私とコハルが本校へ戻っている道中、何やら色々考えていたコハルが話しかけてきた
「…先生」
「うん?どうしたんだ?コハル。疲れたか?私が運ぼうか」
「いや、そうじゃなくて…その……先生、は、私の事とか…色々考えてくれてたから、お返しに、一つ私の秘密を教えてあげる!」
そう言うコハル
……秘密?
今の雰囲気だ、そういう感じの事ではないと思うが…それなら何なんだろうか
「ふむ?私としては生徒を助けるのは当然だから気にする必要は無いんだが…」
「私が気にするの!それで…実は私…補習授業部が上手く回ってるかを監視するためのスパイなの!」
勇ましくそう言い放つコハル
…………なるほど?
「スパイ…?つまり…本気を出してない振りをしている勉強の出来ない子の振りをしているって事…か…?」
「そ、そう!そういう事!」
「や、ややこしいな……」
正直言って、あまりそういう風には見えないが…
ふむ…コハルがこうも意地を張りたい理由は何なんだろうか?
「あぁ、分かった。でも、私に教えて良かったのか?」
「……せ、先生なら生徒の秘密をやたらと言いふらしたりしないでしょ!?…しないよね?じ、じゃあ大丈夫!」
若干挙動不審になりながらそう言うコハル
正義実現委員会への憧れ等が少々暴走気味なのだろうか…?
「言いふらしたりはしないが……まぁ、分かった」
そういう事にしておこう
私はコハルについてあまり知らないし、もしもの事だってあり得るかもしれないからな
用心に越した事はない
「もう少しで着くな。取り敢えずささっと押収品管理室に行って…ついでに教材も少々追加で持っていこうか」
「わ、わかった」
コクリと頷くコハル
うーん…素直で可愛い所もあるんだが……
「…?どうしたの、先生」
コハルをじっと眺めていると、首を傾げてそう聞いてくる
「あぁ、すまない、特に他意は無いんだ。ほら、さっさと行こうか」
「う、うん」
そうして私とコハルは少し歩くペースを早めた
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「これで良し……と」
コハルが押収品を置いておく場所へ本を置く
「け、結構あるんだな…」
「そうなの、エッチなのは駄目なのに!」
「……そうだな」
自分の事を棚に上げてそう言うコハルに少々遅れつつも同意を示す
そういえば、ずっと気になる事があったんだった
この機会に聞いてみるか
「…コハル、気になる事があるんだが」
「ん?何?」
「その首元の紐はどうなって───」
そう聞こうとした時、ガチャリとドアが開いた
大きな黒い羽に私よりも高い身長…正義実現委員会の副委員長、ハスミだ
「あら?先生と…コハル?」
「は、ハスミ先輩!?」
「おや、ハスミ。少々お邪魔している」
コハルは驚き、私はそう返事する
「今は確か合宿で別館に居ると聞いていたのですが…どうかなさいましたか?」
コハルが凄く私の方を見てくる
まぁ、私が説明しようか…
「教材を取りに来たのだが…道中で押収品を見つけてな。さっさと管理室に置いたほうが良いだろうと思って取り敢えずここに来たんだ」
…嘘…ではあるが本当の事でもある。少しでも嘘をつかなきゃいけないのは少々心苦しいが…
ハスミは納得したようで、頷く
「なるほど、そういう事でしたか。丁度良かった、私もコハルに少々伝えたい事がありまして…先生、少々席を外していただけないでしょうか?」
「私に?」
コハルが首を傾げている
ハスミの事だ、特に悪い事でも無いだろうし、私は外で待つとしようか
「分かった、なら私は外で待っていよう」
ドアを開け、少々離れたベンチに座る
エデン条約の事…考えなくてはな…
巡航ミサイルを阻止できればしたいのだが…難しいだろうな。マダムは多くの警備兵を配置していた。私単騎じゃ少々…厳しいな
後の事を考えると、大人のカードは使えない
となると…ミサイル発射後の被害を最小限に抑える事が大事だな
混沌としている状況の中で暴れる…というのが作戦…ならば私はナギサを守らなくてはいけない
ティーパーティーが機能しなくなればトリニティの過激な派閥は暴走を始めるだろう
後は……
そう考え込んでいると、欠伸が出てきた
「……?なんだ…この…眠気は…」
そんなに疲労が溜まっていたか…?
特にそこまでの事はしていない…のだが……
瞼が重い、意識が沈んでいく
…まだ、ハスミとコハルのお話は時間がかかるようだし私は少々……
そうして、私は意識を手放した
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「……此処は」
暗い、闇が広がる空間で私は目を覚ます
ペタペタと私の顔を触ってみる
仮面が無い…という事は…現実じゃ…ないのか?
以前もこんな空間に入った事があったが…あの『私』は居ないのか…?
「………スクリーン?」
眼前にあったのは、何かを映すためのスクリーン
首を傾げていると、パッとスクリーンが起動する
そこで私は…………あの『私』の物語を、見る
次は虚の過去です…
結構長いし結構酷い事になってるので苦手な人は気をつけて下さい…