「それじゃあ、気をつけてね!」
「お仕事、頑張って下さい!」
つい先程知り合ったばかりのノノミ、セリカにそう声をかけられ、アルも笑顔で返事をする
「あははっ!了解!あなた達も学校の復興、頑張ってね!」
そう言って店を出て、彼女達とお別れをした
数分歩いた後、ムツキからアルは声をかけられる
「ねぇねぇ、アルちゃん、気がついてる?あの子達の制服」
「制服?制服がどうかしたの?」
「アビドスだよ。あの人達」
思わず足を止め、アルは硬直する
「なななな、なっ、何ですってーーーーー!?!?」
「あはは!やっぱり気がついてなかったんだ〜」
「はぁ………」
「な、なんて運命のいたずら……」
どうする、便利屋68!
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アル達と別れた後、アビドスへ私達も戻った
「さて…会議の続きを………」
始めようか、と言おうとした瞬間、侵入者の警告音が鳴る
「敵襲?まさかまたヘルメット団?」
「あそこまでやられてまだ…?」
ヘルメット団……では無い気がする。戦力はこの前のセリカ奪還でかなり削ったし、傷も癒えて無いだろう
「いえ、ヘルメット団ではなく、傭兵です!恐らく、日雇いの傭兵でしょう」
日雇いの傭兵か。懐かしさを覚えるな…
ん?日雇いの、傭兵…………いや、まさかな…
「これ以上侵入されると危険です!先生、出動命令を!」
「あぁ、行こうか。対策委員会、出動!」
全員武装して、外へと出た
校門の辺りで待機しつつ、様子を伺う
『前方、傭兵の反応を確認、そろそろ見えます!』
今回、アヤネは通信を使っての後方支援だ
「あ、あれは…ラーメン屋の…?」
……嫌な予想が当たってしまった
やってきたのは、恐らく雇った傭兵達も引き連れた便利屋68
仕事に私情を持ち込まないのは傭兵としては素晴らしい事だが、アルはかなり苦悩した事だろう
いや、それよりも、彼女達が敵……となるとかなり大変だ。彼女達は便利屋として生計を立てているだけあって、かなりの手練れ
傭兵同士、戦う事もあったが…私もかなり苦戦した
決着がついたことは一度も無い
出来れば私の考え過ぎであって欲しかったが……
「なるほど、仕事ってそれだったんだ」
「もう!学生ならもっと健全なアルバイトがあるでしょう!」
「アルバイトじゃないわ!れっきとしたビジネスなの!肩書だってあるんだから!」
その辺りはしっかりしているだろうな。アルはそういう所から入るタイプに見える
「私は社長!ムツキが室長、カヨコが課長で…」
「社長、そういう風に言うと余計薄っぺらさが際立つ…」
まぁ…宣言するのもアレだからな…
おや、紹介されなかったハルカが少し落ち込んでいた
「社長、室長、課長か。ふむ、そこの子はどんな役職なんだ?」
そう言って話を振る
今は敵…とはいえ、できる事はするべきだろう
「え?あぁ、ごめんなさいハルカ。ハルカは平社員よ!この子の希望でね」
「え、えへへ、大丈夫です、アル様…!」
紹介されて嬉しかったのだろうか。ハルカはニコニコとしている。嬉しかったのなら何よりだ
「誰の差し金……言えるわけ無いか。力ずくで口を割らせるしか」
銃を構え、戦闘準備に入るシロコ
…シロコは結構血気盛ん…というか…そういう事に躊躇が無いんだな
「ラーメンサービスしてあげたのに、この恩知らず!」
「うっ………!そ、それは………」
セリカの言葉に狼狽えるアル
やはりかなりの葛藤があったようだ
「…セリカ、傭兵は信頼で成り立っている。私情で任務を放棄していては信頼も何も無くなって、路頭に迷う事になるんだ…本当に…」
依頼を受けたからには、しっかりと遂行しなくては意味が無い
「へぇ?詳しいんだね、そこの人」
ムツキからそんな言葉をかけられる
まぁ…経験談だからな…
「…あぁ、よく知っているとも。私達に今できる事は、全力で抗う事だ。皆、戦闘準備!」
