クロスギーツの配信活動!   作:ネコら

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久し振りの投稿です

絶賛スランプに陥っています

他作品を書いてリハビリ中




6話山田真耶は逃げられない

 

 

 

拝啓、お母さん、お父さんお元気ですか?

 

最近里帰りした時、すっごく喜んでくれましたね?

お父さんとのお買い物は少し大変でしたけど楽しかったです。

あと、お母さんに甘えて、家事を一回も手伝わなかった事は今では反省しています、ごめんなさい。

…………さて…最後にこんな事を言うのもなんですが。

 

「く、クロエ待ってくれコレには深く深く!ソレはもうマリアナ海溝のチャレンジャー海淵よりも深い事情があってだな!!」

 

「そうですか…………で、ソレが遺言で良いですか?」

 

「助けて真耶やーーーーん!!!」

 

眼の前には手足を縛られ、床に這いつくばりながら、打ち上げられた魚の様にピチピチと跳ねて私に助けを求めて来る男と、そんな男に無慈悲に白い銃を突き付ける銀髪の少女がいます。

 

お母さん、お父さん。

 

もう一度、里帰りしても良いですか?

 

 

 

 

どうやってこんな状況に巻き込まれたかというと………

 

時を遡ること数時間前の事です。

 

 

 

 

 

 

ベッドの中で寝ている私は、窓から差し込む日差しに照らされる。

ピピピッ!ピピピッ!ピピピッ! 

とアラームの音で私は目を覚まし、憂鬱な気持ちでベットから起き上がる。

 

「はぁ~」

 

ベットから立ち上がるやいなや、無意識にため息をついてしまう。

 

そして

 

プルルルプルルルプルルル

 

ピッ

 

「はい山田です」

 

『いや、朝から済まないね』

 

「いえ、大丈夫です」

 

『ははっ、そう言ってもらえると有りがたいよ…………それで今回IS訓練場についてだか・・・・・』

 

あぁ、またISか。

 

クロスギーツ。奴の一件から私の、毎日は色濃く、朝から晩までISの事でいっぱいな日常になった。

 

…………きっと数ヶ月前の私なら羨ましくなるほどの毎日なのだろう………だが、今の私は違う。

 

あのクロスギーツの一件から、私はISの事を恐ろしく怖い物だと思う様になってしまった。

 

『き……………や…………ん』

 

最近ではISの訓練をする時も冷や汗が止まらず、誰かに銃口を向けるだけで震えてしまう。

 

『きい……て…………やま…………ん』

 

何で私がこんな事をしているのか?

 

今では毎日の様に考えてしまう。

 

始まりは、ただの好奇心だった。ISとはどんな物なのだろう?

どうやって動くのだろう、どう空を飛ぶのだろう?

そういった、楽しい気持ちで一杯だった…………だった筈なのに。

 

『聞いているのか!山田!』

 

「は、はい!大丈夫です!」

 

『………はぁ、しっかりしてくれよ?君は直……』

 

嫌だ、聞きたくない、知りたくない、関わりたくない。

 

そんな私の思いが

 

『日本代表生なのだから』

 

簡単に打ち砕かれる

 

『分かったかね?』

 

「………はい」

 

『それでは今日の午後から◯◯社で待っているよ?』

 

「…………分かりました、失礼します」

 

……ピッ

 

…………コレが今の私の一日の始まり。

 

クロスギーツの事件以来、奴が私の事を見て反応したり喋り掛けたりして、とても友好的であった所が動画に流れていたらしく、ソレを見た政府の者は私に利用価値を見出したのか、私がISから離れようとする事を許してはくれなかった。

 

今ではありとあらゆる権限が渡され、更に政府は私に日本代表生の地位まで渡そうとして来ている。

 

余りにも馬鹿げている。私なんかよりも強い人なんて山ほど居ると言うのに。

 

だが、政府は本気だろう、少なくても………クロスギーツを始末するまでは。

 

ISから離れたいと思う私と、ソレを許してくれなくなった世界。

その残酷さを思い知らされる毎日。

 

私はきっとそんな世界に縛られてこれからも生きて行くのだろう…………。

 

「フン!」パチンッ

 

心が暗くなった瞬間、私は力いっぱい自身の頬を叩き意識を切り替えた。

 

そうだ辛くなったらまたお母さん達の所に帰省すれば良い、少しの間しか帰れないけど、それでもISとは関係無く笑って支えてくれる家族が居る。それだけで私は幸せなんだ!

