お嬢様の活動は、皆様からの善意の提供でお送り致します。
そしてそれを過度な親切と多大な誤解で返すのがお嬢様流。
13 お嬢様、無自覚な暗躍をしてしまう
人類が生活の場を宇宙へ広げた時代……
長きにわたる戦乱の歴史は、多くの犠牲と悲しみの上に一度は終わりを告げた。
しかし、その平和も長くは続かなかった。
新宇宙暦100年という区切りにおいても、戦火は世界中に広がっていた。
宇宙移民者と地球居住者との戦争、異星からの謎の侵略者、悪の天才科学者の遺した破壊兵器……
だが、この事態を予見していた者達により、自由と平和と取り戻すための力、万能戦闘母艦『ドライストレーガー』が建造されていた。
終末へのカウントダウンが加速する中、ドライストレーガーは戦士達を乗せ、果てしない戦いへと旅立つ───
……しかし、その旅路は本来のものより、大いに整いながらも荒れ狂った善意と、誤解の波風でものである事は、誰にも予期出来ないのだった。
私は、ミツバ・クレイヴァー特務中佐。
万能戦闘母艦『ドライストレーガー』の艦長です。
スペースコロニー『エライレン』の第30士官学校の自治会長をしていましたが、ザンスカール帝国の襲撃により生徒たちを中心に『ドライストレーガー』を起動させ、撃退したことを皮切りに、ファイクス・ブラッドウッド准将の指示で、万能戦闘母艦ドライストレーガーの艦長に任命され、混迷する地球圏の騒乱を鎮めるべく地球統一宣言を行い、独立部隊『ドライクロイツ』を立ち上げました。
途中、リガ・ミリティア、チームラビッツの方々と邂逅し、共に戦う事となりました。
また、これから更に戦力の増強を図るべく、様々な所に赴く予定です。
また……
「何やってるんだ、ミツバ。」
「エッジ。」
ドライストレーガー発進時、同じドックで秘密裏に開発されていたPT『ヒュッケバイン30』に搭乗したエッジ・セインクラウスもまた戦力の一人です。
たまたまエライレンに来訪していた彼は、避難の中でヒュッケバイン30に搭乗し、ドライストレーガーを助けてくれました。
性格はともかく、民間人であるはずの彼が持つパイロットの腕は他に引けを取らない実力を持っています。
「明日、地球に降りる前の確認事項を見ていました。」
「そうか。地球に降りるのは明日だったな。」
「なので貴方も準備を怠らないようにお願いしますね。」
「わかってるよ。」
しかしMSの他に『パーソナルトルーパー』という機動兵器があるとは……機体形状は似ているものの、MSとは別系統の技術が使われているとの報告を受けています。
元々ドライストレーガーに搬入される予定だった機体らしいですが、いったいあれは何なのでしょう?
「ちなみにどこに行くんだ?」
「本来でしたら降下後、独自の判断で行動する予定でしたが……先程ファイクス准将の指示で、降下ポイントが変更、指定されました。」
「……そうかよ。」
エッジとファイクス准将……どうやら深い因縁があるようで、准将の名前を聞くと不機嫌になります。訳を聞きたいところですが、今のままでは素直に答えてくれないと思うので、今は止めておきます。
それよりも初めは独自判断で行動するように言われていましたが、昨日なって急にポイントを指定してくるなんて……
指定された場所は、南原コネクション。
超電磁ロボ『コンバトラーV』を作り上げたスーパーロボットがある基地です。
あそこであれば巨大なドライストレーガーも対応出来るでしょう。
そしてドライストレーガーは進路を変更。
地球に降り、太平洋から日本の南原コネクションへ向かいました。
何が待ち受けているかはわかりませんが、やれる事を精一杯!
……しかし、そこでは予想以上の事が待ち受けていました。
「はるばるスマンの、ミツバ艦長。ワシが四ツ谷博士じゃ。」
「初めまして。ドライストレーガー艦長、ミツバ・クレイヴァー特務中佐です。」
「レイノルド・ハーディン副長です。」
「それで、四ツ谷博士。これは……」
「ああ、連邦軍のお偉方からな、
南原コネクションの敷地内には既に数体のロボットがいました。
乗艦していたクルーたちも興味津々です。
「へぇ、あんたがあの戦艦の艦長か。俺は葵豹馬、コンバトラーチームのリーダーだ。」
「コラ、何勝手に話しとんねん。俺は浪花十三や、よろしくたのむわ。」
「西川大作たい。」
「南原ちずるです。」
「北小介と言いいます。」
この方々がコンバトラーチーム……キャンベル星人を撃退した超電磁ロボのパイロットたちですね。
その奥から警察官を模した約5mのロボット、そして傍らに凛々しい中年の男性と……何でしょう、とっっ…………ても、可愛い!少年が一緒にやって来ました。
「初めましてミツバ艦長。警視庁警視総監の冴島十三です。」
「私は警察庁ロボット刑事課『ブレイブポリス』のデッカードと申します。」
「は、はじめまして!僕は少年警察官の永友勇太と言います!」
「初めまして……え、警察官??」
まさか現役の日本の警視庁警視総監がいらっしゃるとは……事前に受け取った資料にも日本の警察庁がGGGの技術提供で作られた超AI搭載型ロボットがいると聞きましたが、こちらがそうだったんですね。
それよりも、勇太くん!なんて可愛らしいの!こんな子が警察官だなんて……!
藍鉄色のくるんとした髪型と、
服装はシューズに白のサスペンダー短パンに赤いシャツ、それに大きめの黄色のコート……非常に基本を押さえたコーディネートですね!(ふんす!)
日本の警察はなんて素晴らしい……いえ、なんてけしからんのでしょうか、こんな子を警察官にするなんて!もしかして潜入捜査をさせる気では……?そしてあんなことやこんなことが起きて……!
「艦長??」
「あ、はい、なんでもありませんよ。」
「??」
心の中で感動と悲壮感が入り交じっていると、副長からの呼びかけが。
いえ表情には出さず終始笑顔でニッコリしていましたから不穏不相応な妄想などとしておりませんよちゃんとお話は聞いていましたよ冴島警視総監がこれからよろしくお願いしますなんとかかんとかとおっしゃってましたらね私が責任をもって勇太君をお守りしますからよろしくお願いしまぁすッ!!
「世界で多発しているロボット犯罪に対応すべく、日本の警視庁から戦力を提供したい、ぜひこの二人を頼みたい。」
「もちろんです、ロボット犯罪は世界情勢を脅かす一つですので、その根絶もまた急務です。よろしくお願いします、勇太君、デッカードさん。」
「ああ、これからよろしく頼むよミツバ艦長。」
「よろしくお願いします。」
「よろしくお願いします!」
実に素晴らしい仲間が出来ました。
特に勇太君、あなたは私が守りますからね……
そしてまた尋ねて来た、驚きの人物が……
「流石、連邦軍の最新鋭戦艦だな。俺のマジンガーやコンバトラーVを積んでもまだ余裕がありそうだ。」
「あ、貴方は……兜甲児さん!?」
「ああ、新光子力研究所所属の兜甲児だ。よろしくな、ミツバ艦長、レイノルド副長。」
まさか、ヘル事変や、ミケーネ戦役の英雄、兜甲児さんが来るなんて!
よく見たら新品同然の鉄の城『マジンガーZ』がありました。
「確かパイロットは引退して、光子力の研究に専念されていたとか……」
「ああ、手掛けていた研究が一段落した事もあってな、俺もここには戦いに志願してきたんだ。何より世界がこんな状況だからな、一人のパイロットとして協力させてもらう。」
「ありがとうございます。これで私の夢に一歩近づきました。」
「そうか。まあ、志願した理由は色々あってな……それもあってマジンガーZに再び乗る決断をしたんだ。」
これは博物館に飾られたマジンガーZではなく、旧光子力研究所に封印されていた本物のマジンガーZを持って来たとの事、その理由からして相当決意は固いようです。
いずれ合流すると資料にありましたが、こうも早いなんて……
「しかしどうしてこんなに戦力をたくさん、しかも急に……」
「艦長や副長の疑問は最もだ。一番の理由は最近の地球圏の情勢
「ここしばらく頻発してましたからね。」
「ああ。地球、宇宙……どこも激戦地になっている。特に酷かったのはニューデリーでの機械獣の大襲撃、月のアナハイムに新たな敵勢力の襲撃……あと公にはされてないが、連邦本部にも謎の襲撃があったとか。」
「連邦本部に、ですか?ニューデリーや月は知っていましたが……」
「俺も詳しくは知らないが、連邦本部はこの件をひた隠ししている。被害は発表こそしていないが、敷地内にけっこうな被害が目撃されていてな。」
「そんな……!そんな事、准将は一言も……!」
「これは現地での情報だ。遠くからの目視は異常がなかったんだが、不自然な轟音や爆音も聞かれたんだ。カメラや衛星写真ではそんな事は確認されなかったところから推察するに……もしかしたらステルス戦やサイバー攻撃もされたかもしれない。その襲撃自体、何か公に出来ない理由があるんだろう。」
まさか地球圏の情勢がそこまで悪くなっていただなんて……これは油断できません!
