今回の話も────
────大概いろいろアウト(白目)
「な、何であのR-GUNがここにいるのよぉぉぉーーー!!(涙目)」
ツイン・マグナライフルを構え、機械獣を次々と撃ち抜く
──R-GUNパワード
それはスーパーロボット大戦において、その存在、その影響は世界観にぶれる事無く、基本的概要は以下の記述の通りとなる。
SRX計画による「RW計画」(RWはR-WEAPONの略)においてSRX専用の武装システムとして開発されたRWシリーズの1号機であるR-GUNに『ハイ・ツインランチャー』というプラスパーツを装着したパーソナルトルーパー。
他のRシリーズでもあるR-3より高性能なセンサーを搭載している他、R-2より高出力なトロニウム・エンジンを搭載しており、他のRシリーズを凌駕している。
しかし、トロニウム・エンジンの出力は不安定なままである。
『メタルジェノサイダーモード』に変形し、SRXおよびバンプレイオスの銃として絶大な威力を発揮する。
メカニックデザインは、バー〇ャロンやユニコーンガンダムで有名なカ〇キハ〇メ。
初出典は『スーパーヒーロー作戦』、世間一般に知られるようになったのは『スーパーロボット大戦α』であろう。
そして何よりこの機体が有名なのは、スパロボ史上、最大級に有名で、最大級の因果を背負った男『イングラム・プリスケン』の乗っている事が挙げられる。
……そして時間は少し遡る。
「……ここ、は?俺は……ここは、いったい……」
その男──イングラム・プリスケンはR-GUNパワードのコックピットの中で目を覚ました。
だがどうしてこんなところにいるのかが解らなかった。
「いや……少しずつ思い出してきたぞ。俺は確か……」
整理すると次の通りになる。
『α』次元にて身体を失ったイングラムは、因果地平の彼方で再び身体を得たのだった。
理由は解らなかった、だが自身の造り出した究極の人型機動兵器『アストラナガン』が傍らにあった以上、『誰か』が『何か』をさせたいのは明白だった。
そして現れた青白い光を放つ人物に、こう言われた。
《再び『因果律の番人』として戦って欲しい。》
「……いいだろう。」
自身が身体を失った一番の原因である『霊帝ケイサル・エフェス』と無限力の一件も含め、自身の過ちを繰り返す訳にはいかないと悟ったイングラムは行動を開始した。
そして少し後に会合を果たした、同じく『因果律の番人』であるクォヴレー・ゴードン、彼の駆るディス・アストラナガンと共に因果律の異常がないか、番人としての役目を果たしていた。
しかし、異常が起きた。
イングラムが次元の狭間で休息を取っていた時、『次元の扉』と言える通路が開いたのだった。
驚くのも束の間、更に後方からいきなりやって来た、圧倒的な『力の奔流』に巻き込まれたディス・アストラナガンと『次元の扉』へと……
「……そうだ。ディス・アストラナガンと接触し、『次元の扉』に叩き付けられた衝撃でコックピットから放り出されたんだった。」
そして『次元の扉』から……R-GUNパワードのコックピットにいる始末。
色々過程が吹っ飛んでいる。
だがぶつかったとはいえ、コックピットのハッチが能動的に開いたのは気のせいか?とも思うイングラム。
仮にも『究極の人型機動兵器』と銘打った機体だ、そんな誤作動など起こす訳がない。
「だが現実はコレだ……仕方あるまい、まずは現状把握に努めなければな。」
懐かしく、そして因果めいたR-GUNのコックピットに再び乗るとは……と思いつつ、センサーを最大に周辺の環境を確かめようとしたその時、敵機の急速接近を知らせるアラームがコックピット内に響く。
そしてすぐにモニター画面に出すと、そこには……
「これは……数が多いな。それに見た事がない。だがデザインに機械獣の気配がある……ならば、敵はドクター・ヘルの手勢か……ドクター……ヘル??」
突如「何言ってんだ、俺?」とセルフツッコミを言いたくなるような気分になるイングラム。
そもそも自分はDCや連邦のPT、
「──待て待て!何故引き合いに、ゼントランディやメルトランディが出てくる!?」
マクロス何ぞいてたまるか!言わんばかりのツッコミである。
そもそも大型の機動兵器達だ、ウルトラマン達が戦う怪獣や宇宙刑事達が相対した犯罪組織の構成員達が扱う特殊能力を相手にするのとは訳が……
「──って違う!!何だ!?どうしてこんな情報が頭の中を巡る!?」
どうしてどうやってか、自分の知らない知識・情報が記憶として、いきなり脳内を跋扈し始めた。
しかもそれら全ては自分の実体験ときたものだ、嘘はない。
だが重要な記憶からどうでもいい事まで、一度に多種多様に流れては混乱するだけである。
だが思い出したお陰で自分が他の次元で生き、そして得た記憶を持つ『虚憶』についても理解も出来た。
「……だが、訳も解らん内にやられる訳にはいかん。TC-OS確認、トロニウム・エンジン稼働正常値内、行くぞッ!」
とりあえずイングラムは未だ処理しきれない『虚憶』による混乱を抑えるべく、眼前に迫る機械獣を討つべくR-GUNを立たせ、スラスターを吹かせ、そして銃を構える。
「ツイン・マグナライフル、発射ッ!」
訳も解らず考えるより動いていた方が、脳がアドレナリンを分泌するため、精神的にはまだ苦悩が薄くなる。
結果、状況が理解出来なくても、偶発的にイングラムは機械獣の大群に襲われるニューデリーの地を守る戦いに自ら身を投じたのだった。
そして聡い人なら、イングラムが今どういう状態か、判るだろう。
『OG』の脳に、いきなり『α』と『スーパーヒーロー作戦』をぶち込まれたら、混乱もする。
『因果律の番人』である事からの補正かは不明だが、ツイン・マグナライフルは放つ毎に機械獣を確実に撃ち抜き、ビームカタールソードは胴体を切り裂く。そこから連結させ──
「切り裂け、T-LINKブーメランッ!!」
『T-LINKブーメラン』が何体もの機械獣を切り裂いていく。
トロニウムエンジンも安定して稼働している事から、明らかにイングラムが知るR-GUNより性能が良い。
しかし相手は機械獣、一撃で葬れる個体もいれば、幾重にも攻撃を当てねば倒れない個体もいる。
機械獣は『獣のように動く機械』である。獣の動きに強固な鋼の装甲を持つ個体は厄介極まりない。
というより、どれだけの戦力を投入しているのか?
