自信を失ったあの事を思い出してしまい,またもや二の足を踏んでしまい,スカウトを逃す…
そんななかでも,先輩トレーナーやアルダンに株を叩き込まれる。
その日の翌日,先輩やアルダンから背中を押してくれたものの,迷いは消えないまま不安を抱いた状態で模擬レースが行われるグラインドへと足を運ぶと…
いつにもまして華やいでいる様子だった。
その中に,昨日の模擬レースにいたアイネスフウジンとメジロライアンがいた…
メジロライアン「わぁっ、本当にシービーさんが走ってる!!もうすぐ最終コーナーってことはー!!」
アイネスフウジン「うん,来た…!後方一気からのぶち抜き!」
通りで賑やかと思ったら,自由人ながらのクラシック無敗の三冠を達成させた【ミスターシービー】が模擬レースに参加していた。ミスターシービーの得意とする,最終コーナーでの後方からの一気抜きで会場全体のボルテージが上がる。
ミスターシービー「ーはあああっ!」
会場(ワアアアー!!)
模擬レースが終わり出走ウマ娘が解散した後も,観客席には興奮の余韻がまだ残っており、その中でもひと際類を染めていたのはー。
アイネスフウジン「…すごい。すごい!!すごく,すごい,すごい!!あたしも走りたい!走りたーーい!!。ねぇねぇ,みんな一緒に走ろう!あたしと勝負しよーっ!!」
(スゲェーテンションだな〜!!)
と思いつつも,彼女の声かけにより数人のウマ娘の子がつられてグランドのレースにて,併走が始まった。
観客しているウマ娘「うわ,何あれ!!2400mって言っていたよね!?どんどんスピード上がってって…あんなんで最後までもつの!?」
確かに2400mって考えたら,やけにスピードを出しすぎていると思われてもおかしくないが.彼女の表情は凄く楽しそうな笑みを浮かべている。ほんとに楽しんでいるのがわかり,そのままペースを落とすどかろか更に,加速していき全力で走り,先頭のまま最後まで走り切った。
そして,息を切らしたままレースの草ばらにて大の字で倒れ込む。それでも満足感ないい笑みのまま。
メジロライアン「ふふ…相変わらず,レースの事になると普段の『お姉ちゃん』はどっかいっちゃうんだから」
自分も気づけば心臓が高鳴っていた。ターフを駆ける彼女の姿は遠慮を知らない獣の様で目の奥にこびりつて離れようとはしなかった。
(レースの事になると人が変わる子なんだ)
そんな彼女か目が離れず,しばらくターフで息を整える姿をいつもの観客席から見ている柵に登り,腰をかけてながら見ていると…自分に気づいた彼女がこちらへと寄ってきた。
アイネスフウジン「あ、キミってこの間のスマホの!!やっぱりトレセン学園のトレーナーだったんだ!!」
(グァン!!…それで覚えられるのなんか痛い…)
アイネスフウジン「さっきから私の事を見てたよね⁇何かご用?」
「あ,ええと…レースが好きなんだね」
アイネスフウジン「あはっ、うん!世界で一番好き!走ってる時ってね,ドキドキ,ゾクゾクして……!こう,前に前にって気持ちが止まらなくなるの!! それで前に抜けられた瞬間はね、全身が痺れたみたいになって、気持ちよくて…もうっ、ビックリするほど楽しいんだ!!」
彼女のレースへの楽しさがすごく伝わってきて,ほんとにレースを楽しんで走っている事がわかってくる。そんな姿にいつしか心を掴まれていた自分もいる。
「見ているだけでも充分,伝わってきた」
アイネスフウジン「あはは,そっか。…あ、さっきのレースずっと見ててくれたって事はー,どうだった⁇あたし,まだまだ速くならると思うの!プロの目から見て,アドバイスもらえない?」
「俺が!!うーん,そうだなー」
昨日今日との彼女のレースを思い出し,天性のスピードと前だけ譲らない姿から見て"逃げ"が適正なのには確定である。でも逃げウマ娘でも色々とあり,すぐに先頭に立ちレースの展開を操るパターンや最後まで均一なペースで逃げ切るパターンもある。
「どのような逃げのパターンになるかよりも,まずは君の走りをもっと深く知って,君に合った方法を考えた方がいいと思う!!」
アイネスフウジン「私の事をもっと……そっか。それなら……キミ,私の仮トレーナーになってよ!」
「えぇ!?」
まさかの彼女から仮トレーナーになって欲しいと言われたとかは思わず、びっくりしたが近々種目別競技大会があり,それにどうやら参加するらしく観にくる家族に今の自分は学園でも頑張って成長している姿を見て欲しいとの事。それに自主トレでは効率的にはならず、専門家の人に教えて貰いたいと。
アイネスフウジン「それにー,キミはキミで,【トレーナー】になる自信ー,誰かを担当する自信が,まだないんだよね⁇」
「えぇ!…どっどうしてそれを!?(先輩やたづなさんにしか話した事無いのに!?)」
アイネスフウジン「いやー,ちょっと聞こえちゃって? まぁ,それはそれとして,(置くなよ!!)キミもあたしで練習できれば,自信つくかもでしょ!!つまりこれは,ウィンウィンな提案なの!と言うわけで,明日からよろしくね!」
こうして,思いもよらない形で,アイネスフウジンとのから契約が結ばれた。
その後,チームジュピターの部室に戻り,先輩に彼女の種目別競技大会までの仮契約なった事を伝えると,何故ヘドロックを喰らっていた。
それを見ているアルダンも微笑ましそうに見ていた。
因みに最後の先輩からのヘッドロックは,去年のパリーグペナントレースにて、オリックスの中嶋監督がサヨナラ弾を放った紅林選手にしたヘッドロックをイメージしています!!