「……そう、優しく指一本分の深さで」
「こう?」
「上手ね、後は軽く土を被せて……水は吸血鬼の弱点だったかしら、ユウ、水……フランは外で遊び回るのも初めてでしょう?」
「…うん、ずっとお人形さんと遊んでたから…」
「そう…」
「…どうして、
「えっとね〜…私の二人目の友人だから!でもね、ユウは本当に特別だから…それ以外は……えっと、要ら…ーーじゃなくて、苦手になるかも?」
「……?」
「とにかく、ユウが今日は沢山
「……………そう」
どうも、私です。
見よ、私の教育の成果を、たった一度の注意で要らないって言葉使わなくなってるでしょ!フランちゃんは本当に偉い子だぁ…。
…で、でもね?お姉さん聞こえちゃいけない言葉も沢山聞こえちゃってるのよフランちゃん、もしかして私のお友達計画って余計だった?というかどんだけ私の事好いてくれてるの?
後、咲夜さんも無事だと良いんだけどなぁ……山一つ近く吹き飛んでたよ??すぐ治してったけど…。
「水撒き終わりました、後整備も完璧に」
「……本当に、理解出来ないわね…」
「…あ、あはは」
「薄ら笑いを止めなさい、虫けら」
「はぃぃ…」
包み隠さんくなったねぇ!?…フランちゃ〜ん助けてよぉ〜……。
あ、ちなみに今は向日葵を見る前に種うえを経験してみない?と言われてフランちゃんが麦わら帽子を被ってせっせと種うえしている途中です。
…可愛すぎる、この写真取ったらあの紅魔館のメンバーに売りつけてやりたい位に。
「ねぇ〜…フランちゃ〜ん…」
「あはは!本当にユウは面白いね!ほら、ひまわりを見に行こー?」
「んしょ、そろそろ行っても大丈夫ですか?幽香さん」
「……はぁ、良いわよ、案内するわ…」
ここは本当に色とりどりの花がある、美しいの一言では勿体ない位にね。
春夏秋冬が揃ってる花畑は流石の一言、花を愛する大妖怪なだけあるわ、しかもそれを管理しきってるのが凄い。
よく山に遊びに行ってたからこそ理解出来るんだけど、植物に対する対応ってマジで千差万別、それが春夏秋冬となれば更に膨大な知識が必要だ。
……だからこそ、この花畑を管理している幽香さんを、割と本気で尊敬している。殺意満点で怖いけど、花に対しては本当に愛情深い方なんだよねぇ。
「…ったく、不備があれば即効肥やしにしてやろうと思っていたけれど……完璧ね、最初の侵入の時も花の手入れが理由だった事はあるわ、腹が立つけど」
「へへへ…」
「それは止めろと、先程言わなかったかしら?」
「ごめんなさいッ!!」
ひえ〜怖い怖い、もうチビッちゃいそうだけど、そんな事したら殺されちゃうんで…。
「フランちゃん…いや、フランお嬢様…私の手をどうぞお取りください」
「…!あはは…♡ いいの?そんな風に言っちゃって…?」
「サービスサービス、せっかく初めて向日葵を見るんですから…ほら、行きましょう」
「背丈はユウの方がちっちゃいのにね〜?」
うるちゃいうるちゃい……。
■
「…綺麗」
「こ、れは………絶景が、過ぎるね…」
「ここが私の太陽の花畑、幻想郷で最も美しく、清らかな場所」
『美』だ。
夏空の元の向日葵、それも視界全てを覆うほどの満天の向日葵星、心安らぐ香りに心揺さぶられる情景。
心への刺激が多すぎて、何故かは分からないけど……。
「……」
…泣きそう。
「……ズビー…フラン、ちゃん…どう?お出かけは楽しめてる?」
「うん……とっても…」
「この場所を、誰一人として汚す事は許されないわ」
「そうですね、本当に…」
本当に綺麗、暖かい…ポカポカしてくる。
「…」
「綺麗」
涙が溢れて止まらない、美しい。命の輝きをここまで身に受ける場所は無い。美し過ぎる。
欲しい。
そうだ、もっと…もっとこんな美しい世界が現実でも、幻想郷でも広く広がっていたら…。
「もっとこんな光景が…こんな世界が……」
そしたら、お母さんと一緒に。
「夏空の下で」
この光景を共に。
「こんな……」
これ程美しい世界があってしまうのならば…。
「現実なんて捨てて、お母さんと一緒に…」
『外の世界にお母さんが居るから帰る』
なら、現実をここへ持ってくれば良い。
妄想でも、どうせこの世界は夢なんだから。
ね?お母さん。一緒に生きようよ、ここで。
「…!虫けら、ソレ…!何をしているの…!!」
「……」
「ユウ?…っ!」
「……」
「んー?はいよ〜?あ、フランお嬢様日傘にちゃんと入ってる?……二人とも?あれ?もしかしてもう移動します?」
「「……」」
「ぷっ、あはははは!そうね、移動しましょう!ありがとう幽香、楽しかった!また来てもいい?」
「………ええ、フラン…貴方なら歓迎するわ、貴方が植えた種も芽吹くのは…半年後位になるから、お世話しに来てね」
