「あ、そうでした、忘れる所でした」
勉強に入ろうとした直前、ヒフミがそう声を上げる
「うん?どうしたヒフミ」
「実は、ご褒美も用意したんです!」
「…言ってくれれば私が用意したんだが…凄いなヒフミ」
ずっと驚いてばかりだな…
ヒフミのその行動力は明確な長所だろう
「そのご褒美は…これです!」
ペロロのバッグから出てきたのは…モモフレンズのぬいぐるみ達
ウェーブキャットやMr.ニコライ、スカルマン…メガネをかけた………ペロロ博士
ドクリと心臓が脈打つ
……いや、私がするべきなのは後悔する事じゃない
あんな事をさせないように…動く事だ
「良い成績を出せた方にはこのモモフレンズのグッズをプレゼントしちゃいます!」
「ヒフミのご褒美…といえばモモフレンズ関連だと思っていたが、予想通りだったな」
「モモフレンズ…?」
「なにそれ」
「ッ…!!!」
どうやらハナコとコハルは知らないらしい
アズサは……おや?
「さ、最近流行りのモモフレンズですが…ご存知無いですか…?せ、先生は知ってますよね!?」
「昨日Tシャツをあげただろう。知り合いの影響である程度は知っているぞ」
アズサとヒフミに連れられて映画は全部見たしアニメも一緒に一気見したぞ
ファンと言っても過言ではない…ぐらいか
ちなみに私はウェーブキャットが好きだ
「………か……」
「…か?」
声がした方向を向くと、アズサが震えていた
「かわいい……!!!」
「!?」
「あら…?」
満面の笑みのままぬいぐるみに駆け寄るアズサ
堕ちたな…
そうか、アズサがモモフレンズ好きになったのはこの時だったのか
興味津々な様子でヒフミにこの子は?この子は?と質問し、ヒフミも喜々としてその質問に答えている
「えぇ…」
「そ、そんな理解できないものを見るような目で見ないでやってくれコハル…ほら、あの一番大きな黒いやつは結構可愛くないか?」
「…ま、まぁ…そいつは確かに…」
そうコハルと話していると、ハナコが言う
「バッグ等もそのモモフレンズのキャラクターですし、かなりモモフレンズが好きなんですね、ヒフミちゃん…」
「だな。まぁ…アズサのモチベーションが爆上がりしているし…良いだろう」
一通り説明を聞き終えたアズサがやる気が視認できる程に燃え滾らせて戻ってきた
「やむを得ない……全力を出すとしよう。いいモチベーション管理だ、ヒフミ。約束しよう。必ずや任務を果たしてあの不思議でふわふわした動物を手に入れてみせる!」
「は、はい!ファイトです!……えへ、えへへへへへへへへ…」
さっきまでの格好いいリーダーなヒフミは何処へやら、だらしなく顔をにやけさせるヒフミ
「……ほらヒフミ。布教成功して嬉しいのは分かるが取り敢えずは勉強だ」
「えへへへへへ……はっ!そ、そうでした!」
肩をトントンと叩いてそう言うと少し遅れて正気を取り戻したヒフミは咳払いして仕切りなおす
「こ、こほん、では、改めて勉強を始めましょうか」
「あぁ!早速取り掛かろう!」
「す、凄いやる気だなアズサ…」
そして今日の勉強が始まり…何事もなく順調にコハルとアズサへ問題の解き方を教えていく
ハナコが離席し、私とヒフミがハナコはなんで成績が落ちてしまったのかについて話していると…
近くに私達が居なかったからか、アズサがコハルに質問していた
「コハル、これの解き方分かるか?」
「え、私?…あ、これはえっとね…」
「……なるほど、そういう事か。ありがとうコハル。正義実現委員会のエリートというのも頷ける」
「……!?そ、そうよ!エリートだもの!も、もし、また何か分からなかったら私に聞いても良いから。アズサはその…特別に」
「ありがとう、助かる」
そんな会話をしていた
こっそり聞いていたヒフミとこそこそ会話する
「あんなにツンツンしてたコハルちゃんが…」
「素直でブレないアズサとは相性が良いのだろうか。仲が良いのは素晴らしい事だな」
そう話していると再びアズサがコハルに質問していた
「コハル、これは…」
「えーっと…これは確か参考書に…確か持ってきてた気が…」
少々難しいか?教えに戻ろうとコハル達の所へ向かう
「あ、多分こ…れ…」
そう言ってコハルが取り出したのは…その…アレな本だった
私は咄嗟に目を逸らしてアズサの目を塞ぐ
「!?!?!?」
「………何も見ていない。うん。何も」
「む?先生?見えない。勉強ができない」
慌てて本をバッグへ戻すコハル
よし、何も見なかった。一番厄介な事にしそうなハナコがいなくて良かった。取り敢えず勉強が終わった後、適当に理由でもつけて押収品管理室にでもコハルと行こうか等と考える
そういう事にして勉強を進めようとしたが…
「あらあらあら♡」
なんでこうも完璧なタイミングで戻って来るんだ浦和ハナコッッッッ!!!