お嬢様と往く、『スーパーロボット大戦31』   作:和鷹聖

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遅くなって申し訳ありません。
私生活ががらりと変わってから、いろいろこちらには携われる時間が割けずにいました。
一応、少しずつ書いていますが……まあ、今回も頭のネジが外れて爆発したような話です、どうぞ。



※3月6日 21:20 時点
何人かの方々より、実在の人物を出す事は規約違反だと、ご指摘がありましたので、修正しました。
ご指摘ありがとうございます。



11 お嬢様、崩壊する月面と、悪魔を見る

………アナハイム・エレクトロニクス。

それは宇宙世紀における、最大級の複合会社である。

『スプーンから宇宙戦艦まで』をキャッチフレーズにした、モノ作りであれば多種多様に、ないものは無いと豪語出来、その事業規模も相まって地球圏に多大な影響力を有する。

実際は小さいものはマッチから、大きいものはMSから戦艦まで、果てはコロニーまで。

特に強いのが、電子・電気機器の製造販売を中心とする月の製造部門で、言わずと知れたMS開発の大手だ。

 

しかし、そんな会社故に闇もまた多く、深い。

『機動戦士ガンダム』では『一年戦争』を皮切りに、MSを生産、その勢力を伸ばし、連邦政府との蜜月を築いてきた。それが幾多の利益が絡み合い、幾多の憎悪を引き出し、燃やし、果て、連邦とジオンの果てしない負の連鎖が紡がれる一端を担っていた。『死の商人』とも揶揄されてもおかしくはない彼らが紡いだ歴史は、間違いなく宇宙世紀を形成する大きなピースである。

しかしその勢力も『ラプラス事変』を契機に、月日が経過する毎に衰退の一途を辿り、やがては衰退し、やがて『サナリィ』の台頭を許してしまう。

だが、テム・レイから端を発をした『ガンダム伝説』を創造した『ガンダム』を築いた彼らのその製造能力の実力は本物と言える。

その火は、まだ消えていない……その筈。

 

だが、今日本日をもって、その歴史に止めが下されようとしていた……彼女らの存在によって。

 

……ただし、事の発端である彼女たちもまた、被害者だというのを予め告げておく。

 

 

《 フォン・ブラウン市 A・E(アナハイム・エレクトロニクス)社内 》

 

「ァァアアウトォォーーー!!」

「偽装したところで、俺の目は胡麻化せんぞ!!」

「だぁーかぁーらぁー!!!違うって言ってるじゃないですか!!!」

「何がどう違うのだァ?!どっから、どう見ても、あれはガンダムだろうが!!」

「その通り!!ガンダムは我が社の看板たるMS!!それをパクろうなど言語道断ッッ!!」

「……だから、あれはヒュッケバインだと……言っているでしょうがぁぁぁーーー!!!」

 

A・E(アナハイム・エレクトロニクス)社内のとある会議室。

量産型νガンダムを届けに来たカルディナ一行は、ここに通され、何故か事情聴取を受けていた。

当初は何もなく、何事もなく帰れると思っていた矢先、血相を変えた数人のスタッフに連れられ、任意という強制事情聴取を受けさせられた。

初めから何か聞かれるのはあるだろうと思っていたが、まさかここまで強硬姿勢で来られるとは思わず、とりあえずカルディナが代表という事で話を受けた。

そして待っていたのは、量産型νガンダムの取得状況から、何を見たやら見てないやら、企業スパイと疑い、挙句には高速艦サクヤに積まれていた機動兵器にもケチを付け、ブルーフレームやヒュッケバインに「パクリだろう、金払え!!」との苦情。

必死に抗議したが、明らかに聞き入れられる態度ではない。

そんな時、別のスタッフたちが乱入、彼らの仲介を経てようやく解放されたのだった……

そして A・E(アナハイム・エレクトロニクス)社内のロビーに戻ったカルディナ一行、特にカルディナはクタクタに疲れ果てていた。

 

「……な、なんですの??あの方たちは??」

「すみません!まさかタカ派の職員たちが先に皆様を連れていくとは思わず……!」

「何?彼らは違うのか?」

 

聞けば、本来は目の前にいるスタッフたちが担当するはずだった試作機であるあの量産型νガンダムは、とあるところから特別なオーダーを受けて開発されたものだった。

だが、当日パイロットに偽装した空路を指示し、別のところに売ろうとしていたのが先程のスタッフ……それも別の派閥の重役たちであった。

そして横槍を受けた矢先に、あの機械獣の襲撃である。

 

「こちらはただ拾ったものを返そうとしただけなのですが……」

「金に汚い奴らですが、売り込む手腕が非常に狡猾で有名なんです。今までグラナダに出向していたのですが、最近の営業不振でこちらに来まして……ジオンやテロリスト相手に売り込み、その営業成績で成り上がったのがあの重役らです。」

「そんな奴らが重役とはな……」

 

グラナダ……

フォン・ブラウン市とは月の反対を挟んだ、もう一つの建造施設であり、フォン・ブラウン市と違い閉鎖的な生産拠点である。

「今回も大口の販売先に売り込むみたいだったのですが、先約を突っぱねて売る気だったので……」

「いったいどこに納入するつもりだったんですか?アレの中身……知らないとは言いませんよね?」

「う……機体を調べたんですか?」

「危険物がないかを、ですが。とんだものが紛れてましたわ……どういうつもりですか?」

「誓って申し上げますが、あれは正規の手順を踏み、然るべき人の元に送るはずだったものです。決してやましい組織に売るものではありません。」

「……まあ、その点に関して私たちは関与しませんし、口外もしませんわ。ただ、ラプラス事変のような事が起きない事を祈るだけですわ。」

「……ありがとうございます。」

 

目の前のスタッフにどんな事情があるかは知らないが、これ以上量産型νガンダムに関与しない、というのが一行の意思である。

データ取りはしたし、一部の除いてこだわる必要もない。

それにこの世界ではνガンダムという時点で厄介な存在になっている。サイコフレームの有用性と異常性が『アクシズ・ショック』で発現され、結果的に危険視されている。

これ以上は不干渉としたいところだ。

 

「という訳で、今回の事についてはこれで以上にしましょう……た~だ。」

「……何でしょうか??」

「いろいろ、補填はして欲しいところですわね。今回の弊社が被った名誉棄損と『貸し』は、非常に大きいものと思いますが?」

「もちろんです、可能な範囲で優遇させていただきます。こちらをどうぞ。」

 

そして渡されたのは、A・E(アナハイム・エレクトロニクス)で保有する、譲渡可能なMSのリスト+α。

元々購入予定だったのが、今回の事で手打ちとしたその大部分の一つである。

クォヴレーにリストを渡し、選んでもらう。

しかし見るな否や、若干眉間に皺を寄せ、苦い表情をする。どうやら期待出来る程の性能はないらしい。

『第三次α』時点で『逆襲のシャア』終了の時系列、その時点でけっこうな性能を有したMSもいただろうが、彼が搭乗したのは量産型νガンダム。A・E(アナハイム・エレクトロニクス)系列のMSとなると、ジェガンぐらいだ。それ以下となるとジオン軍、『ガンダムSEED』のプラントや、連合軍系列のGATシリーズぐらいか。

無論、深堀りすれば至玉は出てこようが、それもまた難しいようだ。

せめて軸となる機体がほしいところ。

それでも『バルシェムシリーズ』に用いられていた帝国観察軍(バルマー)製の機体『ヴァルク・ベン』には敵わないだろう。故にお眼鏡に敵うものも滅多にない。

それでも「これ」と言ったら文句言わずに乗ってくれるだろうが、流石に銃神(ディス・アストラナガン)を知るクォヴレーには、提示されたMSも弱小に映る。

すべてはそう思わないが、そんなのを押し付けるつもりもない。

だが、贅沢(ディス・アストラナガン)を知った以上、頭を悩ませているもの事実。

 