 

私は頬の痛みを感じながら部屋を出て、顔を洗う為に洗面台まで行くってドアを開くと、そこには。

 

パンツ1枚しか履いてない男が居た…………え?

 

「キャャ「ギャァァァァァァ!!!!」」

 

「人が着替えてる時にいきなり開けるなんて……エッチ!スケベ!変態!」

 

「す、すみません!」

 

私は即座にドアを閉めると、その場にへたり込んでしまった。

 

や、やってしまった。疲れが溜まっているとはいえ、こんな失態を犯すなんて、恥ずかしいぃ!………………あれ?

 

「って!何で私が謝ってるの!!?」

 

私は咄嗟に立ち上がり、スマホで警察に電話をかけ様とした。

 

「ちょっと待ったーー!!」

 

「ヒャイッ!」

 

後ろの洗面台のドアがバンッっと勢い良く開けられ、ソレに私は驚いてしまい、スマホを落としてしまった。

 

「あっ!」

 

「コレ没収!」

 

そして、私が拾う前に変質者の手に渡ってしまった。

 

「か、返して!」

 

「返すか! コレ返したら警察呼ぶだろ!?」

 

「当たり前でしょ!」

 

最悪だ。こんな状況でスマホを取られてしまうなんて、こうなると外への連絡手段は一つしか残らない。

 

「言っておくが、この家の周りに電磁波シールド張ってるから、ISを使った外への通信は不可能だぞ?」

 

「…………え?」

 

「そりゃそうだろう? ここまで来て、いきなりお仲間さん呼ばれちゃぁ、たまったもんじゃねぇからな。あっ、あとこのスマホでも同じで外への連絡は出来ないぜ」

 

と、変質者はスマホを指で抓んでぶら下げながら私をあざ笑うかのように言ってきた。

 

それよりも、いつの間にそんな事を…………あれ?じゃあ今の私に残されている手段って…………。

 

 

自衛

 

 

ISを使った自衛のみ。

 

女の体で男に勝てる筈も無いし、助けも呼べない、なら自分で何とかするしかない。

それに相手はただの男性。しかも不法侵入して来た犯罪者だ。容赦する必要はない……………なのに…………何で

 

私は震えているの?

 

いつでもISを展開出来る様にしている、ほんの少しの意思でこの男を撃退出来る。

 

 

そう思った瞬間あの恐怖が蘇る。

思い出したく無くても頭にこびり付いて消えて無くならない、あの光景。

 

 

ISが無くても敵なら容赦なく撃ち殺す仲間達の姿。

 

 

あの時、私は恐怖で一歩も動けず何も出来なかった………けど。

 

もし、あの時、私も殺す為の引き金を引いていたら…………。

 

 

そして今、ここでこの人を脅す為にISを展開するとしても、この人が素直に投降するだろうか?

 

もしかしたら、逆上して襲いかかって来るかも知れない?

 

そしたら………私はどうする?

 

 

わ、私は……私はこの人を

 

この人を!

 

「わっ!!」

 

「ひゃっ!」

 

そんな、思考がグチャグチャになりかけた時、突然、男は私の目の前で大きな声を出して驚かして来た。

 

その反動で体制を崩してしまい、そのまま尻餅をついてしまう。

 

「いっ!」

 

「おう、大丈夫か?」

 

「は、はい、大丈……って何が『大丈夫か?』ですか! 貴方がいきなり驚かしたから私は!」

 

「いや〜めんご!めんご!余りにも君の顔が見ていられなかったからよ!」

 

「か、顔?」

 

「おう!そりゃ酷い顔だったぜぇ? まるで高校受験に失敗した中学生みたいな顔だった!」

 

そこまで言うと男は尻餅をついている私と同じ目線になる様に座り込むとクシャリと満面の笑顔をする。

 

「そんな苦しそうな顔をするなよな!美しい顔が台無しだぜぇ」

 

「………」

 

気色が悪い言葉を吐いてくる。

 

「君みたいな美しい人は、こんな世界の事は気にせず、笑顔でいるのが一番似合うんだからさ」(-ω☆)キラリ

 

……………笑顔でいるのが………一番?

