起きたら尻尾が生えていた   作:カピバラバラ

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起きたら職人作業をする羽目に

「ちゃんと着いてきて下さいね〜?紅魔館は広くて迷子になりやすいですから」

 

 

「ひ、ひゃい…」

 

 

「あはは!緊張し過ぎですよ〜?大丈夫ですってば」

 

 

「はい…」

 

 

どうも、私です。

 

 

今現在紅魔館のお庭を案内されながら、紅魔館内へと連れていかれている途中です。

 

 

この優しい優しい美鈴様が居なければとっくの昔に飛んで逃げてると思う、それ程までに心臓がバクバクして痛い。

 

 

「紅魔館の敷地内には、それは広い庭が備わってましてね〜…これがまたお手入れが大変なんですよ、掃除や噴水の管理だったり…落ち葉がでる季節だと地獄みたいな忙しさになるんですよねぇ…」

 

 

「そうなんですか…」

 

 

「あ、ちなみに私達も幻想郷に来て…大体ウン百年位です、まだまだ新人ですよ?」

 

 

「…へ?ひゃ、百年?それで新人?」

 

 

「まぁもう少しあるとは思うけど…それぐらいですかね、異変を起こす前からちゃんと幻想郷に住んでたんですよー?」

 

 

「私、人生スケールが本当に妖怪基準な人達初めて見ましたよ…」

 

 

やっぱり人の見た目してるだけで、根本から違うんだな…。

 

 

「よし、それじゃこれくらいにして…行きましょうか!」

 

 

「……はぁい…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンコンコン

 

 

 

「お嬢様〜?連れてきましたよー」

 

 

《入りなさい》

 

 

「了解です、失礼します」

 

 

うぅ…緊張で死にそう……。

 

 

ここに来るまでに、散々この場所には驚かされた。

 

 

クソ長い廊下、アホでかい入口と階段…マジで内装が城。何が館だ、殆ど外国のお城規模じゃねぇか……どんな大豪邸だよ。

 

 

「お、お邪魔します…」

 

 

そして今、館の主と遂に対面する…ーー。

 

 

「いらっしゃい、カネイロ・ユウ」

 

 

…え?

 

 

「私はレミリア・スカーレット……紅魔館の主にして高潔なる血を引くヴァンパイア、幻想郷での呼び名は吸血鬼、宜しくね?」

 

 

「……宜しくお願いします…あの、私の名前…」

 

 

「大丈夫よ、視てみたから…だからこそ呼んだっていうのもあるし」

 

 

ちっっっさ…!? 少し大人な部分があるルーミアと違って完全に子供だ…!!?いやでも見た目じゃ10歳程度でも、本来は数百歳か…凄いなこの世界。

 

 

「…うーん……」

 

 

「ひっ…!あぁあの、何か…」

 

 

「いやぁ…」

 

 

「…あのぉ…?」

 

 

「うーん…」

 

 

「……」

 

 

「平凡過ぎるわね、貴方」

 

 

「はい???」

 

 

「視えない割に余りにも普通、凡庸、平凡……私もヤキが回ったかしら?」

 

 

なんやコイツゥ!?それが初めて会うやつに言う言葉かぁ!?

 

 

「…不思議な子ねぇ……見ているこっちがチグハグしてくるわ…」

 

 

「アイツと同じ事言われちゃった…」

 

 

レミリアが視線をずらしてドアの傍で待機している美鈴に声をかける。

 

 

「美鈴、その枕は私の寝室に置いといて」

 

 

「え!?」

 

 

「え、じゃないわよ、えじゃ、部下の物は私の物、何か不満があるかしら?」

 

 

「…あははー!滅相も無いですよそりゃぁ〜…」

 

 

「なら早く枕を握りしめてないでとっとと行きなさい、私は少し客人と二人で話すわ」

 

 

「は〜い…」

 

 

あちょ、美鈴さん行かないで!? え?二人きりで話さないといけないの??

 

 

美鈴さーーーん!!?クソが!!

 

 

 

「さてと…カネイロ・ユウ、呼び名はユウで良いかしら」

 

 

「はい!!」

 

 

「い、勢いが良いわね……取り敢えず、まずは貴方をここへ招待した理由でも話しましょうか…咲夜、お願い」

 

 

「咲夜…あのメイドさんか…」

 

 

パッと後ろのドアに振り向こうとする、この距離で声が聞こえるって事はドア前で待機でもしてるんだろうかと……。

 

 

「…うわ!?!?」

 

 

「ふふっ…いいセンスね、褒めて遣わすわ」

 

 

「有難うございます」

 

 

振り返れば、視界に入ってくるのは緑。さっき案内して貰ってた紅魔館の庭、その噴水近くのテラスだ。

 

 

テーブルの上には淹れたてほやほやであろう湯気を立てるティーカップ、私の分まで淹れてあるし、砂糖と…自家製のガムシロ?こっちも自家製のミルク?凄すぎ、ちょ待って、どうなってんの?

