シャーレの先生だ、よろしく頼む   作:桜花=サン

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のんびり休日

 

睡眠から覚め、目を開ける

 

『あ、先生!おはようございます!今日はお仕事お休みの日ですよ!』

 

アロナが元気にそう教えてくれた

 

「休日……か。ふむ…何をしようか」

 

取り敢えず外へ出る支度だけでもしておこうとベッドから動こうとすると、足が痛む

 

「……歩けない程じゃないな。よし」

 

私はそのまま歩を進め、支度を終わらせた

 

「さて、と…正直、やる事が無いな。書類仕事の手伝いでもしようか」

 

『えっ!先生、お休みなのに働くんですか?』

 

「働く…というよりは暇つぶしだ。アビドスの皆も今日はゆっくりしているだろうからな」

 

仕事部屋に到着し、椅子に座る

私が知っているシャーレの先生は色んな所を飛び回って忙しそうだったのだが、今の私はアビドスの5人、便利屋の4人、風紀委員会…は微妙だな。あとはヒフミ、ワカモぐらいしか会った生徒が居ない

私も、先生のように皆に信頼される人になりたいものだな

そう思いつつ書類を処理していくと……

自動ドアが開き、誰かが入ってくる

 

「ん、先生、私が来た」

 

「…何処ぞのヒーローみたいなセリフだな、シロコ。おはよう」

 

シロコがシャーレまでやって来た

 

「今日はお休みだってモモトークで言ってたのにどうして仕事してるの?」

 

「やる事が無くて暇だったんだ。折角なら仕事を処理していた方が良いだろう?」

 

「わーかーほりっくってやつじゃない?」

 

「さ、流石にそこまでじゃない…と、思いたいが」

 

どうなのだろうか。仕事がしたい…というわけではないと思うが…

 

「それで、わざわざシャーレにまで来て、シロコはどうしたんだ?困り事でもあったか?」

 

私の質問にシロコは首を横に振る

 

「ん、遊びに来ただけ。私も暇だったから」

 

「そうか。では少し待ってくれ、あと数枚書類仕事を終わらせるから」

 

ペンを走らせていると、私の視界の端をシロコがうろちょろし始める

 

「し、シロコ?ちょっと…集中できないんだが…」

 

「ん、頑張って」

 

どうやらやめる気は無いらしい

諦めて再びペンを走らせていると…私の頭にシロコの頭が乗せられる

 

「シロコ……もうちょっとで終わるから…そこの椅子で待っててくれないか?」

 

「んー」

 

「だめか…」

 

仕方が無いのでそのままの状態で仕事を終わらせた

 

「よし、終わりだな。ほら、離れてくれないと私が動けないぞ」

 

「ん、わかった」

 

シロコが離れ、頭が軽くなる

 

「さて、何をしようか……シロコは何かやりたい事とかあるか?」

 

「何も考えてなかった。うーん…」

 

「そ、そうか…」

 

元の世界のシャーレは、先生が用意していたおもちゃなどの楽しめる物が多く置いてあったのだが、私はまだ用意しきれていない

トランプなどは購入してあるが…

そう悩んでいるとシロコが提案してきた

 

「ん、先生。あっち向いてホイしよう」

 

「なるほど?勿論良いが…」

 

「ん、負けた方が、勝った方を膝枕する」

 

「それが目的か…」

 

シロコは闘志に燃えていた

も、モチベーションが高いな……

 

「ん、絶対に勝つ」

 

「じゃんけんか…あまり良い思い出は無いが…」

 

じゃんけんにおいてスクワッドの中で一番弱かったのが私だ。なんなら姫には65連敗して一度も勝てていない

 

「いくよ、先生」

 

「あぁ、今回こそは勝ってみせる…!」

 

「「最初はグー、じゃん、けん、ポン!」」

 

私がパーでシロコがチョキ

負けました

 

「あっち向いてホイ!」

 

シロコが下を指して私も下を向いた

負けました

 

「先生、本当に弱いんだね」

 

「ぐっっっっ」

 

凄く効いた。運が無いな…私は……

 

「し、シロコ、3回勝負にしないか?先に3回勝った方の勝ちで…」

 

「わかった、いいよ」

 

情けをかけてもらい、再戦する

 

「「最初はグー、じゃん、けん、ポン!」」

 

数分後

 

「シロコ、その、ぐりぐりするのやめてくれ、くすぐったいから……」

 

私はシロコの頭を膝に乗せ、そう言葉をかけていた

 

「でも先生負けたから、仕方無い」

 

「ぐっっっっっ」

 

負けました。あいこすら無く、あっち向いてホイも外す事無く、ストレートで

 

「はぁ…シロコ、強すぎるんじゃないか?視線で何を出すか分かるとかそういう特殊能力でも…」

 

「ん、私が強いんじゃなくて先生が弱い。あと、視線は仮面で見えてない」

 

「ぐっっっっっっっっ」

 

もはや私の方が特殊能力を持ってるんじゃないか?

絶対にじゃんけんで負けるみたいな……

私がじゃんけんで互角なのはヒヨリぐらいだ

いや、なんならヒヨリにも若干負け越している

 

「むふー」

 

「…ご満悦だな。心地良いか?」

 

「ん、最高」

 

「ふふ、そうか。なら良いさ」

 

負けたかいがあったというものだ

そうして、ゆっくり過ごしていると…

またドアが開いて、誰かが入ってきた

 

「先生、お邪魔致しま───」

 

ワカモだ。ワカモがドアを閉め、シロコに膝枕をしている私と膝枕されてご満悦のシロコを視界に入れると、フリーズした

 

「……?どうした?ワカモ?」

 

「ん、先生、知り合い?」

 

「あぁ、私の生徒で、友人だ」

 

そうシロコと話していると、ワカモが再起動した

 

「せ、先客が居たのですね…ど、どういう状況でしょうか?」

 

「ん、膝枕してもらってるだけ」

 

「あぁ、あっち向いてホイで負けたからな」

 

「あっち向いてホイで負けたから膝枕…?」

 

確かに文章だけで聞くとよく分からないな

 

「ワカモもするか?膝枕」

 

「ん!?」

 

「い、いいのですか?」

 

シロコがまた私の太ももにしがみついてブンブンと横に首を振る

 

「まだダメ、もう少し」

 

「……だそうだ。すまない、もう少し待ってくれ」

 

「え、えぇ…良いですけど……」

 

すると、シロコが良い事を思いついたとばかりに私に提案をしてくる

 

「ん、私もあっち向いてホイで膝枕を勝ち取ったから、あの人もあっち向いてホイで膝枕を勝ち取るべき」

 

「な、なるほど?」

 

「先生と、ですか?」

 

と、いうことで、ワカモとあっち向いてホイをして…

 

「ど、どうだ?硬すぎたりで寝心地悪くないか?」

 

「いえ…これは……良いですね…」

 

負けました。またストレートで三連敗だ

……結構悲しい

そうして、3人で休日を過ごしたのだった

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