「だから僕たちはこの機に戦力を集結させる事に決めたんです。」
「お、この声は……」
決意を新たにしたところで、新たにやって来た方々が3人。
甲児さんが機嫌よく親しげにお迎えしています。
「初めましてミツバ艦長。GGG機動部隊隊長、天海護です。」
「同じくGGG機動部隊副隊長、戒道幾巳です。」
「す、GGG機動部隊オペレーターの、あ、天海愛です。」
「来たな隊長、それに副隊長も……って新婚の嫁さんも同伴か。」
「やめてよ、甲児兄ちゃん。そんな事言われたら愛ちゃん、照れるから。」
「……❤」
「護、甲児さん相手にそれは無理な話だぞ。それに今は……」
「あ、ごめん。」
……ほほう、お嫁さん。出来ればもう少しそのあたりの話をkwsk……
「艦長?」
「え、あ!すみません、ドライストレーガー艦長のミツバ・クレイヴァーです。それで日本の戦力を結集させた理由ですが……」
「はい、先程甲児さんも仰っていましたが、最近のテロリストや敵勢力の活動は非常に活発になって常に後手に回っていました。それには一丸となって対抗するしかない、との現GGG長官の阿嘉松と仰っていて、そのために高機動、即展開可能な母艦を必要としていました。」
「GGGにも機動部隊を運搬出来る母艦はあるのですが、長距離移動はともかく戦闘特化ではないので。そこでファイクス准将からの推薦で……」
「それでドライストレーガーに、私たちに声をかけて下さったんですね。わかりました、ご協力させて頂きます。」
「ありがとうございます。それで今後の事なのですが、GGGから作戦の提案があります。」
「提案ですか?」
「はい、テロ組織の活動の活発化に伴い、僕たちが追っているテロ組織『バイオネット』の本部の制圧を行いたいのです。」
「バイオネット……ですか。」
バイオネットは言わずと知れた国際犯罪組織。その影響力は随所に広がっています。
末端のテロ組織や、政治団体にも影響力が及んでいるとか……
もしや、今までの襲撃もバイオネットが関係しているのでは……??
「いえ、実は……バイオネットの力がここ最近、弱体化しているんです。」
「え、弱体化、しているんですか??」
「はい。最近バイオネットの拠点や関係する組織が次々に潰されてて……酷いケースだと、何十体もの機動兵器が爆散されて発見されるケースも……」
「または秘密裏に協力している政治家やその団体が次々に辞職や連邦、警察のガサ入れが入って力を失っているんです。テロ組織の活性化は、むしろ最後の断末魔に近いもの、本当の意味での悪足掻き状態と予測されています。」
「い、いったい誰が……」
「それが、分からないんです。」
……わからない??
「誰の手によるものか、ここしばらく立て続けにバイオネット関連の組織が潰されていて……それに最近、GGGが事態を知る前に、どこからか匿名の一報が入ってるんですけど……」
「みんなで駆け付けた頃には、全員縛られてて、しかも犯罪の証拠も一まとめにされて置かれてるんです。もしくはこちらが掴んだ情報を元に現場に行くと、同じように……」
「……な、何ですか、その謎の正義の味方が来たような……こちらの都合に良過ぎやしませんか。」
「本当ですよね。まるでこちらの動きを読んで合わせている……いえ、どこからかリークしているのかも。」
「そのため、GGGで何度も内部調査をしていますが、何も異常がなく、それに誰も外部に情報を洩らした形跡もなくって……」
「十数件以上の発生件数と、規模が規模の筈なのに、目撃証言もない、サテライトサーチにも映らない、何より襲われた筈の犯人たちも証言出来るような接触もないと言うのです……まるで『姿無き存在』にでもやられたような次第です。」
……あまりにも話が出来過ぎていますね。
ですが手口にはこちらに対する敵意……いえ、敵対心がないように感じます。
ちなみにテロリストの証言は全員が「あれは……悪魔だ、悪魔だ!」「俺の前に天使が……天使が降臨されて、それで……!」「高飛車な声で俺を、俺を下げずさんで……ポっ」等と言っており、全員が
……え~、嘘でしょう??
「ええ、本当に荒唐無稽です。なので、僕たちはこれらを
「インビシブル……事案。」
来て早々、何だか怪しい事件の香りがします。
え……もしかしてこの流れは、私が『インビシブル事案』の謎を解かなきゃならない流れでは……あ、違います?
「艦長、そこまでは要望されてないと思いますよ。」
「流石にそのあたりはGGG諜報部が調査してくれてますから、僕らは弱体化したバイオネットを制圧する事が急務です。」
「で、ですよね……」
は、恥ずかしですぅ……!
「それと、今日は間に合いませんでしたが、本部に向かう前に、鉄也さんたちマジンガーチームと、ゲッターチームとも合流予定です。」
「え、マジンガーチームに、ゲッターチームも!?」
そして私たちはバイオネットの本部があると推察された場所へ向かいました。
そしてその道中、ドライストレーガーの休憩室でも様々な話が盛り上がりました。
その話の席に、私も偶然立ち会う事が出来ました。
「……はは、大変だな護も幾巳も。」
「ええ、インビジブル案件はありがたい反面、恐ろしさも感じてるからね。」
「なにせうちの諜報部も影も形も掴んでいないという話です。それだけの存在か、もしくはそんな組織がいるという事は、違う意味で脅威です。」
「何だかお化け染みているな。」
「そういや、インビシブル事案とは違うが……いや、似てるかな?俺がマジンガーZを使う決心をするきっかけの一つに、謎のロボットに助けられたのもあるな。」
なんと!意外や意外なお話です。
そのきっかけとなったのは2週間程前、機械獣軍団によるニューデリー襲撃の後、イチナナ式に乗った甲児さんが再び機械獣に襲われた時だと言います。
その時搭乗していたのは、一般機より高度にチューニングされたイチナナ式ですが、名前持ちの機械獣に囲まれ、ピンチに陥ったそうです。
その時現れたのが、『5つの銃口を持つMS』と、『悪魔の翼を持つロボット』だそうです。
「……凄い奴らだった、こっちが一機だけだったにも関わらず、イチナナ式で苦戦した機械獣を瞬く間に撃ち倒したんだ。しかも空を飛ぶ機械獣すら正確な射撃で、だ。乗っている奴は凄腕だろう。」
「そんなに凄い機体だったんですね。」
「ああ、だがな……」
「??」
「去り際に最後に通信が入って来たんだ、しかも俺を知っている風な。」
「当然じゃありませんか?甲児さんは有名人なんですから。」
「それがそうじゃなくて……こう、昔を懐かしむような、そんな雰囲気でな……」
「??」
《……久しぶりだな。いずれ、また会おう。》
「しかもどこか既視感もあってな……初めて見る機体のはずなのに。」
「……どういう事でしょう?」
「さあな……しかし悪魔の羽を持つロボットは、比喩じゃなくマジモンの悪魔みたいだったし、5つの銃口を持つMSは4つの銃口はわかる、だけど最後の1つは……何であんなところについてんだ??あれじゃまるで巨根の……」
「あの?」
「いや、何でもねぇ。まあ凄腕の、凄いロボットが出張るようなご時世になったって事からだな。だからマジンガーZを出したって訳だ。」
「そうだったんですね。」
「え?甲児さんも助けられたんですか?」
そう話すのは豹馬さんたちコンバトラーチームのちずるさん、その後ろから他の4人もやってきました。
「私たちも最近助けられたことがあるんです。」
「止めろよ、ちずる。あんなのは助けられた内に入んねぇって。」
「嘘こくなや、豹馬。ワイらだいぶ危ないところやったで。」
「ん?も、って事はコンバトラーチームもか?」
「あ、すみません。そのロボットとは違うんですが、私たちもちょっと前に助けられたことがあって……」
コンバトラーチームの皆さんの話を伺うと、1週間前にネオ・ジオン残党が十数体のMSを引き連れ、南原コネクションにやってきました。
要求はコンバトラーVのパイロットごと引き渡し、さもなくば破壊するとの事。
当然、その要求には応じられず、応戦。
しかし、スーパーロボットのコンバトラーVに対し、小柄なMS十数体では苦戦必至だったとの事。また相手は歴戦のパイロットたちを集めたようで、コンバトラーVの攻撃は簡単には当たらなかったようです。
そんな時……
「……びっくりしたぜ、乱戦の中でいきなり声が聞こえてよ、俺らも含めてその場にいる奴ら全員驚いたぜ。」
「な……今の声は!?」
「どこだ、どこにいる!?」
