お嬢様と往く、『スーパーロボット大戦31』   作:和鷹聖

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それでは本編開始だぁー!(唐突)


02 お嬢様、降り立つ

 

 

「………ここ、どこ??」

 

気が付いたカルディナがいた場所……それは破壊されたビルが立ち並ぶ、焼け野原の市街地の一区画であった。

知らぬ間に外に、しかも元は()()()()()()()()()()だったという、実際には行った事のない場所にいたカルディナ。

マギウス・ガオガイガーのコックピットにいる故に安全であるが、見慣れない市街地という事で直ぐ様気付く。

 

「は!いきなり降り立ったら不審な機体と思われますわ!」

 

なのですぐにマギウスからフュージョン・アウトし、『収納空間(ポケット)』にマギウスを入れる。

昔は異空間と呼び、現在はESウインドウを利用した『収納空間(ポケット)』と呼ぶ空間なので、黒い穴に呑み込まれるように収納される様は、事情を知らない者なら異様の一言に尽き、マギウス・ガオガイガー(自分の愛機)程度の大きさなら余裕で入る。

またその他にも様々な物も『収納空間(ポケット)』入っている。

例えば一個大隊なら2年は余裕で賄える食料や家財、試作品の日用生活品は常に常備している。

加えてマギウス・ガオガイガーを緊急で整備する設備や、モビルスーツを2~3機は製造可能な鉄鋼石の塊や、精製環境設備、触媒結晶やGストーン、その他特殊な鉱石、そして昔は軟鉄──今はAZ-Mと呼ばれるナノマシン・マテリアルだってある。

 

……何でって? 入れていないと落ち着かないらしいです。

 

「……これで、ヨシ。さて次はあの場にいた皆様を捜さないと。とはいえ、手掛かりは───」

「お嬢様!」

「あ、ヴィータ!」

《──再起動、完了。全く酷い目に遇いました。》

「V.C.も!二人とも無事でしたのね!」

 

上からカルディナ専任メイド、ヴィータ・アドモス。

そしてカルディナの頭にあるコスモスの動く花こと、医療用ナビゲーターであり、現在はマギウス・ガオガイガーの中核である超AI、V.C.。

 

最愛の人物(ヴィータ)に出会えたカルディナは感激のあまり熱い包容を。

そして頭の上で動くV.C.をヨシヨシする。

 

「私はあの瞬間、マギウスにしがみつきましたので、近場に居られたようです。」

《私は本体(マギウス)があれば、分体(この体)からいつでも出現可能です。なのでお嬢様からは離れませんよ。》

「そうでしたわね。にしてもまず2人に出会えたのは幸運でしたわ。ちなみに、他の方々は……?」

「……申し訳ありません。近場とはいえ、ここにくるまで見知った顔の方はいませんでした。」

《周囲1km以内に生体反応こそありますが、登録されたバイタルデータは検知されたせんでした。》

「そう……でも、2人がこの世界で無事だったという事は、他の方々もこの世界に来ている、という事になりますわ。きっと別々のところにいるのでしょう。」

「大丈夫でしょうか?」

「そのところは然程心配していませんわ。時空の彼方に跳ばされたならいざ知らず、皆様は柔な方々ではないのです。地道に捜せば見つかるでしょう。」

「確かに。皆さんお強いですから。」

《簡単に死ぬような方々ではありませんですしね。》

 

縁あって出会った、いわゆる『版権作品』の人物達。

物語ではない、実物・等身大のあの友人達は今は何処にいるかは不明である。

とは言え、皆強い者達なので、生死については特に気にしていない。

本当に気にすべきは、『むこう』か『こちら』の世界にいるかどうかぐらいである。

流石に時空の彼方や因果律の地平線に跳ばされているような状況ならどうしようもないが。

 

(……もしそんな状況が起きるなら、アストラナガンや黒色ジュデッカが顕現しているとか……いえ、考えるのは止めましょう。)

 

『α』の世界で起こりえた事は想像したくない。

あの世界線も相当ヤバいのだ。

どうヤバいかは、ゲームをプレイすれば判る。

 

「さて、思考を切り替えるとしまして……二人共。」

「はい、先程から私達を警戒する視線がちらほらと。」

《人型の生体反応が周囲50m程をぐるりと囲むようにいます。それ以上は移動していない事から、警戒しつつ監視状態だと思われます。》

「……やっぱり目立ってしまいましたわね。」

 

持ち前の探知能力で、周囲の異常を感知している3人。

こんな事は自分達の世界では当たり前。諜報、暗殺、魔獣の討伐……意外と殺伐としているなぁ。

ついでにゾンダーの襲来とかもある(現在進行形)。もう世も末だぁ!

