進撃! 犬耳機動部隊   作:神谷萌

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 (訂正)
 第20話で新学暦206年・西暦1942年を
 「昭和18年」としてしまっていました。
 修正済みです



Chapter-27

 新学暦206年、昭和17年、西暦1942年。

 8月23日。

 エボールグ、チハーキュ帝国本土カムイガルド。

 帝都レングード。

 帝国プリンセスホテル、イグジチーフ・クアドルプル・ルーム。

「まぁ、美味しそう」

 朝食の準備がされている。

 白飯、切り身の焼き魚、味噌汁、漬物、厚焼き玉子。

「この魚は?」

「レンドダイオウシャアですね」

 珊瑚の問いに、アイリが答える。

「海魚が、内陸のここでも?」

「いえ、淡水魚ですよ。水源地でもあるレングリア湖で採れたものですね」

「へぇ、日本じゃ淡水の魚でここまで大きいのは珍しいわね。イワナならこれぐらいになるのもいるのかしら?」

 そう言いながらも、珊瑚はすでに箸を手に取っていたが、

「あ、えっと」

 気が早かったような気がして、急に気まずそうな苦笑になる。

「あ、どうぞどうぞ、召し上がってください」

「それじゃ……いただきます」

 アイリが手振りで指し示すと、珊瑚が料理に箸をつけ始めた。

「なぁ……────」

 どこか憮然としたような表情で、丈乃は、隣で食事をがっついている克三郎に、そちらの方を向かずに声をかける。

「なぁ、西尾君」

「どうしました?」

 克三郎は、咀嚼しつつも箸を止めて、丈乃の方を向く。

「旨いですよ、飯」

「それはいいけどさ、ここって異世界だよな?」

「そう言う話ですね」

「それだってのに、なんで ────────」

 

俺達和食食ってんだ━━━━!!

 

 

 以前にも少し触れたが、カムイガルド中央大盆地は、冬季に降雪のある地域だ。

 新潟のようなドカ降りはめったにないが、関東に比べると遥かに降る。除雪しなければ厚い雪に覆われてしまう。

「あーあ、降っちゃったか……」

 プリンセスホテルの廊下の窓から外を見ながら、アサギリがそう言い、カクン、と頭を俯かせた。

 窓の外では、すでに雪そのものは小降りではあるものの、建物の上が白く染まった街並みが見える。

 2月下旬はすでに晩冬だが、湿った暖気と冬季の冷気が上空でぶつかり合うため、年間の最大降雪はこの時期になることもままある。

 また、その状況で降雪が発生することから、天候が急変することも多く、前日の天気は当てにならない。

 当然、どれだけ雪が降っても首都機能は維持しなければならない。

 これがほんの10年ほど前だと、ヴォルクスとデミ・ドワーフを中心に力自慢を集めて、人海戦術で除雪作業を行っていた。

 その為、近代都市としての設計段階から、融雪のための水路が一定の区画ごとに設けられていて、そこから雪を捨てていた。

 しかし、それが人力頼みだったのは、今は過去のものになりつつある。

 ヴォゥ!!

 レイアナー重工業製重機用水平対向ユニフロー2ストロークディーゼルエンジンの音が響く。

 4RDのステッカーを貼った、4輪駆動ホイールローダーが路上の雪を押し、バケットに溜まったところで、融雪水路に捨てる。

 都市の機能維持をより円滑かつ確実に進めるために、機械力の導入が推し進められていた。

 レングード中央駅では、駅舎の外に置かれた、廃車された旧型蒸気機関車のボイラを都市ガス焚きにしたものの煙突から、湯気混じりの排気が立ち上っている。

 ポイント(分岐器)の融雪・凍結防止にガスランプ融雪器が使われてきたが、特に都市部では裸火を使う事は見た目にも宜しくないということで、蒸気循環融雪設備が導入されることになり、今はその過渡期にあった。

 道路では、冬季の名物だったタイヤチェーン渋滞が、除雪の機械化と近年のスノータイヤ普及で解消傾向にあり、アスファルトが見える状態になった路上を、乗用車や小型トラック、路面電車が行き交っている。

 

 