「あ!みんな、コネクションの上を……アンテナのところを見て!」
その声の主は……南原コネクションの磁石状のアンテナの上に眩い後光を背に、腕組をして立っていたそうです。
……そう、遥か高いアンテナの上に『人』が立っていたのです。
その人物は白と青が基調のアーマードスーツを着ており、全貌は不明で、しかもどこからか、ギターとラッパの音色まで聞こえるという謎現象が起きたと言います。
「純なる子供を操り、自らの欲望を達しようとするは悲し……人、それを……『エゴ』という。」
「な、なんだと……!」
「しかし、否定できん……!」
「クッ……き、貴様は何者だ!?」
誰もが黙る一喝だそうです。
そしてネオ・ジオン兵たちを一喝した後、その人物は剣を取り出し空に掲げました。
「剣狼よッ!!」
そして光と共に現れたのは、20m程の剣と盾を携えた青いロボット。
「闇あるところ光あり、悪あるところ正義あり……天空よりの使者、ケンリュウ参上!!」
「ケ、ケンリュウ!?」
「それが貴様の名前か!」
「馬鹿が、名乗る名前はないと言っておきながら、自分から名乗るとは!」
「ケンリュウはこの機体の名。それに言ったはずだ……お前たちに、名乗る名前はない!!」
それから青いロボット、ケンリュウは次々にネオ・ジオンのMSを撃破、コンバトラーVも隙を見てMSを撃破していきました。
それでも遠くから攻撃してくるMSもあり、足止めを食う事も。
そちらには上空から狙撃して来た別の機体が……
「見た事ないMSだったな。赤くて、全身に色々武器を仕込んでてよ、単体で空飛んでてんだ。」
「ありゃ凄いで。正確な精密射撃から始まって、持ってる武器を全部投げたと思ったら……」
「凄い勢いで降りて来て、すれ違う度にネオ・ジオンのMSが撃破されていったわ。」
「ありゃ相当な強者じゃ。身体の使い方が達人じゃけん。流水の如く……銃撃だけじゃなか、投擲武器や剣、合気道も使いこなしておった。」
「今までに見たことのないMSの運用方法でした。」
しかもケンリュウとちょっとアイコンタクトをしたかと思うと、無駄のない連携で、あっという間にMS部隊を倒し終えました。
「ちなみに単体で空を飛ぶMSは現在の連邦軍や
「メ、メイヴィーさん!?」
「やあ。たまたま聞こえてね、珍しい話だから同席させてもらうよ。」
技術主任のメイヴィー・ホーキンスさん、ドライストレーガーの技術部主任兼研究室責任者です。専門機関への転属も打診されたほどに優秀で、在学中様々な研究成果を挙げてきた天才科学者さんですが、マイペースな性格故自分の興味を優先出来る学生生活を満喫していて、腕と知識は確かなのですが、ちょっとこう……癖の強い人です。
「しかしその機体、特機の技術を用いているのかもね。それだけでも相当な技術だろうに。とはいえイチナナ式の例もある、必ずしも珍しいって訳じゃないけど、その前にその青いロボット、ケンリュウはどうやって現れたのかな?光と共にってアニメじゃあるまいし……ああ、話を続けて。」
MSを全滅させた後、今度は機械獣の集団が現れたというのですが……
「とああああぁぁぁーーーッ!!」
「はぁああああッ!!」
まるで事前打ち合わせか、予見したかのような素早い切り返しで反撃も許さない勢いで斬られました。
特に名持ちの機械獣『タイターンF9』は反撃したそうですが、上に下に繰り出される斬撃に姿勢を崩され、見るも無残な姿に……
そして呆然として立ち尽くすコンバトラーVに……
《 超電磁スピン、STANDBY 》
の、メッセージが。
一瞬何故?と思った豹馬さんですが、すぐに察し、切り替えて『超電磁スピン』の準備。
そしてその目の前で……
「天空真剣、奥義───!!」
「重ね、
息の合った同時斬撃による攻撃。
そして半壊になった機械獣に超電磁タツマキを放ち、拘束した後に超電磁スピンを見事当てて撃破。
しかしケンリュウと赤いロボットの姿は、振り返るといつの間にか消えていたそうです。
「……ちなみに、基地のレーダーには終始その姿は確認出来なかったそうです。」
「レーダーにも映らないなんて……」
よほど高いステルス性能を持った機体なのでしょうか?
そして恐ろしく腕の立つ赤と青のロボット、そのパイロット……謎が尽きません。
「その前にいきなり通信で超電磁スピンを要求してくるって、送って来た相手はこっちの事を何でも知ってそうだね。」
「ああ、そういや鉄也さんや俺の弟シローがいるところにも、謎のMSらしき機体が2体、ふらっとやって来て、テロリストや機械獣をあっという間に倒していったらしい。」
「鉄也さんたちのところにも!?」
そちらに現れたのは同型のようで、ネイビー(?)とホワイトカラーだそうです。
ふらっと現れたと思いきや、瞬く間にテロリストや機械獣を撃破。
その後、何も言わず早々に姿が消えたといいます。
ネイビーカラー機は各所にパッチアーマーらしき補修されたものを随所に貼っており、継ぎ接ぎ感とカラフル感満載だったそうで。
逆にホワイトカラー機は真っ白で天使のような、もしくは百合の花のような機体でしたが、ビットを主体に攻撃していたそうです。
「その白いの、ジオン系列のMSかい?新型?」
「でもボディのデザインは最近のアナハイム系列っぽいから、違うみたいだ。そうじゃなくても圧倒的でな……ニューデリーの機械獣の襲来時に戦ったロボットたちの存在を思い出すぜ。」
「そういえば、ゲッターチームは負傷したんですよね。」
「ああ、テロ集団の殲滅戦中にね。その最中に謎の黒いロボットにやられたって。」
ちなみにゲッターチームを負傷させたのは、先程話していた悪魔のような黒いロボットではなく、全身に触手を生やした、こちらも謎のロボットだそうす。
「不意を突かれたとはいえ、あの竜馬さんたちを負傷させたんだ、並大抵じゃないな。」
「その間を割って入ったのが、さっきコンバトラーチームが言ってた赤いロボットだ。その間に、何故か真ゲッターがパワーアップしたらしい。」
「パワーアップ?!」
「目撃者によると負傷した真ゲッターロボに赤いロボットが近づくと、真ゲッターロボがいきなり繭にみたいなものに包まれて、数分後にはその繭を破って出て来たんだが……機体の形状が変化していた。その名も『真ゲッタードラゴン』だ。」
「え……ナニソレコワイ。」
「それでその2機でその黒いロボットを破壊したみたいだ。でも隼人さんや弁慶さんは大怪我をしたみたいで入院中、無事だった竜馬さんだけが真ゲッタードラゴンに乗ってこっちに来るって。」
「そっかぁ……ってその真ゲッタードラゴンっての大丈夫なの?合流するんだよね?」
「……おそらくな。」
「あの、甲児さん?こっち見て言ってください。そんな悲壮感溢れる目をしてるんですか??」
……察するに、どうやら昔からゲッター関連で苦労があったようです。
「しかし青いロボットに、赤いロボット……特に赤いロボットはけっこうな目撃例はあるなぁ。」
「ああ、そういえば。今話にあった赤いロボットじゃないけど、もう一つあった。」
「何ですか、メイヴィーさん。」
「世界中で歌を歌い回ってる赤い飛行機がいるって。」
「赤い、飛行機??」
「戦場とか誰もいない場所とかに現れては、大音量で歌ったり、小型スピーカーを撃ち込んでそこから歌を聴かせたりとか。」
「……どういう事だ??」
「何でそんな事を……」
「さぁね。でも歌を聴いたら戦闘が馬鹿らしくなって撤退する勢力もあったりして、意外と抑止力になってたりするんだよ。ああ、一度だけその飛行機が変形して赤いロボットになったって話もあるって。」
「変形するの!?」
「みたい。ああ、さっき言ってた赤いロボットとは全くの別モノだけどね。でも相変わらず歌ってたって。銃は持っててもスピーカーを撃ち込んで聴かせるモノだって、武器じゃないよそれは。」
「戦闘しない変形する赤い飛行機……余計に謎だな。」
「その飛行機で一番有名なのは、『ブルーホールの絶叫』かな?」
『ブルーホール』……インドネシア付近に出現した異界に繋がると言われる巨大な穴です。
現在までの調査ではまだ何処に繋がっているかは不明なのですが……
「赤い飛行機がその付近で1時間ぐらい歌ってる最中、酷い断末魔みたいな叫び声が響いてね、それはもう凄かったみたいだよ。」
「……話を聞くに、誰かが苦しんでいたみたいだけど。」
「どっちもどっちだ、というか1時間も歌い回ってるって……その飛行機から聞こえる歌はそんなに下手なのか?」