 

………ふざけるな

 

……ふざけるな!

 

巫山戯るな!!!

 

「貴方に何が分かるっていうの!?」

 

「………うぇ?」

 

「毎日毎日乗りたくも無い、ISに乗って!関わりたくもない人達と会って!!

思い出したくも無い、あの時の話をさせられる!!!」

 

あぁ、私は何の意味の無い事をしている

 

「人を殺すなんて当たり前の世界に入れられて!」

 

それでも止まらない

 

「周りには味方なんて誰一人として居ない!」

 

止まってくれない

 

「どんなに苦しくても、辛くても、弱音一つ言わせてもらえない!!」

 

まともに男の姿も見れなくなる程、涙で視界が眩む

 

「こんな状況で、笑える訳ないでしょ!」

 

私は、これまで知人や親にすら見せてこなかった自身の弱い部分を男に怒鳴る様に曝け出した。

 

今、目の前に居る男に言ってもどうしようもな無いし、それどころか相手は不法侵入して来た犯罪者。こんな事を言っている間にも早く拘束しなければならないのに

 

なのに

 

止まらない

 

「何も知らない癖に勝手な事言わないで!!!」

 

座り込んだまま、これまでの日々の苦しみを言い終えた私は息切れを起こし、涙を流しながらも男を睨み付ける。

 

すると男は、そんな私を見下ろしながら微笑みを浮かべ、私と目線を合わせてきた。

 

「救けて欲しってか?」

 

「っ!」

 

図星

 

私が誰にも言えなかった、言っても意味の無い、それどころか、ただ他の人に迷惑をかけるだけの言葉。

 

 

救けてって言う言葉。

 

 

「そうだよなぁ、救けて……なんて言って救かる程、世の中甘くねぇし、良くて同情されるぐらいだろうなぁ〜…………だが俺は救けちゃう!」

 

「…………ふぇ?」

 

次の瞬間、男は立ち上がり高らかに両手を広げ、子供の様に無邪気な笑顔を浮かべた。

 

「俺はな?女の子からの好感度が少しでも上がる可能性があるんだったら

 

『ここで君を助けたら、きっと君は、この先も誰かに頼って生きていく人になってしまう、だから俺は君を救けない……でも、君が救かる為の手伝いは出来る』

 

………みたいな変に格好良い主人公みたいな事はせずに!速攻、助けちゃう!!

 

なんせ俺は、ギャルゲーでさえ、そこまで好感度が高くなくても告白できるようになれば速攻、告っちゃう奴だからな!!少しでも好感度を上げてないと詰んじゃう!と言うことでぇ!!!」

 

そこまで言い終わると突如、男は私から奪ったスマホを無造作に触り出した………そして

 

「ほら、何とかしてやったぞ!」

 

「………え?」

 

私は男が何を言っているのか理解出来ないまま、男からスマホを投げ渡たされる。

 

次の瞬間

 

プルルルプルルルプルルル

 

「ひぁっ!」

 

手の中に収まったスマホが鳴り響いた。

 

ピッ

 

「は、はい山田です」

 

『あー、山田くん単刀直入に言うが此度の話何だがね』

 

「は、はい」

 

『無かった事にしてはくれないだろうか?』

 

「はい…………はい?」

 

え? 

 

『それと、これからの事なんだが』

 

「は、はい」

 

『私達は君を必要以上にISと関わらせない事を誓おう』

 

「…………ふぁい?」

 

どゆこと?