「さて、どうしたものか……」

「まあ、しっかり熟考してくださいな。場合によっては必要な改修もさせますわよ?」

「ああ……とはいえ、どれもパッとしないな。」

(せめてF91とかF90なんかあればいいんですが、ねぇ。)

 

事情を知らない商売敵(サナリィ)に言ってもどうしようもない。

ちなみに、サナリィでは『Vガンダム』が密かに製造されている事を掴んでいるカルディナは「もしかしたらあるかも……」と妄想してみる。

ただしあったら時系列的にクロスボーン・バンガードや木星帝国のいざこざがあっただろうが、既に沈静化されて表面化していないのがこの世界。だが木星圏に『ザンスカール帝国』が存在する以上、木星帝国のいざこざは待ったなし……きっといるだろうな、と思う。

クロスボーンガンダムが存在するのはうれしいが、ストーリー進行を考えると『鋼鉄の7人』はもう過ぎているだろうが、『ゴースト』や『Dust』事案は絶対に関わりたくない。

 

「……ん?何だこの黒と金のカラーのMSは……ベギルベウ?アナハイムのMSにしてはデザインが丸い感じが……」

《名前が似てるだけですねぇ。》

(……え、声優案件?)

 

ちょっと戦慄した。

 

「……いや、ヒュッケバイン作った方が早くないか?mk-4とか。」

「ですから、資源の手持ちがないんですって。准将にはあまり借りを作りたくないですし、それ以前に核となる機体が欲しいんですわよ。」

「クォヴレーであれば、どれも難なく乗りこなせるだろうが、これまでの襲撃を顧みると、無難なものでは駄目なのは間違いなかろう。」

 

この話はさておき、クォヴレー以外が今後の予定を話し合う。

 

「とりあえず宇宙はミネバ・ラオ・ザビ様と関係を持つことが出来ましたし、連邦にもパイプは持てたので、今は地上の足固めでしょうか。特に日本の警視庁が面白いものを開発をしているのを耳にしましたわ。」

「面白いもの?」

「GGGの『超AI』技術を用いた機動警察組織構想、その第一号機が開発中らしいです。」

 

『勇者警察ジェイデッカー』のデッカードである。

原作順ではジェイデッカーが先だが、この世界ではGGGの技術を元に作られた、という。

とある少年の出会いを皮切りに、勇者警察は活躍するのだが、途中敵勢力にジェイデッカーがやられ、改造され(正確には敵勢力のロボットと合体させられ)、敵対する事となる。

また、ジェイデッカーが敵勢力に捕らわれる事により、超AIの技術が流出し、被害が拡大する。

出来ればそれを防ぎたいところだ。

 

「超AI……だが、GGGは追放となったと聞いたが。」

「それは表向き。裏事情はよく知っていますわ。そして今後どのような事が起きるかも……」

「それも『アカシックレコード』の情報か?」

「いえ、仮ですが実体験ですわ。」

「………」

 

カルディナが真摯に、叢雲劾(管理者)が黙って静観する様子を見て、イングラムは何か事情がありそうだと、そしてそれは真実だと予測する。

それ以上の言及は止めた。

 

「それでなくとも、地球圏にはゲリラを始めロボット犯罪、また未知なる勢力が跋扈しているのです。最近では機械獣すら出現件数が増えている……ロボット技術は進んでいますが、AI技術はGGG以外はめぼしい成果を出していません。どこぞの犯罪組織に掠め取られるのは頂けませんわ。ましてや宇宙にはネオジオン残党、ザンスカール帝国や、未知の敵勢力も確認されています。応用すれば、どの勢力にも有益になってしまう。なので、まずは足場固めに日本に行こうかと。」

「日本か……それは賛成だ。日本には古今東西ありとあらゆる強力なスーパーロボットが存在する、手を貸すのも一興だな。」

「いえ~す。今後の戦局を左右する存在達です、手を貸しておいて損はありませんわ。」

《確認が取れている有名な個体は、コンバトラーV、グレートマジンガー、ゲッターロボ、そしてマジンガーZですね。特にマジンガーに関わりの強い光子力関連の技術は現在世界を網羅しています。具体的には発電所関連のエネルギーはほとんどが光子力です。》

「この世界はどうやら光子力エネルギーが席巻しているんだな。逆に超電磁や、ゲッター線はさほど、というところか。」

《ゲッター線に関しては10年前のインベーダーと呼ばれる外星生命体が引き起こした『月面戦争』と呼ばれる戦いがめぼしいですが、中心人物の早乙女博士が現在行方不明のため、開発が停滞、停止しています。現在稼働しているのは、南米でゲリラ相手に立ち回る真ゲッターロボが確認されていますが、それ以外は稼働はしていないようです。》

「早乙女博士がいない以上、研究の停滞は必定か……しかし既に、真ゲッターが確認されているんだな。」

《はい、末恐ろしい限りです。》

 

どの世界戦であっても、猛威を振るう真ゲッター。

イングラムには『α』で地上でロンド・ベル隊に遭遇した時、ガンバスターが現れて、さあここからSRXチームを鍛えてやろうと思った矢先、ストナーサンシャインでアストラナガンが一撃で落とされた記憶があったり……

そんな真ゲッターが既にいるこの世界とは……イングラムは頭が痛くなった。

もう同情しかない。

 

それはともかく、今後の予定に耳を傾けながら、頭を悩ませリストより機体を精査するクォヴレー。その隣でしれっと精査に加わる08。

クォヴレーの中で08を再びOSに加えるかは不明だが、魔改造は不可避だろう。

 

……しかし、そんな最中。

 

 

《 月 圏外圏 》

 

《……反応はここか?》

《ああ、その他にも我らを打ち破った機動兵器を搭載した戦艦がこの施設に入ったとの事だ。》

《だが、本当に仕掛ける気か?》

《もちろんだ。奴らを討ち、功績を挙げる……それしか私の道はない。》

《……仕方ない、付き合おう。》

 

月圏外にて機を伺っていたのは、以前にアズやカルディナを襲った『クエスターズ』のオルクスーラの群体。

かつて撃破したはずの高速型と、機体左右に盾のような装備、そしていくつもの砲身を装備したオルクスーラもあった。

躊躇する素振りをしながらも、その内の一体……砲撃重視のオルクスーラが、機体中央の砲門にエネルギーを溜め、左右の砲身にも余剰エネルギーのプラズマを帯電させ、そして放った。

その一撃は月のフォン・ブラウン市を、そして反対にもいたもう一つのオルクスーラの群体達の劫火がグラナダを焼いたのだった。

 

 

そして走る衝撃、それはフロントにいたカルディナ一行も感じた。

 

「な、なに!?この振動は……!!」

《報告。フォン・ブラウン市、およびグラナダが何者かの襲撃を受け、被害甚大。敵は月の圏外、索敵範囲外から撃ってきました。》

「なんですって!?」

《しかも索敵外のため、機影は補足出来ていません。また今の一撃で、フォン・ブラウン市、グラナダの警備用MS格納庫が損傷、崩壊し、即時出撃が困難な状況です。現在出荷用のMSが散発的に出撃しています。》

