シャーレの先生だ、よろしく頼む   作:桜花=サン

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やらかしてる…

 

「前方、半径10km内にて爆発を検知、近いです!」

 

アヤネがそう報告してくる

 

「半径10km内……?!市街地じゃないか」

 

市民に被害が出たりしていないだろうか

 

「衝撃波の形状からすると、C4爆弾の連鎖反応かと思われます!砲撃や爆撃ではないですね……もう少し確認してみます…!爆発地点確認……市街地です、正確な場所は…」

 

この規模の爆発…何だ…?

襲撃か?にしてはどうして市街地に………

 

「……柴関ラーメン!?柴関ラーメンが跡形もなく消えてしまいました!」

 

「ど、どういう事!?どうしてあの店が狙われるのよ!」

 

……大将は無事だろうか。店は大変だがなんとかやり直す事も可能だろう。しかし、本人が…

 

「……考えていても仕方無いか。…皆、現場に向かうぞ!」

 

「ホシノ先輩へは私から連絡しておきます!」

 

「頼んだアヤネ!対策委員会、出動!」

 

「た、大将…無事でいて……!」

 

皆で学校を飛び出て柴関ラーメンへ走り出した

数分走り、辿り着いた柴関ラーメン

 

「……文字通り、跡形も無いな」

 

未だに砂埃が立ち込め、周囲が見えにくい

 

「大将は……居た。良かった、気絶はしているが…軽症だな。シロコ!」

 

「ん、近くのシェルターに運ぶ」

 

シロコが大将を抱えてシェルターに向かった

さて、犯人だが………

あぁ、私の思い違いであって欲しかったが……

爆発の中央、砂煙の中に4人、人影が見えた

 

「便利屋68…」

 

アルとハルカはパニック、ムツキはそんなアルをからかって楽しんでいて、カヨコは呆れている

……ハルカの暴走を抑えきれなかった、と言った所か。出来る限り便利屋については穏当に済ませたいものだと思っていたが…

 

「アル、いや、便利屋68。お説教だ」

 

「せ、先生…!?アビドスも…!」

 

「あなた達………絶対に許さない!」

 

流石に、超えてはいけないラインがある

恩人だろうと、憧れの人だろうと、今の私は先生だ

間違った事をした生徒は叱らなければ

セリカも激怒していた

それはそうだろう。恩を仇で返す…でも言い表せない所業だ

 

「そ、そうよ!これで分かったでしょう!アビドス!か、かかってきなさいよ!!!」

 

アルも焦っているのかそんな言葉を掛けてくる

もうどうしたら良いのか分からずに言葉を吐いているのだろう

 

「アロナ」

 

『はい!先生!』

 

「指揮を始めよう、行くぞ、皆!」

 

「「「「了解!」」」」

 

そうして、便利屋68との戦闘が始まった

 

「セリカ、気持ちは分かるが、今は無闇に突撃するのは良くない。深呼吸して、気持ちを落ち着けて」

 

「すー……はぁ………うん、分かってる、先生。ちゃんと指示通り動くから」

 

「あぁ、よろしく頼む」

 

さて、とは言ってもしっかりと考えて動かなければ負けかねない。今はホシノも居ないのだ。慎重にならなくては

 

「先生、便利屋68の後方、増援です。また傭兵を雇ったようで…」

 

「先にそっちを処理しよう。数が居ると厄介だ。アルの狙撃とムツキの爆破に気をつけて」

 

シロコ達に指示を出しつつ、周囲を見渡す

……嫌な予感がする。誰かに見られているような…

十分な警戒をしつつ戦わなければいけないか…

 

「ノノミ、視界を!」

 

「分かりました〜!」

 

ノノミのミニガンにより砂煙を起こして視界を遮断してもらう

単純だが、各個撃破には効果的だ

 

「シロコ、セリカ!」

 

「ん!」

 

「どりゃぁぁぁっ!」

 

一人、また一人と昏倒させ、無力化させていく

ここまでは良い…しかし、困ったな

ホシノが居ないので、敵の視線集めと耐久が難しい

以前はホシノに足止めを頼んでいたハルカも自由に動けてしまう

 

「ノノミ、狙われてるぞ。一度身を隠せ」

 

「はい!」

 

アルの狙撃が厄介だ。身を隠しつつ戦う必要がある

……そう簡単にはいかないか

丁度、シロコが最後の傭兵を気絶させたようだ

残りは便利屋だけ…なのだが…

ジリ貧だな。此方は攻めきれないし、相手も攻めきれていない

待て、なんだこの音は…?近付いて………!

