今日はチーフトレーナーの担当ウマ娘のメジロドーベルが模擬レースに出走する為、先輩とチーフトレーナーと共に観客席で観戦している。
でも、その日のドーベルは…何か様子が変だった。
ブライト「ドーベル、どうかなさいまして?次走の子は、もうゲート前に行くよう指示が出ていますが〜……。」
ドーベル「あ…ご、ごめん。ありがとう…。」
ブライト「…ドーベル、顔色が笑ですわ。ご体調がよくないのでしたらー」
ドーベル「大丈夫だからっ…!。……大丈夫、だから。無理じゃない。アタシは模擬レースに出すだけ。ただ,それだけなんだから…!!」
ドーベルの様子がおかしいのは、自分でも見ててわかった。
「先輩…、あの子…様子がおかしくないですか?」
チーフ「そうね…でも今は、見守ってあげて…」
先輩「…………。(チーフ……)」
チーフ「ほら、そろそろベルちゃんたちの出走よ。」
チーフトレーナーはそう言っていたが…。不穏な予感は、レース本番で現実のものとなった。
(ーガコンッ)
観客「わぁぁぉぁぁぁぁ〜」
ドーベル「はっ、はぁっ、かはっ……」
「(あれ…!?、前にまた走りと違うし。キレが見られない…。やっぱりおかしい)」
模擬レースのでのドーベルの走りは、先日とは打って変わって、キレがなかった。それに…
観客『わぁぁぁぁぁぉぁぁ〜!!」
ドーベル「〜〜〜ッ……!!」
明らかに表情も、怯えてる様子が見られて結局ドーベルは、大いに精彩を欠いた走りのまま、8着でレースを終えてしまった…。
俺はチーフに、明らかに以前の様子と違っている事を話すと、チーフはドーベルの過去について話した。
チーフ「ベルちゃんはね…うんと小さい頃に辛い方があって、人前に出るのがとても苦手になってしまったみたいなの。それでもメジロの広い広い敷地の隅っこの、なるべく目につかないトレーニング場所で、一生懸命鍛えてきたらしいんだけどー」
辛い過去があったドーベルだが、それでも努力をして鍛えようするも女性メイドや同じウマ娘しかいない環境にて育ってきた為にか、大勢の前に出る事が今でも苦手な事らしい。それで今の模擬レースの様に、大勢の人に見られている視線を気にして、本来の実力を発揮出来くなる。特に男性には最も苦手らしく。
「(だから俺らとあった時、あまり目も合わせてくれなかったんだ。俺たちが男やから…)」
先輩「レースに出たくて、勝ちたくてここへ来たのに、辛いだろな」
チーフ「辛そうだわ、ずっと。」
可哀想な顔でドーベルを見つめているチーフであったが、急に表情を変える。
チーフ「……けどね。ーそれでもベルちゃんは、諦めていないのよ。」
「……。」
そのチーフの目には、いつも穏やかで優しい目とは打って違って、なからずその思いに答える様な目をされている。
それはチーフのその言葉に強く重く感じていた。
【模擬レースの帰り道】
「ドーベル…結構な苦労しているのですね…」
先輩「そう見たいやな…。でも、お前に似てるなぁ」
「俺っすか⁉︎」
先輩「あぁ。ライセンスに合格したが、ある事がきっかけでトレーナーになる自身を失い、路上に迷いそうにしていたお前だったが。今では、アイネス達と一緒頑張れている所がな」
そう先輩がフラッシュの選抜レースの時と同じ、真面目な顔をしながら話される。
先輩「それに…今のお前だったら、ドーベルの力になれるからな。フラッシュの時と同じ様に接したら、きっとドーベルも楽になるやろうし」
「先輩…」
「…(そう言われたら、そうかもしれないな。確かに前の俺と比べたら…)」
「先輩…、すみません。ちょっとアイネス達に会いにいってきます」
今の俺はアイネス達と一緒に頑張って、誰を見ていないその先の勝利へと行く事だと思い、急にあいつらに会いたくなって来て走り出した。
先輩「たく、あいつったら……(本当にあいつに……)」
急に表情が曇ってくる先輩には理由があった…
それは、俺らがチーフに会う日の3週間前……
【アイネスのデビュー戦の日】
電話越しでチーフと話している先輩がいた。
先輩「……、ほんとですか⁇…チーフ…」
チーフ「えぇ…。私も、もうそろそろ近いうちにトレーナーを引退発表をしようと思っているの。もう年寄りやから。」
先輩「そうですか…」
チーフ「それでね、あなたにお願いがあるの。もしあたしに何があって、引退しないと行けなくなった際には………〜〜〜。」
先輩「……、チーフ」
【時を戻し】
先輩「もし,それが本当にあったら…。あいつ…大丈夫かな…」
先輩は上を向き、黄金色に染まる夕焼け空を眺めていた。