起きたら尻尾が生えていた   作:カピバラバラ

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起きたら整理整頓をしよう

「夢でもなんでも無いマイホーーーム!こんにちは!私が来たァ!!」

 

 

どーーも!!私です!!カネイロ・ユウーーでーす!

 

 

トントン拍子に事が進んで大困惑&漸くゆっくり出来る場所ゲットした私だ。人のヌクモリティを感じれるのはいつ振りか。

 

 

鍵を差して入った家屋だけど、普通に古典式の日本住宅だった、不便もしなさそう。

 

 

真ん中にポツンと敷布団があったのでそこに座り、脳内会話を開催する。

 

 

「さて、尻尾ちゃん…お話しよっか」

 

 

まず整理ね、いつも通りです。森に迷っても人里に来ても同じ事、事態を把握出来ていないのは迷子と同じ。

 

 

まず私はアリスさんの命令で魔理沙と弾幕勝負をしていました、尻尾の使い方を理解して思った通りに動いてくれると思った私は空を飛び、弾幕を放とうとしていた。

 

 

尻尾が光り輝いて、目が覚めたら森のリスポーン地点。

 

 

「ここでストップ、つまりは何?私あの時死んじゃったの?」

 

 

そういう事だろう、何が原因かと聞かれればどう考えても尻尾のせいだが……。

 

 

『吹き飛ばしてぇぇーー!!?』

 

 

「…むむ」

 

 

「むむむ…」

 

 

はい、自爆ですね。あのビームを吹き飛ばして欲しくて思わず叫んじゃったけど、その言葉を拾って……尻尾さんが、本当に吹き飛ばしちゃったんかな?

 

 

……。

 

 

「こんのおバカァァ!!!」

 

 

馬鹿!馬鹿馬鹿馬鹿!本当に言葉通りにやる奴がいるかぁ!!

 

 

うわぁぁあんもぅ、つまりは何?アリスお母様との出会いもリセット?ふざけんな本当にこの尻尾ォッ!!

 

 

「んーーー…でも、この世界で抗える力ではあるんだよなぁ…」

 

 

完全に私と尻尾を切り離して考えると、私は尻尾に頼み込まないと力を使えないし、発動もまちまち、でもあの人食い野郎に一矢報いた記憶は微かにある。

 

 

あの甲高い悲鳴、アイツのだろ?やってやったぜ。

 

 

「発動条件もちゃんと考えないとな、今飛べる?」

 

 

…飛べない。

 

 

「…尻尾、お願いします」

 

 

…飛ばない、てか姿も戻らない。

 

 

「アリスさんは…確か、自己認識って言ってたな…一回心の底から尻尾の力をイメージしてみるか」

 

 

妖怪、狐…日本は昔から八百万の神を信仰してきたから、神秘的な事だったら野生動物や自然現象でも信仰、又は御伽噺相手になり得た。

 

例えばタヌキとキツネの妖術、地震ナマズに八百万の神によって動き出したからかさお化け。

 

カッパにろくろ首、ありとあらゆる誤認や自然現象が御伽噺として伝わってきた。そしてそれに対抗する人の力、霊力等も退魔の神秘として伝えられ、それは現実世界の検証と実証の果てに『嘘』だと証明されている。

 

そしてそれを私は『空想』だと信じて疑わない、ただそれは外の世界の話。

 

 

「ここじゃ、その空想が当たり前なんだ」

 

 

魔理沙とアリスさんには魔力、博麗霊夢は…巫女だし、ニュアンス的に霊力かな?それで私は尻尾の妖力を持っている。

 

 

「霊力はともかく、魔力と妖力は地続き……か」

 

 

アリスお母様の教え、それは根本は一緒という事。

 

 

「……」

 

 

「………ん」

 

 

「…よし」

 

 

身体に満ちる浮遊感、やっぱりイメージの問題だったか。

 

 

「このまま姿も…狐妖怪だから、変化だよね、えっと…よっこらしょ」

 

 

「ほいっとな」

 

 

イメージしやすい様に外に出て、狐変化のイメージをする。落ち葉を拾って頭に乗っけた。よく絵本やアニメで見た奴。

 

それタヌキじゃない?なんてツッコミは知らん。

 

 

「…出来る出来る、尻尾なら出来るよ…狐なんだから、当たり前じゃん…」

 

 

そうやって尻尾様に媚びを売っていると…。

 

 

ぽひゅん!

 

 

「おぉぉ!!」

 

 

マヌケな、アニメーションみたいな演出をしながら見た目が私に戻る。

 

 

「…うっひゃぁ…現実味無いなぁ〜…」

 

 

これが当たり前?納得出来るかバカもん、って思うと出来なくなるのでキープキープ…。

 

 

「お母さん、戻ったら全部話すわ、おもろいから」

 

 

こんな残酷で面白い世界、夢でも体験したら忘れんよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『基本的に無干渉で宜しくね、阿求」

 

 

 

「………はぁ」

 

 

紫様から申し付けられた依頼、無理難題という訳では無いがあそこまで情報を出し渋られると、どうしても裏を勘繰ってしまう。

 

 

無干渉を頼む割にご自身は彼女にここまでの待遇を用意した、幾ら外来人とは言え普通はその逆、数日で帰るお客にここまで投資したりはしない。

 

 

「狐の妖怪、ね」

 

 

幻想郷縁起には狐の妖怪に関してもしっかりと明記してある、今更一匹の妖怪を観察した所で何も無いとは思うけど…。

 

 

「変化も未熟、尻尾は一本、元の姿に戻る力すら無い」

 

 

そんな弱小妖怪に、一体何が隠れているのか。

 

 