「いや、ロックバンド系の歌みたいで、サンプルで貰った曲を聞くと、そっち系の曲を知らない私でも熱狂出来るぐらいには上手だね。」
「……じゃあ、何で??」
全く以て不明です。
「話をまとめると、新しく出てきたのは5つの銃口のロボットに、悪魔みたいな黒いロボット、紺(でもカラフル)、白、青に赤いロボット、赤い飛行機かぁ……なんだかいっぱい謎の勢力がいるなぁ。」
「え、みんなも赤いロボットを見たの!?」
そう話すのは勇太君。目をすごくキラキラさせていました。
大まかな話を改めてすると、勇太君はとても大喜び。特に赤いロボットについては感動していました。
《しかし勇太、同じロボットではない可能性も……》
「ううん、たぶん間違いないよ、デッカード。腕にいくつもの武器を付けてるロボットなんてそういないと思わない?」
《それは確かにそうだな。》
腕に付けた通信端末装置でデッカードと話す勇太君によると……
その日、デッカードは予定を早めて警察庁に移送される事に。そこでデッカードの超AIを初期化する事を知った勇太君は見つかったにも関わらず、猛抗議して超AIの初期化に反対したそうです。
その移送の最中、ロボット犯罪に関わる死の商人ドクトルガウスが10体以上のロボットを引き連れてデッカードを強奪しようとし、大ピンチに陥りますが、勇太君の必死の呼びかけにより一次的に窮地を脱するものの、絶対絶命の大ピンチには変わりなかったそうです。
その時……
「───諦めないでッ!!」
「!?」
「何だ、磁力が……!?誰だお前は!?貴様の仕業か!?」
「……だったらどうするのかしら?」
ドクトル・ガウスのロボットが放った磁力ビームが突如分散させられ、混乱するその目の前に、20mもの赤いロボットが現れたと言います。
そのロボットはMSに近く、かつ両腕に武器を身に着けており、ドクトルガウスのロボットを瞬時に圧倒していました。
更に周りの取り巻きのロボットですら、投げ放つブーメランや撃ち出す銃の一撃で破壊されて倒れて行きます。
爆発させていなかったのは、そこが市街地だからで被害を最小限に抑えたからではと勇太君は言っていました。
そして負傷した勇太君のもとに、赤いロボットのパイロットはコックピットから出て駆け寄ってきました。そして傷に手を当てると、温かい光が発され、勇太君の傷がみるみる癒されたといいます。
そのパイロットは、金銀のアーマーを着ていて、顔はバイザー付きの白い仮面をつけていたため、全貌こそ解りませんが、姿形より女性だと一目見てわかったそうです。
「……これで良し、っと。予想以上に酷くやってくれましたわね、ドクトル・ガウス。」
そして呆然としていたデッカードに、そして勇太君に語るように尋ねたそうです。
「あなた達はいつまでそこに倒れているの?」
「!?」
「まず……その様では、あなたの超AIの元となった方々から叱責されますわよ、デッカード。」
「私の名を……それに私の超AIの事も……」
「そして勇太君、あなたも不意を突かれた、子供だからとていつまでそこに寝そべったままなのかしら?」
「そ、それは……」
「貴方はデッカードと共にいたいと願った……それはこれから迫り来るロボット犯罪者たちに、否が応でも立ち向かわなければならない、という運命を背負う事と同義よ、出来るかしら?」
「僕は……やるよ!そのために僕はここにいるんだ!僕はデッカードと一緒に……離ればなれになりたくないんだ!」
「勇太……!」
「なら良し。私が時間を稼ぎます、その間に態勢を整えなさい。」
「あ、ああ。だが貴方はいったい……!?」
「今はそんな事はどうでもいい……と言っても気になるでしょうから。私の事は『お節介焼きの勇者お姉さん』とでも称しなさい。」
「お節介焼きの……」
「……勇者、お姉さん。」
……背中越しに右親指でビシッと自身の背中を指差したそうです。
何ですか、勇者お姉さんって……
「それよりもデッカード、超AIを持つロボットは『勇気』を、勇気を持てる『心を持つ存在』よ。貴方もそれを受け継いでいる。例え相手が強大であっても『勇気』を胸に立ち向かわねばならない……そうしなければならない存在が、貴方の隣にいるんじゃないかしら?」
「隣……はっ!そうだ、私の隣には勇太が……!」
「……デッカード。」
「分かっているなら立ち上がりなさい、そして守り、共に支え合い、立ち向うのよ。あなた達には、その力が……『勇気』があるわ!」
「勇気……!」
「勇気……勇気……それは私の超AIに刻まれた言葉……!」
その光景を見ていた冴島総監は、デッカードの専用支援機『ジェイローダー』を出して、勇太君に手帳を渡しました。
それはデッカードとジェイローダーとを合体させる指令を出せる警察手帳。
しかし……
「私の中に合体プログラムはある……しかし、それを発動させる事が出来ない。」
「そんな……!」
《ご心配なく、デッカード。》
「な、君は誰だ……!?どうやって私の中にアクセスを!?」
《目の前のお節介焼きの関係者で、敵ではないのでご心配なく。それよりも今は合体する事が第一優先。勇者であるならば出来ます。》
「勇者……!?」
《貴方の超AIは勇気ある者……勇者のものを受け継いでいます。であれば貴方にも出来ます。》
「やろう、デッカード!僕たちなら出来る!」
「勇太……!」
「前に僕に言ったじゃないか。勇気を以て犯罪者に立ち向かってゆくっ……て。だからデッカード、やろう!!」
《合体シークエンスのサポートはお任せを。貴方たちは全力でやり切る事を考えて。》
「出来ない事、やる事には怖がらず、全力よ。そして、足りないものは全て……勇気で補えばいい!!」
「……わかった、勇太!私に勇気をくれ!」
「いくよ!!」
「ブレイブアップ!!ジェイデッカー!!」
「ジェイデッカーッ!!」
そして合体シークエンスを成功させ『ジェイデッカー』は誕生しました。
「やった、やったよデッカード……ううん、ジェイデッカー!!」
「勇太!これも君のお陰だ!」
「……ふ、新しい勇気ある者、新しい勇者の誕生ですわね。」
「ありがとうございます!勇者お姉さん!」
「あなたにも……あなたの言葉にも感謝します。それに私を助けてくれたAIにも。」
「お礼は不要よ。それよりもここから、犯罪者たちをやっつけますわよ!」
「うん、わかった!ジェイデッカー、あいつらをやっつけるんだ!」
「了解、ボス!」
「ボ、ボス……!?」
「そうだ、勇太は私にとって
「うん!」
「よろしい、では参りますわよ、ジェイデッカー!」
「いくぞ!!これがブレイブポリスの初任務だ!!」
「ふん、このデスマグネに勝てると思うな!」
「あなたこそ思い上がらないように。磁力を封じられて、パワーだけのロボットに……!」
「私たちは、絶対に負けないッ!!」
そうして2機で全てのロボットを鎮圧、主格のドクトル・ガウスも逮捕することが出来ました。
戦いに不慣れなジェイデッカーを支援するように、赤いロボットは全方位に動いていました。
その動きはまるで忍者のように素早く、そして的確だったと。
そして事件が無事解決した後、赤いロボットは去ろうとしました。
「まって、勇者お姉さん!また……会えるかな??」
「……どうかしら。」
《これでも忙しい身です。約束を絶対には出来ません。ですが……》
「あなた達が勇気を以てこれからの困難に立ち向かうなら……きっとまた会える日が来るわ。それまでに強くなりなさい、身も、そして心も。勇者警察の名に恥じないように。」
「は、はい!!」
《それでは、ジェイデッカー。》
「ありがとう。私もあなたにいつか会える日を楽しみにしている。」
《私も……と言いたいところですが一つ訂正しておきますよジェイデッカー。先程仰っていましたが、私はAIではなく、
「え??」
《今後は間違えないで下さい。》
「あ……ああ。」
「こ~ら~。」
《失礼いたしました。》
そして赤いロボットは陽炎の如く、そして蜃気楼のように消えていった……
「ちょっと待って。超AI、確かにそう言ったんだね、勇太少年。」
「うん。あのお姉さんのロボットに一緒に喋ってた超AIさんは、確かに最後そう言ってたよ……って、メイヴィーさん顔が近いよ!」
「あ、ごめんごめん。しかし……」
《確かに彼女は……あの超AIは自身をそう言っていた、間違いない。》
「「「 ………… 」」」
(……報告を受けていた通りだけど、まさかGGG以外にも超AIを使っている組織がいるのか?)
