シャーレの先生だ、よろしく頼む   作:桜花=サン

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第一次特別学力試験

 

「……思ったよりは順調だが…」

 

今日の補習授業は終わり、ハナコ、アズサ、コハルが帰った後の教室でヒフミと私が残って話をする

 

「はい!ハナコちゃんがなんだかとっても凄くって…アズサちゃんは学習意欲たっぷりですし、コハルちゃんも真の実力は隠してたみたいですし…!」

 

「まぁ、コハルは…いや、まぁ…そうだな」

 

少々興奮気味にそう話すヒフミ

私としては少々不安が残るが…特別学力試験はもう明日。ヒフミに動揺した状態でテストは受けてもらいたくはない。黙っておくか…

 

「安心しました…実は、第一時特別学力試験に落ちたら、合宿をするようにとティーパーティーから言われていまして…それに、3回落ちてしまうと…あうぅ…」

 

「合宿?3回?」

 

知らない情報だ。どういう事か聞こうと思ったが…

 

「でも、杞憂だったみたいですし…!明日、頑張りますね!」

 

そう言うヒフミに聞くことはできず、頑張ってくれ、と伝えて私達も解散することになった

 

─────────────────────

 

そして、第一時特別学力試験当日……

教卓の上に置かれた人数分ある各教科のプリント

 

「皆、落ち着いて頑張るんだぞ」

 

そう声を掛ける私

 

「え、エリートの力を見せてやるんだから!」

 

「あはは…頑張ります…!」

 

「ふふっ、はい」

 

「準備は完璧」

 

やる気は十分なようだな

私はテスト用紙を配っていく

 

「では……第一時特別学力試験、始め」

 

そうして、全員がテストに取り掛かる

 

(これ、補習授業でやった所です…!)

 

(ふむ)

 

(ふふっ)

 

(……………??)

 

私の嫌な予感が、当たっていないといいが……

 

少し後……時間なので私は口を開く

 

「はい、終了だ。採点してもらいに行くので私に提出してくれ」

 

私に試験用紙を提出する面々

ハナコ、アズサはいつもと変わらない表情だが…ヒフミは自信有りげだ。コハルは………その…分かりやすいな…

採点してもらい、待つ事数分で試験用紙が帰ってきた

は、早いな?

そして私は教室へ戻り……

 

「試験の採点結果が帰ってきたぞ」

 

「み、皆さんお疲れ様です…!100点満点中、60点を取れれば合格だそうです!」

 

無事に終わった事に安堵の表情を浮かべつつそう言うヒフミ

 

「では先生、結果を発表してください!」

 

そう言われたので私はまず一番手前の試験用紙を見る

 

「あぁ。では…まずヒフミからだな…」

 

【阿慈谷ヒフミ:72点】

 

「流石だな、ヒフミ。これからはちゃんと試験は出るように」

 

「あ、あはは…努力します…」

 

ちゃんと試験に出ていれば補習授業部に入れられる事はなかっただろうに…

一応釘は刺しておくが恐らくペロロが関わった瞬間弾け飛ぶだろうな

気を取り直して、次の試験用紙を見る

 

「じゃあ、次…………あっ」

 

【白洲アズサ:32点】

 

「……はいぃっ!?」

 

ヒフミが素っ頓狂な声を上げる

 

「ちっ、紙一重だったか…」

 

「待ってください、紙一重って点数じゃないですよ!?結構足りてませんよ!?」

 

「紙十重以上はあるな」

 

もう少しだった…と舌打ちするアズサにヒフミと私はツッコミを入れる

アズサのこの点数は、シンプルに時間が足りなかったからだろう

物覚えも理解力も良いアズサだが、トリニティとアリウスでは学習進度に大きな差があり、まずは根本的な所から学ばないといけない

実際、私とハナコが教えた所はしっかり解けている

 

「次は………」

 

【下江コハル:11点】

 

まぁ………予感通りだな…

 

「!?」

 

「コハルちゃんんんんんんっ!?ち、力を隠してたんじゃなかったんですか!?」

 

「やっ、その…か、かなり難しかったし…」

 

「簡単でしたよ!?小テストみたいな難易度でしたよ!?」

 

「あらあら…」

 

1年用と2年用の違いはあるが、難易度としては確かに同程度ではあるし…なんならコハルはアズサが解けている所も………

 

「さ、最後…だな…………ッスー………」

 

最後、残った試験用紙にチラッと見えた点数から目を逸らし、深呼吸してもう一度見る

 

【浦和ハナコ:2点】

 

「2点!?!?!?!?!?!?!?」

 

「あらまぁ」

 

ヒフミが先程より更に素っ頓狂な声を上げる

ハナコはあらまぁ、じゃなくて!明らかに手を抜いただろうハナコ!!

こんな分かりやすい事あるか!?

もうちょっと上ならまだしも!

 

「2点!?!?2点ですか!?20点の間違いじゃなくて!?いえ、20点でも駄目なのですが…!寧ろ何が正解だったんですか!?と言いますか待ってください、ハナコちゃんなんだかとっても勉強できる感じじゃありませんでした!?」

 

「確かに私、そういう雰囲気あるみたいですね…まぁ、成績は別なのですが」

 

ヒフミの怒涛のツッコミをそう言って流すハナコ

 

「雰囲気!?雰囲気だけだったんですか!?成績とは別ってどういう事ですか!?」

 

そう言うと、ヒフミは肩で息をして…

 

「……う……あうぅ…………」

 

ふらついて気を失った

 

「ヒフミっーーーー!?」

 

慌てて私は後方に倒れようとするヒフミを支える

 

─────────────────────

第一時特別学力試験、結果

 

阿慈谷ヒフミ:72点 合格

白洲アズサ:32点 不合格

下江コハル:11点 不合格

浦和ハナコ:2点 不合格

─────────────────────

 

そうして補習授業部は、合宿が決定したのだった

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