「……なるほど、これは……真の世界…!身体は大いに露出しているのに顔は仮面で完全防御というなんとも言えない背徳感のような…!」
「やめてくれハナコ、解説はやめてくれ……」
顔が熱い。仮面で良かった
「あ、あはは……モモトークで送られてきたそのままの格好ですね…まさか肉眼で見る事になるとは…」
「待てヒフミ。誰だヒフミに写真を送ったのは」
「え、あ…し、シロコさんから…」
「…………だろうな」
納得する
正直シロコならやりかねないと思っていた
もう慣れるしか無い……か
そう諦めていると、ハナコがニコニコしながら声を上げる
「ではでは、早速遊びましょう!そうですね……まずは…最後に負けた人が罰ゲームのじゃんけんをしませんか?」
なんだろう。凄く嫌な予感がする
恐る恐るハナコへ尋ねる
「……罰ゲーム。内容は?」
「最下位の人が他の4人からの命令を聞く…という事で」
ニコニコなハナコ。楽しそうだな!良かった!
若干自暴自棄になりつつ皆を見てみると、割と全員乗り気だった
コハルは赤くなるんじゃない。命令ってそういうのじゃないから…
「では、始めましょう!」
─────────────────────
端的に結果を言おう。負けました
「ぴょん!!!!!!!!」
迫真のぴょんと同時にポーズを取る
もうどうとでもなれ!!!!!
全てを失った大人は強いぞ!!!!!!!!
アズサからの命令、腕立て伏せ50回を終わらせた後、ヒフミの命令、ポーズ50種類をこなす為にポーズを取る
ハナコからの命令は、語尾にぴょんをつける事
普通に拷問だろうこれ
………まさか元いた世界の先生もこんな事を!?
「っ…くくっ…」
「先生がもうヤケになってるじゃん…」
「(カメラ連写)」
「あはは…」
肩を震わせるアズサ、もはやいつもの『エッチなのは駄目、死刑!』すらなく憐れみの眼を向けるコハル、満面の笑みでカメラを連写しまくっているハナコ、苦笑いを浮かべるヒフミ
「楽しそうだな!先生で遊んで楽しいかハナコ!!!」
「とっても楽しいです、ありがとうございます、先生♡語尾、忘れてますよ!」
「それは良かったぴょん!!!!!(自暴自棄)」
凄く人としての何かを失った気がする
ハナコが楽しそうだったから…良いか……
その数分後、ポーズ50種類を決め終わったので私は解放された
コハルからの命令は腕立て伏せ30回だった
優しいコハルをいっぱい撫でた
語尾は水着パーティーが終わるまで継続らしい
ぴょん。
その後は普通に色んな事を話した
「そういえば、今トリニティのアクアリウムでゴールドマグロという希少なお魚が展示されてるらしいですね」
「あ、それ私もパンフレットで見ました!『幻の魚』って呼ばれてるんですよね?」
「はい。どうやら近くの海で発見されたらしいです。見てみたいものですが…入場料も安くはないので」
「ゴールドマグロ…今度皆で行ってみるか?入場料は私が出す…ぴょん」
「っふ…っ…!」
「アズサはいつまで笑ってるぴょん」
妙にツボに入ったのか私が喋る度に肩を震わせるアズサをジロリと見る
「くく…っ…ごめん…そういえば、私は海に行った事がないな…」
「そうなんですか…?一回も?!」
そんな話をしたり…
「それで、とっくに廃れたアミューズメントパークなのにも関わらず、夜になると何やら騒がしい声が…」
「な、なにそれ!嘘!絶対に嘘!聞き間違い!」
「まぁ、私も聞いたのは噂だけなので、真偽はどうなのかは分かりませんけど…」
「だ、誰かの悪ふざけよ!」
怖がるコハルを宥めつつ怪談を楽しんだり
「私、こういう事やってみたくて…少々テンションが上がってると言いますか…」
「気持ちは分かる。私も何なら、補習授業部に入ってからずっとそういう気持ちだ」
「あら、そうなんですか?」
「うん、何かを学ぶという事も、皆でご飯を食べる事も、洗濯も掃除もその一つ一つが楽しい」
「あら♡」
アズサもハナコも本当に楽しそうだ
「知らなかった事を知れるというのは、楽しい。コハルと一緒に勉強するのも楽しいし、ハナコから教えてもらって問題を解けた時の達成感はとても嬉しい」
「……ま、まぁ?私みたいなエリートと一緒に勉強してタメになる事は沢山あると思うけど?」
「うん、本当にそうだ」
「あらあら♡」
「アズサちゃん…最初は表情の変化も読み取れなくて心配でしたが…良かったです」
「勿論ヒフミもだ。本当にいつも世話になっている、ありがとう」
「……あ…アズサちゃんっ!うわーん!!」
ヒフミがアズサに抱きつく
「ひ、ヒフミ…少し息苦しい…」
見ているだけの私まで笑みが溢れる
本当に、仲良くなったな
「先生も、私達のためにいつもありがとう」
笑顔でそう言ってくるアズサ
……私も抱きしめていいだろうか
身構えていても破壊力が凄い
「……先生として、当たり前だ。アズサはもっとしっかり寝たほうが良いぞ。見張りは程々にな」
「せ・ん・せ・い?♡」
「もっと寝ろぴょん!!!!!!!」
もう忘れた頃かと思ったがそう甘くはなかった
というかハナコがこんな最近の事は忘れないか…
「…うん、ごめん。実は見張りは言い訳で、ブービートラップとかを設置してたんだ」
思い出されるのはマリー達の事
「……ちゃんとこの前みたいな事にならないような場所だろうな?」
「そこは安心して欲しい」
ふんす、と言い切るアズサ
「…そうだったんですね、それならそれで、教えてくれると嬉しいです。どうしても…心配しちゃいますから」
「…そうか、うん。これからは気をつける。私のせいで、皆が被害を受けるのは望む所じゃないから」
ハナコもアズサも、他人を思いやる気持ちが強い
本当に凄い事だ
「……アズサは優しいな」
「む…こ、子供扱いしないで先生…私は別に…そんなのじゃない」
後半、声のトーンが下がる
「だってこの世界は…全てが無意味で虚しいものだ。だから私は…いつか…裏切ってしまうかもしれない。皆のことを、その心を、その信頼を…」
「アズサ……」
私が口を開こうとした瞬間、停電が治ったようで薄暗かった体育館を明かりが照らす
「…治ったみたいだな。雨も…気付けば小雨か。洗濯機を回さないと。私がやってくるから皆はまだ…」
「いえ、今日の第一回水着パーティーはここまでにしましょう。まだまだ話したいことはありますが、そのお楽しみはまた次回…という事で♡戻ってジャージを乾かしましょう」
「そうか、第二回も楽しみにしてる」
「えっ、またやるの!?」
「あはは…」
絶対にもうこの服は着ない…
そうして私達は部屋へ戻って服を乾かしたり、洗濯をしたりして、1日がまた、終わろうとしていた
格好良いお姉さんのバニー…と考えていると某運命の槍師匠が思い浮かんできて…()
???「バニーのルーン……冗談だ」