かといって、この乱戦である。ハイ・ツインランチャーを放つ余裕がない、と手をあぐねく状況の中、通信が入る。
《──そこのR-GUNのパイロット!!》
「!?」
上空より突き刺さるようなビームの雨に目の前の機械獣が破壊される。
更に
それにより一時後退する事が出来たイングラムは声の主を捜す。
場所はR-GUNの直上より。
だが敵意はなく、声は続く。
《援護します!お名前は!?》
「……イングラム・プリスケンだ。」
オープンチャンネルで話しかけて来た声の主に応えるイングラムが見たもの────それは、直上からフリーフォールで機械獣を踏み潰して降りて来た『悪魔』だった。
質の悪いジャミングの類いなのか、その『悪魔』だけ上手く見えず、遠目から見ると凶悪な悪魔そのもの。
そしてヒュッケバイン……風の、おそらくPTが後続で現れた。
「痛ぁ~っ……グラビトンライフルって、フォントライフルと違って反動が強いんだ。」
「高出力ですから使い分けが必要でしてよ。そちらはご無事で?」
「誰だか知らんが、援護感謝する。」
「いいえ、貴方と肩を並べて戦えるとは……正に感激の極みですわ。」
「……俺を知っていうようだな。何者だ?」
「カルディナ・ヴァン・獅子王・アースガルズと申します。」
「ア、アズ・セインクラウスです……というかお姉ちゃん、正体隠すんじゃなかったの?」
「しまったですわ!つい名乗ってしまって……ですけど相手がイングラム・プリスケンならノーカンで!」
「……どういう理屈だ。」
しかし降りてきた機体の機密を自分相手に勝手に守らせるつもりか、とツッコミしか入らない。
端から見ればこの姉妹(?)は凶悪な悪魔とその従者、と言ったところだ。
「まあ、
「!、その事まで知っているとは……只者ではないな?」
「はい。結構深入りしている者ですから。」
と、口では言いながらも『アストラナガン怖いアストラナガン怖いアストラナガン怖いアストラナガン怖い……』と内心ビビりまくっているカルディナ。
『因果律の番人』相手にお嬢様スタイルで通すのは、ある意味自分を保つため。
常に心は冷や冷やしているのだ。
「まあ経緯はさて置き、私は貴方の人柄を信用しています。この場は協力致しませんか?前衛はお任せを。」
「……いいだろう。俺にとって訳もわからん状況だが、民間人のいる場所だ。無下にするつもりはない。」
「流石!ではこの場は協力し、奴等を葬り去る事にしましょう。避難は私の手勢が手を回していますので、ご安心を。」
「用意周到だな。」
「恐悦至極ですわ。」
何とか信用を得て安心しする。
これで「フフフ……」からのメタルジェノサイダーを警戒する必要がないと思っているあたり、カルディナの警戒のポイントが不明なところ。
ついでに急襲して来たネームドであろう機械獣の頭を片手で握り潰しながら、マギウス唯一の
それでもその脇からうじゃうじゃ湧いて出てくる機械獣達を集中放火で片端から仕止めていくRーGUNパワードとヒュッケバイン30改。
「なら俺は後ろから撃たせて貰おうか。そこのヒュッケバイン擬きのパイロット──アズと言ったな。」
「は、はい!」
「空から攻撃して制空権を確保しろ。あの機体の上を取らせるな!」
「わかりました!」
対・集団戦において、取り付かれるのは愚策。
ましてや空を飛ぶ機械獣もいた以上、イングラムは持ち前の隊長気質を飛ばし、アズに指示を与える。
というのも……
(俺の知っているR-GUNは空を飛べたはずなんだがな……T-LINLフライトシステムが機能していないのか?)
このR-GUNパワード、空を飛べない仕様だった。
また同時刻……
「こ、ここは……!?まだ顕現するのには因子が足りないはずだったのに、俺はどうして……」
イングラムと同じ命運を辿り、同じ地に降り立ったもう一人の『因果律の番人』クォヴレー・ゴードン。
彼はPTに乗る事なく、パイロットスーツ姿で激戦区となった街を
そんな彼がカルディナ、アズ、イングラムが機械獣の大群と戦う光景を目撃するのは至極当然と言えた。
「あのロボットは……まさかジェネシック・ガオガイガーか!?何故ここに……それにグラビトンライフルを放っているのは資料で見た事があるが、ヒュッケバインと言った機体だな。後は……RーGUNパワード。あれはヴィレッタか?相対しているのは戦闘獣……いや、機械獣と言ったな。」
彼なりの情報で事態を分析しているが、とりあえ街中で戦闘が行われている事ぐらいしか解らない。
RーGUN含め、いろいろニアミス。
跳ばされた『次元の扉』からアストラナガンやディス・アストラナガンは一緒に出ていないようで、周辺には街中に墜落した輸送機しかない。
「激戦だな。ならば今の俺に出来る事はない。それよりはあの輸送機に行こう。中のパイロット達が無事だといいんだが……」
自身の境遇より、顔も名前も知らないパイロットを心配するところから、自分なりに出来る事をしようとするクォヴレー。
そして降り立った輸送機の中は外の喧騒とは裏腹に静まり返っていた……
「──おーい、誰か負傷した者はいないか?!」
ハッチを開け呼び掛けるものの、返事をする者はいなかった。
船内を散策した結果、どうやらPTやMSを運んでいたようで、格納庫にはそれらしき物に覆いがしてあった。
そして最後に入ったのが操舵室。
慎重に中を覗き込むと、気配がある。
そこに輸送機のパイロットらしき男2名と、無機質な白面を被った怪しい女性らしき人物がパイロットを抑え込んで、胸に細い管を突き刺していた最中であった。
「貴様、そこで何をしている!」
「えっと……救急処置をしている真っ最中です。」
「救急処置……?」
「はい。全身打撲と気胸*1になっていまして、肺にガス交換のためのチューブを差し込んでいました。まあ、痛いので暴れるのを防止するために馬乗りになっていましたが。」
白面の女性の言う通り、激しい呼吸の後、青白くなっていたパイロットが安定した呼吸をし始めた。
その光景にクォヴレーは自身の誤解だと気付いた。
