグラマトンの4番目の預言者に一体何の用があったんです?というか戦力が少なすぎると思いますけど」

 

そう聞いてくる虚

返答しようとすると、ワカモが私を庇うように立つ

銃口を向け…発砲した

そんな様子をしっかりと見ていた虚は刀で銃弾を迎撃する事も回避する事もせず、腕にその弾丸を受ける

 

「っう…」

 

虚を睨みつけるワカモ。虚は気まずそうに顔を逸らした

 

「……ワカモ、大丈夫だ」

 

「…っ…ですが…!」

 

「…構いません、シャーレの先生。当然の反応です」

 

虚は腕の弾丸を取り除きつつ布で血を拭き取る

その間に再生が終わったのかもう腕には傷一つ無かった。腰に佩いた鞘に刀を収納し、鞘ごと刀をワカモの方に軽く投げて渡す

ワカモは投げられた刀をキャッチして尚、虚を睨んでいた

 

「これ以外の武装を私は持っていません。シャーレの先生に危害を加えないことも約束します。何かをしようとすれば遠慮なく撃ってしまって構いません。話ぐらいはさせてもらえませんか、狐坂ワカモ」

 

両手を上げ、敵意は無い事をアピールする虚

 

「………………」

 

数秒後、不服そうではあるがワカモは私の隣へと下がる。銃口は向けたままだが

私はワカモの頭を撫で、虚と話をする

 

「助けてくれた事、感謝するぞ虚」

 

「……偶然です。…それで、何故デカグラマトンの同志……預言者ケセドの所に居たんです?それもたった二人で。偵察ですか?ケセドが居る廃墟の一帯はほとんどの場所が常に監視されていますよ。私が偶然廃墟に訪れていなかったらどうするつもりだったんですか」

 

再びそう聞いてくる虚

ケセド………ケセドというのか、あれは

 

「そもそもケセド?とやらとデカグラマトン…?とやらの事を私は知らないんだが。文脈的に一瞬見えた巨大な機械がケセド…というのか?」

 

「……………はい?何も知らずにあそこまで辿り着いたんです?」

 

虚は怪訝そうな声を出す

 

「本来の目的は別だった。…後々言おうと思っていたが…折角会えたのだし、もう言っておくか。あそこの廃墟群で少女の形をしたロボットを発見したんだ。かなり精巧に造られていてな…だが、私の見立てではそのロボット…今はアリスと呼んでいるのでそう呼称するが、アリスは戦闘用のロボットだと思っている。このまま保護していいものか…とはいえ、情報がなさ過ぎるからな…少しでも手がかりがあればと思い廃墟を探索していた」

 

「……はぁ。私は黒服程詳しくないので明言は出来ませんがそのアリス…とやらが廃墟に居た、というのなら無名の司祭が遺したオーパーツの一種なんじゃないですか?……あの巡航ミサイルやこの刀のような…誰かを、何かを…奪い、傷付け、壊し…殺す。その為の兵器」

 

ある程度予想していたとはいえ…

 

「……そう…か…」

 

「まぁ、私も聞き齧っているだけですので、はっきりとこれが答えだ…等とは言えません。間違っている可能性がある事は念頭に入れておいて下さい。…あぁ、詳しい事は黒服達に聞いたらどうです?私より確実な情報をウキウキで提供すると思いますよ。まぁ多少の代価は要求するでしょうけど」

 

黒服………黒服か………………

あぁもう、背に腹は代えられない…………

今は取り敢えず情報が欲しい

 

「………………近い内に行く、と伝えておいてくれ」

 

「かなり葛藤しましたね。まぁ、伝言は伝えておきますよ。では、私はこの辺りで失礼します」

 

虚がワカモに目線を向ける。ワカモはため息をつきつつ刀を投げて渡した

刀をキャッチした虚は流れるように抜刀しつつ何も無い空間を斬り、漆黒を出現させて帰っていった

 

「………申し訳ありません、先生…私…」

 

耳をしょんぼり下げつつワカモが話しかけてくる

エデン条約の顛末は話しているが…本人を目の前にして少々感情的になってしまったのだろう

しょんぼりしているのは発砲はしないという私と決めた約束を破ってしまったからだろう

私はワカモにデコピンする

 

「あうっ」

 

私の指がちょっと痛む。受けた側よりやった側の方が多分痛い

 

「約束を破ってしまったお仕置きだ。でも、私を守ろうとしてくれたのだろう?そこは感謝している、ありがとう、ワカモ」

 

「先生………」

 

理論で分かっていてもそれだけで許容する、というのは難しいからな。私だってそうだ

ワカモの頭を撫でつつ私は思考を巡らせる

デカグラマトンにケセド。預言者…4番目という事は最低でもあと3体、あんな存在がいるのだろう

4から上もある可能性はかなり高いが

ケセドの様子からして、それらは友好的とは思えない

そして、虚のアリスに対する見解……

無名の司祭のオーパーツで、兵器の可能性……

結構な情報を得ることは出来た

…が………さて…どうしたものかな………

結局、今回の探索で分かったのは隠れていた爆弾が見つかり、抱えている爆弾の種類が分かったというだけだった

…解除方法が知りたいんだがな……




虚のファインプレーに黒服も思わずコロンビア

サオリが仮入部する所どっちがいいですか!!!!!!

  • 正義実現委員会!!!!!!!!!!!
  • シスターフッド!!!!!!!!!!!
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