ジャンクヤードの友人へ   作:生姜

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13話 賢いロボロボ団

 

 メダロッ島の事件も落ち着きを見せた頃。イッキはメダロポリスへと足を伸ばしていた。

 メダロットに関するあれこれはメダロッターズを中心としたエリアが最先端である。最新型のメダロットなどを見るのは、イッキとしても非常に有意義な時間であった。

 が、何よりの目的は「メダリンク」に参加する事だったりする。

 メダリンクは、電脳回線を利用したロボトルを行う事が出来るシステム端末であり、メダロッターズの2階に大量に設置されているのだ。

 その使用には登録が必要なものの、登録さえ済ませてしまえば後はメダロッチだけで全国の回線が繋がった地域のメダロッターとロボトルをする事が出来るということで、イッキとしてはまだ見ぬ強敵とのロボトルという物に非常に興味を持っていたのである。

 まずはレート戦(ランキング戦)に参加する前にとランキングポイントの入らないフリーでのロボトルを幾つかこなすころにはお昼を過ぎた頃合となっていた。

 街の中はあまり見た事が無かったな……と考え、イッキはメダロポリスの街中にも足を伸ばす事にする。

 すると。

 

 

「? あれ、ユウダチじゃないか」

 

「あ、イッキです。こんばんはですー」

 

 

 向かいからいつもの花園学園の制服ではなく、まっさらなツナギを着たユウダチが歩いてきた。

 イッキが思わず声をかけると、耳聡く聞きつけたユウダチがイッキの元へ寄ってきて手を挙げながら挨拶。

 

 

「どうしてここに居るの……って、それは僕のほうか。僕はメダリンクに参加してきた所なんだけど、ユウダチはどうして?」

 

「たった今メダロット社でのお仕事を終えて戻ってきた所なんです。私は家に戻る前に買い物をしに行くんですが……暇ならイッキも一緒に来るです?」

 

「良いの?」

 

「はいです! それに荷物もちに付き合ってくれるのなら、帰りはおみくじ町の入口まで送るです」

 

「あっ、やっぱり荷物もちなんだ」

 

 

 とは言いつつもイッキとしては時間はあり、丁度時間つぶしをと考えていた頃合でもあった。

 ユウダチに案内されながら、区画を東へ。

 

 

「今日は新しいパーツのテストをしていたのですが、予定より早く終わったのです」

 

「へぇ~。もう新しいパーツ? やっぱりメダロット社って、凄いんだなぁ。新しいパーツを一から作るって、僕じゃあ想像もできないや」

 

「そうなのです? でも今はパーツ開発には色々な企業が参加していますよ。それにイッキの同年代でもKBTシリーズを独自改造して、レギュレーション判定を通過した小学生がいる位です。個人開発の人もそれなりにはいるです」

 

「改造! ……ちょっと怖いな」

 

「ですね。普通はバランスが崩れたり放熱系を遮断してしまってオーバーヒートからの爆発だったりするです。オススメはしません……が、ロボトルにおいて見た目では効果がわからないというのは非常に大きなアドバンテージなので、気持ちは判りますね」

 

 

 ユウダチの話す内容は意外と噛み砕いてくれるため、イッキとしても判りやすいものだ。

 しばらく2人で話をしながら歩いていると、目の前にアドバルーンをあげている大きな建物が現れる。イッキも見覚えがあった。それは主にCMで。

 

 

「ここって、メダロデパート!?」

 

「ですね。イッキは初めてです?」

 

「そうだね」

 

 

 と、少し緊張しながらユウダチに連れられて自動扉を潜る。

 メダロデパートは、メダロット製品を中心にその他雑貨や食料品なども扱っているショッピングモールだ。土曜日曜などは子供連れの家族で賑わう、メダロポリスの台所でもある。

 一階はメダロットのパーツ売り場。コンパニオンに新作パーツの紹介などをされつつ、冷やかし気味に今度は二階へ。

 二階は雑貨売り場になっているようだった。ここが目的地らしい。

 

 

「それでは、私は食材なんかを買い出してくるです。イッキはこの辺りをうろうろしていてください」

 

「あはは……うろうろしてていいんだ?」

 

「勿論良いです。店内にいる分にはカートもあるですから。多分かなり大量になるので、デパートの出口までの荷物もちをお願いしたいです」

 

「わかった。それじゃあ僕もちょっと見てくるよ」

 

「15分後にあそこの会計所で集合にしましょうです。それでは!」

 

 

 言って、ユウダチはカートをがらがらと押して店内へと飛び込んでいってしまった。

 

 

 

 

 ◆3

 