「済まない。」
「事情を知らねば誤解もしますでしょう、お気になさらず。ところで貴方様は……クォヴレー・ゴードン様でしょうか?」
「俺を……知っているのか?」
「はい、お会いできて光栄です。ちなみに記憶喪失でいらっしゃいます?」
「いや。だが、ここが何処だか解らない状態で戦闘に巻き込まれた。住民の避難は凡そ終わっていたようだが、何か出来る事がないかとここに来たんだが。」
「そうでしたか。」
「ちなみにお前は?」
「私は医療用アンドロイド『サクヤシリーズ』、個体名サクヤ08と申します。ここには『お嬢様』の命で、一般市民の避難誘導、及び救急救命のために動いています。」
「アンドロイドなのか。その『お嬢様』というのは?」
「表で戦っている、マギウス・ガオガイガーというあの黒い凶悪なロボットに乗っている方です。」
「マギウス……ガオガイガー??ジェネシック・ガオガイガーじゃないのか?というか、あのガオガイガーのパイロットは女性なのか!?」
「はい。クォヴレー様は知らないのも無理ありません。他の次元にて開発された全く新しいガオガイガーなのです。お嬢様曰く『不完全で、あんまり人様に見せるのは恥ずかしいガオガイガー』と評価されています。」
「……あの戦闘力を見て、不完全と言われてもな。」
「そこはこだわり、というところでしょう……っと、処置完了。これより搬送します。」
「手伝おう。」
「ありがとうございます。しかし困った事が一つ。」
「何だ?」
「この輸送機の外に出るには戦火が強過ぎます。故にこのまま出ると確実に戦闘に巻き込まれ、負傷したこのパイロット達の生命が脅かされます。見た目以上に重傷なので、早く外にいる他の個体達に引き渡したいのですが……」
「そうだな、どうしたものか……ん?そうだ。」
「何か手段でも?」
「緊急事態だ。格納庫にあるモノを使わせてもらおう。」
「この輸送機は
「問題ない。」
昔取った杵柄という奴で、『第三次α』では量産型νガンダムを操縦した事があるクォヴレー。MSの操縦は可能なのだ。
そして負傷したパイロット達を抱えながら格納庫に向かうクォヴレーとサクヤ08。
格納庫に着いた後、2人掛かりで覆われたシートを引きずり、MSを確認した。
そこには……
「このMSは……」
「まさかこの機体がここにあるとは……偶然か?」
「システム、及びOS、火器管制システムも問題なし……すぐにでも起動させられますね。」
「よし、急いで準備だ。」
「これは……クォヴレー様、2~3分お時間を下さいませんか?」
「何をする気だ?」
「うふ……うふふ……」
「……08??」
「あ、失礼致しました。ただ……ちょこ~っと、
「……」
無貌のアンドロイドが、明らかにうっきうきにはしゃいで喜んでいるように見えたのは、気のせいではない……
その白面が非常に不気味に見えたクォヴレーであった。
「……誰か、そこにいるのか?」
「ん?お前は……」
そこにもう一人の闖入者が……
そして激戦広がる戦闘区域では未だに機械獣の大群と戦っていた。
「──ハイ・ツインランチャー、デッドエンド・シュートッ!!」
薙ぎ払う様に放たれる『ハイ・ツインランチャー』。一度に数多の機械獣を葬るが、その後ろから更に湧いて出てくる。
「あーもう、馬鹿ですの?!続々機械獣が来るとか、いったいどれだけいるんですの!?」
「住民の避難は終わったみたいだよ、お姉ちゃん。」
「よっっしゃーー!!ですわ。とは言え、この異常な数はどこから来てるのでしょうか?」
初めは前方だけだったが、途中から四方を囲むように現れ続ける大群……いや大軍となった機械獣。
街を破壊する訳でもなく、ただひたすらこちらに向かってくるため進軍速度が速く、今では本当に四方を囲まれ、防戦一方である。
《お嬢様、その点について情報が。》
「何かしら、V.C.?」
《このニューデリー近辺は機械獣の目撃件数が多く、近くに機械獣の製造拠点があるのでは、と噂があります。この襲撃で位置も凡そ予測出来ました。》
「ここから北西……なるほど、この増加傾向と信憑性はあるな。」
「なら、その製造拠点を叩けば──!」
「だがこの機械獣は放置出来ん。誰かがその製造拠点を破壊するとしても、その間の防衛は間に合わんぞ。」
「せめて、機械獣が狙う輸送機が動いてくれるか、もう一体増援がいれば……!」
「──その依頼、承った!」
「誰ですの!?」
突如戦場に響く、ヒーローの声。
そしてカルディナの頭に響くBGMは──
──BGM select 『サーペントテール、ミッション開始』
上空から放たれる光の礫の雨が、機械獣を次々に葬り去る。
更に爆炎の中へ突貫し、次々に斬り倒す機影が。
サイズ的にはPTかMS。
そして地上に降り立ったのは───ガンダムアストレイブルーフレーム・セカンドL・LLであった。
「……だが俺への依頼は、高いぞ。」
「──なら遠慮致しますわ。」
「え……??」
「というか、いきなり出てきて何様のつもりでしょうか~?」
「あ、いや……このタイミングで、普通断るか……?」
「勿論。戦力の押し売りなら結構。こちとら3人でどうにかなりますわ~。」
「いやいやいや!他の2人も何とか言ってくれないか?」
「いや、何も。邪魔をするなら帰れ。」
「お姉ちゃんから『押し売り、駄目、絶対』って言われてますので。戦闘時でも押し売り行為は嫌です。」
「く……!そちらの御仁はともかく、良い教育をされてるな、お嬢ちゃん。」
「ありがとうございます。」
「……皮肉も通じないとはな。」
「とほほ……」と言いつつも、ブルーフレーム・セカンドL・LLは背部の『タクティカルアームズ』を変幻自在に駆使し、時に『ソードフォーム』で敵を断ち切り、時に『ガトリングフォーム』で一掃する。サイズ差に負けず、瞬く間に機械獣を沈めていくその光景に、その実力を納得せざる得ない。
「腕はあるようだな。貴様、何者だ?」
「俺の名は、叢雲劾。傭兵部隊『サーペントテール』所属の傭兵だ。」
「サーペントテール??すまないが初めて耳にする。」
