おっす!オラ一般チート現代日本転生者!名前は暁!さっき唐突に現れた推定魔王城へ向かって大ジャンプしている最中だぜ!街中にも関わらずうっかり大ジャンプしてしまったが大丈夫だといいな。問題ない!なぜなら俺は仕事の間は姿隠しの呪文で隠れているからだ!まだギリギリ効果が残ってたから唐突に大ジャンプしたことはバレてない!でもアスファルトにはくっきり足跡が残ってるだろうがな!
アスファルトの補修っていくらかかるんだろうぁと真っ直ぐに空中を直進していると、ある瞬間からふっと景色が切り替わった。周囲は綺麗な夏の青空から赤い空へと変貌し、先ほどまでピカピカニコニコしていた太陽も憎悪を煮詰めたような赤黒い太陽に変わってしまった。下を見れば推定魔王城を中心に街の中にぽっかりと円状に空き地が広がっている。
おそらくはこの領域に踏み込んだから景色が変わったのだろう。よくよく見れば空き地には小さな芽のようなものが顔を出し始めていた。黒いけど。魔界の植物かなんかなんだろうかね。そうして下を見ていた俺の目に他とは明らかに毛色が異なるものが映り込んだ。
あれが見たままの施設なら行った方がいいだろうと考えた俺はそのまま上階に突っ込もうとしていた進路を変更し、体を広げて空気をいっぱいに受け、ムササビのように体を丸め、直下に落ちていく。シュタッとくーるに着地した目の前には推定魔王城の下であるその場にそぐわないものがあった。デカデカと様々な言語で書かれた文字を素直に受け取るのならばどうやらここは受付のようである。
「ようこそ!東京第一級ダンジョン『魔王城』へ!」
白い豆腐に近づいた俺はニコニコと微笑むお姉さんに出迎えられた。人間離れした美貌のお姉さんだ……というか人間ではない。魔力的なナニカの
「──ゴーレム?」
「はい、その通りです。このダンジョンへの入場者の管理を担っているゴーレム、カガリと申します」
ス、と頭を下げるカガリさん。なんで発生したばかりの謎の城──カガリさん曰く東京第一級ダンジョン『魔王城』──に受付がひっついていて神造のゴーレムが管理を請け負っているのかは全くわからないし根掘り葉掘り聞きたいことはあるが、そんなことより冒険だ!
「とりあえずダンジョンに入りたいんですけど」
「でしたらこちらで手続きとチュートリアル、そして適性検査の方お願いいたします」
いやこれ調査よ?ホントホント。チュートリアル終わったら色々聞くから、ダンジョン行きたすぎたわけじゃないよ?カガリさんに促され、そちらの方を見やるとテチテチと可愛らしい幼女が先ほどまで壁だったところから歩み出てくるところだった。しっかりとカガリさんと同じ制服を纏った幼女は俺の目の前まで来るとビッ、と敬礼して叫んだ。
「ダンジョンチュートリアル試験官葉月です!葉月ちゃんと呼んでくださいね!それではお兄さん!こちらで説明を行うのでついてきてください!」
そう言ってピッ!と虚空から取り出した三角旗を掲げた葉月ちゃんは豆腐にできた裂け目に消えていく。奥を覗くと真っ白な廊下が広がっていた。なんか病院みたいに真っ白だな。早く早くーと飛び跳ねる葉月ちゃんに今行く、と告げ俺は歩みを進めた。
──にしてもこんなおっさんがちゃんづけで呼んだら何らかの法に抵触するんじゃないか?そういえば今の俺は見た目高校生なんだった。じゃあセーフ?いやアウトか?でも精神年齢的には?いやいや、それじゃあエルフのイケメンお兄さんもアウトじゃないか?そんなことを考えながらヒラヒラと揺れるリボンを追いかける。結論として出たのはただしイケメンに限る、だった。あれじゃあ俺アウト?ドパーンと大きな音が響き、我に返って見てみれば廊下の突き当たりの右の扉を葉月ちゃんが開け放ったところであった。
