起きたら尻尾が生えていた   作:カピバラバラ

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起きたので晩御飯を頂きます

どうも、私です。

 

 

「わは〜!」

 

 

「ルーミア〜ちょっと、腕、腕重いってば…」

 

 

…ある程度仲直りしたからと言って、喰った喰われたの関係でここまで懐かれる事あります?

 

 

「ただいまでーす、慧音さん…」

 

 

「ああ、ユウもルーミアもお疲れ様…禊って形になってしまったが、これで良かったのか?」

 

 

「うん、美味しかったですし別にそれで」

 

 

「美味しかったの?美味しかったってもっと言ってー?」

 

 

「…あ〜はいはい、美味しかったよルーミア」

 

 

「私も貴方の血肉、とっても美味しかったわ!」

 

 

…なんじゃこれ、付き合いたてのカップルかなんかか??

 

 

「ちょ、ちょっと一瞬ルーミアの事預かっててくれません?ルーミアも、私はすぐ戻ってくるからゆっくりしててね?」

 

 

「うん!」

 

 

「あ、あぁ」

 

 

ちょっと変わり様が過ぎる、阿求さん?阿求様?

 

 

「アキュウチャンチョットイイ?」

 

 

「ナンデスカ?」

 

 

「チョットコッチキテ」

 

 

取り敢えず、私が何かやらかしたかの確認だ。

 

 

「阿求ちゃんの記憶の中に、妖怪同士の関わり合いの記憶ってあります?」

 

 

「ええ、想起に書いてある事には生活の様相も事細かく書いていたので」

 

 

「それじゃぁ…さっき見てた中で、私ってタブーだったり何か妖怪にとって特別な事、してました?例えば互いの血肉を互いに食べあったら〜とか」

 

 

「…………私の記憶の中では特にありませんね」

 

 

「じゃあなんであんな感じに!?!?」

 

 

「うーーん…あ」

 

 

あ、辞めて、あ。この場合ヤバイ結論にしかならんからさぁ!?

 

 

「…例え話をしましょうユウさん、ある時、何から何まで貴方好みの男性が寺子屋にやって来たとします」

 

 

「はいはい」

 

 

「貴女好みの容姿、貴方好みの髪型、貴方好みの匂い、貴方好みの性格、そんな男性と貴方は偶然…ーー」

 

 

「ストップ!!分かった!分かったから!!」

 

 

もうどう考えてもソレじゃん!?確かに『人生で一番』だとか『人生で見た事も無いくらいに美味しそうだったから…美味しかったし』……。

 

 

おい!!!まんまじゃん!?!?

 

 

「めっっちゃ私口悪かったのに??最早死ねと同等レベルの暴言吐いてましたよね?」

 

 

「彼女…又は妖怪の価値観、だと、あれが好みだったんじゃないですか?」

 

 

「うーーーむ…」

 

 

…これ、真正面から聞かないといけないやつ?仕方ない、このままじゃ何時喰われるか分からん。

 

 

 

覚悟を決めて……踏み出そう……。

 

 

 

「ル、ルーミア〜!ルーミア!ちょっといい?」

 

 

「なぁに?」

 

 

「え〜っと、私の事…どう思ってる?」

 

 

「ユウの事?んーとねぇー…」

 

 

「ん〜ーー…………」

 

 

 

 

 

 

運命の相手(最高級食材)♡」

 

 

 

 

終わった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございました〜…」

 

 

「うむ、また問題があれば私を頼れよ、ユウ」

 

 

「……」

 

 

無言で横をつんつんと指さしてやる。

 

 

「あ…あ〜…その、なんだ、頑張れ」

 

 

慧音先生!!?

 

 

「では私もこれから業務があるので、失礼します…以降は問題を起こさぬ様に、よろしいですね?ユウさん」

 

 

「う、うん…あのその、阿求様?」

 

 

「失礼 し ま す !!」

 

 

阿求様ぁぁぁあぁーーーー!!?

 

 

 

「……」

 

 

「わは〜!」

 

 

どうも、私です。

 

 

人里に来て…たった、たった一日目。

 

 

「…ねぇ、ルーミア……私ここに引っ越してきたばっかりだけど、本当に良いの?」

 

 

「元より私も家なしよ?」

 

 

居候、ゲットしました(された)。

 

 

お母さん、こういう相手側がガッツリ私の事狙ってる場合はどうすれば?

 

 

『…頑張りなさい』

 

 

イマジナリー母さんまでぇぇぇぇ…!!?!?!

 

 

「も〜…それじゃ、晩御飯買ってくるから、じっとしててね」

 

 

「晩御飯…あ!そうだ、晩御飯ならユウを連れて行きたい場所があるの!」

 

 

「……私を食べる所じゃないよね?」

 

 

「ふふ、どうかしら?」

 

 

私の顔色教えてやろうか?青色だよ青色。死人もびっくりの真っ青。

 

 

お母さん、そしてアリスお母様…私、本当の意味で(命が無くなって)お嫁に行けなくなっちゃうかも…。

 

 

 

「それじゃ、行きましょ?」

 

 

「は〜いはい…はぁ…」

 

 

尻尾のせいで幻想郷、この夢境にやって来て喰われ喰って救われての数十日。

 

 

私がゆっくり出来るマイホームを手に入れて数時間。

 