「そうだろうな。」
「この世界には存在しない、
「流石カルディナ。解説助かる。」
「ただ、この叢雲劾……
「……フッ、やはり判るか。」
「当然ですわ。どれくらい貴方と相対していたか、お忘れですの?」
「どういう事だ?知り合いのようだが、なのに当人ではないと?」
「偽物って事?」
「事情が出来てしまってな、止むを得ず『この世界』に介入する事にしたのが『俺』だ。俺という存在は限りなく本物……そして紙一重で別人だ。
「『相違同位体』……ですか。」
「厳密には異なるが、概ねそういう事だ。」
「……了解しました。御二人共、申し訳ございませんが、この男も戦線に加えて下さいませ。」
「何か事情があるようですし、私はいいけど……」
「俺も構わん。だが撃ち漏らすなよ。」
「もちろんだ。『サーペントテール』の実力が伊達ではない事を、特と見てもらおう。」
こうして突然現れた叢雲劾を加え、四方を固めるように4機が揃った。
だが、未だ濁流のように押し寄せる機械獣は後を絶たない。
「とは言え、この後どうするか……」
「ああ、心配はいらない。
「何……!?」
《!!輸送機より高温熱原発生。中の機動兵器が起動したようです。》
「あの輸送機……
《!?、機動兵器より『DSライド』の波形を確認。この波形は……サクヤ08のものです!!》
「何ですって!?」
輸送機のハッチが開かれ、一体のMSが姿を現す。そのMSは量産型νガンダム。
そしてカルディナの頭に更なるBGMが──
──BGM select 『Another Time Diver』
「量産型νガンダムで、このBGM……まさか、クォヴレー・ゴードン!?でもあれは……!」
《ええ……?!》
姿を現した量産型νガンダムは、近くのビルに着地し、そこにいたサクヤシリーズ達に負傷した輸送機のパイロットを引き渡し、振り返るが姿形がおかしい。
本体は変わらないが、バックパックに装備されている兵装がインコムユニットの他、フィン・ファンネルを両側に装備した、いわゆる『全部盛り』であった。
「……よし、これで戦線に加われる。」
《機体の操作感覚は如何ですか、クォヴレー様。》
「問題ない。」
《お褒めに頂き光栄に御座います♪》
「しかし、お前は本当に降りなくて良かったのか……?」
「……構わん。いまはこちらが優先すべきだろう。」
「そうか。」
《──くぉら!サクヤ08!!アナタ何をやってるんですか!?》
《そうですよ!何他社のモノをこねくり回してんですか!?》
《ああ、オリジナル。それと……H.A.L.でしたっけ?何をと言われましても……緊急時でしたので、輸送機にあったMSを拝借し、クォヴレー・ゴードン様に協力しているところです。》
《そうではなく!その量産型νガンダムから核融合炉の他に、DSライド*2の活性波形が検出しています。》
《アナタ、まさか……!?》
《緊急事態ですので、私自身と『DSライド』、『G&Jファイバー』を量産型νガンダムに移植し、能力の全体向上に貢献しました♪》
《──ッザケンナ、コラァァアアアアッ!!!》
サクヤ08の流石のやらかしに、珍しくマジ切れして絶叫するV.C.。
関節の隙間から緑や赤の発光がちらほら見える。検出されるエネルギーもMSの核融合炉を軽く超える出力となっている。外装もよく見ると量産型νガンダムにしてはエッジの効いている……むしろ色違いの『Hiνガンダム』にインコムユニットを付けた代物、と言える。
もはやこれは量産型νガンダム、と言っていい代物ではない。
《この機体、名付けるなら『量産型
《──08ォォォオオオオッ!!!》
いくら何でも酷いアウト事案に、叫び狂うとH.A.L.。
墜落した輸送機から機体を拝借し、戦うのはSRWの醍醐味である……が、その後何らかの処罰が手招きして待っているのはご存じであろう。
だが、即席で魔改造された例はない……というか、この世界でまだHiνガンダムがロールアウトされていない中、量産型Hiνガンダムとは何か。そしてこの場合の『量産型』とは何か。
今回の
(DSライドについては、こちらよりhttps://syosetu.org/novel/226404/42.html)
「……すまない。」
《いえ、クォヴレー様が謝る必要は御座いません。むしろ、ログを確認したところ、そこの
「いきなり現れたのに随分賑やかだな、クォヴレー。」
「イングラムか。話をこのサクヤ08から聞いた時はまさかと思ったが……」
「詳しい話は後だ、戦えるな?」
「問題ない──08!」
《了解です。この量産型Hiνガンダムの力、とくとご覧あれ。フィン・ファンネル各基射出、展開。》
「インコムユニット起動、射出。」
《ターゲット、フルインサイト、どうぞ。》
「いけ──!!」
「──ファンネル!!」
射出されたフィン・ファンネルが機械獣を追尾し、インコムが射角が変えながら機械獣を次々に撃ち抜いていく。一発一発がDSライドで強化された特注(?)である。簡単に防ぐ事は出来ない。
更にはフィンファンネルが飛び交い、インコムが戦場を疾る集中豪火の中、ビームライフルで次々に撃ち抜いていくこの量産型Hiνガンダム。クォヴレーの腕も相まって、多大な戦果をもたらす。
「ほう、やるな。」
「まさか輸送機の中身が量産型νガンダムだったとは……機械獣はあれを狙って動いていたと?」
《可能性は高いと思われます。その査証として『とある反応』があの量産型νガンダムより発せられています。》
「量産型……νガンダムの発するもの……え、本当に?!」
「何か判ったのか?」
「……予測でしかないですが、可能性が高い事案が出てきましたわ。フィン・ファンネルが動いている以上、この世界ではタブー視されるものが。」
「タブー視?あのMSに何か積まれているの?」
「ええ。でも、全てはこの騒ぎが終わった後に。」
「わかった。」
「う、うん。」
(……ですが一番の問題は、あのフィン・ファンネルは誰が操作しているのでしょうか?クォヴレーがニュータイプ……まさか?)