(GGGの超AI技術はGSライドよりも広まっていない……しかも今回プレイブポイリス・プロジェクトではほんの一部に、しかも阿嘉松長官と親しい会社だけに技術提供されただけ。しかもなのにどうやって赤いロボットのパイロットは超AIを手に入れたんだ?)
「……いったいどんな超AIなのかしらね。ジェイデッカーの初合体をアシストするなんて。」
「う〜ん、でもその超AIさんも勇者お姉さんも、悪い人じゃないと思う。」
「何故そう思う?」
「だって、あんな風に応援してくれる人が悪いわけないじゃない。僕の怪我も治してくれたし……それに総監から聞いたけど、デッカードの超AIは、僕が生まれる前にゾンダーって悪い奴らと戦ったGGGの勇者ロボに搭載されていたものと同じ型でしょう?」
「ああ、確かにそうだが……」
「だったら、その事を僕たちに言う以上は、その事を知ってるって事でしょう?あのお姉さんの言い方からして、きっと『勇者』に誇りに思ってるんだと思う。」
「……そういう見方もあるか。」
《私もそう思う。彼女らには終始我々を害そうとするような素振りはなかった。彼女らがいなくなった後、検査を受けたが、特に異常は見られなかった。》
「少なくとも、俺らに悪意はないと見て間違いはないか。」
護さんや幾巳さん、メイヴィーさんも難しい顔をして悩んでいます。
全世界規模で出現した謎の強力な勢力。果たして敵か味方か……
ふと、みんなが悩む中、勇太君が夕日が差し始める窓の方を、思いを馳せているような表情で見ていました。
ん?頬も心なしか、夕日に照らされて、ちょっと赤くなっているような……
「……デッカード、またお姉さんに会えるかな?」
《ああ、きっと会えるだろう。私たちが彼女らの期待に応えられるようにしていれば。》
「……うん。僕、頑張るよ、あの勇者お姉さんに恥じないように。」
「──────!?!?!?」
……え、まさか、そんなコトは、勇太君にそんな顔をさせるなんて、させるなんて……
(……まさか、勇太君に初こ……いやいや、そんなまさか!まだ勇太君は小学生ですよ!?恋愛なんてまだ早い────!)
「おや、勇太少年。窓を見て物思いに耽っているようだけど、顔が赤いよ?」
「そ、そんな事無いよ、気のせい気のせいアハハハ……!《xsmall》ハハハハハ……《xsmall》」
……な、なんですか、その「せいしゅんをしっちゃった」みたいな顔は!?
……もしかして、想っているのは勇者お姉さん────
「おや、艦長。いきなり立ち上がってどうしたんだい?」
「きゅ……急用を思い出しまして……失礼します!!」
「あ、ああ……」
「……ミツバ艦長、行っちゃったね。忙しかったかな?」
「まあ艦長だからな。大変だろう。」
「そういえば勇太、その腕の通信端末どうしたんだ?」
「さっき届いた救援物資の中にあったんだ。デッカードと離れてても話せる仕様の通信端末で、ジークンさんが僕用に設定してくれたんだ。これでいつでもデッカードの顔を見て話が出来るよ。」
《ああ、私もこのようなものあると嬉しい。》
ちなみにデッカード用には別のデバイスがあり、そちらは頭部に装着している。
なお、変形には支障ない。
「へぇ、ちょっと設定するだけでロボットと通信出来るんだ。顔も見れるのは嬉しいな。」
「他にもブレイブポリスが来るみたいだから、応用出来るかもな。ちなみにどこから来た物資だ?発艦する前にはなかったみたいだが……」
「ん~と、たしかジークンさんは『C商会』って言ってたよ。『アサルト宅急便』ってので来てて見てて凄かったな〜。」
《2機のMSで来たとはいえ、最近の宅急便は、飛行する戦艦に追いついて直接着艦出来るのだな。》
「……え、なにその高性能なMS。」
そんな勇太君を露知らず、私は自室に戻り、悔しさを噛みしめながら赤いロボットの情報を必死に収集していました。
(勇太君に……勇太君にあんな顔をさせるなんて……いったいどんな人なんですか!?)
しかし、その直後この部屋にダイレクトに通信が入りました。
相手は……エッジ??
《──おい、ミツバ!!何とかしてくれっ!てか、俺にも説明してくれてよ!!》
「な、何なのエッジ?!どうしたの!?」
《どうもこうもあるか!合流したパイロットの奴等が、俺のヒュッケバイン30を見て、白、紺色(カラフル)と赤いロボットに非常に似ているって質問責めなんだよォ゙ッ!んなモン俺が知るかよォ゙ッ!つーか俺にもどういう経緯でヒュッケバイン30をドライストレーガーに持ってきたか、わかるように説明プリーズッ!!》
「ええ〜……??」
……エッジからの悲壮感満載の声でありました。
……あまりにも謎過ぎる、本当にこれからどんな事が起きるのでしょうか…………???
一方、その頃の元凶なりし者たちはというと……
「あ~…………疲れましたわ。」
「ああ、ここしばらく戦ってばかりだな。」
「やっている事は世界中に搬送作業なんだがな。輸送機ですら輸送困難な場所に自前の機体で搬送するのは良いと言えば良いのだが……」
「その行く先々で戦闘に巻き込まれているのだ、ご時世とはいえ仕方あるまい。だがな……」
「今更ながら誰だ、『アサルト宅急便』なんて考えたのは。」
アンネスの言葉にピクっと反応し、カルディナへ全員の視線と指差しが集まる。
つまり犯人はコイツです。
「い、いいじゃありませんか!戦場を駆け抜けて物資を届ける、それによって更に商会の収益が上がりますし、物資を必要とする箇所に確実に届けられる……私たちの得意分野ではありません?」
「……と、
「まあ、敵陣に切り込むのはいつもの事だ。しかしな……」
「喜んで突撃する奴は早々いまい。それによって余計に首を突っ込む羽目になる……苦労が絶えんよ。」
「お陰で懐かしい人物に出会えたがな。」
「俺はそこまでではなかったがな。」
クォヴレーには会えて嬉しくても、イングラムには然程も響かないのが兜甲児である。
特に成長した以前に交流云々の有無の差が大きいのが原因である。
「でも2週間前に私たち以上に、敵陣に突撃する事が得意なお二人方を雇えたのは良かったよね。」
「……確かにな。」
「よく雇えた……いや、よくこちらに
「……ええ、まあ。呼んどいて何ですが、もう奇跡みたいなものですわ。そ、それにしたって!
