起きたら尻尾が生えていた   作:カピバラバラ

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起きたからリスタートした

 

ーー問題まずその1。

 

 

「クソクソチート巫女」

 

 

 

「ん^~最強最悪の敵~!どうしよ」

 

 

 

「…本当にどうすんだよ!?!?」

 

 

 

問題その1で詰んでいる私だ。もうどうすればいいのか分かんないよ…ーーなんて言ってる場合か!!

 

 

考えてみれば考えてみるほど今の私にできることが無い、神がかった巡り会いでこの世界を生きてきた私が、純粋な気持ちで接することすらできない私が!一人で何かできるわけなかろう!!

 

 

悩むなぁ…この異変、わたしが何をするのがトリガーなのかわからない以上、帰ることすら地雷の今…。

 

 

 

「うーん」

 

 

 

「結局は情報不足と資材不足、変化の極意と弾幕の極意を学んだ私ならある程度は生きていける……露店でもして生活しつつ、異変解決のプロフェッサー博麗霊夢様(笑)が動き出す契機を知れれば…。

 

 

 

「光明はある」

 

 

 

「難しいし、分の悪い賭けだけど…私の心が潰れることは無い、実質無限の挑戦権だ」

 

 

 

「諦めてたまるか、この先に待っている真実が幾ら残酷なものでも!!…折れても勝手にメンタルリセット入るだけなんだけど、ともかく!!!」

 

 

 

「私は突き進んで見せるぞーーー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーというわけでしてぇ」

 

 

 

 

「今の貴方の話を全て信じろと?」

 

 

 

「へ、へへへ…やだなぁ私みたいな三下妖怪があなたのような聡明な魔法使いに嘘ついてなんぼのものになるってんですかぁ~」

 

 

 

「……」

 

 

 

ーーまぁ、私みたいな人間が誰かを計画的に利用しろってのも無理な話なんで、早速親愛なるアリス様へと善意を啜りに……げふん、押しかけたわけなんですけども~。

 

 

割とあの出会いの日は衝撃的だったんで、手順は覚えております。妖精を食べまして、そのあと記憶を頼りに以前出会った川に水遊びに…何回ミスったから死んで細部を調節して、辿り着きましたとさ。

 

 

…私、どんだけ遭難すれば気が済むんだ。

 

 

 

案の定気絶させられると、こっわい顔したアリスお母さまが腕組して、縛り付けた私の目の前で武器持った人形を漂わせていました。なのでとりあえず大筋は…ぼかしにぼかしまくって、私を放置しておく事の危険性を伝えて~よしってなったところです。

 

 

…でも、なんか初めての時と対応違くないですか?

 

 

 

「要約すれば貴方は…『人里に重大な異変をもたらしかけない』『身寄りのない野良妖怪』で『人を小賢しくだまそうとする知能を持った』『外来の人間』…だと?」

 

 

 

「よ、妖怪だなんて~へへへ~…人間…とも言い切れないですけど、それでも私はこのふてぇ尻尾野郎に振り回されてるかわいそうな少女でーー」

 

 

 

「そのしゃべり方止めなさい」

 

 

 

「あ、はい」

 

 

 

やべぇ、吹っ切れたせいでラフに行き過ぎた。最初の私ってホントに何も知らなそうな無垢で柔らかな少女だったし…この、なんというか助けてオーラが凄かったんだなって自覚するわ。

 

 

 

「こういう案件は虚偽であろうと直ぐに霊夢に投げた方がいいんだろうけれど…」

 

 

 

「うげっ、あの人嫌ですよ…すぐ殺してくるし」

 

 

 

「……気分で妖怪虐める子だしね、あの子が解決できるのは異変が起きた後だし………私が、ここで貴方を飼い殺しにしてもいい」

 

 

 

「ほへ?」

 

 

 

「いろいろ事情を話すときに自己紹介もしてくれたでしょう?ここで人形作りのための材料をずっと出してもらおう……だなんて、事はしないからそんなに怯えなくてもいいわ」

 

 

 

ひゅー!やっぱ怖すぎるぜアリスお母さま、根がいい人って知ってなきゃちびってたぜ!!

 

 

 

「高々アドバイスを求めて、妖精を食べ、川で何日も待機するなんて……先ほど口から語られた時間の巻き戻しが事実だとしても狂気染みているけれど?」

 

 

 

「狂気だとしても、私はこの一連の出来事に対して決着をつけて家に帰らないといけないんです、その為ならば、この命何度でも咲き散らしてみせます」

 

 

 

「…………」

 

 

 

「……」

 

 

 

「……はぁ、分かったわ…代価を用意してくれるのなら協力してあげる、貴女が話した最初の案良いと思うわよ?巻き戻しが異変であるならば博麗霊夢は必ず動く、問題を解決するには手っ取り早いわ」

 

 

 

「よっしゃぁ!!ありがとうございますアリスさん!報酬は変化でいくらでも用意できますので!」

 

 

 

「……市場価格の崩壊ね、とりあえず、その過程で何度も命を落とす羽目になるかもしれない、でも貴方にはすでにその覚悟があるようだから…これから先、巻き戻しが発動した時には私のところに来てこう言いなさい」

 

 

 

「『これで安心魔界神』と、そうしたら『次の私』もあなたに協力してあげられると思う」

 

 

 

「わ、分かりました…」

 

 

 

な、中々面白い合言葉だな……まぁいいか!とりあえず最高のスタートはきれた、やはり頼るべきはアリスお母さまなんだよなぁ、転ばぬ先のアリス様ってね。

 

まさかまさかの巻き戻し後に必ず協力してくれる人を手に入れられるとは……人形の素材、出しまくっちゃうぞー!

