シャーレの先生だ、よろしく頼む   作:桜花=サン

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連邦捜査部シャーレ

シッテムの箱の中に映る少女、アロナが真剣な面持ちで空中に浮かんでいるタッチパネルのようなものを操作している

 

『えーっと、これを……こうして…』

 

私にできる事は今は特にないため、大人しく椅子に座ってシッテムの箱を眺めつつ待機する他に無い

正直不安は無い、と言えば嘘になる

頑張ってくれ、アロナ

エールを送りつつ見守っていると………

 

「…この音は……」

 

様々な機械が稼働を再開する音と同時に、薄暗かった部屋も、廊下も、照明で照らされる

これはつまり……

 

『サンクトゥムタワーのadmin権限を取得完了…先生、無事にサンクトゥムタワーの制御権を回収できました!今、サンクトゥムタワーは私の制御下にあります!』

 

シッテムの箱の中でフフン、と胸を張り、誇らしげな顔を見せるアロナ

流石、成功したようだ

少々安堵して、胸を撫で下ろす

 

「ありがとう、アロナ。流石だな」

 

褒められたアロナはニコニコと嬉しそうな笑みを浮かべて言う

一瞬手が伸びかけるが、アロナはシッテムの箱の中に居るので撫でられない事を思い出した

次に中に入った時に沢山撫でよう

 

『えへへ…あ、先生、この制御権をどうしますか?今のキヴォトスは先生の支配下にあるも同然です』

 

「……支配下」

 

正直あまり気持ちの良い言葉では無い

アリウス自治区の事を思い出し、少々渋い顔になる

仮面で表情が隠れているため、アロナはそれに気付かず言葉を続けた

 

『先生が承認さえしてくれればサンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管できますが…』

 

「あぁ、承認する。そうしてくれ」

 

そのためにリン達と此処に足を運んだのだからな

元々は連邦生徒会のものだし、あるべきものをあるべき場所に返すのは当然だ

 

『わかりました、ではこれよりサンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管します!』

 

その操作はすぐ終わったらしく、『完了しました、先生!』と笑顔を浮かべるアロナに礼を言っていると、シャーレの地下室のドアが開く

 

「サンクトゥムタワーの制御権の確保が確認できました。これからは、連邦生徒会長が居た頃と同じように、行政管理を進められますね」

 

リンが部屋に入って来ながらそう報告してくる

 

「それは何よりだ、リン。これで混乱はある程度は収まるのか?」

 

「はい。ですが、連邦生徒会長が居た頃と全く同じ…とは行きませんでしょうけど……一先ず、お疲れ様でした。先生。キヴォトスの混乱を防いでくれた事、連邦生徒会を代表して深く感謝いたします」

 

そう礼を言ってくるリン

連邦生徒会長…本当に謎な人物だ

私は本格的に関わりが無かったし、どういう人柄なのかも知っていない

近いうちに、よく知っているであろうリンに聞いてみたりするとしよう

 

「先生として、当然の事だ。…あ、道中で制圧したあの不良達はどうするんだ?」

 

「大多数を捕縛してありますが、まだ残党は残っています。追撃して、捕縛しますのでご心配なく」

 

なるほど、と納得して頷く

 

「それではシッテムの箱も渡しましたし、私の役目は終わったようですね………あ、いえ、もう一つありました」

 

リンがドアの方向へ足を進める

移動するらしい。私も椅子から立ち上がる

 

「連邦捜査部、【シャーレ】をご紹介します」

 

リンを追いかけるように少し早足で歩き、隣に並ぶ

地下室を出て、少々歩いた場所でリンは足を止めた

 

「ここが、シャーレのメインロビーです。長い間空っぽでしたけど、ようやく主人を迎える事になりましたね」

 

そこには【空室 近々始業予定】と書かれた紙が貼り付けられていた

分かっていた事だが、やはり先生は…居ないんだな

これからは私が先生なんだ。気を引き締めて尽力するとしよう

決意を固めているとリンが正面の部屋の中へ入っていく

それに続いて中に入ると、よく見た事のある場所

 

「ここが、シャーレの部室です。この場所で、先生のお仕事を始めると良いでしょう」

 

そう、よく先生が当番の生徒と一緒に仕事を行っていたり、雑談したり、他にも様々な事をやっていた場所

気になっていた事をリンに聞いてみる

 

「私は…というか、シャーレにはなにかやるべき事、目的とかはあるのか?」

 

「…シャーレは権限だけはありますが目標のない組織なので特に何かをやらなければいけない、という強制力は存在しません。各学園の自治区にも自由に出入りする事も可能ですし、他にも様々な権限があります。つまり、なんでも先生がやりたい事をやっていい……という事ですね」

 

………それは大丈夫なのか?

いや、そこが不安になるような人を先生にはしないだろうし大丈夫…なのかも……しれないな…?

 

「なるほど、理解した」

 

「それは何よりです。一応、連邦生徒会で処理しきれない書類仕事がここまで流れてくる事もありますが、正直それをやるかも自由です」

 

そ、それで良いのか…?

それにしても、連邦生徒会はやはり忙しいのだな…

 

「……私にやれる事があるなら全てやろう。多めに書類仕事を回してくれても構わないぞ」

 

「…お心遣い、感謝いたします。それではごゆっくり。必要な時はまた連絡いたします」

 

そう言ってリンは連邦生徒会に戻るようでシャーレから出て行った

リンに説明はされているだろうが、私もユウカ達に無事に終わった事を伝えに行くとしよう

………ワカモの件で心配させてないといいが…

花のパヴァーヌ編一章を飛ばしてエデン条約編を進めて良いか(パヴァーヌ編は一回飛ばすことになったらエデン条約編の後に一章、二章と続けてやります)

  • だめです!!!!!!!!!!!!
  • いいよ!!!!!!!!!!!!
  • 本編の順番通りがいい!!!!!!!!!
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