「気になる所だけど、この為に無干渉を条件として提示されたのでしょう…静観を貫くしか…ーー」

 

 

「阿求様ーー!!」

 

 

書庫の召使いがドタバタと執務室へと押し掛けてくる。

 

 

「…静かに致しなさい、報告内容は簡潔に、丁寧に」

 

 

「は、はい…問題が発生しまして、里の中心部で狐の妖怪が暴れ回っております!」

 

 

「」

 

 

……。

 

 

「………………分かりました、すぐ対処します」

 

 

「今現在小狐の妖怪は謝罪の言葉を叫びながら里の縁に向かっています、敵意は無いようですが出店の商品を薙ぎ倒した後に逃走しました」

 

 

「…………」

 

 

頭痛が……やばい胃までキリキリしてきた、胃薬飲んどかないと…。

 

 

「コレに対して、無干渉ですか…ねぇ?紫様?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふんふふんふふ〜ん!久しぶりのっお昼ご飯〜!」

 

 

皆の衆、遂に私は真っ当なお昼ご飯を口にする!

 

幻想郷にやってきて、葉っぱと木の実と妖精しか喰ってなかったもん。アリスさんの所で漸くマトモな朝ごはんにありつけたとおもったらお別れしちゃったし…。

 

 

「しかも、未だに昼に関してはマトモなやつ食べてないんだよねぇ…」

 

 

マジやばでケロチョピンなので早速〜ご飯を食べに行きま〜す!いえーーい!!

 

 

「ちゃんとここに来る前にお金も貰ったし、ゲームでも……」

 

 

…あやべ、ゲームってこの世界にあるのか?

 

 

「携帯……」

 

 

…あああ…私の15万円…。

 

 

「シクシク…メソメソ…」

 

 

思い出せば出す程悲しくなってきた。

 

 

ソファーも無い、ゲームも無い、里の周りは妖怪で、娯楽もねぇ、ふわふわもねぇ、しまいにゃ通路でぐーるぐる。

 

 

私こんな里嫌だ〜ぁこんな里いやだ〜ぁ都会に行くだ〜…。

 

 

「…ご飯食べよ」

 

 

思考能力を投げ捨てた私は、そのまま里の中心へと向かっていきましたとさ。

 

 

 

 

〜二十分後。

 

 

 

「おっちゃんおにぎりちょーだい!」

 

 

「……あ、あぁ…あいよ」

 

 

「うわぁ〜!めっっちゃ綺麗なお米!!やっぱり土壌が違うわ土壌が、いわゆる神秘溢れる秘境の地での絶品的な?」

 

 

全ての食材に感謝を込めて、頂きます!!

 

 

「ん……」

 

 

お…いしい、うん、おいしい。めっっちゃ美味しい!

 

 

「もう一つ持ち帰るよ、お願いおっちゃん…」

 

 

んーー美味しいよ?美味しい、けどね、私には塩味が足りん……これは仕方ないとして、あとモチモチ感がちょっと足りないけど…噛んでると湧いてくる甘みは凄い。

 

所謂ご飯だけで、ご飯を食べれるって奴。

 

最近の品種改良のお米ってスゲェんだなと思うと同時に、幻想郷のお米が自然由来でここまで美味しい事に驚愕してるよ。

 

太古の日本から共にあったお米だけど、品種改良が革新的に進んだのは近代だからなぁ。それでも幻想郷も負けてない、普通に勝ってるけど私の舌の問題か。

 

 

「なら漬物も付けとくが…それより嬢ちゃん、妖怪か?」

 

 

葉っぱで巻かれたご飯を渡されてからそう言われる。

 

 

「へ?いやいや、私人間ですよ?」

 

 

「じゃあその尻尾はなんだ?」

 

 

「尻尾……?尻尾……ハァッ!!!? あ、あはは!やだなぁ衣装ですよ衣装、はははは!」

 

 

やっっっべ、当たり前だと意識し過ぎてる間に尻尾丸出しで歩いてた…!?

 

 

なーんか周りから奇怪な視線が飛んでくるな〜って思ったら、やべやべ、治しとかないと…。

 

 

「ふ〜む…」

 

 

「あははは!それじゃ失礼します!ありがとうございましたーーー!」

 

 

逃げるは恥だが、逃げるが勝ち!!逃げてなんぼの…ーー

 

 

ドンッ!

 

 

「うわわっと」

 

 

「…チッ、なんだ?」

 

 

「ご、ごめんなさい!ちょっと急いでるので失礼ーーギャンっ!?」

 

 

イテッ!?わわ!?なんか身体が浮いて…。尻尾掴まれてる?

 

 

「…妖怪?軽っ…しかもほっせぇ小狐かよ、骨と皮みたいな見た目しやがって」

 

 

「はーー???ちゃんと肉着いてますけどーー??節穴かお前よぉ!?」

 

 

「なんだお前、クソガキが舐めやがって…巫女様が来なくてもテメェみたいな昼間っぱらから人里に来てる勘違いした能天気な妖怪は一回痛い目を見て……」

 

 

「…あ、待って?」

 

 

尻尾掴まれてさ、宙ぶらりんになってて思いついたんだけど…。

 

 

この尻尾さ、引っ張ったらちぎれないかな?

 

 

「えへへお兄さん、ごめんごめん、なんならそのまま気の済むまで尻尾握っといてくれませんか?」

 

 

「…ーーなんなんだお前、気持ち悪い…ちょっと憂さ晴らししようかと思ってただけなんだがな…」

 

 

「ちゃんと握ってて下さいね?」

 

 

「あん?」

 

 

という訳で、尻尾!!飛行!行っきまーーす!

 

 

 

「待て待て待て待てえぇぇぇぇ!!??」

 

 

 

 

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