「冗談でしょ!?大規模攻撃!?何処の組織よ!!」

「敵はアナハイムの地形を調べていたようだな。襲撃が的確だ。だが、地球圏の組織がこんな真似をするか?」

「どうするのだ、カルディナ。」

「もちろん即出撃、私たちも防衛に加わりますわ!アナハイムはムカつきますが、今ここを潰されると地球圏の戦力供給がガタ落ちです、それだけは防がねば!!」

《よろしいでしょうか、スタッフ様。》

「す、すみません、私から警備へ皆様の事を伝えますので、よろしくお願いいたします!」

「了解した、行くぞ。」

「く……まだ機体の選定が終わっていないというのに。」

「タイミングが悪過ぎる、今回は諦めろクォヴレー。」

「すみませんがクォヴレーはサクヤに待機していて下さい。何処の誰だかはわかりませんが、マギウスを使うほどの勢力ではないでしょう。」

「わかった、頼むぞ。」

《うぅ……》

 

そしてすぐに高速艦サクヤに移動した一行は、すぐに出撃したが、視界に飛び込んで来たのは次なる砲撃の閃光。

それはフォン・ブラウン市をカルディナたちの目の前で半壊させてしまう。

 

「ぐっ、なんて威力!」

「いったいどこからの砲撃だ……!?」

「む、あれか!」

「あれは……連邦本部を攻撃してきた、オルクスーラって機体だ!」

 

挑発するかのような散発的な砲撃をしていたオルクスーラであったが、カルディナたちを視認すると急速に散開、来た高機動型のオルクスーラが急速に間合いを詰め、周囲のオルクスーラ達が一斉砲撃、その一瞬の隙を突き、突撃してアズのヒュッケバインmk-1(アインス)を突き飛ばす。

 

「きゃあああああっ!!!」

「アズ!!」

 

まるで一対一の再戦を臨むかのような軌道でカルディナたちから引き離すオルクスーラに、その後を追わせないように砲撃で阻み、進路を塞ぐオルクスーラ達。

更に周囲のオルクスーラの群体がA・E(アナハイム・エレクトロニクス)に向けて集中砲火。

連携が敏い。

 

「カルディナ、アズを追え!俺たちはアナハイムに攻撃する奴らを迎撃する!」

「頼みますわ!」

 

だが、左右に盾を装備したオルクスーラがその行く手を阻む。

 

「邪魔よ!!」

 

ヒュッケバインmk-2.5(ツヴァイ・ハルプ)のサークルザンバーで殴り掛かるが、盾持ちのオルクスーラは正面に盾を構え、エネルギーを纏わせてそれを防ぐ。遠くに吹き飛ばされるが、すぐに態勢を立て直す。

すぐさまリープスラッシャー、ファングスラッシャーを瞬時に放つも、盾で攻撃を滑らせ、いなされる。

更には幾多の砲撃を浴びせてくる重砲撃型のオルクスーラ。

その動きは熟練した兵士の連携の所作である。

 

「……そう、あくまでもアズを追わせないようにって訳ね、上等!!」

 

思考を切り替え、腹を決めたカルディナは、目の前の敵を迎撃する事に専念する事にしたのであった。

そしてフォン・ブラウン市へは、R-GUNパワードとガンダムアストレイBF・V(ブルーフレーム・ファイヴ)が、グラナダへはヒュッケバインmk-3(ドライ)が向かった。

 

「行くぞヴェレット、エイン!」

《了解!》

《いっくよー!》

 

R-GUNパワードはプラスパーツであるハイツインランチャーを切り離し、『ランチャー・スレイヴ』として砲撃を放ち、両手に構えたツイン・マグナライフルで攻撃を重ね、撃破していく。

ツイン・マグナライフルを前方に、ランチャー・スレイヴで迎撃、時に後方の死角をカバーしながら攻撃していく様は従来のR-GUNパワードとは一線を駕す。

 

「さて、新機体のお披露目と行こうか!」

 

更にガンダムアストレイBF・V(ブルーフレーム・ファイヴ)は10基の『ソード・キャノンドラグーン』と、ローエングリンを放ち、全方位に向けて攻撃、同じく攻撃を重ね、撃破していく。

手数と火力が増した分、死角はない。

そしてヒュッケバインmk-3(ドライ)は更にその上を行く。

 

《グラナダ周辺の敵性機動兵器を全てロックオン完了。》

「行け、フェザー!!」

 

4枚のフレキシブルバインダーが怒涛の推力を生み出し、全マギウスフェザーがオルクスーラの攻撃を阻み、そして瞬く間に砲撃フォーメーションを変え、次々に射抜き、撃破していった。

優れたニュータイプ能力により昇華された数と質が織りなす嵐のような暴力は、あっという間に敵の数を減らしていく。

襲い来る砲撃に対してもフレキシブルバインダーを巧みに操り、変幻自在な動きを見せる。接近する敵には回避する間際にサーベルで斬り返し、肉薄するものには蹴りすら入れて倍以上の大きさを誇るオルクスーラが蹴り飛ばされる。

まとめて来ようものなら、グラビトンライフルの的確な射撃で葬る。

慣らしは終えているとはいえ、ヒュッケバインmk-3(ドライ)ぶっつけ本番の初実戦に、アンネスは不敵な笑みを浮かべつつも、冷や汗を流す。

 

「……ほう。」

「さすがはハマーン・カーンといったところか。」

「……まったく、なんてものを私に与えてくれたのだ、カルディナは。これではキュベレイ以上ではないか。」

 

その動きはキュベレイそのものであり、またそれ以上の機動性を見せている。

ジオン製のMSから移植した馴染みのあるコックピットに、改良されたカルディナ謹製のサイコミュによってキュベレイ以上の性能を発揮するヒュッケバインmk-3(ドライ)

懐かしさを感じつつも、この機体に自身ですら恐ろしく感じるものがあった。

 

だがそれでも優勢とは言えない。

2、3度攻撃を加える隙に、隙間から怒涛の勢いで他のオルクスーラがやってきては攻撃を加え、撃破する頃にはすぐに敵の密度が戻る。

レーダーには月を中心に全周囲に展開されている反応が映し出されている。

その展開されたオルクスーラによって、上空にアズのヒュッケバインmk-1(アインス)が、高機動型のオルクスーラと接戦している空域まで行けないでいた。

この異様な戦闘に、劾とイングラムは疑問を抱く。

 

「しかしなんだこの数は?過剰戦力もいいところだ。それにどうしてここまでA・E(アナハイム・エレクトロニクス)執拗に狙う?」

「いったいこいつらは何を狙って……あ。」

「どうしたイングラム。何か思い当たる節でもあったか?」

「……どうしたも何も。こいつらは俺たち、特に『ヒュッケバイン』を狙って来ている……それは間違いない。そして、この間の戦いで俺たちはマークされ、密かに追跡されていたのだろう。更に、訪れたこのA・E(アナハイム・エレクトロニクス)の施設が、奴らにはヒュッケバインの()()()()()()()()()……だから執拗に攻撃してくる、そんなところか。」

 

「「「…………」」」

 

「冗談ではないぞ!ここが崩壊すれば、連邦もジオンも、地球全体の戦力供給がなくなるぞ!」

「そうですわ!というか、奴らヒュッケバインとガンダムの違いも分かりませんの!?どれだけ目が節穴ですの!?」

「……いや、無理じゃないか??」

「んな!?」

「挙句、こちらにはヒュッケバインが3機、そして下にはガンダムの巣窟……到底見逃して貰えるものではなさそうだな。」

 

オルクスーラ率いる『クエスターズ』という存在は、ヒュッケバインを目の敵にしているようだ。そして、アズのヒュッケバインは既に面が割れているので、『ガンダム』=『ヒュッケバイン』という誤解が蔓延している……のか?