「えーっと……丹波さん」

 プリンセスホテルのミーティングルームに入るなり、アサギリが、少し緊張したような気まずそうな表情で、丈乃に声をかけた。

「なにか、食事がお口に合わなかった、とか?」

「あ、いえ、別にそう言うわけじゃないんですが……」

 言われた丈乃の方も、慌てたような様子で、否定するように言う。

「なんだ、さっきは随分不満そうにしていたじゃないか」

「そうですよ」

「川口大尉、西尾君……それは……」

 どこかニヤニヤとした学と克三郎に言われ、丈乃は言葉を詰まらせる。

「すみません、できるだけ日本食に近いものをと思って用意したんですが……」

 アサギリは、まだ少し焦ったような感じで、手を口元に近づけながら言う。

「いや、その、確かに我々には違和感が少ないものでしたが……逆に、違和感がないのが違和感と言うか」

「違和感がないのが、違和感?」

 丈乃の言い訳がましい言葉に、アサギリが鸚鵡返しに聞き返す。

「あのような食事は、この世界に元から存在するものなのですか?」

「え、あ、はい。そうですね、他国には見られませんが、チ()()ュでは伝統的な様式のひとつで……────」

「待ってください」

 丈乃の問いかけに、アサギリが答えていると、アイリがハッとしたように、それに割って入った。

「なんで、日本の様式が、チハーキュの様式のひとつとそっくりなんです?」

「あ、言われてみれば……」

 アイリの言葉に、アサギリが少し戸惑ったような言葉を出す。

「丹波さんが言われているのは、そう言うことですよね?」

「ええ、そう言うことです」

 アイリが、視線を向けて問いかけるように言うと、丈乃は、頷いてそれを肯定した。

「それは……────」

 アサギリが、少し表情を険しくして、何か言おうとした時、

「サンミル中尉。首相がお着きになりました」

 と、ミーティングルームの入口側から、声をかけられた。

「あ、はい」

 アサギリは、一度振り返って、手を振りつつ返事をした後、

「すみません、この話は後で ──── いや、その方がいいのか。今から、ここからの皆さんの御案内役も来られますので」

「解りました」

 そうして、丈乃達との会話を一旦切り上げ、アサギリはアイリとともに、慌ただしそうにしながら、入口の脇に立った。視察班員は割り当てられた席に向かいつつ、その場に立つ。

 扉が開くと同時に、アサギリとアイリ、それに、ゲスト側の学も敬礼をする。

 そして ────────

「え!? は? え!?」

「え? え?」

 まず入ってきた、少女、と言って差し支えないヴォルクスの女性の姿に、何が起こっているのかわからない、と言うように、アサギリとアイリが、驚愕と困惑の入り混じった声を漏らす。