なので、警戒されているだけならまだいい方だ。

 

「とりあえずは、監視している方々にご挨拶に行きましょう。」

「……それはいつも通り殴り込み、という意味で?」

《何というアースガルズ家の家訓。》

「そんな訳ないでしょう!?ウチには家訓もありません。ただの御挨拶よ、情報収集も兼ねての。何なら菓子折りも付けますわ。」

《そう言う事でしたか。いつものお嬢様なら「拳で御挨拶」しそうなのですが。》

「し・ま・せ・ん。私はどこの門外漢ですか!」

「失礼ですよ、V.C.。アースガルズ家は売られた喧嘩は無言で返すのが常識です。お相手には気付かない間にあの世に御送りする……それがアースガルズ流です。」

《なんと!》

「……ヴィータぁぁ?」

「冗談ですよ。では菓子折り、準備しますね。」

 

ボケにボケを重ねるような会話でリラックスを図る3人。

まずはこの荒廃した土地に住む現地の人達に接触を図る事に。

 

 

……その時、異常が起きた。

 

《──後方より大型移動物体を感知。数4。》

「何ですって!?」

《しかも動体反応は───ロボットです。》

「ロボット?!」

 

V.C.の探知に引っ掛かった方角を確認すると、地鳴りのような足音を響かせ、巨大な異形の群隊がこちらに近付いてきた。

一言で言うなら「アックスとスパイクシールドを持たせた虫人間のロボット」であるか。

 

「……あれは、何でしょう??」

《監視していた人々が逃げています。その方々から「機械獣」という言葉が多々聞かれます。》

「機械獣!?確かにあれはガラダK7系列のボディが使われているみたいだけれど…………見たことないわね。」

「おや、お嬢様なら知っているかと。」

「ええ……機械獣が出てくる作品『マジンガーZ』はある程度見た事はありますが、あれは初見モノ、ですわ。」

《いえ、『アカシックレコード』からの検索で一件ヒットしています。ええと……》

 

『劇場版マジンガーZ INIFINITY』 ガラセクトV2

 

《──だそうで。》

「───んなぁ!!?」

「どうしました!?そんなすっとんきょうな声を出して……」

「げ………劇場版??私の知らないマジンガーZが、あった……だと!?」

《悲報:お嬢様、『劇場版マジンガーZ』を知らなかった。》

「……知らなかったんですね。」

「いいえ、知ってますわ!……名前くらいは。」

「名前だけですか。」

「私のアカシックレコード、どうも劇場版とかはの映像は見せてくれないのです。ウ○キとかピ○シブ情報では知ってるのですが。」

《そんな……もしかして有料情報は出し渋っているとか……あ、本当ですね。》

 

閲覧しようとすると『課金して下さい』との文字が。

 

《悲報:アカシックレコードが実はケチだった。》

「……課金しようにも『通貨が違います』とか、どこの通貨ですか!せめて為替両替ぐらいは優遇して下さいませ!」

「そんな事情が御座いましたか。」

 

意外過ぎるぐらいのアカシックレコードの一面が見られた。

見れないのでは意味がない。

後に「是非とも映画館で直に見たかったわー!」と視聴出来たお嬢様が悔やんだ辺り、さすがスーパーロボットの原点の最新作とも言うべき作品である。

 

「まあ、それはこの際どうでもいいのですが───あのガラセクトやらはどうするんです?やって来ますが……逃げます?」

 

ヴィータの忠告通り、何も変わらず進軍するガラセクトV2群。その忠告と提案にピタリと止まるカルディナは落ち着きを取り戻し、コホンと咳払いした後、拳を握り前に突き出し、不敵に笑う。

 

「フッ……ご冗談を。この(わたくし)が敵に背を向けるように見えまして、ヴィータ?」

「いいえ。失礼致しました、カルディナお嬢様。では……」

「出撃します───V.C.!!」

《了解。マギウス・ギャレオン───起動。》

「イーークィップッ!! フューージョンッ!!」

 

カルディナは自身の鎧であり、パイロットスーツでもある『IDメイル』を装着し、足下に発生した『収納空間(ポケット)』から上がって来た己の相棒『マギウス・ギャレオン』により宙高く跳び上がり、マギウス・ギャレオンとフュージョンする。

