シャーレの先生だ、よろしく頼む   作:桜花=サン

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ホシノ奪還作戦

 

そして、アビドスへと帰ってきた

 

「さて……皆、準備は良いな?」

 

校門で待機していた皆が頷く

 

「ん、準備完了」

 

「補給も十分!おやつもたくさん入れておきました!」

 

「こっちも準備できてるわ!睡眠もしっかり取ったし、お腹もいっぱい!どっからでもかかってきなさい!って感じ!」

 

「よし、それは何よりだ。アヤネ」

 

「はい。アビドスの古い地図を最新版に更新しておきました。先生の情報通りなら、ホシノ先輩はカイザーPMCの第51地区の中央辺りに居る筈です」

 

「罠の可能性が無くも無い。しっかりと気を引き締めて行こうか」

 

「はい!一番安全なルートで案内します!」

 

さぁ、カイザー、覚悟しろ。自らが存在している事さえ後悔させてやろう

口角を上げ、私は声を張る

 

「さぁ!行こうか対策委員会!『ホシノ奪還作戦』開始だ!」

 

「「「「了解!」」」」

 

そうして私達は学校を出発したのだった

 

─────────────────────

 

ズダダダダダダと銃声が鳴り響く

 

「シロコ!セリカ!前線を押し上げろ!遮蔽物を上手く使え!右方向、敵が3人潜んでる!」

 

「ん、私が行く。セリカ、ちょっと任せた」

 

「おっけー!任せて!」

 

そうしてシロコが飛び出していき、銃声と共に敵兵の悲鳴が聞こえた

 

「ノノミ!そのまま撃ち続けてくれ!」

 

「は〜い!」

 

『先生!北方から大量の兵士が接近中です!』

 

アロナがそう報告してくる

 

「北方は大丈夫だ。彼女達に任せておいたからな」

 

「先生が言っていた協力者の方ですか?」

 

アヤネがそう聞いてくるので、返事をする

 

「あぁ。無敵の風紀委員長達にな」

 

瞬間、北方から物凄い音が聞こえてくる

爆発音に、敵兵の悲鳴。そして、彼女の銃から放たれているのであろう銃声

終幕:デストロイヤー。破壊の名を冠するだけの事はある

 

「今のうちにさっさと進んでしまおうか」

 

「ん、前進する」

 

そうして拠点内部へと進行していき…

 

「シロコ、ドローンを。セリカ、あそこのスナイパー、狙えるか?」

 

「ん、了解」

 

「任せなさい……!」

 

セリカがしっかりと狙いをつけ、弾丸を敵の頭部へ命中させる

シロコのドローンのミサイルによる爆撃で敵兵は少々怯んだが、それでも此方へ近付いてくる

 

「ごめんなさい先生!そろそろリロードです!」

 

そう言ってノノミは遮蔽に隠れ、ミニガンのリロード作業に入る

 

「内部では流石に処理が増援に追いつかないか…!」

 

『南方向から更に増援!先生!そろそろ囲まれてしまいます!』

 

「南方向か…!一点集中で突破を───!」

 

「先生!何かが飛来して来ています!伏せて!」

 

耳を澄ますと、銃撃の音以外に、ヒュルルルルという何かが落下してくる音が聞こえる

複数個聞こえるそれは地面へ着弾し、大爆発を巻き起こしつつカイザー兵を一掃した

 

「L118、トリニティの牽引式榴弾砲です!一体どうして…」

 

「最高のタイミングだな」

 

私が連絡を送った生徒の1人、阿慈谷ヒフ───

 

『な、なんとか間に合ったみたいですね…!』

 

通信にて姿を見せたのは紙袋を被った…

ファウスト姿のヒフミだった

 

「あれ、ヒフ…」

 

『ち、違います!私はヒフミではなく、ファウストです!この牽引式榴弾砲ですが、トリニティとは一切関係はありません!射撃を担当している皆さんにもそう伝えておいています。す、すみません…これぐらいしかお役に立てず…』

 

「ううん、凄く助かった。ありがとう」

 

「あぁ。感謝する、ヒフミ」

 

「あ、あはは…それは良かったです…で、では、皆さん。頑張ってください…!」

 

かなりの数の兵士が戦闘不能にまで追い込まれた

 

「さぁ、進もうか。もう少しで辿り着ける!」

 

皆も頷き、私達は再び駆け出した

 

「この先は恐らく、カイザーがバリケードを作っているかと!更に防衛する為の建造物も沢山建っていますので、急いで突破を…!」

 

「それも大丈夫だ」

 

前方にて巨大な爆発が何回も起こる

兵士も建物も防壁もバリケードも全てを巻き込み、そこら一帯は瓦礫の山と化した

 

「うふふふふふ!あはははははは!破壊!略奪!蹂躙!最高です!!!ほぉら!まだまだ爆薬はございます!もっともっと楽しませて下さいまし!まぁ、貴方達が溜め込んでいたものですけれど!うふふふふふ!!!さぁさぁさぁ!存分に!!!近頃我慢していた私の衝動!受け止めてくださいまし!!!」

 

爆発音と共に響くそんな嗤い声

私が連絡を送った生徒その2、狐坂ワカモだ

爆発、爆発、爆発、破壊、破壊、破壊

抵抗する間も無く、兵士達も巻き込まれて吹き飛ぶ

逃げ惑う兵士もワカモが瓦礫の山から拾った様々な武器による攻撃により全員沈められていく

『災厄の狐』の本領発揮…と言った所だろうか

次から次へと建物は瓦礫と化し、溜め込んでいた武装は全てワカモに使われる

 

「う、うわぁ……アレ、大丈夫なの?」

 