《??生命反応が、2つ?》
大きな謎を残したが、戦線は量産型Hiνガンダムが加わった事で、機械獣の包囲網は崩壊、一気に押し返し始めた。
敵の狙いである量産型Hiνガンダムを囮に、前衛のマギウス・ガオガイガーが文字通り大物の機械獣を粉砕(物理)する。
脇から攻めようものなら、後衛のR-GUNパワードより無駄なく放たれる射撃は側面から来る機械獣を的確に撃ち抜き、後ろへ向かう事を阻まれ、もう片方からはガンダムブルーフレーム
その後方からは、囮であるはずの量産型Hiνガンダムから繰り出されるフィン・ファンネルとインコムの変則攻撃に、次々に撃ち倒される機械獣。
更に上空をフリーで飛び回るヒュッケバイン30改が、グラビトンライフルでその数を減らして行くので余計に機械獣の数は減っていったのだった。
そして、瞬く間に市街へ戦線を押し返す小隊。
……後に、目撃した軍関係者は語る。
「どこに所属しているか解らない一団だった。気付いたら5体集まってたんだ。その頃から、訳の分からない光景が始まったぜ……」
「俺達が苦戦していた機械獣を、あいつらは砂の城を蹴り飛ばす様に破壊していったんだ……木っ端微塵?そんな言葉じゃ言い表せない……もっと凄惨な光景だったぜ。」
《クォヴレー様。フィン・ファンネル、全基同期完了。増幅結界展開。》
「わかった。インコム、動力炉直結……ハーレス・アッシャー──!!」
フィン・ファンネルを全基展開し、Iフィールド・バリアの代わりに展開したのは、
「トロニウムエンジン、クォータードライブ。ハイ・ツインランチャー──!!」
トロニウムエンジンをクォータードライブさせる事で威力を高めた、R-GUNパワードの必殺技『ハイ・ツインランチャー』。
「核エンジン正常作動確認、コネクタ接続完了。ローエングリン・ランチャー──!!」
ブルーフレームに搭載された『核エンジン』を稼働させる事で放つ、MSが携帯可能な小型陽電子破壊砲の『ローエングリン・ランチャー』。
《GSライド、出力上昇。重力衝撃砲、発射準備完了。》
「行くよ、H.A.L!グラビトンライフル、接続──!!」
GSライドで底上げをしたグラビトンライフルを並列接続して、某ツインバスターライフルのように放つ『ツイン・グラビトンライフル』。
そして……
《TGSライド、フルドライブ。》
「これにて終局と致しましょう……ヘルアンドヘヴン・ノヴァ──!!」
GパワーとJパワー、更に考えうるあらゆる対極したエネルギーを収束させ、合掌した拳から放つ、緑の星の指導者・カイン直伝の、本来のヘルアンドヘヴンを自己流アレンジした『ヘルアンドヘヴン・ノヴァ』。
それらを五方向一斉に放った瞬間、ニューデリー郊外の機械獣達は跡形もなく『蒸発』したという……
……が、まだ終わっていない。
《……あ~、報告致します。北西より、新たに機械獣の一団が接近中。》
「またですの?懲りないですわね。」
「そんな……まだ来るなんて。まだ戦わなきゃならないの?」
「だが、これ以上の戦闘継続は厳しいぞ。もう弾切れも起こして撃つモノもない。補給があるなら別だが……」
「だが、接近しているからにはやるしかあるまい。」
「そうだな。」
《その通りです!》
「ちょっとお待ちを……V.C.。この先にあるのは、さっき報告にあった機械獣の製造拠点?」
《……そのようですね。衛星からの拡大映像もそのような拠点を発見しています……あ、また出てきました。今度は今までよりも大型のものです。》
「それって、ここから直線?」
《はい。現地点より最短直線距離で約200km先に……ですがそれが何か??》
「……イングラム少佐。そのR-GUNパワード、『メタルジェノサイダー・モード』へ移行出来ますか?」
「可能……だろうが、何をする気だ?R-GUNパワード単体で『メタルジェノサイダー』……ひいては『
「そこは私のマギウス・ガオガイガーで、コネクターを含め保持致しますし、SRXに代わるトロニウムエンジンの膨大なエネルギー供給は『TGSライド』で代用致します。」
「……本気で言っているのか?」
まさかの提案に、言葉を詰まらせるイングラム。
要は『HTBキャノンをマギウス・ガオガイガーで撃つ』という事だ。
「はい。幸いにも、再現可能な要素・解析環境は揃っていますわ。それに……いい加減この戦い終わらせたくありません?」
「確かにな……いいだろう。最悪、照準補正ぐらいはやって貰うぞ。」
「お任せを!」
普通なら断るどころか鼻で笑う愚問であるが、底の知れないカルディナという人物の、不思議と信用出来る提案であった。
後は、イングラムも疲れでいい加減この戦いを終わらせたい気持ちでいっぱいでもある。
故に承諾し、そして始まる前代未聞の『HTBシーケンス』。
「ではV.C.、『HTBシーケンス』、スタート!」
《了解。》
「マギウス・ツール!!『マテリアルコネクター』起動!!」
───マテリアルコネクター
それは、マギウス・ガオガイガーのヘルアンドヘヴン用のマギウス・ツール『ソリッドグローブ』を用いた、万用ツールコネクターである。
本来ツール・コネクト出来ないMSや他の機動兵器にツールの使用を可能とし、自身もナノマシンを用いたAZ-Mにより接続域を拡張する万能コネクターである。
今回はSRXの腕部の規格に合わせ、マギウス・ガオガイガーより巨大な腕を形成する。
デザインが悪魔らしい凶悪なのはデフォルトだ。
「行くわよ!アーム、コネクト!」
《右腕部へ接続……形成完了。》
「行くぞ、メタルジェノサイダー・モード、起動!」
R-GUNが、重金属粒子砲である『メタルジェノサイダー・モード』へと変形、そして変形したプラスパーツが先端に接続し、『HTBキャノン』へと姿を変える。
そしてその巨大な拳で、グリップを掴むマギウス・ガオガイガー。
全高30mのマギウス・ガオガイガーが、20m近い『HTBキャノン』を構える光景は、凄まじいの一言である。
そしてそのままマギウス・ガオガイガーは、上空へと昇り始める。
