シャーレの先生だ、よろしく頼む   作:桜花=サン

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参戦、指名手配犯!

 

ドガァァァァァァァァン!と響き渡る巨大な爆発音と、ズドドドドドドと連続して響く少し小さめの爆発音

 

「何!?」

 

『北の方で、巨大な爆発が!合流予定の小隊も巻き込まれ…ぐわぁっ!』

 

『南の方角で大量に爆発が……!あの廃墟のビル……!こっちに!うわぁぁぁぁぁっ!』

 

南の方角に存在する廃墟のビルが爆発によって倒壊し、兵士達を下敷きにしたようだ

少々離れた場所の私達にも振動が伝わる

 

「よく吠えたわね!先生!」

 

そんな声と共に包囲の一角を突破し、やって来たのは……

 

「目には目を、歯には歯を。無慈悲に孤高に、我が道の如く魔境を行く…それがあなた達、覆面水着団のモットーじゃ無かったのかしら!」

 

「便利屋68!」

 

思わず歓喜の色が隠しきれない声を上げてしまう

来てくれたのか…!

 

「何をすれば良いのか、どうすれば良いのかも分からない。やる事なす事、全部失敗に終わる…ここを潜り抜けた所で、この先にも逆境と苦難しか無い…」

 

アルはアビドスの皆に力強く言葉を掛ける

 

「だから何なのよっ!!!」

 

「え、えっ…」

 

アヤネが困惑したような声を上げる

 

「仲間が危機に瀕しているんでしょう!?それなのに、下らないことばっかり考えて、全部奪われてそれで納得できるわけ!?あなた達は、そんな情けない集団だったのかしら!」

 

「いやいや、アルちゃんその辺で勘弁してあげなよ〜メガネっ娘ちゃんは繊細なんだから、こういう時もあるって」

 

アルにそう言うムツキ

 

「それにしても、私の可愛いメガネっ娘ちゃんを悲しませた罪は重いよ?だからもうこれは───ブッ殺すしか無いよね!!!」

 

「フフ、フフフフフフフフフ……アル様、準備はできています。仕込んだ爆薬もまだまだ沢山ありますので……!」

 

「はぁ…風紀委員会を相手する時に使う予定の戦術だったけど、まぁ…予行練習って事にしておこうか」

 

口々にそう述べる便利屋の面々

アルは堂々と仁王立ちし、コートを靡かせる

 

「目を開けなさい。腑抜けた状態のあなた達に真のアウトローの戦い方を見せてあげる……ハルカ」

 

「はいっ!」

 

アルが指をパチンと弾くと、周囲に再び爆発が多数発生する

 

「あはははっ!さぁ!今こそ協業の時よ!合わせられるわよね!先生!」

 

アルに振り向きざまにそう問われる

最高に格好良い、いつか私の憧れたアウトロー、便利屋68の社長…陸八魔アルの姿がそこにあった

私の心の奥底に残存していた迷いなんてもう跡形もなく吹き飛んで、思わず口角が上がる

 

「……ハハ!当然だ!任せろ、便利屋68!」

 

シッテムの箱を起動し、指揮を開始する

 

「まずは雑魚散らしから始めようか!」

 

「「「「了解!」」」」

 

ムツキとハルカが仕掛けた爆弾を次々に炸裂させ、数をどんどん減らしていく

 

「そういえば…」

 

「どうしたの?先生?」

 

ふと言葉を漏らすと、隣で敵兵を持ち前のスナイパーライフルの技術で正確に撃ち抜くアルがそう聞いてくる

 

「いや、あの廃墟のビルもアル達が?と思って」

 

「え?なにそれ」

 

「うん?」

 

アルは知らないらしい

ハルカかムツキの独断……?

それとも───

 

「先生、そろそろ爆弾切れるよ〜!」

 

「そうか、分かった。一旦──」

 

次の指示を出そうとした瞬間

ドガガガガガガガガガガァン!とさっきよりも近くで爆発音が響く

取り壊し予定のビルが倒壊し、迫りくる敵を押し潰す

轟音と砂煙の中、とある生徒が歩いて来た

 

「うふふふふふふふふ♡久々の破壊活動は格別ですねぇ?」

 

「……ワカモ!?」

 

私の声に反応し、チラリと此方を向くと、演技がかった身振り手振りで喋りだす

 

「……あら先生?見つかってしまいましたねぇ。こっそりと趣味を存分に堪能しようと、こうした辺境の地まで足を運んだといいますのに…」

 

なるほど…此方を気遣ってくれているのか

 

「…今は少々対応できる余裕が無い。多少の破壊活動は見逃してしまうかもしれないな」

 

「あら♡ならば存分に…愉しませてもらうとしましょうか!」

 

そう言いつつ、ワカモは敵陣へと突撃して行った

そんな光景を見ていたアルが呟く

 

「あ、あれ…七囚人の『災厄の狐』じゃない…なんでこんな所に……」

 

「…趣味を楽しんでいるのだろう。相手する余裕も無いし、カイザーを蹴散らしてくれるのは好都合だ。さぁ、私達も気合を入れるぞ!アル!」

 

「わ、分かってるわよ!な、なんか先生テンション高くないかしら…?!」

 

「ハハハ、鬱憤を晴らせて気分が清々しくてな!」

 

これでテンションを上げるなと言う方が無理だろう

そうして稀に起こる爆発により倒壊するビルにも気をつけつつ、次々に兵士の数を減らし、そして…

 

 

「雑兵も粗方蹴散らした。もう残りはお前だけだぞ。カイザーの理事」

 

護身用の拳銃を向けつつ、追い詰めた理事を見据える

 

「ぐ…ぐぅっ…!貴様ら…飼い犬の分際でよくも…!それに、偶然現れた『災厄の狐』が暴れているだと?ふざけるな!」

 

「うるさいわね!そんなの知ったこっちゃないわ!あなたなんかより先生の方が一緒に仕事しやすかったというだけの話よ!」

 

喧しい理事にアルはそう返答した

 

「雇い主を裏切るなんて悪党としては鉄板でしょ〜?」

 

そうしていると、シロコ達が近寄ってきた

 

「……確かに、悪党としては正解」

 

「……お陰様で目が覚めました。私達は今、こうして迷っている暇はありません」

 

「そうよ!今大事なのは、ホシノ先輩を助けるって事だけ!!!面倒な事はもうどうでもいいわ!」

 

皆も大切な事に気づけたようだ

セリカの言葉に私も頷く

 

「セリカの言う通り、簡単な話だとも」

 

視界の端で、理事が動いたのが見えた

 

「貴様さえっ…!」

 

図体の割には俊敏だな

腕を振りかぶり、私を殴ろうと迫る

少々気が緩んだタイミングだったのか、突然の事に皆反応が遅れていた

 

「「「「先生!!!」」」」

 

「とうとうヤケクソになったか?」

 

振り下ろされる腕を掴み、勢いのまま背負投げの要領で地面に理事を叩きつける

 

「ガッ!?」

 

「ふんッ!」

 

物凄い勢いで地面へ叩きつけられ、弾んだ理事の腹部へ即座に全力の蹴りを放ち、吹き飛ばす

奴の装甲は固く、思いっきり蹴りを叩きつけた私の足にも激痛が走ったが、確かに何かを砕く程度の手応えはあった

痛みには慣れているし、骨も…よし、折れていない。ならば実質ノーダメージだ

地面へ倒れ伏す理事へと近づき、動けないように腕を踏みつつ頭部へ拳銃を突き付ける

 

「……よくも、私の大事な生徒を。ホシノは絶対に返してもらうからな」

 

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