「首相は男性だと伺っておりましたが、こちらの方は?」

 アサギリとアイリの反応から、何かが起こっていることは理解しつつも、丈乃がそう訊ねる。

「自己紹介させていただきます」

 すると、その少女は、自ら名乗り始める。

「私はヒカル・エヴァンジェリン・ブレイク・チイイニ・チハーキュ・レムゼン。一応、この国の皇太女、第1皇位継承者、となっています」

 年相応の少女がサラリと言う口調と態度で、ヒカルは日本の視察班員にそう告げた。

「皇太女殿下…………こ、これは失礼いたしました!」

 急に緊張感が増したように、学達も姿勢を硬直させる。

「敬礼はお解きください。サンミル中尉とウェブスター二飛曹も楽に」

 ヒカルがそう言い、3人は敬礼を解くものの、まだ身体が硬直したような状態になっている。

 ヒカルに続いて、明らかに初老だが、がっしりとした体つきの、ヴォルクスの男性が入ってくる。

「ようこそ我がチハーキュ帝国へ。私が現在、内閣総理大臣を任されております、セルゲリオス・ハドソン・グレイです。宜しくお願い致します」

「は、自分は大日本帝国海軍大尉、川口学です。この度はこのような場を設けていただき、大日本帝国を代表してお礼申し上げます」

 セルゲリオスと学が挨拶を交わすと、もう1人、ヴォルクスの若い男性が入ってきた。

「紹介します。彼は内閣府第2広報部所属のアレクシオ・モルガン・フェルディア。これより、サンミル中尉達と一緒に、みなさんを御案内いたします」

「フェルディアです。よろしくお願いします」

「よろしくお願いします」

 セルギオスの紹介を受けて、アレクシオと学は握手を交わした。

「それでは、こちらも……まず、丹波丈乃君……────」

 学が、視察班員を紹介していき、紹介された者が、アレクシオと挨拶を交わした。

「早速ですが ────」

 学は言い、先程から脇に抱えていたレターバッグを、セルギオスに向けて差し出した。

「貴国政府からの打診のあった件について、我が国政府からの回答です」

「ありがとうございます」

 セルギオスは、レターバッグを受け取ると、

「今、この場で確認しても?」

「はい、構いません」

 学の許可を取ってから、セルギオスは、レターバッグを開き、中の文書を取り出して、確認した。

「お、おおっ!」

 セルギオスの表情が、見て取れるほどに、ぱっと明るくなった。

「さ、早速産業監理省の方に連絡を! マグネトロンの件、日本は許諾してくれたぞ!」

 興奮を隠せない様子で、セルギオスがそう言った。

「は、はいっ!」

 別の、事務方のスタッフが、慌てた様子を見せつつ、ミーティングルームから出ていった。

「共鳴型マグネトロン……我が国では分割プレート陽極型までしか見いだせなかった。日本に存在していたとは……これで我が国の電波技術は飛躍的に向上するだろう」

「川口大尉!」

「ハッ!」

 セルギオスの隣に立っていたヒカルが、姿勢を正しながら学に声をかけた。

「日本政府の英断に、我が国を代表し皇太女の名で感謝申し上げます。どうか帰国後は貴国政府にお伝え願いたい」

「は! 承りました。必ず伝えます」

 ヒカルの言葉に、学は、身体が緊張する感覚を覚えつつ、はっきりとそう答えた。

「お互いの科学技術発展が進めば、貴国の皇帝 ──── 裕仁陛下もお喜びになられるでしょう! 頼みましたよ!」

「──── それでは、ここからはフェルディア君に任せましょう、殿下」

「うむ!」

 セルギオスの言葉に、ヒカルが(こた)える。

「では、頼むぞ」

「お任せください、首相、殿下」

 アレクシオの答えを待って、ヒカルとセルゲイは、用意されている席に着いた。

「それでは、第1回視察班の方々にも説明いたしましたが、磯原さんのご要望もありましたので、改めてエボールグと我が国について説明させていただきます」

 アレクシオは言い、説明のために、それの前に立った。

「!」

 日本視察班員は、それを見て軽く驚く。

「白い黒板……」

「第1回の視察班が言っていましたが、本当だったんですね……」

 珊瑚が小さく漏らした言葉に、克三郎が囁くような声で反応する。

 そこに出現したのは、本来であれば、地球ではもっとずっと後に出現することになる “ホワイトボード” だった。

 チハーキュではこれを、単に黒板に対して黒チョークを使う白板よりも新しい世代、ということで “新白板” と呼んでいた。

 アレクシオは、帝国顔料塗料工業製造『新白板専用サイエンスティック・ペン』を手に持っていた。

「惑星としてのエボールグは、皆さんの世界である地球とは、一見、主星が二重連星か単一恒星かという目立つ差異がありますが、それ以外のところでは、全く相似の天体と言って差し支えない存在です ────」

 アレクシオはまず、資料を伴って説明する。

「磁石がくっつくようになっているのね……」

 珊瑚が、さらにそれを観察する。アレクシオは、小さなフェライト磁石で資料を新白板に貼り付けて提示している。

 これは発売されてから偶然発見されたものが、慣習として使われるようになったものだ。チハーキュの新白板は、登場時はアルミ板に光沢塗料を塗りつけたものを、強度確保の為に鋳鉄板に貼り付けたものだったので、最初から磁石がくっついた。なので、それを発見した購入者から広がった。現在は、廉価版の新白板は鉄板そのものを研磨して光沢塗料を塗ったものが出現しているが、いずれにせよ磁石が簡単にくっつく。

 この当時の地球の黒板は、磁石がくっつくようにはなっていない。

「──── そして、主星以外にもうひとつ、大きな違いが、人類様の高等知的生命体が、人間一種に留まっていない事です ──── ────

 

