そんなナギサとのお話も終わり、翌日
私、ヒフミ、アズサ、ハナコ、コハルは少々離れた合宿場へと足を運んでいた
「皆、体力は大丈夫か?」
「問題無い」
「は、はい。大丈夫です」
「私は大丈夫ですが…」
「ちょ、ちょっと待って…」
アズサは余裕綽々、ヒフミとハナコはまだいける、という範疇だが、コハルが既にヘトヘトだった
「大丈夫かコハル、やっぱり私が運ぼうか」
「ひ、必要無いって言ってるでしょ…!」
…そんな肩で息をしているんだから必要そうにしか見えないんだが…
「じゃあ疲れたので私を運んでください、先生♡」
そうやって私に近づいてくるハナコ
あんな感じのニュアンスの言葉を発している時はハナコが誰かをからかう時だ
ハナコの事も慣れてきたな
「まぁ、良いぞ。…よいしょっと」
「ひゃっ!?」
ハナコをお姫様抱っこで持ち上げる
「すまない、驚かせたな……うん?軽いな。ちゃんと食べているか……ってハナコ?どうした?」
目をパチクリさせた後にハナコは目を…というか顔を逸らした
「…?」
不思議なハナコの反応に私が首を傾げていると、コハルが顔を赤く染めながら私をビシッと指差して叫ぶ
「え、エッチなのは駄目!!死刑!!!」
「何が!?」
─────────────────────
「ほらコハル。ついたぞ」
私はお姫様抱っこしていたコハルを降ろす
あの後、ハナコが降ろして欲しいと言ってきたので降ろして進んでいたが、コハルが転けそうになった所を私が受け止め、そのまま抱えてここまで来た
色々言ってはきたが…暴れはしなかったのが救いか。暴れられていたら普通に骨の一本や二本はいかれてたかもしれない
「や、やっと降りれた…なんでわざわざお姫様抱っこなの?!」
「あれが私的に一番運びやすいからだ。ほら皆、入るぞ」
渡された鍵を使い、私は一足先に合宿場へ入る
取り敢えず部屋を見てみようと向かっている道中、私は先の事を考えていた
ナギサは恐らく、何かしらの妨害をしてくるだろう
間接的か直接かはわからないが…最悪、点数の操作さえあり得る
そして、こっちの世界の私もアズサに接触するだろう
最後に……聖園ミカのナギサ襲撃計画をどう阻止するか
補習授業部、アリウス、ティーパーティー…トリニティの厄介な部分全てを解決しなければ
そんな事を考えていると、部屋についた
「ふむ、割と綺麗だな。埃が少々ある程度だ」
私の後ろからついてきていた皆も部屋に入ってきた
「本当ですね、これなら軽く掃除すればすぐ使えます。暫く使われていない所だと聞いていましたが…かわいいベッドあるようですし。これなら皆で一緒に寝られそうですね、裸で♡」
「えっ、ちょっ、何言ってるの!?」
「裸で寝ると風邪引くからやめておけ」
コハルをからかうハナコと見事に遊ばれるコハルを尻目にそれだけ言って私は窓を開ける
新鮮な空気が室内へと入ってきた
「うん、これでよし。皆、取り敢えず掃除から…ってアズサはどこ行った?」
「あれ、確かに居ません」
「先程までは一緒にいたのですが…」
見渡すが、居ない…と思ったら出てきた
「偵察完了だ」
「て、偵察…?!」
ヒフミが驚くと、アズサはつらつらと喋りだす
「あぁ、本校舎から離れているし狙撃も心配ない。それに───」
すまないが少々口を挟ませてもらおう
「襲撃は無いから大丈夫だぞアズサ」
「む…」
言葉の通りムッとするアズサ
「……まぁ…気持ちは分かるが…」
「先生!?」
ヒフミに驚かれる
しまった、思っていた事がつい口から漏れてしまった
「こほん、取り敢えず、全体的な掃除から始めよう。思ったより綺麗だとはいえ、埃が結構溜まっている。今日は取り敢えず掃除の日として明日から勉強は頑張ろうか」
「わ、分かりました!」
「了解」
「は〜い」
「そうね」
皆の同意の声に頷き、私は廊下へ出る
掃除用具は……あった。流石トリニティ、設備はしっかり揃っているし不足は無さそうだ
「それじゃ、取り敢えず雑巾がけから。足元滑らせないようにな」
口には出さないが、特にコハルが心配だ
「了解、任務を開始する」
「あ、アズサちゃん、待ってください!」
「早いですね〜」
「待ちなさいって!」
そう言って皆は掃除を始めたようだ
私は……少々高めな場所を綺麗にするか
私より大きい生徒は今この場には居ないしな
大きい…といえばハスミだが…学生だと言うのに私より大きいとは流石に驚いた
無論、身長と胸部の事だ
まぁ、私の胸部も役に立った事なんて無いんだ、彼女にとっても結構な悩みのタネなのではないだろうか
「肩が…っ、凝るんだよな…っと…はぁ…」
伸びをして、気を取り直して掃除を続けた
サオリ先生は元の世界の先生に対しては恋愛感情と命の恩人としての感謝や敬意、先生としての生き様への憧れがごちゃ混ぜになり自分でもよくわからないぐらいの激重感情を持ってます