「なんだ?」
「なんだ、じゃねーですわ!!南原コネクションへ行った際にケンリュウ召喚してドンパチやってたのはどういう事ですの!?」
「仕方なかろう。搬送先の南原コネクションで、コンバトラーVがピンチだったんだ。そして丁度良い南原コネクションのロケーション…………名乗らずにどうする。」
「……余計なアピールをしてぇ、怪しまれたらどうするんですの!?私がさりげないフォローしたからいいとして!」
「あれがフォローだと?」
「映像を見たが、相当無理があるぞ。非常に目立っていた。」
「うぐっ!ワインレッドカラーですから仕方りませんわ。それでもフォログラフィックカモフラージュを使って、移動していますし、問題ありませんわよ。」
「戦闘時には機能しないポンコツだがな。」
《機能不全のお陰で、各所には幽霊扱いされているという噂が多数確認出来ています。》
「うう……見直すしかありませんわ。」
「しかしカルディナ、楽しかっただろう?」
「ああ、それはもう。」
「……駄目だこいつら。」
犬猿と思いきやノリノリで親指を立てて同意するあたり、既にカルディナは手遅れである。
判ってやっている感がある以上、
そんな最中、扉を開けて来たのはバサラ。
「戻ったぜ。」
「あ、お帰りなさい。」
「今日はどこまで行きましたの?」
「南米だな。」
バサラには特に商会の仕事は何も振っていない。本人から希望があった時にコンサートを開く事はしているが、それ以外は世界中をぶらり、バルキリーで即席野外ゲリラコンサートをしているだけである。
強いて言うなら、カルディナより「陰気臭い場所で歌って下さい」とお願いしているぐらいだ。
当初、誰もが頭を「?」させたが……
「陰気臭いところがあれば、それを吹っ飛ばしてほしいんです。」
「おう、いいぜ。」
そして世界中をぶらり、バルキリーで即席野外ゲリラコンサートを慣行している。その影響は大なり小なりある。
その途中でバサラから「一番陰気臭ぇ」と言われたのが『ブルーホール』であり、小1時間歌い続けたのが『ブルーホールの絶叫』となる。
その結果バサラより……
「半分ぐらい陰気臭いのは吹っ飛んだんじゃねぇか?」
「……半分。」
バサラを以てしても『半分も』残っている陰気とは何だろうか?
「まあ、また今度行くけどな。」
「よろしくお願いしますわ、バサラ。」
絶叫した主が可哀想に思える。
いったいバサラの歌の何で絶叫したやら……
「絶叫と言えば……ゲッターは災難だったな。」
「……ええ、あれはもう、悲劇でしたわ。シミュレーターでとはいえ、私がゲッターエンペラーと出会ってマーキングされた事が災いして、真ゲッターに出会ったら進化が始まるとかどういう事かしら?」
「真ゲッタードラゴン……確かゲッターエンペラーへ続く初期の形態、だったか?」
「ええ。まさかあれが顕現するなんて、何かの凶兆でしょうか?」
経緯は省略するが、カルディナはシミュレーター内でゲッターエンペラーを撃沈(正確には半壊)させた事がある。その時にエンペラーに気に入られ、マーキング(濃厚なゲッター線照射)されたのだ。
シミュレーター内での事だったので、あまり気にしていなかったが、まさかこちらに来て自身がゲッターの進化に関わるとは思わなかった。
その時はまさかの事態に恥も見聞も捨て、カルディナは絶叫したという。
その日帰って来ては、部屋の隅でガクブルして終始子犬みたいにプルプルいたカルディナを一同は思い出す。
ちなみに本来真ゲッタードラゴンと持っていくはずだった號は、手元に来るはずだった真ゲッタードラゴンが来ず、真ゲッターロボから生えたこの事態を静観していたが……
(真ゲッタードラゴンの事象が変化したのは良いとしよう、結果的に竜馬に渡せた……だが、何故あの血の色のようなロボットからゲッターエンペラーの気配が?)
と警戒心MAXであった。
更に元凶を作った、遠くの次元にいるゲッターエンペラーは……
《フハハハハハ!!計画通り!このままいけば、我もZEROと同じく……!》
と、歓喜しながらカルディナにやられた傷を癒していた。
「お陰でゲッターに訳の分からない関わりが出来ましたわ、勘弁して下さいませ。」
「まったく……余計なことはせず、即殲滅、即移動が一番だろう。」
「そうだよ、アンネスお姉ちゃんと組んだ時が一番早かったよ。」
対してキッチリ仕事をこなすのがアンネス、アズのペア。
接触は最小限に、仕事はこなす。
同時にアズは隣で機体操縦テクニックも勉強しているが、アンネスを含めこれまでに全員と随伴している。
エースたちが手本とは些か贅沢な気もするが、それが環境なので仕方ないったら仕方ない。
「それもそうですが、あんまりやり過ぎると、余計なフラグを立ててしまいますわよ?先日も連邦のマジンガーチームに目を付けられそうになってましたし。(焦り)」
「……お前がそれを言うか?バイオネットとやらの組織を見つけるな否や、真っ先に脱線したのはお前だろう。(呆れ)」
「しかも念入りに破壊していたな。『バイオネット、許すまじ!』っていう理由だけで構成員たちを拘束して、芋づる式に出て来た証拠を元に全世界にハッキングを……(白目)」
「わー!わー!わー!」
「そのお陰でV.C.のバックドア*1が全世界に広まった訳だ。」
《お陰で全世界のシステムを監視下に入れることが出来ました。残り掌握していないエリアを現在検索、攻略中です。》
「……本当にお前は隙あらばどこにでも行くな、V.C.。」
V.C.はV.C.で、いたる所にアクセスしている。
やはり元『紫の星』の制御超AIなのだろうか、ゾンダーメタル並みにネット内で増殖したいようで、いたる所に自身の簡易コピーデータとバックドアを隠している。
《────まったくじゃ。わらわも
「あ、オルキダケア。」
《邪魔するぞ。》
そして最近はオルキダケアもバックドアを介してやってくる。ファイクス准将と協力関係になったので、存在がある程度オープンになったため、V.C.のネットワーク上であれば自由に移動している。現在はドライストレーガーの『AOS』の中枢システムとして密かに支援している。
そして最近では時折やって来て、電子的なものではあるが、お通しとお酒を嗜んでいる。
やって来たオルキダケアにV.C.がまずは駆けつけ三杯……
……ボス的立ち位置だった筈なのだが、いつの間にかこうなった。
なお、最初はアズも忌避感は抱いていたが、カルディナにひーこらさせられている姿を見て、多少ながら同情する事も増え、今ではあまり嫌悪感を抱かなくなった。
《ふぅ……ファイクスもぼやいていたが、仕事がやりやすくなった半面、仕事量が莫大になったとな。誰の仕業じゃ。》
「言われているぞ、カルディナ。」
「襲撃前にGGGに一報入れていたようだが、それで許容されると思っているのか?まあ相手は悪党だ、実際許されるところはあるんだろうが……(遠い目)」
「
「天使と悪魔さんたち、連邦本部を襲撃した時と同じぐらい生き生きして制圧してたね。幻覚魔法、だっけ?集団幻覚は本当にオソロシイヨ……(経験者は語る)」
そしてバイオネット関連で、カルディナが各所を極秘虱潰しにした影響で、裏で繋がっていた政財界や政治家、関連組織が芋づる式でお縄状態になっている。
脅迫はまだいいが、汚職紛いの取引や裏金を受け取った者や便宜を図られた者は一人残らずお縄になっている。
当然ながら連邦本部を襲撃した幻覚魔法で惨劇を演じられると、天使と悪魔たちはこれ以上ないくらい喜んで物取り劇に参加している。
……あの惨劇が到る所で行われているのはあまりにもオソロシイヨネ(ただし死人はない、いいね?)
