「お初にお目にかかります、私がティーパーティーのホスト、桐藤ナギサと申します。そしてこちらが、同じくティーパーティーの聖園ミカさんです。改めまして、私達がトリニティの生徒会…ティーパーティーです」
そう挨拶から気品を漂わせる彼女は、桐藤ナギサ
そしてその隣には……聖園ミカ
ティーパーティーが二人揃っていた
ミカとはよく話していたが、ナギサとは全く接点が無く、話した記憶が見当たらない
そして…百合園セイアは…………居ない、か
「これはどうも。既に知っているだろうが、私は連邦捜査部シャーレの先生、月司サラ。よろしく頼む」
そう挨拶すると、ミカが話しかけてきた
「へぇ〜本当に仮面つけてるんだ〜お茶会の席でぐらい外したりはしないの?」
そう簡単に外せれば此方としても色々と楽できるんだが…
「少々事情があってな。この仮面はどうしても外せないんだ。……少し礼を欠く事になってしまうか。すまないな」
これは本当に申し訳無い、礼儀や作法を大事に楽しむもの、と聞いているからな
「いえ、事前に聞き及んでおりますので、お気になさらずとも大丈夫ですよ。ミカさんも、初対面で少し踏み込み過ぎです」
ナギサが場を諌めてくれた
「ううっ、それはまぁ確かに…ごめんね?先生。まぁ、取り敢えずこれからよろしくって事で!」
ミカにそう言われたので頷いて言葉を返す
「気にしていないから大丈夫だ。此方こそよろしく頼む」
「トリニティの外の方がティーパーティーの場に招待されたのは私の記憶では先生が初めてですね」
ふむ、そうだったのか
確かに生徒会だものな、それもそうだ
「それは光栄だな。それで、私をこのティーパーティーの場に招待した理由……聞かせてくれるか?」
「………えぇ、分かりました。実は、先生にお願いしたい事があるのです」
「ええっ!ナギちゃんも先生もいきなりだね、ほら、もうちょっとこうアイスブレイクとか軽い雑談とか要らないの?ティーパーティーって基本的には社交界なんだし?」
ティーパーティーは社交界だったのか
知らなかったな、なら本題に入るのはもう少し後にしたほうが良かったか?
もう少し事前に調べておくべきだったか…
そんな事を考えていると、ナギサがミカをじろりと見ていた
「そんな綺麗な目で睨んでもダメー!これはティーパーティーの在り方に関する事なんだし!」
「…ミカさん、今は一応私がティーパーティーのホストなので私の方法に従ってくださいな」
きっぱり言い放つナギサにミカは口を閉ざした
「むう…」
「…ですが、お客様の前でこのような論争を広げるのもまた、望ましくない姿なのは事実、ここはミカさんの言う通り、話の方向性を変えましょうか」
話を少々別の方向に持っていくか…
「あー、数時間前にトリニティ自治区の市街で誘拐事件があっただろう?自警団の生徒からも最近は少し不良が多いように感じる、と聞いているんだが…」
「おお!先生が話題を変えてくれた!ナギちゃん見た?!あれが大人の話術ってやつだよ!」
そう言うミカをスルーしてナギサは話し出す
「その件は報告が届いております。犯人逮捕に協力してくださったんですよね?ありがとうございます」
「あれ?ナギちゃん無視?というか先生そんな事してたんだね!」
「治安の事は…お恥ずかしい話ですが、最近は少々荒れ気味なようで」
「ナギちゃんが無視した酷い…」
「正義実現委員会の皆さんや、自警団の方々も頑張ってくれている様ですが中々…」
「酷くない?私達結構長い付き合いなのに…こんな事今までは……結構あったかもだけど…」
結構あるのか…
話しているナギサの隣でずっとそう喋っているミカ
いい加減我慢の限界だったのだろう
ナギサがキレた
「あぁもう!うるさいですね!静かにしないとその小さな口にロールケーキをぶち込みますよ!?」
固まるミカ
肩で息をするナギサ
何をどうしたらいいか分からない私
場は静寂で包まれた
「あら、私ったらなんて言葉遣いを…失礼しました、先生。ミカさんも」
「あ、あぁ…いや、大丈夫だが…そ、そうだ、そろそろ私を此処に呼んだ理由を聞かせてくれないか?」
うん、話題を変えてしまおうか
「いやぁー…怖い怖い…」
そう言葉を漏らすミカに声を掛ける
「ミカ」
「分かってる…静かにしておくね」
流石に反省したのかそう言うミカ
「そうでした、先生を此処に呼んだ理由ですが……補習授業部の顧問になってもらいたいと思いまして」
やはりそうか。アズサの友人3人…ヒフミ、ハナコ、コハルとはここで出会い、仲良くなったのだったか
私はすぐに了承の意思を伝えた
「補習授業部…部員の勉強のサポートをすれば良いんだな?任せてくれ。今はエデン条約の件で色々と忙しいから…という認識で合っているか?」
「よくご存知なのですね、先生。説明する手間が省けました」
「ニュースでも話題になっていたからな。あとはただの憶測でしかない。合っていたようなら何よりだ」
うぅむ…何処かでボロが出てしまわないか今から不安だ。気を引き締めなければ
「今は皆BDで学習してるし、学校の職員とか、教授とかならまだしも、先生は概念はやっぱり珍しいから興味があったってのもあるけど…先の道を生きるって書いて先生…つまり、導いてくれる役割って事だよね?」
生徒を教え、導く。それは先生としての本質だな
頷いてミカに返答する
「あぁ、至らない身ではあるが、私は私なりにそう在ろうと尽力している」
「わぉ、格好いいじゃん!尊敬の対象…或いは生きる指標として皆に手を差し伸べ、導く…補習授業部の顧問としてぴったりだなって思って!」
そこまで言われれば、やり遂げるしかないな
「まぁ、先生を知っている生徒と、よく知らない生徒で意見は2分されているようですが…」
「まぁ…この姿が不気味に写るのは自覚している」
仮面をつけた大人の女性…私でも警戒する
しかし、少々悲しい…
「それでは、補習授業部をよろしくお願いしますね、先生。これが所属する生徒の名簿となります」
渡された名簿に目を通す
阿慈谷ヒフミ
下江コハル
浦和ハナコ
…白洲アズサ
私の知っている通りの面々だな
「あぁ、任された。先生として、尽力させてもらおう」