 

あ、ちゃんとレミリアさん用に日傘パラソルが…。

 

 

「……これ…は…」

 

 

「ウチのメイドは凄いでしょう?」

 

 

「凄いというか、訳が分からないです…何をどうやって、何が起きているのかすら」

 

 

「ふふ…秘密よ、貴方に話すには……少し、話してからにしましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ユウ?」

 

 

紅茶うんめぇーー…!

 

 

「…聞いてるのか聞いていないのか……まぁいいわ、大体把握してくれた?」

 

 

「…はい」

 

 

レミリア・スカーレットさん、このお方マジモンの凄い吸血鬼で、由来をヴラド三世の近縁辺り……というよりは、末裔らしい。

阿求ちゃんに続いて本当の偉人がまた来ちゃったよ、凄いな幻想郷…。

 

 

それで彼女特有の力として『運命を見る』事が出来るらしいんだけど……。

 

 

「何故か、貴方を覗いても何も見えないのよ、それでどんな奴が紅魔館へ訪れたのか気になってね」

 

 

レミリアさんの目、同時に千里眼的な力も備えているらしくて、それで美鈴さんと話していた私を覗いていたらしい。

 

 

「……それで、如何です?特に特徴の無い平凡でごめんなさいね…!」

 

 

「あら、拗ねちゃったかしら?ふふ…特徴、と言えばあるじゃない、その尻尾」

 

 

「あぁ……これですか、ふわっふわしてますよ」

 

 

「……ジー…」

 

 

「……」

 

 

ものゴッツイ見られてますけど……なんかあります?

 

 

「咲夜」

 

 

「はい」

 

 

パチンッと指を鳴らすと、銀の御盆の上に幾つかのハサミを置いて咲夜が現れる。

 

 

「……ごめんなさい、ちょっちワタクシ用事がアリマシテー……おほほほ……」

 

 

「咲夜」

 

 

「はい」

 

 

どわぁぁぁぁ!!?捕まえられたァァァ!!!!コイツっ!!『咲夜』はなんでもしてくれる魔法の言葉じゃねぇんだぞ!?

 

 

「あの枕、貴方の自作だったわよね」

 

 

「う…まぁ、はい」

 

 

「中々の作品ね、美鈴に贈った様に私にも貰えるかしら?」

 

 

「え、あのその…結構材料が必要でして…それにさっき…」

 

 

「さっき?」

 

 

ナンデモナイデス!!!!

 

 

「まぁ、貴方だけに無理を強いる訳じゃないわ…貴方も知りたいんじゃない?……その尻尾の正体だったり」

 

 

…確かに美鈴さんに……『元の世界に帰っても解呪方法が無ければ逆戻り』だって……。

 

 

「ウチには埃臭いけど最高の研究者が居るから、少しその身を預けてみない?詳しく知りたいなら必要なのよ、毛が」

 

 

「毛」

 

 

「ええ、その過程で…あの枕、もう二つ作ってもらいたいだけで」

 

 

ふんぎゃっ!!結局それかい!

 

 

「でもやっぱり材料が…ーー」

 

 

「咲夜」

 

 

はい出た!!それ止めて?私の常識おかしくなっちゃうから。

 

 

「どうぞ、必要なものをお書き下さい」

 

 

「え、ええ……」

 

 

「ちゃんと、正しく書いてね?ユウ」

 

 

「あわ、あわわわわわ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうも、私です。

 

 

「シナシナ……」

 

 

あの後、材料を紙に書いたら本当に全部持ってきてくれました、しかも数分で。

 

更に私が買ったものより更に上質でお高い奴……ココヤバすぎる、化け物みたいなメイドと富豪過ぎるお嬢様ウラドヴァンパイアに……。

 

 

『それじゃ、これパチュリーの元に持っていっておいて』

 

 

パチュリーと呼ばれる最高峰の研究者まで居るらしい、人材の宝石箱やでコレぇ…。

 

 

「……コワカッタ…」

 

 

そんな中いそいそと枕を作らさせて頂きましたよ、何がやばかったってあのメイドさんの目線。

 

 

失敗したら殺す、レベルの目をしていた。怖すぎ無理死ぬ。手震え過ぎて何回自分の指刺すかと思った事か。

 