 

『だ、だが完全にISとの関わりを断つのは止めてほしい。それだけだ。それでは失礼する』

 

「………あ、はい」

 

ピッ

 

……………

 

…………はぁ?

 

電話が切れ数秒の沈黙の中、私は今だに今の現状を理解出来ていない…………てか、できる訳が無い。

 

精一杯今起きている状況を理解しようとしている中で、空気を読まない奴が一人居た。

 

「お~い、俺の声聞こえてるぅ?」

 

「………ふぇ?」

 

変質者だ

 

「今の電話で分かったと思うけどよぉ? 今日! 今ここで! 山田 真耶を救ったのわぁ………俺!」

 

「そ、そうなんですか?」

 

「そうなの!て、言う訳で、次は真耶やん!君がこの俺、クロスギーツで在る黒鐘柊の事を助けて下さい!!!」

 

「………真耶やん? クロスギーツ? 黒鐘……柊?」

 

「でないと俺、一生お家に帰れない!」

 

…………えぇ〜?????

 

目の前で恥じらうこと無く堂々と土下座をする男を見ながら、私は、動画でよく見る宇宙ネコの気持ちが分かりました。

 

あぁ、本当に理解出来ない事が起こると、人間って一周回って冷静にと言うより何も考えられないんですね。

 

「は、話だけなら聞きます」

 

もう、色々と疲れた。

 

「アジャース!!」

 

 

 

 

 

「あ!それともう一つ、いいか?」

 

「はい?」

 

「今後、俺の事は柊って名前で呼んでね!」 

 

「え、嫌で「あーもしもし政府のお偉いさん?さっき話した真耶やんの事なんだけど」柊さん!柊さんですね分かりました!今後はそう呼ばせてもらいます!!」

 

「よっしゃーーーーっ!!!」

 

………あれ?もしかして今の私って前より更に自由から程遠い所に居るのでは?

 

 

 

※お互い机を間に椅子に座りながら前回のお話中(クロエの話を除く)

 

 

 

「良いから帰って下さい!」

 

「やだ~!帰りたくなぁ〜い!!」

 

「やだじゃ無いですよ!早く帰って!!」

 

「何でそんな酷い事言うの!?」

 

「逆にこのままここに居て良いですよ、ってなる方が可笑しいでしょ!?」

 

そこまで言うと柊さんは突然椅子から立ち上がり猛スピードで私に近づいて来て、私の腰に腕を回し膝を付きながら抱き着いてきた。

 

「キャァーーーー!!!」

 

「ごめん!マジでごめんな!?だが! 君が同居を許可してくれるまで俺は君に抱き着くのを止めない!!!」

 

「何気持ち悪い事言い出すんですか!!良いから離して下さい!!このクズ、スケベ、変態!!」

 

「有難うございます!!!」

 

「何、感謝してるんですか!?」

 

へ、変態だ、本物の変態だこの人!

 

「そもそも今の話からして、原因どころか全部、貴方のせいじゃないですか!」

 

「そうだよ?全部俺が悪いよ? だからってあんな不味いぃ飯、食えっては違くない!?」

 

「何開き直ってるんですか!!良いから離して下さい!!そして帰って!」

 

「ヤダヤダヤダーーーー!!!せっかく体調が良くなったからクロエの目を盗んで必死にここまで来たってのに!今、帰ったら確実にクロエからお仕置きされる!最悪殺されるぅぅぅーーー!!」

 

「良いじゃないですか!あの子可愛いですし柊さんの好きな童顔ですよ!殺させるなら本望じゃないですか?!」

 

「アイツは巨乳じゃ無いから駄目だ!」

 

「結局、胸ですか!!!」

 

この人、ただのクズだ!!!

 

「それに、話が流れちゃいましたけど柊さんが本当にクロスギーツなら!

尚更!私と関わらないで下さい!」

 

「何で!?」

 

「何でじゃ無いですよ!良く分からないままとはいえ、せっかく私は自由になれたのに、貴方と関わっていたら無駄になるじゃ無いですか!」

 

「俺が君を自由にして上げたんだぜ!?」

 

「元はと言えば柊さんが原因なのに、恩着せがまし過ぎません!?」

 

そうだ、そもそも私があんな辛い毎日を過ごす原因を作ったのはこの男!クロスギーツのせいだ!

