ユウカはまだ残っている業務をこなさないといけないのでセミナーの部室に戻っていった
そして部室に残った私達。時間はもう夕方頃だ
「あぁぁ〜!もう!あんなの詐欺だよ謀略だよ〜!」
モモイはまたジタバタ暴れている
すると、ロッカーが静かに開き、ユズが出てきた
気配は感じていたから居るだろうとは思っていたが…
「ご、ごめん…私が…部長会議に参加出来なかったから…」
「ゆ、ユズちゃんのせいじゃないよ!こういう場合って、お姉ちゃんが代わりに参加することにしてたはずでしょ?」
ユズが部長会議に行っている…というのは性格的にもあまり想像できなかったが、そういう決め事はしていたんだな
……となると…
「……モモイ?」
チラリと私はモモイへ視線を向ける
「だ、だって…仕方なくて……」
「………取り敢えず理由を言ってみてくれ」
「……アイテムドロップの確率2倍のキャンペーン中だったから…」
…あまり言いたくは無いがもうこれはほぼ完全に自業自得なのではないか?
「そ、そんな目で……って目は仮面でこっちからは見えてないけどそんな目で見ないでよ先生…」
流石に呆れた目線で見ていた私の足に抱きつきながらそう抗議してくるモモイ。とはいえ、見捨てる訳にはいかない。ここはこの子達にとって大切な場所である事は伝わっているしな
「結局お姉ちゃんのせいじゃん!今すぐそのゲーム消して!…うぅ…とにかく、先生の言う通りやる事は一つ…」
「そうだね…ミレニアムプライスに入賞する為のゲーム開発…うぅ…どうしよう…!?いざやるとなると混乱してくるよ…!」
そんな風に色々と喋っていると、日も落ちてきている事に気が付く
「もう夜か…今日は色々大変だったな。一先ず、今日はしっかり寝て、休むように。また明日も私は来るから、その時に色々と考えるぞ」
「わ、わかった…また明日ね、先生」
「はい、ありがとうございます…」
「あ、あの…私からも…ありがとうございます……」
「先生よ!そなたとまた会える日を楽しみにしている!」
「あぁ、また明日」
モモイ、ミドリ、ユズ、アリスに手を振って私は外へ出る
そしてミレニアムの本校からから出て、闇夜を歩いていると…
眼前の闇夜を塗り潰して出現した漆黒の空間からカツンとヒールの音を鳴らし、虚が現れた
キン、と軽い音を鳴らしながら刀を腰に佩いた鞘へ納刀する
なんというか、動きが滑らか…というか、無駄がなくなってきているのは気の所為だろうか
「来ますか?」
此方を見やり、端的にそう聞いてくる
今は兎に角情報が欲しい。不可思議なものに詳しいゲマトリアからの情報は私単独で辿り着けないものばかりだろう
私は己の未熟さに溜息をつき、虚の言葉に頷いた
「あぁ、頼む」
虚は踵を返し、漆黒の空間へと歩いていく
私もそれに続けば…
「クックック…こんばんは、サラ先生。今日はいい夜ですね」
ひび割れた不気味な黒い顔が机越しにそう声を掛けてくる
以前来たビルの一室に私は立っていた
「………そうだな」
複雑な気分になりながらも私はそう返す
視界の端で欠伸をしながら虚が雑にソファーへ体重を預けるのが見えた
「ふぁ…色々話が終わったらシャーレまで送るので起こしてください。黒服の方が様々な事を詳しく知っているでしょうし。疲れているので私は仮眠します……黒服、分かっていますね?」
「クックック…ええ、約束は守ります」
そう言い、ソファに座ったまま腕を組んですぐ静かに寝息を立て始める
…存外、寛いでいるんだな…
「今日はもう普段なら退勤時間ですから。クックック…それに虚は自分の事で色々と忙しいみたいです」
「……そうか。それは───」
「私からは話せません。虚に言うな…と言われていますから」
「…なるほどな」
先程の会話はそういう事か
「クックック…さて、本題に入りましょうか。事情は虚から聞いています。AL-1S…いえ、今はアリス…でしたか。サラ先生が廃墟で見つけた、彼女についての情報が欲しいのですよね?」
私はその言葉に頷いた
「そうだ。アリスは…恐らく、戦う為に作られている。そこを理解しておいて、何も分からないまま、生徒を危険に晒すわけにはいかない。私はこういう事象、物体にあまり詳しくは無いからな。詳しいであろうお前達ゲマトリアへ…知恵を貸して欲しいと思い、此処へ来た。頼む、何か情報があるのなら提供して欲しい」
そう言い、黒服に頭を下げる
そして言葉を続けた
「…無論、対価も無しにこんな取引に応じるとは思っていない。生徒が危険に晒される事以外ならなんでも受け入れよう。……そうだな、私に興味があるんだったら……腕の一本ぐらいならくれてやっても良い。…出来れば左腕でお願いしたいが」
片腕…訓練を積めばなんとでもなりはするだろう。義手という選択肢もある。まともに動けるようになるまでの間、生徒を守りにくくなるのは懸念点だが…アリス関係の事は…きっと、知っておいた方が良い
何も知らずに生徒達を危険に晒すよりは……
「…クックック……サラ先生。貴女がかなり戦闘力に長けているのはもう理解しています。時に無謀だとしても生徒達を護ろうとする硬い意思。磨き抜かれた戦闘技術。生徒を傷付けさせない、苦しませない為。その為だけにきっと動いているのでしょう」
「……何が言いたい」
怪訝に思い、そう聞き返す
不穏な空気が流れたその瞬間、カツンと私の背後からヒールの音がした
振り返れば、いつの間に起きたのか、呆れたような目で私達を眺める虚が居た
「はぁ…もっと自分の身体を大切にしろという事ですよ。あなたが傷付く事で悲しむ人達も居るんでしょう?再生する訳でもない脆弱な身体で軽々と腕を差し出すだなんて言わない事ですね。黒服も、癖を直さなければまた「気に食わない」と嫌われますよ。…下らない事で起こさないで下さい」
ジトっとした目でそう吐き捨て、再びソファに戻る虚
「…あ、あぁ…すまない…」
「…クックック……」
ため息をついた虚はそのままソファに戻った
静まり返った空間に再び小さい寝息が聞こえてくるまでそう時間はかからなかった
…確かに、虚の言う通りではある。私が何を言おうときっと家族達は、友人達は悲しんでくれるのだろう
……まぁ…腕は、最終手段…という事にしておくか
ワカモとアロナは怒ると怖いしな…
一先ず、話を戻す事にした
「…それで、どうなんだ」
「クックック…虚に怒られてしまいましたからね。単刀直入に言いましょう。アリスに関する情報を提供するのは構いません…が、正直あまり多く無いのです」
「…分かった。少しでも良いから情報はくれ。私に差し出せるもので相応の報酬になり得るものはなんだ?」
「……クックック…そうですね…では───」
黒服がじっと私を見つめる
何を要求されるのだろうか
金なら単純なのだが、そうはいかないだろうしな
「シャーレのカフェにあるDJステージで開催されるサラ先生のライブのチケットを4枚用意してくれるのならばお話しましょう。あと毎回参加させて下さい」
「……は?」
次のライブから男性3人とドレスを着た女性1人が観客席の最後列によく見かけられるようになるのはまた別のお話───
どっちも恩がある人だから仲を取り持とうとするツンデレ虚ちゃんかわいいね
オリジナル生徒について!!!
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全然出していいよ!!!!!!!
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出さない方が好きだよ!!!!!