 

やはり私はお客様と言っても、あの二人は主従関係だ、私がレミリアさんに粗相をすれば排除する…ね。

 

 

「やっぱしここは魔窟だったか…阿求ちゃんの言葉が身に染みるよ……」

 

 

ちなみに今はおトイレお借りした後の帰りです、枕を無我夢中で作って、集中する為に紅茶いっぱい飲んじゃったせいで催した。

 

 

「ふんふんふん……レミリアさんの所戻ったら速攻帰りますって言お……」

 

 

しかし長いなぁ……廊下どころか館内全部が長デカい、迷宮みたいになってる。

 

 

 

シャラン…。

 

 

「ん?」

 

 

 

なんか今、綺麗な音の響きが…。

 

 

 

 

「ねぇ」

 

 

 

「…おっと」

 

 

廊下の先の曲がり角から、随分と綺麗な子供が現れた。羽根も生えてる…宝石…?さっきのはあれがぶつかり合って鳴った音か、子供つっても私と同じ位だけど。

 

多分…レミリアさんの家系かな?吸血鬼っぼいし、雰囲気も見た目も似てるし、髪色は金髪だから違うけど…。

 

 

「貴方、だぁれ?」

 

 

「んと…レミリアさんのお客さんかな、そういう貴方は…レミリアさんのお姉さん?妹さん?」

 

 

「お客さん……そう…私は、フラン…妹よ…レミリアお姉様の」

 

 

妹さんか、妖怪は見た目で年齢の判別付けれないから不便だなぁ。

 

 

 

「私ね、ずっと閉じ込められてて…最近外に出してくれる様になったけど、ずーーーっと暇だったの」

 

 

「ずっと…?」

 

 

「495年ずっと閉じ込められてた」

 

 

…は、え?

 

 

「だからずっと暇だったんだ、遊んでよお客さん」

 

 

…マジか、紅魔館にそんな秘密が……いやでもレミリアさんが自分の妹を495年も?本当に?

 

 

……あ〜でもなぁ…ヴァンパイアの価値観を知らないから、もしかして何かちゃんとした事情があるのかもしれない。取り敢えず真偽を聞きに行くか。

 

 

「いいよ、何して遊ぶ?」

 

 

「お客さんで遊ぶ」

 

 

「ん???」

 

 

はい?

 

 

「手のひら、見ててね?」

 

 

「うん」

 

 

「きゅっとして…」

 

 

 

 

「ドカーン!!」

 

 

 

 

 

 

「わ、わー!爆発されちゃったー!」

 

 

 

「…え?」

 

 

 

これでいいのか?マジで子供騙しな反応だけど…これでキャッキャウフフしてくれたら良いんだけど…。私で遊ぶってそういう事か、おままごとというか、反応して欲しいんだな…。

 

 

ずっと閉じ込められてたって言ってるし、取り敢えずあやす感じでやるか。

 

 

 

「何で…目はあったのに…あれ、お客さん…髪色…」

 

 

 

「髪色?…あ!!やったぁ!元に戻ってる!」

 

 

 

金髪から黒髪に、元の髪色に戻っていた。

 

 

 

「フランちゃんありがとう!ずっと困っててさ〜…マジか、何でか分からないけど元に戻った、最高、大好きフランちゃん!」

 

 

 

うっひょーー!善行に徳あり!小さい子でも無視せず対応してあげて良かったー!

 

 

 

「どうする?もっと他の遊びでもする?…そうだ!私日傘作れるからさ…ヴァンパイアだけど、外出て遊んでみたりする?」

 

 

 

「……無いのに…」

 

 

 

「あ、そうだずっとそこの壁からこっちをチラチラ見てる子もフランちゃんのお友達?なら一緒に遊ばないかって誘って来てくれない?暇しちゃうだろうし…」

 

 

 

「嘘、見えてるの?」

 

 

 

「うん?うん……あ、逃げちゃった…」

 

 

 

「……」

 

 

 

「…キャハ、キャハハハハハハ!!」

 

 

 

「分かった!いいよ!お姉さんと遊びたい!お外に行こ?日傘、作ってくれるんでしょ?」

 

 

お、お姉さんだと!?私が生涯言われる事の無いと思っていた、お姉さんと言ってくれたのかこの子は!!

 

 

「お姉さんか、お姉さんかぁ……ヨシきた!!お姉さんに任せなさい!495年を取り返す程遊んであげよーじゃないの!!」

 

 

「うん!」

 

 

「私も、貴方以外の遊び相手(おもちゃ)は要らないわ!」

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