 

『先生!砲弾が!』

 

アロナがそう警告してくる

 

「皆、下がれ!」

 

シロコ達にそう指示を出し、衝撃から身を守るために遮蔽に身を隠す

次の瞬間、爆発音が響き渡り、再び砂煙で視界が塞がれる

 

「アロナ、シロコ達は?」

 

『大丈夫です!私達を狙った砲撃ではなく…便利屋68の皆さんを狙った砲撃だったので、先生の撤退指示も相まって無傷です』

 

「便利屋68を……まさか」

 

「先生、ご無事ですか!?先程、3km先に砲撃部隊を発見しました…!50mm迫撃砲……ゲヘナの風紀委員会です…!!」

 

「……………」

 

風紀委員会…か。第一に思い浮かぶのは…風紀委員長、空崎ヒナ

彼女とは……微妙な関係だった

私は彼女を撃ったし、彼女の大切なものも撃った

時間が経ち、私が大人になった後、私がシャーレに居る時も先生に会いに来たりしていて鉢合わせる事があったが…お互い、必要な連絡以外話さないし、軽く会釈する程度

先生の手伝いに共に赴いた事も多くある

彼女が露払いをして注意を引き付け、私がその隙にこっそり攻め入って指揮官を叩く

連携といえば連携だろうが………

正直、気まずい関係と言わざるを得なかった

謝罪は勿論した。自己満足…と言われればそれまでだが…私の謝罪を、彼女は「…そう。先生が許しているのなら、良いわ」と受け取ってくれた

その後も特に変わることも無く、お互いに殆ど不干渉を貫いていた

 

「ん、先生…何が起こってるの?」

 

後退し、戻ってきたシロコがそう呼びかけてきたので、思考を現実へ引き戻す

 

「ゲヘナの治安維持組織、風紀委員会が来た。恐らく、便利屋を捕まえに来たのだろう…アビドス自治区にまでやって来るとは……」

 

セリカとノノミも戻ってきたようだ

 

「便利屋は私達の獲物だってのに!」

 

「ですが、風紀委員会と争うと…政治的な問題になる可能性すらあります…アヤネちゃん、ホシノ先輩にはまだ連絡がつきませんか?」

 

「……駄目です、普段ならここまで連絡がつかない事は無いはずなのに……」

 

ホシノは無事だろうか。この状況だ、少々不安になる

 

「この状況、私達はどうすれば……」

 

「…一つの……手段として…便利屋をこのまま風紀委員会に引き渡す…という手もある。その場合、便利屋はゲヘナで、然るべき罰を受けるだろう」

 

「……」

 

正直、あまり気乗りはしないだろう

一番問題にならないのが、これだ。というだけ

私達は怪我をしない。便利屋は捕まる。政治的な問題も起こらない

 

「……他に選択肢は無い。風紀委員会を阻止する」

 

「シロコちゃん!?」

 

「………その通りです、風紀委員会が私達の自治区で戦術的行動をしたという事は、政治的紛争が発生するという事。便利屋の皆さんが悪い事をしたのは事実です。ですが、他の学園の風紀委員会が私達の許可もなく、こんな暴挙を執行しても良いという意味ではありません」

 

「そうよ!便利屋は私達が罰するんだから!」

 

「…そうだな、分かった。よし…皆、気を引き締めて。相手はさっきの比じゃない数だ。そして、便利屋並の精鋭も居るだろう。だが、ここはアビドスの自治区だ。これ以上好き勝手はさせない。それで良いんだな?」

 

私の言葉にシロコ達が頷いた

 

「うん、良い目だ。じゃあ行こうか」

 

『風紀委員会のデータを表示します!』

 

「助かる、アロナ」

 

あの空崎ヒナが、こんな判断を下すだろうか?

姿は見えていないが……

いや、今は眼の前の事に集中だな

 

「さて、指揮を再開しよう」

花のパヴァーヌ編一章を飛ばしてエデン条約編を進めて良いか(パヴァーヌ編は一回飛ばすことになったらエデン条約編の後に一章、二章と続けてやります)

  • だめです!!!!!!!!!!!!
  • いいよ!!!!!!!!!!!!
  • 本編の順番通りがいい!!!!!!!!!
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