 

「情報の誤爆が過ぎません!?あちらの情報の精査どうなってますの?!」

「そもそもヒュッケバインは、ガンダムフェイスと言われても仕方ないデザインだ。奴らから見れば、下手をすればガンダム全部がヒュッケバイン扱いになりかねん。」

「ああ。事情を理解せねば、凝視しなければ判別出来んデザインなのに、ただでさえ似たような四肢のある20mクラスの機体だぞ?顔のデザイン類似点が多過ぎるんだ。さらにヒュッケバインはネイビーブルーのパーソナルカラーで見難いと来ている。以前、ヒュッケバインMark-Ⅱ開発時にカーク博士にも言ったことがあるのを覚えている。」

「それこそ愛を以て見れば見分けられません!?」

「それは知らん。」(イングラム)

「無茶言うな。」(ムラクモ)

「出来るか。」(アンネス)

「んにゃ!?」

 

ちなみにガンダム、ヒュッケバインのデザインは、『ハジメ・カトーキ』という人物。

その精緻なデザインセンスによって一目置かれており、現在あらゆるMSのデザインをリデザインしているとか………

誤爆は仕方なし、待ったなしだ。

 

「………うう、カ〇キハ〇メ様は恨めませんわ。」

「現状起きている事が事実だろう。それよりもアズへの援護とアナハイム・エレクトロニクスの防衛、どちらもしなければ詰むぞ。」

《う、うわーん!!目が、目がまわるぅ~!!》

「わ、わかってますわ!!私はアズを追います、皆様はアナハイムの防衛を!後から追いかけますわ!」

「了解した。」

「待ってなさいアズ!!マギウス・ウィングッ!!」

 

オルクスーラは見た目通りに装甲が厚く、簡単には撃墜されない。

ましてやサイズが40mとMSやPTの倍の差なのだ。

そんなのが大隊を率いて月に広域展開して来ている以上、事は簡単に終わらない。

その中にいる隊長機の内、2機に阻まれるカルディナのヒュッケバインmk-2(ツヴァイハルプ)だが、サークルザンバーの出力を上げて、盾持ちを殴って強引に突き離し、マギウスウイングを発動して粘着を強引に突破した。

そしてヒュッケバインmk-2.5(ツヴァイハルプ)を見送った一同は、A・E(アナハイム・エレクトロニクス)の防衛に戻るが……

 

「しかし、この規模を相手にするには、まだ頭数が足らんぞ。」

 

フォン・ブラウン市に2機、グラナダに1機。ヒュッケバインmk-2.5(ツヴァイハルプ)が抜けた穴は大きく、特にグラナダを守るのが防衛に有効な広域フィールドを持つヒュッケバインmk-3(ドライ)ではあるものの、この数には攻め手に欠けた。

 

「ああ、あと1機、もう1機いれば何とかなるんだが……!」

 

 

《 物質簡易創造高速艦 サクヤ 館内 》

 

《GSフィールド、広域展開中。GSライド出力、80%まで低下。敵勢力からの攻撃、依然継続。》

《敵勢力に対し、迎撃戦力が不足しています。索敵していますが、周辺からの介入戦力見られず。》

「どこかしらの部隊が気づいているだろうが、間に合うかどうか……!」

 

フォン・ブラウン市から飛び上がった高速艦サクヤはGSフィールドを展開しつつ、上空へ退避しているが、砲火は逃がしてはくれない。

しかし他からの迎撃はすぐには来ない。

 

「この艦は迎撃システムを積んでいないのか?」

《GGGのディビジョン艦を参考にしているため、この艦には射撃兵器を搭載していないのです。一応マギウスフェザーを搭載しているのですが……》

「ヴィータは操作出来ないのか?お前は」

「……あ、お嬢様が操作する前提での調整ですが出来そうですね。」

《艦のインターフェイスを介すれば可能ですね。直接リンクは気を付けてください。》

「了解、やってみます。」

「……ダメもとで言ったんだが、意外とどうにかなるな。」

《後は動力炉から生成したレーザートーチを艦外に放つ方法もありますが、こういった乱戦を想定していないので、フェザーを使用したとはいえ、今は防戦に徹するしかありません。》

「ゾンダー相手に戦闘は無意味なので考慮されていなかったのも原因ですね、裏目に出ましたね。」

「せめて、アナハイムにいた時、MSが受領出来れば良かったんだが……」

《時間がありませんでした。出来なかった事を悔やんでも仕方ありません。》

《とはいえ戦力数の差が圧倒的です、このままでは……あ。》

「どうした?」

《フォン・ブラウン上空周辺に登録された機体反応あり、回収に向かいます!》

《ちょ、08!?》

「どこへ行く!?」

 

何かを発見したサクヤ08は単身外へ飛び出す。

制止するクォヴレーを振り切り、飛び出した先にあったのは、フォン・ブラウン市上空の無重力下を漂う量産型νガンダムであった。

 

《やはりでしたか。どうやら収納されていた倉庫が破壊されたようですが、奇跡的に無傷でこの空域に飛ばされ、漂っていたようです。むふふ……何という事でしょう、また迷子になっているとは。これは保護せねば……》

 

どうやらまだ諦めきれていない08は、再び回収して運用する気満々らしい。

サクヤシリーズはオリジナルのV.C.然り、バディとなった人物に対する奉仕精神を抱く仕様があり、故にバディを求める。

だが、サクヤシリーズには個々に性格があり、時には歪んだ形で現れる事もある。

特に08は一時的にもクォヴレーというバディを得た事もあり、その傾向が強まってしまったのだ。

そしてどうにか復帰出来ないか……そんな思考が08を支配している。

 

《さて、まずは乗り込んで艦に戻らねば……ん、異常重力反応!?》

 

急に現れた局所的な異常重力反応、しかも目の前。

宇宙空間に描かれた魔法陣から、それは現れた。

禍々しい一対の赤い眼を持ち、蝙蝠の羽を模したような黒と金の角、口元は鋼のマスクで隠されながらも禍々しい口と牙を有する、無機的でありながら有機的なデザインの黒い「アイツ」。

 

《え、ちょ……!?なんでコレがここに……!?》

 

08の驚愕などお構いなく、「アイツ」は黒と金で彩られた腕で量産型νガンダムを捕まえ、腕から生やした機械的な触手で次々に拘束、貫いていく。

そして生きているように仰け反る量産型νガンダムが蹂躙され、浸食される様な誰得な光景。

状況把握のため処理能力をフル稼働させるが、一気に超えた08の思考ルーチンは、キャパシティオーバーし、その一瞬の内に触手に絡め捕られる08が最後に見たのが、無数の中性子星によって消滅させられる量産型νガンダムであった。

 

《ひ、ひぃっ!!》

 

自分の存在が消滅させられる……

その光景に初めて感じた恐怖を抱き、そのままサクヤ08はその余波に巻き込まれ、中性子星の大きな塊……MS大の中性子星の中へ呑み込まれたのだった……

 

そしてその中に「アイツ」の幻影が魔法陣を展開し、中性子星の中へ入り込んで行った後、とある存在が顕現した瞬間、高速艦サクヤ内にも魔法陣が展開。

 

「な、なんだ!?」

《クォヴレーさん!?》

 

クォヴレーが魔法陣に呑み込まれる。

 

……その瞬間、この宇宙に禁断の存在が産声を上げる。

 

宇宙に響く、おぞましき咆哮……その存在を4人は察知した。

 

「何だ、この禍々しい気配は……!」

「正と負の、その狭間の力……!」

「……クォヴレーがいるんだ、いつかはとは思ったが!」

「噓でしょう……まさか!?」

 

そして宇宙を照らし、オルクスーラの群体を次々に焼き払う二筋の光、それが月の上空の大半を殲滅させた。

 