《エネルギーバイパス形成、R-GUNパワードのプロトコル、セーフティ解析開始……システム、エンゲージ。エネルギー供給開始、拒否反応なし、同調開始。》
「私には念動力はないですが、そこは魔法と科学の合一……レヴォリュダーの能力で、代用致しますわ!」
V.C.の解析能力と、カルディナの持つレヴォリュダー能力で、R-GUNパワードのトロニウムエンジンに干渉し、フルドライブを促し、同時にR-GUNパワードへ送るエネルギーをコンバーターで変化しつつ、『TGSライド』の出力を上げる。
奇しくも、カルディナの持つレヴォリュダーの能力は念動力やニュータイプ能力と差異のない干渉が可能の様で、R-GUNパワードのトロニウムエンジンにも干渉し、活性化に一役買い、銃身にエネルギーが満ちる。
《射線距離、仰角再算出終了。狙撃マーカー、表示します。》
「了ォ解ッ!『TGSライド』、フルドライブっ!!」
「……まさか全行程をクリアするとはな。ならばカルディナ!トリガーを預けるぞ!」
「はい!さあ轟け!ハイパートロニウムッ・バスタァァーキャノンッ!!」
狙いを完全に定め、
その閃光、その一撃は本家にも引けを取らない一撃必殺。
瞬く間に200kmの距離を駆け抜け、山奥の秘境とも言える場所に密かに建てられた機械獣の製造拠点に到達。
直後出て来た9体のタイターンG9などまとめて撃ち抜き、そのまま製造拠点に到達───
表層の偽装した搬入口を溶かし、地下にあるであろう製造地を照射。拠点の被害が更に拡大するように周辺の地形を削るように、二度と再利用できないように、射角が反動で狂わぬよう微調整しながら当て続ける。
照射終了直前、這い這いの様子で逃げるように空を飛ぶ機械獣を確認したので、僅かに仰角をずらし、その機械獣も当て、撃墜した事で発射シーケンスは終了した。
僅か10秒内の出来事であった。
撃ち終えたマギウス・ガオガイガーは排熱で蒸気を出しながらゆっくりと地上に降り立つ。
R-GUNパワードもその銃身を冷却しようと排熱をしており、蒸気が銃身の各所から吹き出ている最中に、他の機体が集まって来た。
「やったね、お姉ちゃん!」
「ええ、どうにか終わったわ。」
「一時はどうなるかと思ったが……」
「ま、この面子が集まったのだ、出来ない事などないだろう。」
そして一通り排熱が終わった後、PT形態に変形したR-GUNパワード。
「……さてこれからどうする?」
「そうね……まず今すぐにでもすべきは───ここから逃げる事よ!」
「「「……は??」」」
「は?じゃないわ!こんな大事になったのよ!?完全に面倒事に巻き込まれる!それは御免だわ!それにさっき連邦本部に喧嘩売ってきたばかりなのよぉ!また大事を犯したと知られたら何を言われるか!もう四の五の言わずに、にげるのよォォーーー!!」
「「「…………」」」
先程まで大役をやった人物とは思えない発言であるが、周辺の状況を見ると、そう言いたくもなる惨状だ。
《とりあえずお嬢様、復興作業はインドの支部に要請しても宜しいですか?》
「そうして。」
《あと、あったであろう機械獣の製造拠点は……》
「放置。もうそろそろ出張って来る連邦が調べるでしょうから、任せましょう。私達はここから離れるわ。V.C.、ゲート出して。」
《了解。ESウインドウ、展開。》
そしてフェザー数基で展開したESウインドウが目の前に現れる。
ESウインドウの先は、日本である。
《では詳しい事はこちらを通った後でお話しますので……》
「それじゃあ皆様、撤・収!」
───30分後
「な、何だ?この惨状は……」
『ニューデリーに機械獣の大軍出現』───そう連絡を受け、中国の重慶にある光子力発電所を偶然訪問していた兜甲児は、その一報を聞き、すぐさま自分のイチナナ式で駆けつけた。
だが、ニューデリーまでは大陸続きとはいえ、時間が掛かった。
何とか他のイチナナ式の部隊を引き連れて向かったのは事態発覚から1時間後。
ニューデリーで甲児が見たのは多少の被害はあるが、無事であったニューデリーの街を囲む、大量というにはあまりにも膨大な量の機械獣の残骸であった。
引き千切られ無残に踏み潰されたもの、一刀で切られ真っ二つにされたもの、胸部のみが消失したもの、無傷に見えて急所を撃たれたもの。
残りは溶けて形すらないものが大半であった。
情け容赦などない、一体どんな戦いであったのか……
「甲児、お前も来ていたのか。」
「あれ?たしか重慶の光子力発電所を視察しに行ったと聞いてたけど……」
「鉄也さん。それにシローか。」
その時、グレートマジンガーと、イチナナ式もニューデリーの地に降り立った。
甲児は鉄也とシローに得た情報を話す。
「ニューデリーが機械獣に襲われていると聞いたんだが……」
「何なんだよ、この異常な量の機械獣は?」
「解らない。だが、話しを聞くと機械獣は『何か』を狙って押し寄せたようだ。ちょうど……ああ、あの街の中心部に墜落した輸送機、あれらしい。」
「だが、あそこまで到達した機械獣はいないようだが。」
「街を守ったロボットがいたらしいんだ。そいつらが機械獣を足止め、そして押し返したようなんだ。MS4機と、スーパーロボットが1機でな。」
「戦闘継続能力が凄いな。これだけの機械獣をたった5機で守り切るなんてな。MSであれば弾切れを起こしてもおかしくはないし、押し負けるはずだがけど……」
「ちなみに輸送機は?」
「パイロットは無事なんだが、輸送中だったMSはなくなっている。目撃した人からは機械獣に奪われたわけじゃなく、自ら出て来て、一緒に機械獣と戦ったようなんだ。だが、それも含め、ニューデリーの街を守ったロボットはどれも見た事もないタイプのようなんだ。」
「見た事がない、だと?」
「既存するどの機体にも当て嵌まらないらしい。ガンダムタイプもいたようだが、問い合わせても連邦やA・Eの管轄する機体じゃないようだ。特に肝心のA・Eは強く否定している様子だったな。そして輸送機のパイロットも中身を知らないって話だ。」
「逆に怪しくないか、兄貴。」