「ええ、きっとね!約束の指切りげんまん!」
「ふふ、ええ…約束よ」
…微笑ましいなぁ……レミリアさんはこのフランちゃんを何で閉じ込めてたんだか。
「よし、さようなら〜幽香さん」
「……」
「………」
「ヒグゥッ……グハァッ…無視されたぁ…」
■
「ひ、ひー…あはは!本当にユウは面白いね!やっぱり間違えてなかった!最高の遊び相手ね!」
「光栄の極み…メガネクイクイ…」
「…後、ちょっぴり変な所も!」
「ははは、まぁこれでも外から来た人間だしー?」
「…え、ユウって人間だったの?」
「あ、元々ね、なんか呪われちゃってこうなったけど…って、あ!!そうだ!パチュリー?さんから研究結果聞くの忘れてた!紅魔館に戻らなきゃ…!」
しもた、その報告が一番大切だってのに…。
「…もう今日は終わりなの?ユウとは遊べない?」
「!」
「いや、違うよフランちゃん、495年を少しでも取り返すって言ったでしょ?ちょっとした忘れ物取りに帰るだけだよ」
「そうなの?」
「うん、私も私で悩み中な事があって、それで…ーー」
グゥ〜…。
「「……」」
「ご、ごめんね」
「あは、そう、そうだ!私もお腹減ったー!」
そういえば、紅茶飲んだきりご飯食べてないや…。お昼の時間だってのに、しまったしまった…。
…まてよ?という事はフランちゃんのお腹を満たすには…。
「ねぇ、ユウ……貴方の血、吸ってもいい?」
ですよね!?
「ま、まぁ死なない程度ならOKですよ!」
「やったー!それじゃ、頂きま…ーーえっと、どうやってやるんだっけ…」
「ほへ?…あ!!もしかして……!!フランちゃん、閉じ込められてた時のご飯ってどうしてたの?」
「閉じ込められてた時ー?えっとね、咲夜が…変な袋に入れて、持ってきてくれてた!何時か壊したかったけど、ご飯がないと死んじゃうし…」
輸血パック……か?まさかそんな高等なもんまで作ってんのか…。
「てことは、吸血、初めて?」
「うん!」
「……」
ストップだ私、ここで安易に吸わせたらルーミアの二の舞…!どんな異変が身体に起きるか…!!新しい妖怪の事情をよく知らないのに変な事しちゃダメ!!絶対!!
「ねぇ…ダメかしら?」
「ぁ、その…フランちゃん…」
「ねぇ……」
あぁダメ、ちょ、耳元で囁かないで!?あ…!ダメ…!
「吸っても、いい?」
ダメーーーー!?!?
「い、いいよ…」
私の馬鹿ーー!?!?!?
「やったー!頂きまーす!」
「やり方分かんないんじゃ無いのー!?」
「本能で分かっちゃうの!もーじっとしてて!暴れるなら取り押さえちゃうよ?ほら!こんな風に!」
「うぐっ…」
力つっっっよ!?うぐごごご…動かせない…!?ルーミアで鍛えられた私の抵抗力が…!
…そういえば大妖怪の妹さんでしたね!!幽香さんが気に入ってた理由って本当に強いからかッ!!
「あ、ん……ちょ、怖い…」
「嘘つかない、さっきの幽香って人に恐怖心なんか抱いてなかったのに、これは怖いの?」
「えと、なんか!恥ずかしいです!」
「そっか、それじゃ力抜いててね?」
「聞いてま…ーーんっ…」
あ、優しい…いてて、優しく牙入れてくれてる……やっぱり首筋なんだ…。
「んくっ…ん……」
「や、優しくしてくれてありがと…」
い、いてて…ぁ…なんか、眠くなって……ぽやぽやしてきた…。
…てか、長くない?これ生命維持以上に吸われちゃってない?
「ん…ーーー」
「フラ、フランちゃん…生きては…返してほし…ーーかはっ…」
世界が〜回って〜?あれ〜??立てなくなるー!?
「ん!っぷは、ご馳走様〜!美味しかった!」
「よ、よがっだ……満足して頂けたようで……」
「ん〜…やっぱり、ユウって可愛いね!そんな状態でも、『恐怖心』が一切無いんだ…!不思議!」
「可愛いの…基準が……よく、わがんにゃい…」
「ねぇねぇ、ユウはどうしてそんなにも…『死ぬ事』を怖がってないの?幽香の時もそうだったけど…」
「ほへ〜?今、なんてー?」
「もう!意識ちゃんとして!」
「血が……血が足りない…あ、自分で作ればいいじゃーーん!私てんさーい、それ〜……ちょちょいっと……」
「……ん、よし」
ぬごごごご……という訳で、私復活!!変化の術の万能さ忘れてたわ。
「対策方法も思いついたんで、幾らでも吸っていーよ、フランお嬢様……フランちゃん?」
「ムスー」
「あ〜…その、ごめんね?」
「ムスー」
「…もう一回、吸います?」
「え!良いの!?じゃあ飲むー!」
「あちょ、押し倒さないで!?」
フランちゃん?フランちゃん!?話聞いてます!?もっと優しくして!?!?
フランちゃーーーん!!?!?!?