 

 

 

「報酬は倉庫に置いておいて、巻き戻しが本当なら私が欲しいものもわかっているでしょう?」

 

 

 

「はい!」

 

 

 

「その後に人里に連れて行って、人に化けた後は私が人里で工房にしている空き家を貸してあげるからその後は頑張りなさい、それ以上は何もしないから」

 

 

 

「ありがとうございます…!この恩は必ず返します、必ず、どんな形になっても」

 

 

 

「…ありがたいお言葉ね、それじゃ少ししたら出発するから準備して頂戴」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー問題その2

 

 

 

 

「鍵は必ずここのフックに掛けておくこと、工房の道具には手を出さないこと、それさえ守れば好きにしていいから」

 

 

 

本当に……何から何まで感謝しかないよほんと、100ある問題の半分は解決しそうな勢いで良くしてもらってる。

 

 

 

「貴女が無事に現世に帰れることを願っておくわ、それじゃ」

 

 

 

「頑張ります!」

 

 

 

家の中に入り、ありがたく寝転んで……天井のしわの数を数えながら瞑想する。

 

 

心を落ち着かせ…息を吐き、瞳の裏に映し出すのはあの光景。

 

 

さて、問題その2だ。

 

 

ーー結局あれは何だったのか?

 

 

私の知る限りの場所を巡り、大妖怪とまで称されていた存在までその命を落としていたあの悪夢の時間。

風見幽香すら消えていて、しまいには私の手にスペルカードが握られていて…思い返せば思い返すほど不気味。

 

それでいて不可解、尻尾の仕業と断言するにも不明点が多すぎる。

 

 

 

「……畳の匂いって落ち着くなぁ」

 

 

 

何より。

 

 

『博麗霊夢が来ていなかった』

 

 

 

「…人里の守護者ならどうにかしろよな~」

 

 

 

既にこの時点で、アレが繰り返されたときに博麗霊夢を頼ることは不可能だろう、発動条件が分からないから未然に防ぐのも無理、一応ルーミアと寝て…ーー。

 

 

 

「うぷっ…」

 

 

 

思い出したら吐きそう、最悪だよ全く…恐怖にも許容量があるっちゅの。思い出さなきゃ現状解決できないから思い出すしかないんだけどさ……えっと、確かそのあと…色々おかしな感覚に襲われて、ルーミアを食い殺して……。

 

 

 

「食い殺し、て……食い殺した?私が?」

 

 

 

「……無理だ、実力差的に夜中なら寝ていたとしても私がルーミアに勝てる可能性は限りなく0に近い」

 

 

 

「争った痕跡は無かった、それなのにルーミアは寝ていた場所じゃなくて私の上に重なっていて、頭を丸かじりに……?」

 

 

 

「……」

 

 

ちゃんと考えてみると、目の前で死体を確認したのはルーミアとフランちゃんだけだったな、なんか関係ありそうだけど今はスルー。

それで…確かスペルカードを発動したら巻き戻ったんだよね?

うん、やっぱり色々あの状況は初めからおかし過ぎる、そもそも風見幽香と博麗霊夢死ぬ状況ってなんだよ、そんなんもう無理だ、諦め諦め。

 

 

 

「ってなるレベルだし、もし、仮定としてあのスペルカードがルーミアを食べたことで手にしたのなら…いや、『食べさせられたことで』手に入れられるとルーミアが知っていたのなら、アイツはやるやつだもん」

 

 

 

「…妖精食べた時もやばそうだったし、食べる関係全部危険だって思ってた方がいいかな…?」

 

 

 

…頭痛くなってきた、あ、虫さんが視界をこんにちは…さようならー。

 

 

和やかな気分…になるには、少し癒し成分が足りてないか。

 

 

 

「あまーいお菓子でも食べたいなぁ……この世界お菓子とかチョコとかないから口が寂しいんだよね…はぁ、お母さんがいつも戸棚に入れてあったチョコの銘柄なんだっけか……」

 

 

 

ーーそう思いだそうとして、変化の術を使おうとしたその時。

 

 

 

「チョコ」

 

 

 

「あん?」

 

 

 

「お前、外来人だな?」

 

 

 

…………。

 

 

 

「……」

 

 

 

「……ーーどちら様で?」

 

 

 

風が吹けば桶屋が儲かる、壁に耳あり障子に目あり、独り言は常厄介事を引き寄せる。

 

 

家の窓から少女の声が聞こえ、バッ、と窓を開けると…。

 

 

 

「鬼人正邪、天邪鬼」

 

 

 

「旨い話に興味は無いかい?」

 

 

 

随分と白黒な髪をした、雰囲気が鼻につく少女がココアシュガレットのようなも加え、夕日の中佇んでいた。

 

 

悪人の目だ、何かを企んで、誰かを騙そうとしている目。

 

 

それでいて、何か燃えるような煌めく思いを秘めた目だ。

 

 

 

「あ、セールスはお断りです~」

 

 

 

てなわけで閉じろゴマ~。

 

 

 

「あ!おい!!ちょっとまてって!!!今チョコっつたろ!?」

 

 

 

「…それが何か?」

 

 

 

「外来人のアンタにいい知らせがある、ソレ、手に入れれる場所知ってんぜ?私はよ」

 

 

 

「別に自分で作れるんで大丈夫です」

 

 

 

「……」

 

 

 

「どうせあのパパラッチ鴉みたいに、何も知らない私を利用して利益を得ろうとする輩でしょ?もうそういうのお断りしてるんで」

 

 

 

「ーーへへッ、中々相手の事わぁってるお客さんのようでぇ?」

 

 

 

「江戸前みたいだな…」

 

 

 

「ハハハ!なら、シンプルに要求だ…ーー私達に協力しろ、外来人」

 

 

 

 

 

「じゃなきゃここで死ぬことになるぜ?」

 

 

 

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