その中心にファイクス准将が関わっているが、苦しめられていたエーオス関連の事がなくなったので、文字通りカルディナがまとめて後処理を丸投げしたのだった。
その事もあってアンネスは憎たらしい連邦のお偉方が捕まり、ご機嫌極まりない。
ただし、捕まった中にはネオ・ジオン関係者もいるのだが、そこは寧ろアンネスも参戦した。
「ネオ・ジオン関係者とはいえ、ミネバ様の手を煩わせていたバイオネットに手を貸した以上、擁護する気はないな。」
《とはいえ、私も多少ながら手伝わされいる……心労がこの上ないぞ。》
《ですがそのお陰で、バイオネットに関連する施設は本部を残すだけとなりました。》
「……こいつの『気が向いたら異常な行為』はどうにかならんのか?気まぐれで敵勢力が殲滅とか、元軍人としては頭が痛いんだが……(頭痛)」
「「「「「 無理。」」」」」」
「……だろうな(諦め)。」
「まあ、世界平和のためには我らが社長は暴走している方が良いだろう。」
「という事は、お義姉ちゃんが暴走しなくなったら世界はまた混乱の最中に……!?」
「それはいかんな、それではこれからも暴走してもらわねば。」
《むしろ暴走せねば生きられんのか、こやつは。》
「マグロの方がまだ穏やかだな。あちらは泳ぐだけ、こちらは弊害も強い。」
「……どういうことですの?」
きっとそのままの意味だろう。
そんな時……
《あ、ファイクス准将より通信が入っています。大至急だそうです。》
「ひぃっ!!予想より2日早い!」
「……よく2日保つと思ったな。普通は即日だぞ。」
「よく1日保った方だ。准将も相当苦労したようだな。」
《当り前じゃ、妾がここに来る前に伝えておいた。親切であろう?》
「オルキダケアさんー!?」
「よし、頑張って怒られろ、勇者お姉さん。少年の純情を弄んだ報いも受けてこい。」
「
「無事でいられたならな。」
そして泣く泣くドナドナされるカルディナ。こってり1時間説教コースである。
一連の悪行(?)を行った諸悪の権化がここにいる以上、叱責は免れないだろう。
きっとバイオネットの構成員の大量取り締まりと、政界の膿を大量に出して大忙しの准将がカルディナにお説教でもしないと気が済まないのかもしれない。
ついでにドライストレーガーから来る苦情も含めて。
世界情勢を単独勢力がここまで裏から引っ掻き回すのは引っ叩かれるのが必定。ちなみにカルディナは同じような事を所属していた世界でも仕出かしている。
……というか、報連相はしっかりしよう。だいたい直前報告か、事後報告だったりする。
そしてその光景を肴に酒を呑む大人たち(アズはジュース)、これがいつものC商会の日常である。
阿呆な事はしているが、人道に外れた間違いはしていない。
効率が悪くても、結果・成果には必ず結びつけるので生活には困らない。
誰もが笑う道でも、まっすぐ進むが故に、その精神は並大抵ではない。
この短い間でここにいる誰もが思った事である。
カルディナはある種、経営には巧みではあるが勢い、感情任せという矛盾を孕んでいる。
しかし意見、叱責には耳を貸すし、成す事には利益以上に『関わる者を不幸にさせない』という一貫性があるので、やっている事は本気だと伺えるし、成果は出している。
そして何より、ここにいる奴らは、そういう真っ直ぐな所が嫌いではないので、なんやかんやでカルディナを放っておけないのである。
ただし、ファイクス准将は「……教官時代の出来の悪い教え子を説教する心境だ」と愚痴っていた。
その一時間後、カルディナが戻って来た。
「戻り……ましたわ。」
「おかえり。」
「その様子だとこってり絞られたようだな。」
「それでどうだった?」
「とりあえずお説教は30分、そしてドライストレーガーでの苦情と、私たちの噂が20分。あとは今後の動きについて、ですわ。」
「重畳、重畳。それで俺たちの噂については?」
《相当警戒されています。一人残らず、いったい誰だというところです。皆さんエース級ですから目立つのは仕方ありませんが、特にヒュッケバインはあちらにも『30』の1号機があると判明していますので、尚更かと。今のところは准将がこちらの存在を隠蔽しています。》
「『30』の1号機ね……ちなみにパイロットの名前は解る?」
《パイロットは、エッジ・セインクラウス、民間人です。》
「!?……お兄、ちゃん。」
「知っているのか、アズ、カルディナ。」
「ええ……アズの義兄よ。」
動揺するアズだったが、すぐに落ち着いた後、ゆっくりとエッジについて話し始めた。
イングラムやクォヴレー、
「そういう事か……」
「ちなみにアズ、義兄には会いたいか?」
「……今なら、今の私なら気兼ねなく会えそうな気がします。でも今はまだいいです。
「わかった。」
「しかし、アズのヒュッケバイン30を受領した時に、もしもって言ったけど、まさか本当にで乗ったとはね。当の准将も頭を痛めてたわ。」
「でも、戦う事に否定的だったお義兄ちゃんが、戦うなんて……何か事情があったのかな?」
「可能性は十分にありますわね。ヒュッケバインにはそういう『
「……あ~。」
民間人パイロットあるある案件である。(前例あり。)
そしてそれが適応されるのが主人公だからか。
「連邦の管轄のモノなら適応されるでしょうし、同じような状況であればアズもそうするでしょう?なんなら美人の艦長も条件に付けましょうか?ドライストレーガーの艦長は美人さんと伺っていますし。」
「……美人の艦長さんはともかく、同じ状況ならあり得るかも。」
「アズだったら可愛がられるかもね。」
「うむ、ありえるな。我らが妹は可愛いからな。」
「カルディナお義姉ちゃん~!アンネスお義姉ちゃんまで!」
「なにはともあれ義兄妹同士、同じヒュッケバインとは数奇な運命だな。」
アズは一先ず、義兄の無事を祈る事にした。
そしてちょっとやきもちも焼いた。膨らんだほっぺが可愛い。
……現在進行形で自分たちが原因で困っている事は露知らず。
「そして今後は?」
「ファイクス准将より、ドライストレーガーがGGG発案のバイオネット本部の殲滅作戦を行うそうで。予定通り、明日決行ですわ。」
「俺たちはどうする?」
「ドライストレーガー側とは直接は接触せず、陰ながら補助する形で参加します。移動は私がESウインドウを展開して、ドライストレーガーが展開した箇所より拠点を挟んで真向いの地点に降ろします。遠巻きに討ち漏らした外部勢力を撃破します。」
「内部への侵入はするのか?」
「しないで下さい。突入はドライストレーガー側が行うようですし、あくまで裏方支援ですわ。」
「了解した……しかし、まだドライストレーガーとは接触はしないのだな。」
「まだしません。今接触してしまったら誤解しか生みませんわ。招いてしまった誤解は、これからゆっくり、ゆ〜っくり解消しなければ。それに相手はバイオネット、これまでGGGを苦しめた恨みをたっぷり……!」
「まあ、お前なら異常事態になった瞬間、内部に突撃した挙句、ヒュッケバイン
「それはしませんわよ。それこそ、そんな事態が起きない限り、ですわ。」
(……お義姉ちゃん、それフラグってやつじゃない?)
(確実に何か起きるセリフだぞ、これは。)
(それに生じた誤解ならファイクス准将に説明させれば一発だろうに。自分の手駒と言えば納得するやも、だぞ。)
(それをしないのは、お義姉ちゃんのマギウス・ガオガイガーをGGGに出すのが恥ずかしいからですって。未だに言ってるんですよ?)