なのに何で私が恩返しの如く、助ける必要があるの!

 

そう思っていると柊さんは更に理解出来ない事を言い出した。

 

「だったら今日から真耶やんは俺達の仲間だ!配信者だ!!だから助けて!!!ついでに名前で呼んで!!!」

 

「巫山戯ないで下さい!私は貴方の仲間に何かなりませんし、ただただ迷惑です!」

 

「ヤダァァァーー!!俺は絶対に真耶やんと同棲するんだーーー!!!」

 

これだけ言っても柊さんは、私から離れずに頭を左右にブンブン振って否定の意を見せていた………と言うか!

 

「それもう、下心しかないじゃないですか!!」

 

「何故バレた!?」

 

そんな言い争っていると家の中に『ピンポーン』とインターホンが鳴り響いた。

 

「ほら、誰か来たので、どいて下さい!」

 

「やんっ!」

 

そうして私は無理矢理、柊さんさんを引き剥がす事に成功した。

 

柊さんは引き剥がされた勢いのまま床にへばり付く様に倒れた。

 

「はぁ〜………疲れた」

 

引き剥がし終わった私は重い足取りで玄関へと向かって、扉に手を掛けた。

 

「は〜い、今開けます」

 

ゆっくりとドアを開ける………が。

 

「……………あれ?」

 

誰も居ない

 

「誰か居ませんか?」

 

少しドアから顔を出し、外を確認しても、人が居る気配はない。

 

もしかしてイタズ『ドン!!』

 

「ひゃっ!」

 

な、なに!?

 

今の音、家の中から銃声の様な音が聞こえた様な…………って、まさか、あの男また何かやらかしたんじゃ!

 

「な、何をやっている、ひぃ!!」

 

玄関から急いでリビングのドアを開けるとそこには。

 

「ま、待ってくれクロエ!」

 

「嫌です」

 

ロープでぐるぐる巻にされている柊さんと、そんな彼に白色の銃(マグナムシューター)の様な物を突き付けるクロエと呼ばた少女が居たのだ。

 

…………え?

 

え?本当に撃つ訳では無いですよね?

一応ここ私の家ですし、銃なんて人に向けて

 

「…………」バン!

 

撃ったー!!

 

「嫌ァァァーーー!!!」

 

よ、避けたーー!!!(魚の如く)

 

「何、避けているんですか?」

 

「いやちょっ、ちょっとタイム!タイム!!!」

 

「駄目です」

 

「あぁぁーーー!!!」

 

里帰りしようかな?

 

 

 

 

・冒頭に戻る

 

 

 

「クロエ様、言い訳を!言い訳をさせてくれ!!」

 

「…………良いでしょう」

 

あ、ちゃんと言い訳なんですね。

 

「あのな、クロエ」

 

「はい」

 

「お、俺達ってさぁ、色んな国の国家機密を世界に暴露したり、離婚問題を解決したり、ありとあらゆる研究所を爆破したり、興味のねぇ行列に並んだり、いろ〜んな動画を上げて来ただろ?」

 

改めて聞いても、ろくな事やって来てないですね、この人達。

 

「だから、何なんですか?」

 

「そこで俺は気付いた訳よぉ」

 

「?」

 

「なぁクロエ? 俺達の動画に何か足りない物が有ると思わないか?」

 

「そんな物が有るんですか?」

 

「有るんだよなぁソレが」

 

そんな事どうでもいいから早く帰ってくれないかな。

 

「そ、ソレはいったい何ですか?」

 

「エロスが足りない」

 

「………は?」

 

は?