「ああ、俺もそう思う……だが、一番異様なのは唯一いたスーパーロボット……『インビジブル』だ。」
「インビジブル??」
「どうにもカメラ映像も肉眼ですら全体像がぼやけて見えるようで、そんなコードネームが付いたんだ……これだ、見てくれ。」
「どれどれ……うお?!ボケボケ。でも……」
「いくら何でもデザインセンスが凶悪過ぎやしないか?」
「ま、この悪魔的なフォルムから、『はっきり見えない凶悪な悪魔』……転じて『
「何をしたんだ?」
「目撃情報では包囲網を殲滅させた後、『インビジブルが巨大な銃を構えて、激しい光と共に北西の方向に向けて放った』……らしい。」
「ここから北西、だと?!」
「……噓だろ?!」
「ん?何か知っているのか?」
「……ここに来る前に寄ったんだが、ここから北西200kmの地点に大きな爆発痕があった。」
「そこって実は、機械獣の一大製造拠点だって予想されていて、近く俺達そこに強行偵察に行く予定だったんだ。」
「何だって?!って事は、インビジブルはいきなり来て、そんな事をやったって言うのか……」
「……偶然か?」
「解らない。情報が少なすぎる。状況からすれば、機械獣があの輸送機の中身を狙ってここに来たって言うのは理解出来るが、たかがMS一機を狙ったというのはそれこそ不可解だ。」
「それでその一団はどこへ行った?」
「それが妙なんだ、皆誰しも『気付いたら姿を消していた』『飛び去った様子はない』と言っている。」
「いったい、何があったって言うんだ……」
「圧倒的な数の物量戦まで仕掛けて来た機械獣、それを撃退した謎のロボット軍団……か。」
(謎のロボット軍団も気になるが、それ以上に機械獣が欲した物……いったい何が欲しかったんだ?あの輸送機に何が積まれていたんだ?もしかして、お前の仕業か……Dr.ヘル。)
当事者以外には絶対わからない謎を残しつつ、その後現れた復興作業の会社に場を託すマジンガーチームは飛び立った。
……だが、もう少し残っていれば、その異様さの一片ぐらいは垣間見れたのかもしれない。
《さあ、簡易物質創造装置、作動~。》
《明日の朝までには全部直しますよ~。》
《おー!》
───??? 某所
「──申し訳、御座いません!!」
「無様だぞ、ブロッケン伯爵。せっかく最大の機械獣製造拠点を預かったはずなのに、破壊されてしまうとは……!この失態、どう挽回する!?」
「ぐ……それは……」
「──よい。あしゅら男爵もその辺にしておけ。此度の件、運が悪かったとしか言いようがない。」
「宜しいので?」
「製造拠点など他にもある。重慶の光子力発電所を攻め落とす足がかりにでもなれば、と造ったのだが……ブロッケンよ、此度の件、どう思った?」
「……あまりにも予想外、の一言に尽きます。」
初めは目的の物を回収すべく、万端の思いで30もの機械獣を向かわせたのだが。突如一体のロボットが現れ、抵抗が強く、迎撃のため数を減らされたので次々に向かわせたのだったが、それすらも露に消えたという。
「ブロッケン、鉄仮面もいただろうに、向かわせなかったのか?」
「もちろん向かわせた……だが報告が入って来ず、次々に反応も消えていったのだ。おそらく……そして機械獣の生産が500を超えたところで、あの光が拠点を襲ったのです!あしゅら、お前が同じ立場なら事前に回避、もしくは何か対策が出来たのか?」
「……腹業だが無理だ、と答えよう。残された映像だけでも脅威以外の何物でもない。」
「その通りだ。そして俺は命からがら逃げるだけでも精一杯だった……」
「……ならば、結論は一つしかあるまい。」
2人の口論を両断するように、その男───Dr.ヘルは静かに立ち上がった。
かつて世界征服を目論見、ミケーネ帝国と共に世界を手に入れようとした男からは、静かながら強い意志と威圧感を感じる。
「Dr.ヘル……」
「いったいどの様な……」
「あの所業は今の不抜けた連邦やマジンガー共には不可能な事だ。であれば現れたのは新たな勢力だろう……もしくは『MAGINE』の力を持った奴やもしれん。」
「マ、『MAGINE』で御座いますか?!」
「この世界で既に目覚めさせている、もしくは鱗片を発揮させた者か……どちらにせよ、あしゅら、ブロッケンよ。本来の目的を果たすのと並行し、拠点を破壊した勢力を探し出すのだ。そして可能なら接収、さもなくば……」
「ははッ!!」
「全力で事に当たりますッ!!」
奇しくも、兜甲児達とDr.ヘル達は時同じくして、同じ存在に頭を悩まされるのであった。
……そしてこちらも。
──『C商会』 貴賓室
「さ~て、皆様。ささやかながらおもてなしさせて頂きます。戦いの疲れをどうか癒してください。」
日本の『C商会』に戻った一行は、秘密の地下ドックに機体を隠し、カルディナは一行をもてなす食事会を開いたのだった。
しかし、戻った直後に新たなる問題が発生した事により、そんな雰囲気ではなくなってしまった。
それでも形だけでも強硬するカルディナは、ある意味いっぱいいっぱいであった。
皆からの冷ややかな視線が痛い。
「……カルディナ。」
「お姉ちゃん、さすがに楽しい時間、とまではいかないんじゃない?」
「解っております。本来そうでない空気なのは。」
「俺は気にしないがな。この状況が良い肴になる。」
「……叢雲劾、貴方は勝手に呑んでなさい。」
「ああ、もちろんそのつもりだ。」
「ですが……この方が招かれざる客である事は存じておりますが、おそらく意味はあるかと。」
コルク栓を手際よく空けつつ、ワインを申し訳なさそうにするクォヴレーと、
そしてその人物はバツが悪そうでありながらも受け取った。
「……私がここにいる事に、何の意味があると言うのだ?」
「さあ?ですが本来ならいない筈の
「………」
その人物────ハマーン・カーンは、鋭い目つきでカルディナを睨む。
そして余裕綽々の顔でやり過ごすカルディナであるが………この豪華過ぎて因果ありまくりな面子に囲まれて、あまりのストレスに胃がキリキリしているのを悟られないようにするのに精一杯だった。
(………い、胃薬が欲しいッ!!)