 これらはその形態から大きく3種に別けられています。ただし現在のところ、生物学的裏付けは完全ではありませんが。

 第1のグループが我々ヴォルクスを含む、2本腕、2本脚、直立が可能で、各手足指が5本、それにメラニン由来の暖色系の肌を持つ(ヒュ)(ーマノ)(イド)

 第2のグループは、第1のグループの条件を満たしていない高等知的生命体で、(デミ・)(ヒューマ)(ノイド)と呼ばれます。

 第3のグループは、第1、第2のグループでは肩甲骨に当たる部分から、追加の肢が存在する(シッ)肢人(クスリ)(ブズ)

 

 第1のグループから解説します。

 まず、人間族。現在調査は継続中ですが、おそらく地球の人類の方々に近似の存在だと思われ、特にアングロ・サクソンと呼ばれる地球人類のサブグループに強く共通点があります。追加の肢、感覚器を持たず、種族固有の性質を持ちません。この “特徴がないことが特徴” であり、同時に強みでもあります。高い社会性と適応力を持ち、その社会を形成する際に他種族の力を必要としません。

 エボールグの高等知的生命体の中で最も個体数が多く、人口構成比の過半を占めているとされます。反面、我が国においては、直近に外国にルーツを持つ少数の方が居住するのみです。

 

 次に、我々ヴォルクス。もうご覧になられている通り、犬の感覚器とそれに由来する性質を持ちます。人間族に次いで社会性が高いとされ、人間族類似の社会を構成するのに大したハンデを持ちません。身体能力、聴覚、嗅覚が人間族に比べて勝っているとされますが、決定的な程ではありません。

 それと、予知というか、勘のようなものをもっている、とされます。ただしこれは未解明で、我々科学技術圏の技術体系に組み込むにはいたっていません。

 我が国の人口構成の最大数を占め、産業を稼働させる主たる労働力の根源となっています。

 

 フィリシス。こちらも日本の方々ももう多くご覧になられているかと思います。猫の感覚器とそれに由来する性質を持ちます。その特徴の近さから、ヴォルクスとは近縁種とされます。その猫のイメージで見られがちですが、現在の科学技術圏の生物学的分析では、社会性はヴォルクスと同程度とされます。ヴォルクス同様に、人間族に対して身体能力、聴覚、嗅覚がやや勝りますが、ヴォルクスと傾向が異なり、身体能力におけるヴォルクスの優位性が持久力寄りであることに対して、フィリシスは瞬発力寄り。また、ヴォルクスの方が嗅覚が強く、フィリシスの方が聴力が強い傾向にあります。

 それと、また、これは今のところ外観での判断に過ぎませんが、フィリシスは地球人類のモンゴロイドと呼ばれるサブグループ、特に大和と共通点が多いようです。

 我が国においてはヴォルクスとの間に大差はあるものの、人口構成比第2位を占めます。手先が器用な者が多く、技巧職に着く者が多いです。鉄道事業従事者にも多いです。

 

 次にエルフ系ですね。外見的には人間族に近似し、切れ長の耳がほとんど唯一の差異ですが、通説には神性を持つ種族ともされ、妖精の伝承は過去の彼らだと言われます。その特徴から、ハイエルフとダークエルフに分類されます。長命で、同じ医療レベルにおいて人間族やヴォルクス・フィリシスの5倍から10倍に達するとされますが、その反面、特にハイエルフにおいて性軽視の価値観から繁殖力に欠けます。社会性がないわけではないのですが、独特の非物質的価値観のために大規模な社会を構成するのに向いていません。

 特にハイエルフは排他性が強く、近代国家の形成に難があります。ただし皆無ではありません。魔学技術国でありながら我々科学同盟圏にいる2ヶ国が彼らを中心とした国家です。一方で我が国内には、直近に外国にルーツのある少数のみが居住します。

 一方のダークエルフは、非物質的価値観は持っているのですが、それを現代的物質価値観とすり合わせるのにあまり苦労しない性質で、我が国の人口構成比第4位を占めています。ただしカムイガルドに土着していたのではなく、大半はイビムの植民地だった時代に奴隷として北方の諸大陸から連れて来られた者とその子孫です。