 

「俺達の動画にはエロスが足りない!!」

 

いや、二回も、言わなくていいです。

 

「俺達は変わるべきなんだクロエ! 可愛い(クロエ)、イケメン(俺)、面白い(企画)、そこに更にエロス(真耶やん)が加われば、今の比じゃない位に楽しくて面白い動画が撮れる!!!」

 

「だから!決して!決っっして!!!俺が真耶やんに会いたとか、お近付きになりたいとか、デートしたいとか、出来るなら俺の彼女にしたいとか、そうゆう邪な気持ちで来た訳じゃ無いんだ!!全ては、今後の動画の為なんだ!!!」

 

今の話しを聞いても、彼が私利私欲に塗れ過ぎてる事しか分からないし、絶対に私が目的でしたよね?

 

「そうだったんですか」

 

「そうなんだ、だからこの縄を解いて俺を開放『バンッ!!』ひゃうっ!」

 

ひっ!

 

「柊様、私は今の話を聞いて確信しました」

 

「な、なにが?」

 

「いつもの柊様だったらそんな馬鹿で、クソで、マヌケで、どう仕様もなくて、醜くて、腹立たしくて、ゲロカスで、巫山戯たミジンコみたいな考えが浮かぶ訳が無いのです」

 

「いや俺、結構こんな事しか考えて「だから!!」………はい」

 

「だから、きっと今の柊様は惑わされている……いえ、洗脳されているのですね、あの胸部にぶら下がった駄肉で」

 

だ、駄肉!?

 

「教えてください柊様。あの駄肉でどうやって柊様は洗脳されたんですか?左右に揺らされて?それとも上下に?」

 

そんな破廉恥な方法で洗脳なんて聞いたこと無いですし遣りませんよ!

 

こんな人になら尚更!

 

「クロエよ多分、俺そんなの見たら洗脳どころじゃねぇと『プシュッ!』……? ナニコレ?」

 

あれ?何か今、柊さんの腕に注射器みたいなのが撃たれた様な。

 

「柊様やっぱり教えてはくれないのですね………あ、それとコレは私が独自に作り出した柊様専用の麻酔弾です」

 

「やだ、この子、俺が知らない所でヤバい方向に進化してzzz」

 

「え!?」

 

ちょっ!今寝られても困るんですけど!?

 

それと、何で彼女は私に顔だけを向けて笑ってるの?

 

「柊様はただ、あの雌牛の駄肉で洗脳されてしまっただけ………なら」

 

完全に私の方に振り返った彼女の右手には、いつの間にか禍々しいオーラを放っている紫色のチェーンソー(ゾンビブレイカー)が握られていた。

 

「その、駄肉を削げば良い。それだけで柊様は、きっと、いつもの柊様に戻るはず」ギーーン!!!

 

……………え?

 

「この瞬間から私は駄肉スレイヤー、この世の全ての巨乳を狩る者です!」

 

「ちょっ! ちょっとま「問答無用!」てぇ!?」 

 

「イヤーーー!!!」ギーーーン!!!

 

「イヤぁアァぁァあァアァ!!!??」

 

【この時、クロエは山田真耶の胸目掛け、ゾンビブレイカーを振り下ろした!………が

 

その瞬間、山田真耶の脳内で不思議な事が起こった。

 

山田真耶の脳はこの危機的状況下で生存本能が働いたのか、この世の最高AI!

世界の大天災、篠ノ之束!!

世界の大災害、クロスギーツ!!!

すれらを凌駕する程の速さで回転し、この危機を回避する答えを導き出した!!!】

 

「柊さんからクロエさんの自慢話をされてたんです!」

 

「」ピタッ

 

「ヒィ!!」

 

私自身の無意識に出た一言で、クロエさんの持つ紫色のチェーンソーは私の胸に触れるコンマ1ミリを前にして止まった。

 

「嘘ですね、じゃあ何で初めからそう言って「恥ずかしかったんだと思います!」………え?」

 

「男の人は本音を言うのが恥ずかしい生き物ですから………黒鐘さんだって例外じゃないはずです」(知らんけど)

 

自分で言ってて何だけど、私、何言ってるんだろう?

 

それに、咄嗟に口から出たとは言え、私自身信じられない位スラスラと虚言が出て来る。

 

………けど、この機を逃す訳にはいかない。

この私の行いで誰か(柊さん)が苦しもうとも!