『HTBキャノン』を撃った時よりも遥かに強い、レヴォリュダーの能力ですら補えないストレスと因果の嵐が、カルディナを襲うッ!!
《……NEXT》
イングラム・プリスケン、クォヴレー・ゴードン、叢雲劾。
一癖も二癖もある人物達に、胃を痛めながら会合したカルディナとアズだが、彼らからもたらされた情報に、頭を痛める。
そして存在自体が不可解なハマーン・カーン。
今の状況が呑み込めなく絶望するが、彼女の嘆きとカルディナの提案が新たな道を指し示す。
……そして向かうは審判の
かつての因果と罪を乗り越え、ハマーン・カーンは活路を見出す事が出来るだろうか?
次回、『お嬢様と往く、スーパーロボット31』
08 お嬢様、『H』の嘆きに感化される。
《現在公開出来る情報》
〇R-GUNパワード
イングラム・プリスケンの搭乗機。
SRX計画による『RW計画』(RWはR-WEAPONの略)においてSRX専用の武装システムとして開発されたRWシリーズの1号機であるR-GUNにプラスパーツ『ハイ・ツインランチャー』を装着したパーソナルトルーパー。
他のRシリーズでもあるR-3より高性能なセンサーを搭載している他、R-2より高出力なトロニウム・エンジンを搭載しており、他のRシリーズを凌駕している。
『メタルジェノサイダー・モード』に変形し、SRXおよびバンプレイオスの銃『HTBキャノン』となり、絶大な威力を発揮する。
このRーGUNパワードは、トロニウムエンジンが安定している、逆に空が飛べない等、イングラムの知らない仕様となっており、実は『第三次α』の次元から跳ばされた機体で、イングラムの持つ『念動力』の補正で若干強化されているが、パイロットがイングラムであるため、T-LINKブーメランが『スラッシュブーメラン』ではなくなくなっている。
今回全く想定していかなった別機体との『HTBキャノン』発射は、疲れていたとはいえ、プロテクトもセーフティも見事突破してSRXと同レベル以上威力を撃たれて、内心驚いている。
武装
ツインバルカン
ビームカタールソード
T-LINKブーメラン
ツイン・マグナライフル
ハイ・ツインランチャー
HTBキャノン(合体攻撃)
〇ガンダムアストレイブルーフレーム・セカンドL・LL
叢雲劾の駆るMS。
アストレイシリーズの原点の一体である『ブルーフレーム』、そのバリエーションの一つである『セカンドL・ローエングリン・ランチャー装備型』。
メイン武装である『タクティカルアームズ』は『フライトフォーム』『ガトリングフォーム』『ソードフォーム』と使い分けが可能。
基本武装は原作準処であり、限定的にビームライフルも所持している。
メイン動力はバッテリーであるが、バッテリー駆動とは思えない活動時間を記録しているが出力はバッテリーに準処。
その他、ローエングリン・ランチャー用に『Nジャマー・キャンセラー』を搭載した核エンジンを装備している。
ただし、この世界では『Nジャマー・キャンセラー』は何の意味もない。
武装
イーゲルンシュテルン
アーマーシュナイダー
ビームライフル
タクティカルアームズ(Gフォーム)
タクティカルアームズ(Sフォーム)
ローエングリン・ランチャー
〇量産型Hiνガンダム
クォヴレー・ゴードンが搭乗するMS。
A・Eの輸送機にあった『量産型νガンダム』にサクヤ08が自身を構成する『AZ-M』、『G&Jファイバー』、『DSライド』、『簡易物質創造装置』を組み込んだもので、本機の誕生はあくまで偶然の産物でしかない。
メインカラーこそ量産型νガンダムを模しているが『AZ-M』で肉盛りしており、インコムユニットを装備している他、フィン・ファンネルを翼状に装備しているため、見る人が見れば『色違いのHiνガンダム』である。
メイン動力炉こそ核融合炉であるが、操作系は格段に向上し、サブ動力炉に『DSライド』を用いているため、MSの出力を軽々と超える、ある意味『準特機』とも言える、サクヤ08の暴走の品。
ただし、クォヴレー自身はインコムユニットは使えるものの、フィン・ファンネルは使用出来ず、劇中で使用したのはクォヴレーに口止めして密かに搭乗していたハマーンのニュータイプ能力ありきである。
また『簡易物質創造装置』があるため、スパロボの装備の一つである『補給装置』も再現可能。
ただし、創造装置の作動は繊細なので、戦闘行為を一切やめて創造装置の作動に専念しなければならないので、今回の戦闘では多用されなかった。
武装
90mmバルカン砲
ビームサーベル
ビームライフル
設置型ハイパーバスーカ
インコムユニット
フィン・ファンネル
IFコンビネーション
ハーレス・アッシャー
○ハマーン・カーン
「……どうして私はここにいるんだ?」
次回を待て!
天上天下一撃必殺技砲をマギウス・ガオガイガーでキメてみましたがいかがでしたでしょうか?
不本意ではありましたが、同意ありでしたので、無問題。
今回の話でメインキャラは出たかな?
10月はトラブル続きで、メンタル的にもアウト事案でした。
職場で日付を確認する度、「……もう?」と日が経つのに驚かされます。
やはり筆が遅いのがなぁ……
ちなみに筆者は、OGではRーGUNパワードにはヴィレッタ隊長を乗せる派で、Rー1とART-1で天上天下念動連撃拳→天上天下一撃必殺技砲がデフォ。威力よりも回数を撃つ方針です。
『α』はレビ一択ですが。
……隊長ぉ(涙)
10/26 スーパーヒーロー作戦で仮面ライダーは出演していないとご指摘あり、内容を一部改善。出ているのは宇宙刑事シリーズです。