「アズ、後退しろ!!」

「クォヴレーさん!?」

 

更にはヒュッケバインmk-1(アインス)と高速型のオルクスーラの間に割って入ったのは、黒と金に彩られた6基のフィン・ファンネル。

高速型オルクスーラを追撃、更には黒い銃に尾翼が生えた6基の群体ーーーガン・スレイヴが銃撃、更に銃身からビームサーベルの刃が生え、次々に肉薄し、襲い掛かった。

未知の攻撃に高速型オルクスーラは距離を取るしかなく、ヒュッケバインmk-1(アインス)から大きく距離を取り、離れた。

そこをフォローしようと、ヒュッケバインmk-2.5(ツヴァイハルプ)を追って来た2機のオルクスーラが迫って来たが、フィン・ファンネルとガン・スレイヴが迎え撃ち、足止めする。

その隙にヒュッケバインmk-2.5(ツヴァイハルプ)はヒュッケバインmk-1(アインス)と合流を果たす。

 

「大丈夫、アズ!?」

「う、うん。何とか。それよりも今の攻撃は……」

 

フィン・ファンネルとガン・スレイヴが戻る先を追うアズとカルディナ。

そこには……

 

「……どうやら間に合ったようだな」

《…………コレゾ、我ガ御力ナリ。》

 

某・ガンダムファイト優勝者が勝利を示す『あのポーズ』を取っているベルグバウ………らしきロボットがいた。

そこにヒュッケバインmk-2.5(ツヴァイハルプ)がフォトンライフルを低出力で一発撃ち込み、頭を狙撃する。

 

《痛イ!?》

「な、何をするカルディナ!?」

「何をする………じゃありませんわ、なんですのそのベルグバウは!?明らかに量産型νガンダムを取り込んだデザインじゃありませんか!!」

 

大したダメージではないが、自己再生しつつ頭をさするベルグバウの姿………それは黒と金のベルグバウカラーであり、ベルグバウのデザインを主軸としながらも明らかにガンダムフェイスで、細い四肢も太くなり、量産型νガンダムに似通っている。

武装も先程放ったエメト・アッシャーはともかく、悪魔の翼のように増設装備されたフィン・ファンネルは間違いなく量産型νガンダムのもの。そしてガン・スレイヴはツイン・ラアムライフルにビームサーベルを合わせたような仕様だ。

金〇氏に「ベルグバウと量産型νガンダムを合わせたデザインでお願いしま~す!」と言ったら間違いなく、そういう風にリデザインするだろうと思われる。

禍々しさがマシマシで、カルディナにとって、ブチギレ案件待ったなしだ。

そして主軸となるシステムはというと……

 

《……08、どういう経緯か説明してください。簡潔に。》

《ひゃ、ひゃい……え~と、襲撃で倉庫から放り出された量産型νガンダムを追って飛び出したら……ディス・アストラナガンに捕まって、巻き添えで融合合体させられました、てへ♪》

《ギルティ。》

《ギルティ。》

《ギルティ。》

《不可抗力なんですよぉぉぉぉっ!!!》

《持ち場離れて量産型νガンダムを追った時点でギルティ判定です。》

《》

 

どうやら08が悪魔合体したものだ。

先程のカタコトの喋り方は演技だろう。ただし、V.C.、H.A.L.L.、C.Y.A.S.は許さない。

 

《……まあ、そのように一体化した時点でどうしようもないと判断します。そのままクォヴレーさんを補佐してください。》

《了解っっ!!》

《クォヴレーさん、すみませんが08をよろしいでしょうか?》

「あ……ああ。ガン・スレイヴに、フィン・ファンネルの操作補助をしてくれるからな、助かっているから異論はないが……」

 

「……半ば決定なんだな」と思ったのは胸に仕舞っておく。

その時、イングラムと叢雲劾(管理者)、アンネスが通信に加わる。

 

「ちなみにクォヴレー、その機体はどうしたんだ?」

「ああ、アンネス。この機体はディス・アストラナガンの一部と量産型νガンダムが融合した姿だ。名前を『ベルグバウ・パワード』という。」

「ベルグバウ・パワード……ディス・アストラナガンが融合した割には退化してないか?」

「ああ、力の一部と言ってもディス・アストラナガンの狭間の力と『ディーン・レヴ』を移植したに過ぎん……08は偶然の偶然だが。」

「08は偶然だろうが、ディーン・レヴがこちらに?」

「本当はディス・アストラナガンが丸ごと顕現したがっていたが、『ディス・レヴ』を内包したままでは次元の狭間を通過する事が出来なかったようで、その代替でな。」

「……冗談だろう?ディス・アストラナガンが自らの意思でこちらに来たがっていたような言い方だな。」

(まだ次元の扉で詰まっておりますのね、アストラナガンとディス・アストラナガンがよっぽど酷く引っかかっているようで。)

「……ディス・アストラナガンの内包する狭間の力の一部がそうさせた……ようだ。流れ込んできたイメージがそんな感じだった。」

(……アストラナガン、お前はそんな事はないだろうな?そんな機能を付けた覚えはないぞ。)

 

イングラムは自分の機体に対し、この上ない不安を感じた。

「いーかーせーろー!!」と嘆きながらアストラナガンの傍らでディーン・レヴを送り出したディス・アストラナガン……何か嫌な構図だ。

そんな事を想像しつつ、包囲するオルクスーラに対し銃火を放つ。

アズのヒュッケバインmk-1(アインス)も戦線に復帰し、火力は一気に増した。

 

「行きますわ、V.C.!ターゲット、フル・インサイト!」

《了解、全ターゲット補足完了。友軍機にリンク共有します。》

「敵の情報を確認した、一機たりとも逃さん!」

「行くぞ、全て堕とす!」

 

新たに加わったベルグバウ・パワードのガン・スレイヴとフィン・ファンネル、エメト・アッシャー、2丁のツイン・ラアムライフルが全て火を放ち、某ガンダムのハイマット・フルバースト顔負けの火線を放つが、他の機体も劣らぬ火線を放つ。

ブルーフレーム・V(ファイヴ)のソード・キャノンドラグーン10基、ローエングリン・ランチャー。

R-GUNパワードのダブル・ツインマグナライフル、ランチャー・ファミリア。

ヒュッケバインmk-1(アインス)、ヒュッケバインmk-2.5(ツヴァイ・ハルプ)、ヒュッケバインmk-3(ドライ)のマギウスフェザーとツイン・グラビトンライフル。

手数、火力が圧倒的に勝る芸当を持つこの6機の持つ、大隊以上の火力に堕とせぬ軍勢はなく、オルクスーラの大群を次々に焼き落とす。

端から見ればA・E(アナハイム・エレクトロニクス)で行われているのは、大軍勢による大戦争であろうが、実際は小説よりも奇なりと言わんばかりの一方的な砲撃であった。

その光景にはミサイル・サーカスにも通じる何かがあり、これには某ジム神様も拍手を贈るだろう。

その光景に鼓舞されたA・E(アナハイム・エレクトロニクス)のMSたちもライフルを次々に放ち、戦線に加わる。

 

「はは、一時はどうなるかと思ったが……」

「勝てる、勝てるぞ!」

 

だが、その驕りを見逃さんと砲撃型のオルクスーラが応戦、こちらに負けない火線を放ち、A・E(アナハイム・エレクトロニクス)のMSたちに襲い掛かる。

当たれば必滅。

が、それをGSフィールドで防ぐのはヒュッケバインmk-2.5(ツヴァイ・ハルプ)とヒュッケバインmk-3(ドライ)

 