 

『相手は幻想郷最強を謳う博麗の巫女』

 

 

そんな相手に帰りたいって要求を通すまでに私はどれだけここで過ごせばいいのか…。

 

 

『絶対、迎えに行くから』

 

 

「待ってるから、お母さん…」

 

 

「んー?」

 

 

「なんも言ってないよ、ほら行こっか」

 

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜道を歩く。夜の人里は明かりと言える明かりは少なく、どこもかしこもロウソクの微かな温かい赤が灯るばかり。

 

 

だが、そんな暗闇の通り道にも強い明かりが灯る場所がある。居酒屋や夜のお店、出店や屋台等はそんな静かな街道を賑やかしていた。

 

 

最早昼より賑わっている場所も多々ある、人里の人間は皆、妖怪を恐れ夜闇を恐怖しながらも繁栄の灯火を暗闇に見出すのだ。

 

 

そこにまた………いや…中心街を少し外れての場所で、足音が二つ。

 

 

「いらっしゃ〜い」

 

 

「ミスティア、例の相手連れて来たわよ」

 

 

「こんにちは〜…」

 

 

随分と外れに来たけど…屋台の赤い提灯も良いな、なんかしみじみとする。

 

 

「あら、みすちー呼びを……なるほど、それがずっと飲みネタにしてたお相手さんかしら?」

 

 

「ええ、手出ししないでね?」

 

 

「飲みネタって…どれだけ美味しかったの…?」

 

 

というか連れてきたかった場所って屋台?珍しい、年頃の女の子がこんな……いや、見た目通りの年齢じゃ無かったんだったな。

 

 

「ここは…どういう屋台で?」

 

 

「基本的に八目鰻を焼いてるわね、他にはおでん、お酒に…まぁ持ち込みもOKにしてるわ」

 

 

「持ち込みOK…」

 

 

「うふふ、大丈夫よ…ルーミアがここまで連れて来た時点で貴方を食べていないのなら、今日はもう食べられる心配しなくていいわ」

 

 

「そうですか…」

 

 

良かった、まぁそれじゃ晩御飯楽しむか……それにしても、八目鰻……ヤツメウナギ!?そんなもん焼いてんだここ…。

 

 

「ん〜…私はまだ良く分かってないから、ルーミアが頼んでくれる?」

 

 

「それじゃ蒲焼きタレと塩二つずつと、キープの奴、それとおでんおすすめ」

 

 

「了解、おちょこは二つ?」

 

 

「あ、私未成年なんで一つで」

 

 

「「……え?」」

 

 

ん?え?なんか驚く要素あった?

 

 

「…未成年?人間の年で言ってるの?」

 

 

「うん、だってまだ高2…あ〜えっと、まだ16だけど…」

 

 

「ちょっと!ルーミア!?話が違うんだけど!妖怪の子じゃなかったの??」

 

 

「んーとんーと…あ!そうだ、ユウは外来人だって言ってた様な?」

 

 

「はぁぁぁぁ!?!?」

 

 

「あ〜その、説明必要そうですか?」

 

 

 

という訳で…。

 

 

 

少女説明中❁⃘〜

 

 

 

 

「「なるほど」」

 

 

「という訳で、いつか博麗霊夢に現実へ返して貰える様にこの世界を漫遊中って所なんです、まだちょっと隠してる所はあるんですけど……これ位かな」

 

 

「てっきり妖になってるものだから、数百年は生きてるものかと…」

 

 

「まだ妖怪じゃないです〜!普通に人なんで!まぁハーフ状態かもしれないけど!」

 

 

「う〜ん、それじゃお酒はどうする?ルーミアだけに出しても暴れちゃうだろうし…」

 

 

「今日は我慢しておくわ……そう、未成年だったのね」

 

 

…ブルっとする事言うなぁ本当、心臓が幾つあっても足りないよ、心臓が幾つもあったら美味しく頂かれてまうがな!なんてな!!

 

 

…ごめんなさい。

 

 

「よいしょ、話してる間に出来たわよ〜…はい、塩とタレ二つずつね、後おでんは大根、はんぺんとつくねと卵、召し上がれ」

 

 

ホクホクと湯気を立てる鰻は、職人の腕がそのまま出るって言うけれど…見るからに綺麗上手に焼かれていて美味しそう。

 

おでんも、やっぱり屋台のおでんだからか長い間煮られて柔らかく、そして出汁は濃い茶色になっている。飲んで嗜むには濃く辛いが、具材と共に頂くには丁度いい、〆にもピッタリそう。

 

 

「いただきまーす」

 

 

ホクホク、ふわふわ…。

 

 

「…鰻うま!!?っ〜!感動!!今の日本、ほんとに鰻高いし…めちゃウマ、最高」

 

 

「ありがと、八目鰻ね八目鰻、おでんの具合は?」

 

 

「ん……んーー!さいこーです!」

 

 

「良かった、それじゃ私のツマミ代わりにお話してよ、外の事とかルーミアとそんなに仲良くなってるのは何があったのかとか」

 

 

「わは〜!いいよー?寺子屋でのユウ、とっても魅力的だったんだから!」

 

 

「…今になって恥ずかしいから止めて」

 

 

「『獣に名前は必要ない…ーー』」

 

 

「わーーー!!やめてー!!」

 

 

 

 

 

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