 

「マギウス・ガイガーッ!!」

 

そしてマギウス・ギャレオンと、超進化革命人類:レヴォリュダー・カルディナは、翡翠(Gストーン)紅玉(Jジュエル)の力を持つ三重連太陽系の新たなる可能性───マギウス・ガイガーへとフュージョンするのであった。

 

「では、アースガルズ公爵が長子、カルディナ・ヴァン・アースガルズ……推して参ります!!」

 

名乗り上げた後、真っ向から突撃するマギウス・ガイガー。

それに対し、突然とはいえ現れた敵を迎撃でせんと、ガラセクトV2はアックスからビームを飛ばす。

それを細かなスラスター噴射で軽快に避けるマギウス・ガイガーは、ガラセクトV2の認識視界領域から突如消え───突如転ぶガラセクトV2。

 

「──ガイガークローッ!!」

 

超低姿勢からの足払いによる奇襲で判断が遅れたガラセクトV2のAIはすぐに姿勢を起こそうとするが、下からの突き上げられるように、ガイガークローに撫でられ、首が堕ちて機能を停止する。

 

「次!」

 

接近してアックスを振り上げたガラセクトV2にはその瞬間に胸部を掌底で強打。強固なはずの胸部が凹む程の衝撃が全身を伝わり、回路が破壊された事により機能が麻痺して動けなくなる。

そしてガイガークローで首を落とし、地に伏す。

これを後2機程に繰り返し、残り1。

アックスビームを放ちつつ接近し、シールドスパイクを構えて牽制するガラセクトV2。この個体は用心しており中々に技巧だ。

それをあえてガイガークローで迎撃する。

 

「へぇ~、むやみやたらに突撃する個体だけではないのですわね。気に入りましたわ。」

《マギウス・ガイガーの能力を学習したのでしょう。しかし今までの個体を首を狩ってまで爆発させなかったのには何か理由が?》

「異なる世界には異なる技術がある……興味がありません?」

《中々にそそられるワードですね。三重連太陽系に匹敵するかどうか、見てやりたくなります。》

「目的はどうあれ、折角ですからこの先可能な限り鹵獲出来るものは鹵獲してみようかと。」

《賛同します。》

 

どこぞのロボットオタクみたいな事をさらりと言うお嬢様。

やはり同類であった。

 

「それに……逃げたはずの生命反応の内、一つが動いてないのが気になりまして。」

《お気づきでしたか。》

「多少は離れているとはいえ、万が一爆発させて死なせたら目覚めが悪いですし……ねっ!」

 

会話の最中もアックスビームをガイガークローで払い落し続け、無論爆発し続ける中、相手から爆炎で視認出来なくなった瞬間、認識出来ない程の速さで接近、首を落とすマギウス・ガイガー。

アックスビームはクロー表面を焦がす程度で、マギウス・ガイガーには一切当たらなかったようだ。

 

《状況終了。周囲に敵対反応なし。》

「さてと……」

 

爆発させず、首を落とされたガラセクトV2、それらを『収納空間(ポケット)』に次々と入れていく。

 

「良くて研究材料、悪くても資材にはなるでしょう。」

《ゲームであれば「これが資金になる」って奴ですね。》

「流石にチャリーンとお金になる訳ではないでしょう。さて後は……」

 

ヴィータと合流し、未だ動かない生命反応の元にカルディナは足を運ぶ。

気絶しているのか、未だ動かない。

50m程移動した後、その人物はコンテナの陰に気を失っていたのだった。

 

《皮膚表面に僅かな擦り傷、それと頭部に打撲痕……コンテナにぶつけたようですが、脳内出血はしていないようで、他に怪我はありません。》

「そう。なら何処か休める場所を伺いに行きましょうか。」

 

負傷者をお姫様抱っこして運ぶカルディナ。

 

その人物は、水色の長い髪をツインテールにしている、幼く見える女の子であった。

 

 

《NEXT》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






以上で02を終わります。
とりあえずはあっさりめで。

そしてここは何処で、助けた女の子は誰なんでしょう?(すっとぼけ)

ちなみにお嬢様の劇場版を見てない発言は、筆者の構想時の感想。
劇場で見たかったなぁ……

色々ツッコミ要素は少ないですが、ご感想お待ちしております。
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