サオリがこの世界に来て、月司サラに、先生になるより、ずっと前の事
アリウス自治区のバシリカにて……
「……が…ぁっ…こ…こんな……!あなたは、何だと言うのですか…!くっ、来るなッ…!」
吹き飛ばされ、壁に打ちつけられているのは、ゲマトリアの一員…ベアトリーチェ
周囲の地面には、アリウスの戦闘員が戦闘不能の状態で大量に転がっている
「分からないのですね。まぁ、予想はしていました。貴女は、『私』を見ていない。向こうでも…此方でも。見ていたのは私の力。立場だけ。あぁいえ、それか此方ではまだ会っていませんでしたか?」
靡く黒髪。ベアトリーチェに似た白いドレス。だが、そのドレスは返り血で所々赤く染まっていた。そんなドレスを身に纏ったその人は、一歩、一歩と近付いてベアトリーチェとの距離を詰める
「私のッ…真似事を……!」
「真似事?…まぁ、良いでしょう。護衛は雑兵ばかり。まだ力をつけるより前なのでしょうか。足止めにすらなりません。あぁ、愚か…愚かですね」
「こん…こんな…結果……!何が、何が…目的なのですか…!」
「黙れ」
憎悪、嫌悪、憤怒。様々な負の感情を孕んだその視線に射抜かれ、ベアトリーチェは硬直する
「二度目のお別れですね。えぇ。今回は正々堂々正面から貴女を襲いましたとも。前の貴女は卑怯だのなんだの最後まで喧しく騒いでいましたから。さようなら。どうぞ先に地獄でお待ち下さい」
「待っ…」
首を撥ねられ、念の為に、と身体は鈍く輝く刀により斬り刻まれ、ベアトリーチェは息絶える
「これでアリウスは私のモノ。不思議な事もあるのですね。過去に飛ぶ……だなんて。ハハハ。それで?そろそろ出てきたらどうです?ずっと見ていましたよね。可哀想に、マダム。仲間に助けてすら貰えないだなんて」
物影から姿を現したのは、黒服だった
「私達ゲマトリアは、お互いの利益の為にこうしているのです。私は荒事が得意ではありません」
「ふむ、なるほど。私が貴方にまで刃を向けない、という保証はありませんが…そのまま逃げ帰っていれば良かったものを」
振り返りつつ黒服の心臓にその刃先を向ける
「今のうちに取引を、と思いましてね。ゲマトリアに加わりませんか?丁度、貴女が開けた席があります」
「ほぉ、仲間意識、薄いのですね。それで、どのようなメリットが私に?」
刃先をそのまま向けつつ、問う
「様々な情報、技術を提供する事ができます。『ヘイローを破壊する爆弾』もそろそろ完成に近付いています」
彼女は、その言葉に少し反応を見せる
「…私を受け入れて、貴方達が受けられるメリットは?」
「貴女が『同じ組織の仲間』という存在になる事です。それが建前だとしても、突然襲撃されて壊滅…なんて事になる可能性は少しばかりでしょうが、下がります」
「あら。私はそこまで野蛮ではありませんよ。彼女は、邪魔だったから消えてもらっただけです。えぇ、本当に」
「無論、私達はお互いにお互いの邪魔をしません。定期的に開かれる集会も、参加は自由ですので」
「……そうですか。良いでしょう。ゲマトリアに、加入します。アリウス自治区は私が彼女から奪い取った。彼女に引き続き、ここは私の領域です」
「分かりました。では、私はこれで。次に会う時も、敵ではない事を祈ります」
黒服はそう告げて踵を返し、出て行った
一人残ったのは、彼女だけ
「さぁ、始めるとしましょうか。
【Vanitas vanitatum et omnia vanitas】
全ては虚しく、私達に希望は無い。夢も無い。どれだけ足掻いても意味は無い。今度こそ…その事を思い知れ!ハハハ…ハハハハハハハハ!!!」
バシリカに狂気的な笑い声が響く
ゲマトリアの席から一人が消え、一人が増えた
ベアトリーチェが生徒会長としてアリウスを支配した数日後、ベアトリーチェは消え、アリウスは新しく襲来した彼女によって再び支配された
そう。ずっと、ずっと前の事だ
花のパヴァーヌ編一章を飛ばしてエデン条約編を進めて良いか(パヴァーヌ編は一回飛ばすことになったらエデン条約編の後に一章、二章と続けてやります)
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だめです!!!!!!!!!!!!
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いいよ!!!!!!!!!!!!
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本編の順番通りがいい!!!!!!!!!