シャーレの先生だ、よろしく頼む   作:桜花=サン

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再会

 

私とツルギは町中を歩いて行く

 

「…改めて、ご協力感謝します、先生」

 

歩きつつ、そう礼を言われた

 

「先生として当然だ。かなり独断で動いてしまったからな、こちらとしては申し訳無い」

 

「…いえ、私も向かっていましたし、解決自体はできたでしょうが…その、私では怖がらせてしまいますから」

 

確かに、突然爆音と共にツルギが壁を粉砕しつつ入り込んできて犯人もろとも廃墟を破壊した…となるとかなりの恐怖なのは頷けるが…

ツルギは私が思っていたよりかなり冷静だ。恐らく戦闘狂な所も本心なんだろうが、彼女は強靭な理性で正義実現委員会の委員長としてしっかり外敵を威嚇し、秩序を守っている

ヒナも存在が抑止力だったが…トリニティの抑止力はこのツルギなのだろうな

 

「すまない、君に少々誤解したイメージを持っていた事を謝罪しよう。優しいんだな、ツルギは」

 

「………えっ、あっ、はい…!?」

 

私の言葉にわたわたとするツルギ

やっぱり彼女も、一人の少女で、高校生なんだな

 

「ところでツルギ、今は何処に向かっているんだ?」

 

「先程巡回が終わったタイミングなので、この辺りに…」

 

辺りをキョロキョロと見渡すと、目的の生徒を見かけたようで歩いていった

ついていくとそこに居た生徒は、大きな黒羽に私よりも少し大きい背丈の……うん?

その生徒はスイーツ屋のショーケースを真剣な表情でじっと眺めていた

 

「…………」

 

「むむ………!?ツルギ!?いや、これは、違いますよ!決して、食べようなどとは……って、おや?」

 

後ろから冷えた視線を送るツルギに気付いて慌てて弁解する正義実現委員会のNo.2、羽川ハスミ

私が此方に来た時に世話になったな

 

「…シャーレの先生だ。面識があるから、私よりもハスミの方が適しているだろう。では先生、私はこれで…キキ…」

 

そうしてツルギは再び何処かへと行ってしまった

恐らくパトロールの続きだろう

 

「久しぶりだな、ハスミ。元気か?」

 

「お久しぶりです、先生。すこぶる快調ですよ。それで、トリニティに何か用事が?」

 

「あぁ、そうなんだ。初めて来たから、少々早めに来てしまってな。さっきの騒ぎは報告が行っているだろう?少々介入させてもらってな。そこでツルギに会って、此処に連れてきてもらった」

 

初めて来た…というのはこの体じゃ初めてだから嘘にはならない、よな…?

 

「なるほど、報告にあった人質を助け出した謎の仮面の大人…やはり先生の事だったんですね。ツルギから任されましたし、私がトリニティを案内します」

 

適している…というのは何なんだろうと思っていたが、案内の事だったのか

信頼関係の成せる技だろう

 

「ハスミはツルギと仲が良いんだな」

 

「そうですね。長く一緒に居ますし、ツルギは誤解されやすいですから」

 

「ツルギが優しくて良い生徒なのはさっきよく分かった所だ。見かけだけで判断するのは良くないな」

 

「先生なら分かってくれると信じていました」

 

そう言って嬉しそうにするハスミ

そんな会話をしつつ辿り着いたのは…

 

「改めて、ようこそ先生。トリニティ総合学園へ」

 

「やはり壮観だな、トリニティは…」

 

思わず口から出た言葉を誤魔化す

 

「写真や映像で見るよりも実物は迫力が増すものだな…」

 

「ふふ、では校舎も案内しましょう」

 

沢山の生徒達がそれぞれの事をしている

勉強は勿論、お茶会に訓練…会議、お祈り

 

「そして此方が聖堂ですね…と、この辺りで大体の場所は見終わりました」

 

「ありがとうハスミ、私一人だと散策している内に迷ってしまいそうだった」

 

というか確実に迷っていただろう

あと、案内されている途中、色んな生徒に凄く見られていた気がする。ハスミも私も少し大きいから少々目立ったか

 

「お力になれたのなら幸いです。では、私もそろそろパトロールに戻る時間ですので、名残惜しいですが私はこれで…」

 

「あぁ、案内ありがとう、ハスミ」

 

礼を言ってハスミを見送ると、後方から声をかけられた

 

「おや、先生。お久しぶりです」

 

「スズミ、久しぶりだな。元気そうで何よりだ」

 

スズミにも来たばかりの頃世話になった

自警団という事もあり、色んな場所に向かっているらしいので見つけられるか不安だったのだが再び会えて嬉しい

近くにベンチを発見したのでそれを指さしてスズミを呼ぶ

 

「時間はあるか?あるなら少し話そう」

 

「はい、そうですね」

 

その後、トリニティでは最近どういう犯罪が多いのか等や、武装についての話、最近よく聞く曲などの会話をした

 

「有意義な時間でした、先生。ここまで武装に精通しているとは思っていませんでした」

 

「まぁ、少々経験がな…私もトリニティについて知れて何よりだ。ありがとうスズミ」

 

「いえいえ、こちらこそ。ではまた」

 

そうしてスズミもその場を去っていった

時計を見ると…もうそろそろか。時間が流れるのは早いな

私はどうするべきか………そう、私は殆どの事を知っている。ミカの裏切り…エデン条約の真相…だが、元の世界とはもう違う所が出てきている。元の世界の通りに動くとは限らないため、基本後手に回ることになるんだろうな…それでも、私は私の出来ることをしなくては

そんな事を考えつつ私は生徒会室へ向かい……ティーパーティーに会いに歩くのだった

 




実は大人サオリ、健康的な暮らしをし始めてから今更だいぶ身長が伸び、今は177cmあったりします
アリウスの2年生の頃は167cmなので10cmも伸びています
ちなみにハスミは179cmらしいです
でっか…………………羽がね?
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