皆んなと…前人未到の勝利へ   作:N.Y.にっしーいちご

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第二十三R:それでも、ファイター

翌日、ジュピターの部室にてアイネス達のトレーニングの準備をしているとー

 

先輩「よぅ!お前にお客様だぞ!」

 

先輩がそう言うと俺は直ぐに、誰が来たのか理解していた。

 

アイネス「ベルちゃん!!」

フラッシュ「いらしてくれましたか」

ドーベル「…………。」

「待ってたぞ、ドーベル」

ドーベル「っ、別に、私はただ…!ただ、っ……勝ちたいの。勝てる様に、なりたい…!次の模擬レースが……トレーナーに勝利を挙げられる、きっと最後のチャンスだから…!!」

「任せろ!!絶対に強くさせる!!必ず.勝とう」

ドーベル「…………うん。」

 

そして、ドーベルと共に、模擬レースに向けた猛特訓の日々が始まった。

本来、彼女の素質としては素晴らしいものを備えている。それもあって、能力自体は日々順調に伸びていっている。

 

 

ドーベル「はぁっ、はぁっ、はぁっ。」

フラッシュ「良いタイムですよ、ドーベルさん」

ドーベル「そう。…でも、さ。」

アイネス「どうしたの⁇ベルちゃん。」

ドーベル「大勢の前でも…レース本番でも、この走りができるかどうか。……そこなんだよね。ーもう一本、走ってくる。タイムお願い。」

フラッシュ「分かりました。」

アイネス「私も走るの!」

 

取り繕う様に言って、駆け去って行く。確かに、彼女がメンタル面で抱える問題はとても根深い。

 

「(小さいなんでもいい、何かきっかけがあればな……。何か……、…………?。)」

ドーベル「はっ、はっ、はっーーーーー!!」

アイネス「はっ、はっ、はっ!!」

 

「(そう言えば、ドーベル。今まで一回も……)」

 

『模擬レース当日】

 

テン「ほっほ〜〜〜!!随分凄い数のお客様がいらっしゃっていますね〜!!」

先輩「チーフの引退の件が、既に噂になっているからな。メジロドーベル獲得に動き出したトレーナー陣が来ているのもある」

エース「レース出走に難を抱えてる件は既に知られているけど,アルダンと同じ【メジロ】のウマ娘だ。注目はされる」

アイネス「……、ベルちゃん、大丈夫かな…?あの子、無理ばかりするから…心配なの……!」

アルダン「……それは心配ありませんよ、アイネスさん。きっと、大丈夫ですね」

フラッシュ「えぇ!今日のドーベルさんは、覚悟が違います。」

 

チーフ「ベルちゃん…………」

先輩「大丈夫よ、チーフ。あいつが側にいましたから、きっと……」

 

 

ドーベル「(トレーナー……きっと、見に来てくれてるよね。…勝ちたい。勝ちたい、勝ちたい、今日そこ……!。でも、っ…ダメ、また、心臓が……うるさくなって……!!)」

 

「ドーベル!!俺を見ろ!!」

 

ドーベル「っ、………ー!!(あ……見,ちゃった……観客席……)」

 

【遡る程数日前】

 

ドーベル「……普通、そうじゃない?走ってる時は、レースに集中すべきでしょ。」

「『見ない』意識が強すぎるなのもある」

 

あの時に思った事、ドーベルは【観客席を、絶対に見ようとはしない】ことだった。むしろ『絶対に見まい』とする、その強固すぎる意識が逆に集中を削き、走りを固くなる原因になっていると俺はドーベルに伝える。

 

ドーベル「っ……それは……。」

「だがら,次のレース出走前に…」

ドーベル「出走前に……何?」

「一瞬だけでもいい、観客席を見ろ」

ドーベル「は!?ま,無理…!!だって、私はー」

「俺がそこで、ドーベルを見てるからの」

ドーベル「っ、でも…」

「『強い』ドーベルを、俺は見てるから」

ドーベル「…………!」

 

 

【時を戻して】

 

ドーベル「(いる……あそこにー!!)

 

大勢の観客席の中に、強いドーベルを信じているトレーナーを見つける。

 

「ドーベル!大丈夫。お前は強いドーベルなんだから」

ドーベル「っ……何回言う気よ、バカ……//」

 

小さく呟くとそれに気付いたのかドーベルはこっちを見ながら、少し微笑んだ。それを見た俺は、頷きドーベルに向けて、拳を突き出した。するとドーベルも同じ様に拳を突き出す。

そして、チーフが見守る最後の模擬レースが始まる。

 

(ーガコンっ!!)

 

ドーベル「はっ、はっ、はっ、はっー」

 

「大丈夫だ…大丈夫。ドーベル」

 

ドーベル「(……正直、トレーニングど 通りの走りができてる訳じゃない。人前は嫌い。皆んな、弱い私を笑ってる様にしか見えなくて…)でも、っ……ぁあああああああああっ!!。」

 

ドーベル「(でも,それでも!あそこにいる!いるんだ!私の事…強いって、信じてる人が!)」

 

「(最終コーナー)行け!!ドーベル!!見せつけろ!!強きドーベルを!!」

 

ドーベル「私は強いっ……私は強い、私は強い!!私は!!強い、ウマ娘なんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

そして、ドーベルは最後まで走り抜き、一番乗りでゴール番の横をすり抜けた!!

 

観客【ワアアアアアっ!!】

「よっしゃぁ!!!!」

 

チーフ「1着…!!ベルちゃん…素晴らしい走りだったわ……!」

先輩「たくっ、本当にやってくれるなら…あいつ…流石だわ」

 

 

模擬レース終了後、チーフを連れて部室にて戻り,チーフの引退パーティーを行おうとしていた。

 

ドーベル「トレーナー。今日は…本当に、来てくれてありがとうございました。」

チーフ「ふふ、お礼を言うのはこっちよ。貴方の勝つ所が見られて、嬉しかったわ……おかげでもうなーんにも、心残りはありません。」

「ちょっ、チーフ…」

先輩「チーフ、まだ残っているでしょ」

チーフ「あっ、そうそう。…ベルちゃん、貴方はこれからどうするのかしら?」

 

ドーベル「私は、……(……!)この人達と一緒に、やって行きます。」

アイネス「ベルちゃん、それって!!」

フラッシュ「ふふっ」

ドーベル「……今更『イヤ』とか言わないでよね?トレーナー。」

「言わねえよ!!お前を強きウマ娘に絶対にしてやる」

 

チーフと先輩に見守られながら、ドーベルと担当契約を交わし、チーフトレーナー引退兼ドーベル担当祝いパーティーが始まり、部室内は大はしゃぎの中、テンポがやらと俺とドーベルをくっつけようとしている。

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