(((( ……まだ言ってるのか?? ))))
《……難儀じゃのぉ。》
明日はどうなるか……
……そんな時。
扉からノックの音が聞こえた後、開く軽快な声が響いた。
その人物はウェーブの効いたブロンドヘアでナイスバディの形容詞が一番ピッタリくる女性であった。
「はぁ~い♪たっだいま~♪」
「今戻った。」
「ようやく帰って来れたわね、ただいま。」
「ただいま~、ですの。」
「ただいま戻りました。」
続いて赤いジャケットを着た無愛想な男と、彼の腕に抱かれいるのは水色のウェーブヘアの1歳の女児、反対には紫髪のウェーブの、1歳児とはいえない大人びた目つきの女児。
その後ろにはサクヤシリーズの一体。
そんな彼女らを一同は迎える。
「あ、おかえりなさ~い。」
「戻ったか。お前たちにしては少し遅かったが、何かあったか?」
「重慶の光子力プラントが配達先だったんだけど、また襲われていてねぇ、機械獣の殲滅に時間が掛かっちゃったの。」
「警備のロボットさんたちがボロボロだったので、仕方なく私たちで殲滅してきたって訳ですの、ふあぁ~~……」
「あらあら、随分お眠そうね。にしても、あそこはずいぶん攻め入られますわね。」
「仕方ない、ユーラシア最大の光子力プラントなんだ、狙う勢力は多いだろう。次いで北米だ、あそこもいづれ、だな。」
「それでも注文のあったものは無事納入して来たぞ。」
「さっすが、C商会の誇る『アサルト宅急便』の第一人者ですわ。」
「そりゃもち~、私のダンナだもん。突撃に関しては一日の長、アリよ。」
「茶化すな。それに『娘たち』の協力もある。」
「まあ。」
「照れますわぁ。」
「『むこう』では門番、こちらに来ては配達員……字面は似合わんのに、実際はよく手慣れているな。」
「止めてくれ少佐、今は家庭を支えるためにやっているだけだ。」
「とはいえ、流石はナンブ一家ですわね。」
「そういう事よ〜、お嬢様。今後もお任せあれ。」
ブロンドヘアの女性……エクセレンは自信満々に告げ、無愛想な男……キョウスケは大黒柱の貫禄がどこか滲み出ており、水色と紫髪の女児……アルフィミィとレモンは愛嬌を振りまく。
しかしその光景にカルディナは……
(……う〜ん、転移前から見ていますが……やっぱり未だ違和感が。)
母・エクセレン・ブロウニング改め、エクセレン・ナンブ。
長女のアルフィミィ・ナンブ、次女のレモン・ナンブ。
そして父・キョウスケ・ナンブ。
カルディナのいた世界にいつの間にかいたキョウスケとエクセレンは、『OG2』のラストの会話を見事にフラグとして、二人の子供にアルフィミィとレモンを生み、門番として生計を立てていた。
そしてカルディナ同様にこちらの世界に引っ張られ、再び再会する事が出来た。
現在は『C商会』の部署が一つ『アサルト宅急便』勤務となり、激戦地区を『アルトアイゼン・ヴァイスナハト』、『ヴァイスリッター・エインアーベント』で駆け抜ける凄腕の配達員となっていたりする。
「どうしたの、お嬢様。」
「いえ、なんでも。それよりも明日の作戦ですが……」
「ああ、問題ない。明日は特に届けるものは無いからな、予定通り参加する。」
「バッチリよ。」
「おまかせあれ。」
「どんとこいなのです。」
「ありがとうございます。」
明日の作戦がどうなるか、神のみぞ知る………いや、神様も予測出来ないかもしれない。
更に、更に……
《……ここ、は?》
日本の横浜の地で『ベターマン』こと『ソムニウム』が隠れ家とする相異空間『セプテンブルク』。
その中で他のソムニウムたちに見守られ、目覚めたラミアじは周りを見渡す。
《あ、ラミアが目覚めた。》
《ようやくお目覚ですか、ラミア。》
《随分遅かったな。》
《ああ……だが……》
《??》
《??》
《??》
《………》
どうにも解せない。
何が解せないと言うと……何だろうか?
ここにいるソムニウムたちは仲間なのは間違いない。
しかし感じる違和感はどうにも拭えない。
誰もがラミアの感じる違和感を感じ取れない中で、ただ一人だけ違和感を感じた人物がいた。
《ンー??お前は……ラミア、か??》
《ああ、そうだ。そういうお前は羅漢……なのか?》
《ンー、羅漢という存在は、この世界に私一人だけだろう。何を血迷った……ちょっと待て、ラミア。お前は
《え!?》
《どういう事!?》
《ンー……私も何を言っているか分からんが、そうとしか言えん。それで、お前はどうだ??》
《……何とも言えん。だからこの世界の事を説明してくれ。》
《ラララーー♪何と!これは愉快な展開ですねー♪》
ラミアもラミアで何だかおかしな事になっていたり。
本当にどういう事だろうか??
《NEXT》
〇アサルト宅急便
カルディナが設立した『C商会』宅配部門。
他の宅配とは違い、戦地となって配達に時間が掛かる、もしくは困難な場所に即座に配達する事が可能。
それを可能としているのが『C商会』の誇るエース(カルディナも含む)による『戦術的特攻』であり、障害となるものを撃破しつつ目的地に到達する。場合によっては配達業務に対し敵対するものは殲滅する場合もあるため、アサルト宅急便が通った後は紛争活動が鎮圧されることも暫し。
ちなみに配達は生き物以外を対象とし、目的地にマギウス・フェザー設置によるESウインドウによって送られる。
配送物は手紙から重量物資まで多様に対応。料金は要相談。
〇ナンブ一家
父:キョウスケ・ナンブ
母:エクセレン・ナンブ
長女:アルフィミィ・ナンブ
次女:レモン・ナンブ
カルディナが住む異世界より再召喚された。
全員の人格は『OG』の世界がメインだが、キョウスケ、エクセレン、アルフィミィは『IMPACT』、レモンに至っては『A』の世界からの虚憶を有する。
ちなみにカルディナのいた世界では門番をしており、時折来る魔獣を『アルトアイゼン・リーゼ』、『ライン・ヴァイスリッター』のイミテーション機で迎撃していた。
こちらには、カルディナのシミュレーション大会に参加するために向かう途中に転移に巻き込まれたため、機体を失った夫婦のために新たに新造している。
尚、このアルトアイゼンとヴァイスリッターの設計はレモンが、行なっているが、『向こう側』の設計である故に『ナハト』と『アーベント』になっており、カルディナの(半ば意地での)希望により『
〇アルトアイゼン・ヴァイスナハト
「あちら側」の技術で作られた『アルトアイゼン・ナハト』。基本デザインはシャドウミラーが再設計した『アルトアイゼン・ナハト』であり『無限のフロンティア』に登場した『アルトアイゼン・ナハト』をそのまま実寸大のPTにして強化している。
ただし、基本カラーは青でもなく赤でもなく、白。
また、特殊機構として『試作型・地式自動供給圧縮装填術式』が組み込まれており、これは地面が土、もしくは岩であれば、魔法の力により周辺の土くれを収集、高圧圧縮して『5連装チェーンガン』や『シールドクレイモア』、『リボルビングブレイカー』、『レイヤードクレイモア』の弾倉としてチャージする機構を持つ。ただし、全武装のフル充填時間は1分、地面に設置していないと供給が出来ない弱点を持つ。
魔法技術とPTの相性を探るべく試作された試作機であり、推進器にはテスラ・ドライブを使用しつつも、動力炉にはGSライドを採用している。
武装
5連装チェーンガン
ハイフリーク・ホーン
シールドクレイモア
ネオ・チャクラムシューター
リボルビングブレイカー
レイヤードクレイモア
『切り札』
ランページ・ゴースト(合体攻撃)
〇ヴァイスリッター・エインアーベント
アルト同様、「あちら側」の技術で作られたヴァイスリッター。基本設計はシャドウミラーの『ヴァイスリッター・アーベント』で、アルト同様にサイズアップしたPT。
撃ち分け可能な『パルジサンランチャー』を主武装に、『試作型・地式自動供給圧縮装填術式』を一部の武装に振り分けしている他、試験作成された『シシオウブレード・影打ち』を装備。(攻撃モーションはそのまま)
また、アルフィミィ、レモンも共に搭乗し、支援を行う仕様であり、浮遊ユニット『鬼菩薩(まんま)』と『ソードブレイカー(アシュセイヴァーのもの)』まで装備。
ソードブレイカーの制御はレモンが担当、鬼菩薩に関しては製造どころか設計すらしていないが、アルフィミィの能力により、カルディナの持つAZ-Mが呼応し、再現されたものであり、負傷しても自己再生能力にて修復されるよくわからない仕様。ただし『マブイエグリ』のように鬼菩薩が形状変化はしないが、アルフィミィの制御は適応され、ヴァイスリッターでは考えられない連携が可能。
武装
3連装ビームガン
スプリッドミサイル
シシオウブレード・影打ち
パルジサンランチャー・Eモード
パルジサンランチャー・Bモード
ライゴウエ
ソードブレイカー
パルジサンランチャー・Wモード
『切り札』
ランページ・ゴースト(合体攻撃)
……ただし、アルトアイゼンにはアルフィミィ、レモンはどちらも乗らない(前例あり)
〇ラミア
※カルディナとバトルした方です。1名様、ご案内〜。
過剰な親切(やりすぎて誤解)と多大な誤解(知られてなくて誤解)がお嬢様流です。
アルトとヴァイスに関しては昔の話を見返したらリーゼとラインを出していたので、そちらをイミテーション機としました。流石にガチモンは出せないので。
え、それ以上に突っ込みどころがある?
それは次回。