「何をやっている、この馬鹿者共が!!」

「「(ヒェッ!!)」」

「死にたくなければ早く後退なさい!!」

「申し訳ないが、この乱射撃戦でそちらに誤射しないと言い切れない。直ちに基地への後退を勧める。」

「りょ、了解した!武運を祈る!」

 

他のオルクスーラは殲滅出来たといえど、手練れと思わしき特異なオルクスーラ3機には油断出来ない……

だがその時、V.C.らが一斉に異変を感知する。

 

《報告、上方に大規模な空間転移反応、多数。》

《敵影に該当情報なし。新たな敵勢力と推測。》

「あれは……何で!?」

「どうしたカルディナ、あれに見覚えがあるのか?」

「……いいえ、私も直接見るのは初めてです。ですが、あれは……!!」

 

驚愕するカルディナが見たもの……それは、同型であるが黒、オレンジ、赤、青等の触手を持つ異形のロボット。

それに叢雲劾(管理者)も同じく反応する。

 

「馬鹿な……アレがこの次元存在するだと!?」

「知ってるのか?」

「別の次元(作品)で脅威振り撒いた組織の勢力だ。『サイデリアル』、その上位存在を『御使い』……遥か昔に地球文明を創り、管理・監視してきた異星の超常的な存在と言われていた。宇宙と全並行世界の管理者を名乗り、『シンカ』の道を辿る者を抹殺し、自分たちの脅威になるシンカを阻み、数多の銀河や知的生命体の文明を滅ぼし続けてきた『根源的災厄』だ。」

「シンカ……?」

「『真化(しんか)』とは、パイロットとマシンが真の意味で一体化を遂げる言葉、そして生命体を高位の存在へと押し上げるプロセス……『人機一体』と言えばいいが、それは追々話してやる。」

「『御使い』はかつて並行世界を支配していた存在とはいえ、あれの実情は超常の力を持ったエゴの塊ですわ。あれは末端ですが……ふぅ、黒い個体はいないようですわね。」

「ついでにデカブツもな。」

「黒とかそのデカブツだと何か問題でもあるの?」

「黒い個体は『アンゲロイ・アルカ』と言って、ザコでも侮れん力を持っている。具体的にはアンゲロイの30倍の力を持つとかな。」

「デカブツは種類がいくらかいますが、どれも地球圏で相手するには戦闘の余波だけで周囲が崩壊します。」

「ヒエ!」

「とはいえ、既に崩壊したものと思いましたが……まさかあの次元転移門から!?」

「どうする?良心的な奴らではなさそうだが……」

「もちろん迎撃しますわ!奴らには会話出来ても和解は不可能!サーチ&デストロイですわ!」

「了解した、骨は折れそうだがな。」

《……お待ちください。》

「どうした、08。」

《敵はあの『転移門』から絶え間なく出てきていると推測します。逆に、あれを閉じる事さえ出来ればこの場は問題ないと進言します。》

《08に同意します。》

「それはそうだが……具体的にはどうする?」

《V.C.、H.A.L.L.、C.Y.A.S.S.、これから送信するデータの演算を要請します。それとカルディナ様のヒュッケバインmk-2.5(ツヴァイ・ハルプ)にも協力を。他の皆様には進撃する敵機の迎撃をお願いします。》

《……何か、嫌な予感しかしませんが、いいでしょう。》

《了解した。》

《演算データをこちらに。》

《送信します。》

 

そうして08はV.C.、H.A.L.L.、C.Y.A.S.S.に演算データを送信、演算を開始しつつ、アンゲロイへ迎撃が始まった。

途中、高速演算を行うV.C.、H.A.L.L.、C.Y.A.S.S.から発せられる機械音から《08、貴方……》《外道が過ぎる》《くぇrちゅいおfg子》とか不穏な事を吐き出していたが、すぐに演算を完了させた。

それぞれ超AIらしからぬ毒づく悪態に、嫌な予感しかしないカルディナ。

 

《……出来ましたよ、演算式。》

《最低です。なんてものを演算させたんでか。》

《Go to Hell.》

《酷い言いがかりですねぇ……ではカルディナ様!マギウスツール《マテリアルコネクター》をこの演算データの通りに形成してして下さい。》

「わ、わかったわ。V.C.、マギウスツールっ!!マテリアルコネクターっ!!」

《了解、マテリアルコネクター、形状変形。》

 

異次元収納より、マギウス・ガオガイガーのマギウス・コネクターを召喚したカルディナ。ヒュッケバインの目の前で形状変形した姿は、『砲身のないブラックホールキャノン』であった。

それが、腹部のコネクターにドッキングする。

 

「これは……!?」

《ではつづいて、ベルグバウ・パワード!『HDBキャノンモード』、起動!》

「HDBキャノン!?」

 

08の宣言と共に、クォヴレーの驚愕と意思とは関係なく変形を始めるベルグバウ・パワード。

その変形プロセスはR-GUNパワードとほとんど変わりなく、出来上がったのはまんま『HTBキャノン』である。

ただし、プラスパーツに該当するであろうエメト・アッシャーのパーツは左右に分かれたままで、胸部より伸びたであろうブレードバレルが銃身としてあった。

それがマテリアル・コネクターにドッキングした事により、その全貌が現れた。

 

「な……何ですの、この馬鹿でかいブラックホール・キャノンは!?」

 

その形態は初代ヒュッケバインがブラックホール・キャノンを構えるような姿である。

しかし、肝心のブラックホール・キャノンは倍以上の全長である『HDBキャノン』である。

ベルグバウがコアであるベルグバウ・パワードという謎存在が元のHDBキャノンだ、もう不安でしかない。

 

《では参りましょう、カルディナお嬢様、クォヴレーさん!》

「ああああ……もう、オチがどうなるかわかりましたわ。」

「……仕方あるまい。ディーン・レヴ、フルドライブ!」

「やってやりますわ!DSライド、フルドライブ!」

《エネルギーバイパス、解放。同期開始……》

 

HDBキャノンのディーン・レヴと、ヒュッケバインmk-2.5(ツヴァイ・ハルプ)のDSライドが凄まじいエネルギーの高まりと共に異質なエネルギーをV.C.がマテリアル・コネクターを介し同調させていく。

 

《エネルギー充填率120%を突破、ターゲット『次元転移門』。いつでもどうぞ。》

「クォヴレー!!」

「分かった!アキシオン・バスター、デッドエンド・シュートッ!!」

 

ディーン・レヴを介し、ブレードバレルから放たれたのは、暗黒物質アキシオンを放ち、対象を次元空間の歪み……グレートアトラクターに叩き込む『アキシオンバスター』。

それをアンゲロイが湧き出る次元転移門へ撃ち込んだ。

その威力たるや通常のアキシオンバスターの10倍以上の威力であり、次元転移門も問答無用で圧壊、周囲のアンゲロイもブラックホールに巻き込まれたように吸い取られていく。

だがそこで終わらないのが、このHDBキャノンである。

 

「今だ、カルディナ!!」

「行きますわ!エメト・アッシャー、ダブル・シュートッ!!」

 

クォヴレーの呼びかけに応え、コネクターのトリガーを砲身の左右に備え付けられ、ディーン・レヴとDSライドの相乗効果により強化されたエメト・アッシャーが、次元転移門が圧壊、崩壊していくタイミングで撃ち込まれ、グレートアトラクターの重力芯が局所的な次元、重力崩壊を起こし、そうする事で次元転移門は崩壊と同時に閉じていくのと同時に、周辺に滞留するエネルギーは大爆発を起こす。

その爆発は、異常重力収束のエネルギーは消滅するまで止まらず、その作用範囲の物体は限定的に発生した特異点に吸い込まれて、最後は自然消滅したのだった。

 