 

「しゅ、柊様がそ、そんな「そんな事在るんです!!!」っ!?」

 

「言っていました!」

 

遣ってやる!!!

 

「クロエのご飯は世界一美味いって!」

 

「へぇ!?そ、そんな事知っていますし、あ、当たり前「まだ有ります!」え?!」

 

コレで駄目なら!

 

「言っていました!クロエと一緒に居ると何時もドキドキして冷静で居られないって!!」

 

「なはぁ!?」

 

「言っていました!クロエが居ない人生なんて考えられないって!」

 

「ふぁ!?」

 

「言っていました!俺にとってクロエは理想の女だって!」

 

「理想の女!?」

 

「言っていました!柊さんは毎日クロエのベッドに入るのを我慢していると!!!」

 

「はわわわわ〜〜〜!!!」(//∇//)(勝負下着を買わなくしちゃ!)

 

「何だったらクロエとの子供だけでサッカーチームが作りたいって!!!!」

 

「私もぉぉぉーーー!!!」(欲を言うと倍は欲しい!!!)

 

「もう、結婚式場も予約しているとか!!!」

 

「初夜ぅぅぅ〜〜〜〜!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は飛んで、あれから数日後

 

 

あの後、クロエさんは私の話を信じてくれたのか、顔を赤らめ興奮気味の状態のまま、柊さんの足だけを持ち上げて引きずりながら黒い霧(ワープホール?)の中に入り帰って行った。

 

その姿を見届けた後、途端に私の全身から力が抜け、膝から崩れ落ち、涙を流していたのは言うまでも無い。(だってさっきまで命の危機が迫っていたんだもん)

 

もし、この時に戻れるなら全力で私を抱き締めて『よく頑張ったね』って褒めてあげたい。

 

その位あの時の私は限界に近か………ううん、きっと超えていた。

 

………そこから数時間してやっと私は動く事が出来るようになり、直に、これからの事を考えで不安はになったが同時に喜びも有った。

 

これからは私は自由なんだと、もう政府からの圧力が無くなり普通の生活が待っているのだと。

 

唯一の不安要素である柊さん……クロスギーツもきっと、あのクロエと言う少女が私に近付かせない様にしてくれるはず(多分、きっと、)

 

………まぁ、そんな想いは一瞬にして打ち砕かれてしまったんですけどね。

 

だって、今現在

 

「それでですね、あの後、柊様の部屋に夜這いをしに行ったのにですね。一切こちらを見ようとしてくれないのです!」

 

「そ、そうなんですね」

 

「柊様はもっと恥ずかしがらずに自分の心を表に出した方が良いと思います!山田もそう思いますよね!?」

 

「あ、はい、仰る通りです」

 

机を挟んでブルブル震えながらクロエさんの愚痴(惚け話)を聞いています…………はははっ

 

あと、柊さん程、自分の心に忠実な人は居ないと思いますよ。(言わないけど)

 

「あ、話に夢中でつい忘れるところでした。今日は山田に渡す物が有るんです」

 

「は、はい何ですか?」

 

「コレを」 

 

そう言ってクロエさんが机に置いたのは一つのUSBメモリーだった。

 

「編集、よろしくお願いしますね」

 

「…………え?」

 

ど、どういう……こ………と?

 

「柊様から聞きましたよ山田。貴女、私達の編集担当になるそうですね」

 

「……………」

 

「どうかしましたか山田?」

 

押し黙る私を見て、目の前のクロエさんは小首を傾げ私の名前を呼ぶ。

 

傍から見たら、可愛らしい少女が私を心配して声を掛けている様に見えるかもしれないが。

 

何となく分かるのだ

ここでNOと答えたら終わる………と

 

「が、頑張ります」

 

 

 

追伸

お母さん、お父さん、私の非日常は終わらない様です……………うぅ(涙)

 

 

 

 

 

 





一応、話の展開は考えていますが、スランプ中の所為で、全然進みません。(`;ω;´)

次回はクロスギーツの戦闘回です。
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