 さて。と、イッキは食材よりもメダロット関連の小物を見るために、雑貨スペースへと回ることにする。

 

 

「へぇ……望遠レンズか。これはアリカが欲しがっていた奴かな。それに向こうのスペースはペット販売のスペースになってる。食材の所とはきちんと区別されてるんだなぁ」

 

 

 非常にどうでも良い部分に感心しつつ。

 

 

「……折角だし、プレゼントとか買っていこうかな」

 

 

 などと、思い至ったり。

 アリカには先日のメダロッ島に連れて行ってもらった恩があるし、カリンとユウダチにはメダロットの事でお世話になっていたからだ。

 コウジは……別にいいか。とまで考えて、再度雑貨スペースへと立ち戻る。

 

 

「……。……やっぱりこれかな。うん。…………。……お! これなんかはカリンちゃんが喜んでくれそうだ」

 

 

 数分かけて選んだのは、アリカへの望遠レンズ、カリンへのハムスターという物だった。アリカは自前のカメラを持ってからレンズのバリエーションが欲しいと言っていたし、カリンは家の外ならば兎も角家の中では寂しがっているとコウジやユウダチから聞いている。飼育に手間がかからないものであれば両親とて断り辛くなるだろう。

 さて次は、ユウダチへのお礼を。

 ……と考えてはみたものの、イッキはユウダチが贈り物に何を送れば喜びそうかが判断つかなかった。悩みながら品物を物色し、歩き続ける。

 

 

「うわっ」

 

「あっ、イッキ。……そういえばそろそろ15分ですね。もしかして、お待たせしていたです?」

 

「もうそんな時間!?」

 

 

 しかしいつの間にか、カートを引いたユウダチが目の前に現れていた。どうやら知らない間にレジカウンターの近くにまで来てしまっていたらしい。

 

 

「いや……それより買い物は終わったの?」

 

「はいです。よっ、とぉ。これです!」

 

「凄い量だね!?」

 

 

 待たせても仕方が無いか。と、イッキは切り替えて籠を抱えてレジカウンターへと向かう。

 デパートの出口まで大量のレジ袋を抱えてゆくと、入口にランドモーターという車両型のメダロットが待ってくれていた。

 その積荷に買い物袋を全て積み込むと、おみくじ町との境目まで送ってくれた後、ユウダチはメダロポリスへと引き返していった。

 

 

 

 ◇◇

 

 

 

「今度は賢いロボロボ団が現れたんだって! それを取材に行くわよ!!」

 

「ええー……セレクト隊に任せようよ」

 

 

 時と所変わって、放課後の教室。

 アリカは机の上に置いた新聞の見出しをばしばしと叩きながら、目の前で露骨に嫌そうな顔をしているイッキへ語っていて。

 

 

「それで、賢いロボロボ団? 何を取材するの?」

 

 

 確かに現実、ロボロボ団は賢いとはいい難い。

 そのためその頭に賢いとつけるのも、あながち間違いとは言えないのだが……

 

 

「ふっふっふ……実は今回はあたしも事前取材を行っているのよ。賢いロボロボ団はセレクト隊に掴まらず悪戯を繰り返しているの。その出現ポイントをまとめてみたの!」

 

「おっ。本格的だね」

 

 

 といいつつ、イッキは指差された地図を覗き込む。

 出現ポイントとして描かれた×印は、どうやらメダロポリスを中心にしているらしい。

 

 

「それであたしが目を付けたのは ―― ここよ!」

 

「ここって……花園学園じゃないか!?」

 

「そうよ。でも一応根拠があるのよ。イッキ、明日から取材に付き合ってよね!」

 

「……大丈夫かなぁ」

 





・イッキの同年代でもKBTシリーズを独自改造して、レギュレーション判定を通過した小学生
 りんたろうと部長らの事。
 詳細はボンボンで連載されていたメダロッターりんたろう!をご覧いただければ。異常に美化されたヒカルを見る事が出来ます。

・メダロデパート
 パーツンラリーでゴッドエンペラーの脚部を販売する恐ろしい店。
 買えるだけ買いこむのはお約束。
 ただ、ゴッドエンペラーの脚部は特筆すべき性能というわけでもない。安定感はある。

・望遠レンズ
 アリカへの贈り物。好感度がアップする。
 例によって、ゲームにおいては片方にしかプレゼントできない。

・ハムスター
 カリンへの贈り物。好感度がアップする。
 今作のイッキは両方買いやがりました。
 ……因みに望遠レンズのが遥かに高額だったりする辺りが現実的。


 202200527 書き方変更のため、記号削除。
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