シャーレの先生だ、よろしく頼む   作:桜花=サン

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パフェを三つも!?食べちゃいます!

 

そんな話をしつつ皆で色んな場所を歩く

 

「む、ここのスイーツ屋……」

 

「あ、ここの限定パフェ、すっごく美味しいんですよ!24時間営業とは知りませんでした」

 

「そこそこ歩いたからな。何かしら食べようか」

 

まだ少し遠慮がちな皆を連れてスイーツ屋へ入る

メニュー表を見てみると…

 

「…おや、限定パフェは売り切れてるらしい。残念だ。別のものでも───」

 

目線を上げた先に居た生徒と目が合う

 

「あっ…」

 

「……もご」

 

正義実現委員会の副委員長…ハスミ

その目の前の机には、三つのパフェが並んでいた

というか三つも食べられるのか…

 

「お、美味しそうで何よりだ、ハスミ…」

 

「せ、先生…コハル、他の補習授業部の皆さんも…ど、どうして此処に…」

 

明らかに狼狽するハスミ

皆もハスミに気付いたらしい

 

「あら、奇遇ですね、ハスミさん。真夜中にパフェを三つも……♡確かダイエット中だとお聞きしましたが?」

 

「こ、これは…その…」

 

「深夜はお腹が空くからな……」

 

取り敢えず限定パフェが食べたかったであろうヒフミとアズサの代わりのスイーツを購入してハスミの近くの席に座る

 

「せ、先生……そ、その、自分の事を棚上げするようですが、補習授業部の皆さんは外出が禁止されていたのでは…?」

 

その言葉にビクリ、と震えるコハル

 

「……ここはお互いに、見なかったことにしましょうか」

 

「私達は良いが…その……ダイエットは大丈夫か…?」

 

見なかったことにしてもパフェ三つを食べていたという事実は消えないが…

 

「ち、チートデイ…というやつで…」

 

「…なるほど。息抜きが無いと、長続きしないからな…分かった、他言無用にしておこう」

 

「ありがとうございます…」

 

その間にも、アズサ達はパクパクとスイーツを食べていた

コハルはハスミが気になるのか、手が動いていないようだが

 

「は、ハスミ先輩…」

 

意を決したのか、自分から話しかけに行くコハル

 

「コハル、お勉強頑張っていますか?」

 

「あ、えっと…その…」

 

ハスミに自分から自慢するのは憚られるのか、言い淀むコハルの代わりに私が伝えておく

 

「コハルは最近、成績が凄く上がっている。恐らく、そろそろ60点は狙える筈だ」

 

別にコハルは絶望的に勉強が出来ない…という程でもなかったのだ。ただ、勉強の仕方を知らなかっただけなのだろうな

 

「ですね…!このままいけば、70点も見えてくる程に…!」

 

ヒフミもそう言ってくれた

 

「…なるほど」

 

「う…その…」

 

モジモジするコハルにハスミは笑顔を浮かべつつ優しく話しかける

 

「それは良かった。言ったではありませんか、コハルはやればできると」

 

これは…一度本校へ戻った時の事だろうな

やはり励まされていたらしい

あの後のコハルのやる気と成績の伸びは凄かった

 

「…えへへっ、は、ハスミ先輩の期待を裏切りたくないですから…!」

 

余程嬉しかったのか満面の笑みでそう返すコハル

 

「はい、引き続き応援していますよ、コハル」

 

先輩後輩の関係としてはこれ以上無いぐらい良い関係だ。コハルも素直に慕っているし、ハスミもそんなコハルの事をしっかり見て、気に掛けてくれている

やっぱり生徒達が嬉しそうだと私まで嬉しいな

そんな様子を見つつ仮面の下部分を開け、チョコケーキを口に運ぶ

うん、美味しいな。いつかパフェの方も食べてみたいものだ

 

「……ん?どうしたハナコ。そんなに私の方を見て…仮面にゴミでもついてるか?」

 

ふと驚いたような表情で私を見つめるハナコに気がついたのでそう聞いてみる

仮面を触ってみるが……特に何も無いな

 

「…い、いえ…その…先生が食事する所を初めて見たもので…そ、そこ開くんですね…」

 

そういえば、私は基本別で食事をしていたからな

別に見られたくないという訳でもなく、単にタイミングが噛み合わないだけだったが

 

「先生は妖怪では無かったか…」

 

アズサがそう呟いていた

 

「まだそれを言ってたのか」

 

若干困惑しつつそう返していると…

ヴヴヴ、と通信器具のバイブレーションが鳴る

 

「こんな夜中に通信…?」

 

どうやらハスミの持っているものらしい

そんな事を呟きながら通信を起動する

 

「はい、イチカ。どうかしましたか?」

 

通信相手は恐らく正義実現委員会の仲正イチカだろう。まだ前の世界でも、此方の世界でも会ったことは無いが…色んな生徒が所属している正義実現委員会の仲裁役として皆に慕われていると聞く

 

「…ゲヘナが………?!…って、4人?」

 

何やらゲヘナが問題を起こしているらしい

 

「……はい?ゴールドマグロを?」

 

「…あぁ…」

 

もう大体察してしまった

あの雑談の後、ゴールドマグロについて調べてみたのだが、説明に……とても美味しい、と書いていた

美食を追い求めるゲヘナ学園の4人組…

 

「美食研究会か…」

 

会った事…というよりはすれ違った事はある

なんならワカモが助けてくれなかったら恐らく爆殺されていたかもしれない

 

「……顔は見えませんが多分今苦虫を噛み潰したような顔してますよね先生」

 

ハナコにそう言われる。やはり鋭いな…

 

「…正直、そこまで良い思い出は無いのでな…」

 

だからといって、先生としての責任を放棄する訳にはいかない。私は通信が終わり、電源を切ったハスミに声を掛ける

 

「ハスミ、手伝える事はあるか?」

 

「ありがとうございます。丁度私からもお願いしようかと思っていました。今はエデン条約直前…正義実現委員会だけではトリニティとゲヘナの衝突…と思われる可能性が否めません。そこで、シャーレの先生と補習授業部の力を貸して頂きたく…」

 

「皆はどうだ?不安なら、先に戻るかここで待っていても…」

 

「私は構いませんよ」

 

「あぁ。先生の指示に従う。存分に使ってくれ」

 

「私も頑張ります…!」

 

ハナコ、アズサ、ヒフミはやる気だ

コハルは…

 

「わ…私も…先生と…ハスミ先輩と一緒に…?」

 

「いつかこうして肩を並べる日が来るとは思っていましたが、想定よりもずっと早かったですね、コハル」

 

「は、はい!頑張ります!」

 

やる気満々だな。良かった

その瞬間、ドカァァァンという音と振動が私たちを襲う

 

「…爆発音。近いな」

 

「音からして1km以内だろう。…先生」

 

「よし、補習授業部、出発!」

 

「「「「了解(です)!」」」」

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