「それじゃあお兄さん!まずはダンジョンの説明をするのですが!今回は他の受講者がいないので早速始めますね!」
ホワイトボードの前にたくさんの机と椅子が用意された、要するによくある講習会な部屋でたった1人、俺は葉月ちゃんの話を聞く。
「まずは……何から話せばいいんでしたっけ?んーと、ちょっとお待ちくださいねー」
うーんうーんと頭に手を当てて悩む姿は年相応の可愛い少女、じゃなかった、幼女といった印象だ。ただまあなんというか、魔力量は可愛くない。受付のカガリさんも相当だったがこの子は全くの別格だ。戦闘用ゴーレムなのかなー(棒)。
「んじゃあまずはダンジョンについてですかねー?ダンジョンってのはこの地球についさっき現れたこんな感じの異空間です」
ベシ!と叩きつけたホワイトボード?には様々なものが映し出されていた。ピラミッドや幽霊船、海底都市、ドーム状の膜のような結界的な何かに覆われたそれらの内部をカメラ(?)が映し出していく。ただなんというか……
「まあ特に言うことはないですねー。まるっきりゲームみたいなダンジョンなだけですので、よくあるダンジョンモノのラノベと同じ設定だと思ってくれていいですよ?」
そう、なんというかありきたりなのだ。現実化したらもっと極悪な罠とかがあるモノだと思っていたが紹介映像に写っているのは落とし穴とかそんな感じの低予算トラップを飛び越えていく棒人間がたまにぴょこぴょこしている敵モンスターに出会う程度のアトラクション並みの危険度の
「あ、今ご覧いただいてる映像はS〜F級あるダンジョンのうちのF級ダンジョンですよ。上の難易度はもっと怖いですからねー」
がおー、と威嚇して咳払いを一つ。
「んまあこんなことはどうでもいいんです。次はステータスとかスキルとかそっちの話なんですがー」
そうそう、大体のダンジョンモノってなんか魔力とかで覆われてて現代兵器が通用しないとかいうわけわからん設定がある──別に効いてもいいじゃん。なんでわざわざ効かない設定にしておくんだろうね?──ので大体戦うための手段として神様に与えられた祝福()によってステータスやレベルやスキルが授けられたのだ──!となるのが定番だよな。いや、祝福より先にダンジョン消せよ、神。
「こっちも特に説明はないですかねー?定番のダンジョンモノと一緒なので。後でステータスとか見られるやつを渡しますのでその時に」
いや雑いなあ。
というわけで話をまとめると……ダンジョンモノのラノベ世界、以上!ではあるのだが少しだけ言葉が足りないようだった。
まずは地球の体積ってか面積拡大。ダンジョンがスペースを取るからその分広がったらしい。正確には神が広げたんだとか。いやだからダンジョン生やすなよと思ったがこの世界のダンジョンは神の試練とかではなくそれぞれ別世界からの侵略拠点だったりなんだりらしい。それを結界で押し留め、ダンジョンという概念に押し込めた。そこまでやるなら侵略をカットしろよ、と思ったがなんか事情があるらしい。
数が多いのは他の世界の分も
そんな感じの今現在世界中になんかたくさんいっぱいダンジョンが出来ていてそのうち人類が将来的に絶対攻略出来ないダンジョンが18個あるらしい。多い。つまりはそれを攻略するために俺が呼ばれたのかもしれない。まあ俺も人類に含まれてるならたぶん攻略できないんですけどね。
「はい、以上で説明は終了となります!長い時間お疲れ様でした!次はいよいよステータスとスキルを見にいきますよー!」
わぁい(*^ ^*)
散らかる設定と文章。説明する気のない説明。まあ進んでいけば空気感わかるといいね。いつかまとめられる日は来るのか!?まあそんなわけでダンジョンモノのラノベ世界の認識でオッケーです。次回は早いといいね