そのお陰でアンゲロイの集団は物理的に消滅、月周辺は静寂を取り戻したのだった。

 

《……敵勢力消失を確認。あのオルクスーラ3機もいつの間にか撤退したようで、周辺に敵性反応ありません。》

「そ、そう……報告ありがとうV.C.。」

《いや~、何とかなりましたねぇ~♪これも全て私のお陰で……》

《そんな訳ないでしょう、08。一歩間違うと被害が甚大でしたよ。地球圏最大の製造拠点を無に還すような攻撃を推奨してどうするんですか。》

《V.C.に同意する。それに今の一撃で地球の地軸が1度傾き、月の周回軌道が1.54m地球から離れた。》

「何……だと?!」

《肯定します、イングラム少佐。月周辺にグレートアトラクターを発生させて、常識的に地球圏の環境が無事で済む筈ないじゃないですか。》

「……あ、ああ。確かに、な。」

 

C.Y.A.S.S.の説明に、歯切れ悪く返すイングラム。

 

(……アストラナガンを使っていた時は、どうだったんだろうか。)

 

不安が過ぎるが、叢雲劾(管理者)が意外な事を言う。

 

「それは心配ない。この世界ではグレートアトラクターが一次的に地球圏に現れても、ブラックホールが数秒出現しようが、『修正力』が働く。そのお陰で多少過激な攻撃でもすぐに軌道修正される。」

「む、そうなのか?」

「ああ……というかイングラム。そんな力が働いてなければ、時空なんぞ簡単に滅ぶぞ。(……そのお陰で、俺たちがどれだけ苦労しているか。)」

「………」

「??」

 

知的生命体に知られない、謎の苦労がありそうだ。

 

「だが、気をつけてくれ。流石にアストラナガンとネオ・グランゾンのガチンコバトルに及ぶようなレベルでは『修正力』が追いつかん。もしくはブラックホールキャノン連発、とかな……クエスターズがエーオスを弾圧、壊滅させた理由がそこにある。」

「……何故お前がそんな事を知っている、叢雲劾。」

「俺がそんな大体のあらましを知る側の『人から外れた』存在だからだ、アンネス。」

「え、叢雲さんってそんな人なんですか?!」

「そうだぞアズ。超常、超越……とまでは言わんが、今の俺はその火消しに回っているような役回りだ。まあ、俺やイングラム、クォヴレー、何よりカルディナと言った奴らがいるんだ、そういう事態が起きると思っていていい。」

「ヒェ!」

「今回のような事はこれからも度々起こるだろうが……まあ、まで通りに接し、皆は皆で思うように行動してくれ。今の俺はカルディナの会社に雇われた社員の一人だからな。」

「は、はい……」

「……ふん。」

 

最後に思わぬ告白があったが、戦闘は終了した。

しかし、アナハイムの工場は甚大な被害を被り、見ただけでも復旧は難しいと言えた。

 

「さて、カルディナ。この後どうする?」

「流石にアナハイムをこのままには出来んが……」

《提言。カルディナお嬢様と、私たちV.C.シリーズがAZ-Mをフル稼働させる事で、短期間で復旧が可能と進言します。》

「……本当、なのか?」

《肯定します、アンネス様。月全域の建造物、及び内部建造物のデータは、お嬢様が交渉中に全て取り終えてます。後は資材とAZ-M活性に必要なエネルギーさえあれば問題なく、条件は現状全て満たしています。ただ、アナハイム関連の上層部の人間と交渉する必要があります。》

「いつの間に……」

《交渉中、暇でしたのでアナハイムのセキュリティを確かめるついでに行いました。機体データもです。》

《先方は最後まで気付く事はありませんでしたが。》

「お前らな……」

「……まあ、上層部とは私とカルディナがやろう。この状況下だ、嫌とは言うまい。」

《よろしくお願いします、アンネス様。》

「よし、さっそく行くぞ。この状況だ、救助も必要になるはずだ。」

「わかった。カルディナ、指示をくれ……カルディナ??」

「……、……。」

「おい、どうしたカルディナ……」

 

カルディナに呼びかけるイングラムだが、肝心なカルディナは黙ったままだった。

 

「な……」

「な??」

「なんてモノをぶっ放してくれやがしました、08ォォーーー!!!」

《いやいやいやいや!トリガーを引いたのはクォヴレーさんとお嬢様じゃないですか!!私は無罪、ノーギルティです!!》

「ちょ、おま……!?」

「嫌です嫌ですわ!!これからもこんな規模の兵器をぶっ放すなんて考えられませんわ!!」

「お義姉ちゃん、落ち着いて!」

「いやいや、偶然が重なったとはいえ半ば確信的だっただろう、08。」

「戦果としては良かったが、それを責任転嫁するのはどうだ。」

「……08、それは駄目だよ。」

《やっぱり08、ギルティ。》

《ギルティ。》

《Go to Hell.》

《す、すみませぇぇーーーん!!!》

 

流石のカルディナも空間を破壊する兵器には、恐怖のあまりガクブルしていた。

月面の崩壊に、ベルグバウ・パワードという悪魔を見たカルディナお嬢様は、HDBキャノンという大罪の一撃を手にするのであった。

 

 

それはさておき、その後は怒涛であった。

まずはA・E(アナハイム・エレクトロニクス)の負傷者の救助、及び被害にあった区画の生命維持の復旧。

DSドライブを四六時中フルドライブさせてAZ-Mを活性化させ、物資簡易創造高速移動艦サクヤとサクヤシリーズを総動員させた体制で、損傷したフォン・ブラウン市の環境を瞬く間に復活させた。

しかし、月とはいえ敷地は広大、完遂するまでには3日を要した。

その間、08は行動停止処理(ギルティ)を食らっていたため、参加できず。

その間、カルディナとアンネスは上層部に対し交渉したが……

 

「嘘、でしょう……」

「あいつら、こちらの復旧作業を受諾する代わりに、自社株の1/3をこちらに売り渡すとかあり得んだろう。」

「仮にも商売敵に売るとは……余程切羽詰まっていたんだな。」

「仕方なかろう、先日の襲撃で設備は大損害、そしてアナハイムの株価は大暴落だ。そこにC商会という出資者が出てきた以上、渡せるのは自社株くらいだ。」

「幸い、フォン・ブラウン市は俺たちが攻撃を防いだのが間に合ったから、然程の被害はなかったが、後手に回ったグラナダは初撃でほぼ壊滅……復旧は絶望的で放棄するらしい。」

「奇跡的に死傷者がいなかった事が幸いだよね、技術者の人たちは無事みたいだけど……グラナダの製造拠点とグラナダの上層部の人達はピンポイントで撃たれたって本当?」

「ああ、正式にアナハイムはグラナダを放棄すると言って来た。今回の譲渡はそういう裏がある。」

「ということは、アナハイムは本格的にジオニック社の技術を手放すつもりか。」

「そのようだ。あそこにはジオン系MSの技術が集約されていたが……今は製造拠点が瓦解している。」

「その使えなくなったグラナダをカルディナにお礼に渡すと……いらん物を押し付けられたようなものだな。」

「でもお義姉ちゃん、買っちゃったんだよね?損な取引だったと思うけど。」

「……ええ。でもフェネクスがこの世界にいる以上、グラナダ跡地をもらえるのは、とある懸念を潰せるから丁度良かったのよ。」

「とある懸念?」

「いろいろあるけど、まずジオンの残党に裏ルートで流れている物資を止める事が出来る、それが第一ね。逆に、ネオ・ジオン共和国には堂々とパーツやMSを売り込めるから、恩を売れる。後は『あれ』が跡地にあれば御の字ですが……」

