シャーレの先生だ、よろしく頼む   作:桜花=サン

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キヴォトスで起こっている事

 

少々歩き、到着したサンクトゥムタワー

リンに言われるがまま中へ入り、エレベーターに乗り込んだ

エレベーターが稼働し、上へとドンドン上昇していく。体に重力が掛かっているのが普段以上によくわかった

そうか、やはり…私はもう生徒では無く、ヘイローも無い。【このキヴォトス】の外から来た、大人

………腹の辺りに銃弾が一発を当たるだけで死にかねない、先生…なんだな

アリウス分校、アリウス自治区……………

私は、困っている生徒を皆平等に…救わねばいけないのに…姫、ミサキ、ヒヨリ、アズサ……

そして…『私』

彼女らを救う方法を考え始めてしまっている

…自分勝手な先生だ。きっと、時間も足りなくなるだろう。だが、私は…それでも───

 

「───生…?先生、大丈夫ですか?」

 

思考に耽っていると、リンが此方を見ていた

 

「あぁ、すまない。少々考え事をしていた」

 

「そうなのですね、随分と、悩ましそうな雰囲気をして居たので…どうかなされたのかと思いまして」

 

「個人的なものだ、気にしなくていい。しかし、心配はありがたく受け取ろう。感謝する」

 

笑顔を浮かべた方が良いのか?と思いつつそういえば私は仮面をしていた事を思い出す

これでは表情なんて見える筈が無い

 

「い、いえ……あっ、そろそろ着きます」

 

一旦外すか?などと思っていると

エレベーターのドアが開き、部屋に入ると…

 

「見つけたわよ!代行!連邦生徒会長を呼んできて!」

 

「お待ちしていました、首席行政官」

 

「風紀委員長が今の状況について、納得のいく説明を……と…」

 

そう声を掛けてきた彼女ら

三人共、見覚えがある

一人目の生徒、ミレニアムサイエンススクールのセミナー所属、早瀬ユウカ

彼女は以前、シャーレでその姿を見かけた事がある

先生も彼女にはタジタジだった

そんな先生の姿を見ることが少なかった私は、少々驚いた覚えがある

直接話した事は、あまり無いが…

二人目の生徒、トリニティ総合学園の正義実現委員会所属、羽川ハスミ

彼女とは……私達がエデン条約を襲撃した時に、相対した事がある

彼女の狙撃の精度は素晴らしいもので、正義実現委員会の委員長との連携には一切の隙が無かった

三人目の生徒、ゲヘナ学園の風紀委員会所属、火宮チナツ

彼女も…エデン条約襲撃の際に居たのを記憶している

先生と混浴した………等という根も葉もない噂が稀に耳に入ってくる事があったが…いや、考えるのは止めておこう…

そう目の前の彼女達の事を思い出しているとリンが口を開いた

 

「皆さんが来たのは…各自治区で起こっている混乱の事で…ですよね?」

 

「そう!何千もの自治区が混乱に陥っているのよ!この前なんか、うちの学校の風力発電所がシャットダウンしたり…!」

 

他の皆も事情を説明しているユウカに続いた

 

「連邦矯正局で停学中の生徒が、数名抜け出したとの情報もあります」

 

チナツが言う停学中の生徒…七囚人の事だろうか

確かそのうちの数名とは会ったことがある

 

「スケバンのような不良達が、登校中のうちの生徒を襲う頻度も格段に高くなり、治安維持が難しくなっています」

 

あまり聞き覚えのない声。目線を向けると、軽く会釈した彼女は確か、トリニティ総合学園の自警団、守月スズミ

彼女とはあまり会ったことが無い。私がトリニティ自治区に近寄る事はほぼ無く、シャーレでも見かけた事は1、2回程度のものだろう

アリウスに居た頃、トリニティの戦力についての資料でその名前は見かけた事はある

エデン条約の時は、恐らく色んな場所を駆け回っていた事だろう

 

「戦車やヘリコプター等、出所の分からない武器の不正流通が2000%も増加しています。これでは、正常な学園生活に支障が生じます」

 

ハスミの言葉に少々驚く

に、2000%……ある時期を境に、アリウスに色々増えたが…そんなにだとは思っていなかった

 

「こんな状況で連邦生徒会長は何をしているの?どうして何週間も姿を見せないの?今すぐ会わせて!」

 

そうユウカがリンに詰め寄っているが、恐らくこの世界でも…

 

「………連邦生徒会長は……今、席に居ません。いえ、正確には…行方不明になりました」

 

「え…!?」

 

「…………!!」

 

「…やはりあの噂は…」

 

どうやら、私が居た世界と同じく、連邦生徒会長は行方不明となっていたらしい

もしかしたらこの世界では……とは思っていたが、私が居た世界と同じ道を歩んでいたらしい

この世界の変数は……前の世界の事を覚えている私

考えて……動かねばいけない

 

「結論から言うと、今の連邦生徒会は行政制御権を失った状態です。認証を迂回できる方法を探していましたが、先程までそのような方法は見つかっていませんでした」

 

先程まで……か

 

「今は、方法があるという事ですか?」

 

「はい。この先生が、フィクサーになってくれる筈です」

 

「………私か?」

 

正直、ここで振られるとは思っていなかった

【フィクサー】、調停する人…

生徒を守る過程に確かにそれは含まれているのだろう

 

「ちょっと待って。そういえばこの先生はいったいどなた?どうしてここに居るの?」

 

「キヴォトスではない所から来た方のようですが…先生だったのですね」

 

ユウカの疑問は当然だ

どうしてここに居るのか……私は先生として皆を守るため…と感じているが、ユウカが求めているのはそういう答えでは無いだろう

ハスミにはコクリと頷いておく

キヴォトスではない所…というかこのキヴォトスではない所、だが…わざわざ訂正してややこしくしたくないし、する必要もないだろう

 

 

そうして、次々と話は続き……

 

「どうして私達が不良達と戦わないといけないわけ!?」

 

ユウカがそう叫んでいる

とある事情でD.U.外郭地区、シャーレの建物付近の戦場に私達は来ていた

花のパヴァーヌ編一章を飛ばしてエデン条約編を進めて良いか(パヴァーヌ編は一回飛ばすことになったらエデン条約編の後に一章、二章と続けてやります)

  • だめです!!!!!!!!!!!!
  • いいよ!!!!!!!!!!!!
  • 本編の順番通りがいい!!!!!!!!!
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