 どちらも植物と水に対する感覚が鋭いとされています。ハイエルフはこの性質がより強く、ダークエルフはその点でハイエルフにやや劣る代わりに、鉱物、特に貴金属の扱いに長けています。これは、次に紹介するドワーフ族と近縁種である事が関わっているとされます。我が国では、金属加工、芸能者、果樹系の農園、それと水力発電事業に従事するダークエルフが多いです。

 

 ドワーフ系も同様に、外見的に人間族に近似しますが、身体があまり発達しないため、亜人種に分類されるという議論もあります。ただし筋肉密度が群を抜いて高く、小柄でも膂力で他種族にむしろ勝ります。

 ドワーフ系もまた、男性的外観かつ早老傾向のドワーフと、女性的外観かつ遅老傾向のデミ・ドワーフとに別れます。外観以外には特性は大きく変わらないのですが、お互いに対抗意識が強くコミュニティが交わることはあまりありません。

 鉱物と地盤に対して鋭い感覚を持つ反面、それ以外の点では独創性に欠ける一面もあります。その為、社会を構成するときは単独ではなく、他の種族が使用者として存在している環境が多いです。

 寿命は同じ医療レベルにおいて人間族、ヴォルクス・フィリシスの2.5倍から7.5倍。ドワーフの早老傾向はあくまで外見に関してで、むしろドワーフの方がデミ・ドワーフより長寿の傾向にあります。また、エルフとはより近い同祖とされています。一方、デミ・ドワーフは太古に、ドワーフとヴォルクスの交配の子孫が現在の特徴で固定されたとする説が有力です。

 ドワーフは我が国には、直近に外国にルーツのある少数の住民のみ存在します。それに対して、デミ・ドワーフは我が国の人口構成比第3位を占め、尚且つ、デミ・ドワーフが居住する近現代国家としては最大の個体数になります。鉱業、金属加工産業、地熱発電事業に従事する者が多いです。

 

 ここからは亜人種ですね。

 まずオーク。 “森の人” とも呼ばれ、緑の肌と、イノシシのような耳をもち、極端に筋肉がつく四肢が特徴です。人間族の社会では高等知的生命体扱いされないことも多く、太古には人間族並みの繁殖能力で勢力を誇っていましたが、現在は少数派となっています。

 次にコボルド。犬の頭を持つ亜人種です。手先があまり器用ではない反面、魔術の才覚を持っている者が多いとされます。ただそれ故に、科学同盟圏にはほとんど居住していません。

 それから、トロル。巨人族です。その巨躯故に近現代文明を構築するに至れなかったと言われています。人間族との対立を避けて、イビム領よりさらに北方の大陸大氷壁地帯に移住してしまい、その為、我が国には系統立てた学術的な資料が存在しません。

 そして、アッパー・ゴブリン。日本の伝承にある座敷童にちかい存在ですね。いたずら好きの子どものような存在ですが、近現代型社会への適応に成功したグループを指します。適応に失敗したグループはロワー・ゴブリンと言われ、一定の知能と社会性は持つものの、近現代型社会の構築に至らない中等知的生命とされます。下手に社会性があって高等知的生命体の社会活動を妨げることもあり、害獣と見做されることも多いと言うかほとんどです。

 

 最後に多肢人種。

 まずアヴィスティア。腕が鳥のような翼と一体化した種族です。肩甲骨からもその延長のような細い翼を持ちます。これは、腕が文明形成に必要な自由度を得るために本来の翼が退化したために、それを補って発達したとされています。

 次にセレスティア。地球のみなさんが天使と聞いて想像する姿ではないかと思います。肩甲骨の関節が発達し、翼となっている種族です。

 アヴィスティアとセレスティアは共に飛行可能な高等知的生命体ですが、アヴィスティアが文字通り鳥のように振る舞えるのに対し、セレスティアは翼を羽ばたかせる力が弱く、飛行開始には滑空の余地を必要とします。

 最後にオクトリン。4つ腕の種族です。オクトリンはそのルーツがあまりにもはっきりしておらず、イレギュラーな存在だと言われています。ヒューマノイドと同じように着いている腕は5本指の手ですが、その後ろ側にある腕は手が3本指になっています。

 

 ──────── ひとまずはここまで、ご質問ありますでしょうか?」

 






具体的な感想をいただけると、続きを描くことが捗ります。

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チハーキュ帝国海軍軍装、どちらがいい?(絵のリンクは Chapter-12 あとがき)

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