「あれ?」

「まあ、あるかは不明ですが、それはこれから掘り出せば判る事ですわ。それより……グラナダ跡地、せっかくですから何かに使いましょうか。」

「……何に使う気だ?」

「え~と、ヒュッケバインの量産工場、とか?」

「マオ社を作る気か。」

「そこはゲシュペンストだろう。だが、mk-2.5(ツヴァイ・ハルプ)のような機体を造るような予感しかせんぞ。」

「カルディナ、月面基地を得たからって、ブラックホールエンジンの起動テストはするなよ。」

「バニシング・トルーパーの再来は流石に聞きたくはないぞ。」

「し・ま・せ・ん!    ……多分。」

「「「「おい。」」」」

 

そんな事で、カルディナ……C商会はひょんな事からA・E(アナハイム・エレクトロニクス)の株1/3を保有し、グラナダ跡地を得てしまった。

 

……それから数日後、グラナダ跡地の残骸を除去している最中、それは起こった。

 

《警告:急速に接近する高熱原体あり。数は1。》

「おう、お前ら。ちょっと聞きたいんだがいいか?」

「は??」

 

PTで復旧作業をしていると、突如接近してきたかと思うと、突然声……通信をかけられたカルディナが見たのは、赤い戦闘機……否、()()()()()であった。

 

「え……あ、貴方……!?」

「お前は……熱気、バサラ??」

 

モニター越しでもすぐに分かった。

熱気バサラである。

搭乗機のVF-19改ファイヤーバルキリーもまさにそのまま。

特に、この中では直接出会った事のあるクォヴレー、思念体で垣間見たイングラムにはすぐに分かったが、衝撃もまた大きい。

『管理者』もまた驚愕している。おそらくこの世界に来ることを知らなかったらしい。

そして誰よりも驚いて……というより恐怖しているのがカルディナであった。

 

「おう、俺の事を知ってるのか?」

「あ、ああ……」

「ん?その声……お前は確かクォヴレー、だったか?」

「な!俺を知っているのか?!」

「当り前じゃねぇか。一緒に銀河の果てでも、一万2千年後の世界でも歌った仲だろう。」

「た、確かにそうだが……」

 

困惑するクォヴレーだが、それ以上に『銀河の果て』と『一万二千年後の世界』というワード……カルディナはすぐに察した。

 

あ、この熱気バサラさん、『第三次α』通過してますわ。

 

アポカリプシスとか、宇宙怪獣とか、イデとか、バッフ・クランとか、プロトン・デビルンとか……

というか、『銀河の果て』と『一万二千年後の世界』のダブルワードで虚憶をブチ込まれているのは確実だが、そんな事を自然に受け入れているこの熱気バサラという男に、そんな些細な事を気にする頭はない。

しかも……

 

「ここに来る途中、でっかい時空の流れに流されちまってな。途中でダチ達とはぐれたんだ。名前は、シェリルとランカっつぅ、歌の上手い奴らなんだけどよ、知らねぇか?」

 

はい、『Z』も通過してるぅぅぅーーーー!!

 

二人に面識ある時点で『スパロボZ』、しかも『時獄』『天獄』は通過済みなのは間違いない。

しかもどこで出会った?

カルディナのストレスは一気に跳ね上がった。

 

「い、いえ……存じませんが。」

「そうか、腕のいい紅白のバルキリーに乗ってたんだがな……」

 

YF-29デュランダル!!

ヴァジュラ大戦は通過済みですねーーーー!!!?

アルトくぅぅーーーん?? なにやってるのかしらぁぁーーーー??

『Z』を通過済みって事は生存してるわよねぇぇぇーーー!?

 

超進化革命超人のレヴォリュダーの胃に穴が開く。

 

そんな漫才染みた会合をした直後……

 

……~♪

 

「ん??この音楽は……」

「え、音楽だなんて、どこから……え。」

 

聞こえた、確かに聞こえた。

宇宙空間であるはずの月面で、()()()()()()()()()()()()()()()()()

それは荘厳な導入のイントロと宇宙でも響くコーラス。

そして聞こえる、あの声が……

 

(Wow wow… Drei Kreuz will survive~!)

 

「初めて聞く歌ですが……しかし、この声は!?」

「あっちだな……行くぜ!」

「あ、待ってください!」

 

バサラが先行し、カルディナたちが次々と後を追った。

そこはすぐ近くだった。

その先にはグラナダ跡地の廃墟の中に突如現れた、巨大なステージ。

以前、ララァ・スンとナタリー・ビアンキに出会ったあの空間と同様の場所である。

そこには照明とスピーカー、そしてマイクを持って声高らかに歌う、5人の歌い手……

その人物たちはすぐに認識出来たが、誰かはわからない。

 

だが、カルディナだけは誰かわかった……が、その人物たちは、どのスパロボ作品にも華を添えているが、出演はした事のない者たちだった。

 

「あ、あの方々は……『J〇M-P〇Oーーー痛ッ!?』」

「え、お義姉ちゃん、どうしたの!?」

「し……舌を噛みましたわ。」

 

 

世界に、始まりの歌を告げる者たちが現れた……が、世界の『強制力』と『修正力』によって名を呼ぶ事を妨げられたカルディナであった。

 

 

 

《NEXT》

 


 

《 次回予告 》

 

突如現れたステージに現れた、5人の歌い手。

その光景にただ唖然とし、そして圧倒される一同。

だが、熱気バサラとカルディナは違った。

宇宙に魂を揺さぶる歌が響くとき、黙っていいる訳がない!!

エレキギターとマイクを引っ下げて、歌え! 宇宙に、始まりを告げる歌を!!

 

次回『お嬢様と往く、『スーパーロボット大戦31』

『12 お嬢様、始まりの歌を歌う。』

 


《 現在公開出来る情報 》

 

〇ベルグバウ・パワード

量産型νガンダムを素体とし、ベルグバウの情報、ディーン・レヴと偶発的にそこにいたサクヤ08が悪魔合体したもの。

過去『第三次α』でクォヴレーが搭乗していた量産型νガンダムに目を付けていたディス・アストラナガンが内部データとして残していた『アウルゲルミル』、『メイガス』の情報を元に構築したマシンセルを媒介に、強制的に変異させている。

 

……何でこんなことをしたかというと、次の事項に関連する。

 

 

〇HDBキャノン

正式名称『ハイパー・ディーン・バスター・キャノン』。

R-GUNパワードを元に、ベルグバウ・パワードをHDBキャノンモードにした姿。

撃ち出すのは大幅に出力を上げた『アキシオンバスター』、『エメト・アッシャー』。

またディーン・レヴと外部エネルギーを供給する事により、バンプレイオスに負けない一撃を放つ。

今回放った『アキシオンバスター』+『エメト・アッシャー』の連携がデフォルトであり、バンプレイオスのデータも参考にされているため、『Xガンナー』に相当する『マテリアル・コネクター』とのドッキングをメインにしているため、主にカルディナ・ヴァン・アースガルズが運用する事を前提としている。

 

ちなみに、マギウス・ガオガイガーで、HTBキャノンとの同時運用も可能。その被害予測は……おっと誰か来たようだ。

 

 

 




月面で悪魔(ベルグバウ)を見た結果がこれだよ!
ちなみに被害想定はご想像にお任せします。
と、いうよりそれ以上にいう事ありませんか?案件
実在の人物の出演って、どうなんだ?
ご意見・ご感想・誤字指摘お待ちしています。



※3月6日 21:20 時点
何人かの方々より、実在の人物を出す事は規約違反だと、ご指摘がありましたので、修正しました。
ご指摘、重ねてありがとうございます。
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