「…………大丈夫じゃないかもしれない」

 

思わずそんな言葉を漏らしてしまう

まさかここまでやるとは。ワカモが暴れるのに最適な環境過ぎたな、ここは

 

「まぁ……カイザーだし、良いだろう。よし、爆発に気をつけながら進もうか」

 

「う、うん…」

 

流石のシロコも若干引いていた

 

そうして更に更に先へと進み、もう目の前…といった所で…

 

「敵の増援多数!この数…恐らく今動ける全兵力が此処に!総力戦に持ち込むつもりです!」

 

「彼女はそこの実験室にいる。助けたければ、私達を振り切って行くと良い」

 

カイザーの理事の声が響く

 

「君達にそれが出来ればの話だが」

 

いつも通り、足音と共にカイザーの理事が現れた

 

「理事…!」

 

その後ろには、大量の兵士達

少々骨が折れるが…私達の目的は何もカイザーを全滅させることではない

ホシノの救出が私達の勝利条件

シロコもそれを理解しているのか、口を開きかける

 

「ここは私に───」

 

すると、敵軍の中央部分で爆発が巻き起こった

 

「ま、またですか!?今度は…」

 

アヤネが辺りを見渡すと…

 

「じゃ〜ん!やっほ〜!」

 

「はぁ…」

 

「お、お邪魔します…」

 

「ふん、こっそりと手助けしようとしたのだけど、そう上手くはいかなかったみたいね」

 

コートを靡かせ、部下3人を引き連れてそう言いつつクールに登場したのは、陸八魔アル

 

「便利屋68…!」

 

本当に、味方となると頼りになる集団だ!

 

「あんた達…!」

 

「このタイミングに登場…ということは…!」

 

「ん、そういう事だね」

 

本当に丁度いいタイミングに登場してくれた

 

「え、何その期待に満ちた目線」

 

「社長、面倒なことになりそうだし、一度状況を整理して…」

 

止めようとするムツキとカヨコだったが、それより早くアルが口を開いた

 

「ふふふ…勘だけは鈍ってないみたいね、対策委員会。私達がここまで来た理由なんて、決まっているでしょう?」

 

まさか…!言うのか……!あのセリフを………!

不敵な笑みを浮かべつつ、アルは声を張り上げる

 

「此処は私達に任せて先に行きなさい!!!」

 

格好良く宣言したが多分内心では(言っちゃったーーーー!!!!!)とか思っているのだろう

だが、内心がどうであれ、格好良いのは変わらない

私達のため、動いてくれたのは事実なのだから

 

「お前は最高に格好良いアウトローだ!アル!此処は任せたぞ!」

 

「ふふふふふ!さぁ!行くわよ皆!真のアウトローの実力、今こそ見せる時よ!!!」

 

「うっわ、それは惚れちゃうよアルちゃん」

 

「さ、流石ですアル様!い、一生ついていきます!」

 

「はぁ…しょうがないね」

 

そんな事を言いつつ交戦を開始した便利屋68

 

「…もうっ!お礼は言わないけど!色々全部終わったらラーメンでも一緒に食べに行くわよ!便利屋!」

 

「はい!このご恩は必ず!」

 

「ん、ありがと」

 

口々に便利屋へお礼を言うセリカ達

わだかまりも解けて仲良く出来そうで何よりだ

 

「……ホシノはもう目と鼻の先だ!行こう!」

 

アビドスの皆が頷き、私達は実験室へ向かって走り出した

時々妨害が来るも、全て突破して、恐らく実験室に続くのだろう地下への道を発見した

入ろうとすると、弾丸が飛んできた

間一髪躱し、銃を撃った人物を睨みつける

 

「……最後の最後まで、邪魔をする…!」

 

「…それは此方の台詞だ……対策委員会…そしてシャーレの先生………!」

 

カイザーの理事と、恐らくその護衛の兵士二人

カイザーの理事の手には拳銃が握られていた

 

「これまで、ありとあらゆる手段を講じてきた…それでもお前達は、滅びかけの学校に最後まで残り、しつこく粘って、借金を返済しようとして!」

 

肩を震わせながら叫ぶ理事

 

「あれ程懲らしめたのに!徹底的に苦しめたのに!毎日毎日楽しそうに……!!!お前達のせいで、計画がッ!私の計画があぁぁッ!!!!!」

 

「ふざけるな!」

 

そんな言葉が自然と口から出る

駄目だ。一発殴らなければ気が済まない

 

「………皆、先にホシノを助けに行っていてくれ。こんな奴に時間を使っている暇は無いからな。私は…あいつを処理して合流する。ホシノが居なかったら、すぐ戻ってきてくれ。別の場所を捜索する」

 

皆にそう伝える

 

「皆も怒りをぶつけたいだろうに、すまない。我儘な先生で」

 

「……ん」

 

「だ、大丈夫なの!?」

 

「せ、先生……」

 

「…皆さん、急ぎましょう…!」

 

アヤネが駆け出していき、それに続いて残りの3人も駆け出した

 

「させると──」

 

指示を出そうとする理事の頭部を拳銃で撃ち抜く

 

「戦場で余所見とは余裕だな!カイザー理事!」

 

「貴様ァ……!」

 

護衛2人のアサルトライフルに、カイザー理事の拳銃。3つの銃口が私に向けられる

未熟な先生ですまないな。こんな事に…使うのは大人としても、戦術的な意味でも駄目なんだろうが、私は………

 

"大人のカードを取り出す"

 

せめて、代償は最低限にさせて貰おうか

 

「5秒で終わらせる。力を返せ、私の仮面」

 

瞬間、仮面は光の粒子と化して弾け飛んだ

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