「「「「『了解!』」」」」
悪いが、手加減無しでやらせてもらおう
便利屋68の実力は折り紙付きだし、私はそれを直に体験している
「アロナ」
『はい!先生!』
私の呼びかけに応えて、アロナがデータを表示する
「さて、戦闘指揮を始めよう」
私は皆に指示を出し始めた
─────────────────────
2時間程経っただろうか
「ノノミ、下がって補給を。ホシノ、まだ耐えられるか?」
「わかりました!」
「うへ〜まだまだ行けるよ〜」
戦闘は膠着状態だ。いまいち攻めきれない
アルの狙撃、ハルカの攻撃、ムツキのサポート、カヨコの戦術。雇ったのであろう傭兵達もかなりの手練れだった
「シロコ、ドローンを。セリカ、牽制を頼む。アヤネ、残りの弾薬はどうだ?」
『まだ余裕はありますが……』
「……かなり難しい状況だな」
相手も攻められないとはいえ、ずっとこの状態だ。どちらも疲労が溜まってきている
便利屋68、やはり強い
「ホシノ、回避!」
「おわぁっ!」
飛んできたのはムツキの所持していたバック。投げられて飛んできたそれは地面に衝突すると大爆発を起こす
間一髪、ホシノは飛び退いて回避した
「あらら、ざんね〜ん」
呑気なムツキの声が聞こえてくる
「どうしたものか……」
私の指揮があるとはいえ、便利屋68とやりあえているアビドスの面々もかなり強いのだが……
厄介なのはカヨコだ。便利屋の戦術をよく知っている私ですら時々読みきれない
対応が遅れれば危ういだろう
「…っ!シロコ!」
「ん!」
シロコが先程まで居た場所に銃弾が命中する
アルのスナイパーライフルによるものか
カヨコを先に無力化したいが……アルの狙撃を掻い潜りつつハルカを突破するのは難しい
そして、雇ったのであろう傭兵の人員達。彼女達もかなりの強さだ。しっかりと数を活かしつつ戦ってくる
頭を悩ませていると、学校のチャイムが鳴り響く
「あら、もう時間」
傭兵達がそんな事を言いつつ戦闘を辞める
「えっ」
「おや」
驚いたアルと私がそのような反応をする
「今日の日当だとここまでね。後は自分でなんとかして。皆、帰るわよ」
リーダーと思わしき人物がそんな事を言いつつ帰っていく
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
アルの悲痛な声を聞かぬふりをして傭兵達は次々に戦闘をやめ、帰って行った
「終わったってさ」
「蕎麦屋行こうぜ蕎麦屋」
ぞろぞろと居なくなる傭兵達を私達はそのまま見送った
「参ったね〜まさかこんな時間まで耐えられるなんて」
「で、社長、どうするの?」
「あ…うう…こ、これで終わったと思わない事ね!アビドス!逃げ…じゃなくて撤退するわよ!」
アルはそんな台詞を吐きつつ3人を引き連れて逃げて行った
正直助かったな。あの状況は、どちらも手詰まりだった
ここまで耐えられるとは考えていなかったか…それともお金が無かっただけか……
……後者だろうな
「ん、先生、どうする?追いかける?」
シロコがそう聞いてくる
「いや、追いかけた所で…だな。学校が無事なんだ、良しとしよう。皆も疲れただろう?戻って休もう」
皆その言葉に頷いて、私達は教室に戻った
花のパヴァーヌ編一章を飛ばしてエデン条約編を進めて良いか(パヴァーヌ編は一回飛ばすことになったらエデン条約編の後に一章、二章と続けてやります)
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だめです!!!!!!!!!!!!
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いいよ!!!!!!!!!!!!
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本編の順番通りがいい!!!!!!!!!