二人の転生者を継ぐもの   作:ぺへ

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弐話

「おい、花梨!てめぇ、コカビエルは捕獲しろって言ったろ!突然、生首なんか送りやがって!!つか、グレモリー眷属とやり合ったってのはどうゆう事だ!?」

 

「知らん。私の『分身』が勝手にやった事よ。・・・しかしあれがグレモリー眷属とは。つまらん。」

 

「つか、てめぇは今何処にいんだ!とっとと帰って来い!」

 

「無理な相談ね。」

 

そう言って花梨は電話を切り着信拒否にする。そして目の前の血塗れで倒れている青年達を見る。聖なる槍を離さない青年を見据えながら踏みつける。

 

「あぐっ・・・。」

 

「あれほど息巻いていた割には大した事も無いのね。これなら、『弟』の方がまだ耐えるわ。」

 

新しい力を試す前に終わった戦闘。なんてつまらない。なんと退屈か。とりあえず青年の肋骨を踏みつけで折りその場を去った。

 

 

 

「チッ・・・。また、着信拒否にしやがったな。あのバカ・・・」

 

俺は携帯を投げベットで横になる。全く、何処で育て方を間違えたんだか。

 

「『柱間』に『マダラ』め・・・。難儀なもん、残しやがって・・・」

 

千住柱間とうちはマダラ。この二人に勝てる奴なんざ、神を含めてもそうは居ないだろう。間違いなく、人間としての力を逸脱し過ぎている化け物。

 

「ったく・・・。とりあえずアイツが戻ってこないと仕事も頼めねぇしなぁ・・・。全く、アイツ然りヴァーリ然り・・・。ムズすぎるだろ、ガキの子守り。」

 

こんな時は飲むしかねぇ!と気を紛らわす為に意気揚々と酒を取りに向かうもその全てが消えていた。絶対に見つからないと思っていた隠し場所には一枚のメモのみで、その字が花梨のものである事は明白だった。

 

そんな事から数日、花梨は森を抜ける為に歩いていた。目的の場所までそう遠くは無い。そう思いながら歩いているが、先程から複数に付けられている。

 

こうまで尾行が下手なヤツは居ないと思いはするが、何もしないのであれば放置するのが花梨だ。

 

やがて追跡者と共に森を抜け自然の滝が流れる場所へ辿り着く。

 

花梨の中からは歓喜が溢れてくる。しかし追跡者はそこで攻撃を仕掛けてきた。

 

接近戦に余程自信があったのだろうが、花梨からしてみれば拙いと一蹴するレベル。手首を掴み互いに同士討ちさせる。

 

「この装備・・・。なるほど、教会の犬共ね。」

 

ガサリと茂みから続々と人が現れる。全員が武装し殺意を募らせている。

 

「フフッ・・・今の私は機嫌がいいの。新しい術を試してあげる。」

 

写輪眼の勾玉が六角形の星形に変化し、やがて蒼いオーラが形となる。それはまるで人の背骨だ。襲撃者は臆しながらも攻撃を加える。

 

しかし、傷どころかかすり傷一つ付かない。しかも体の動きがいつもと全く違う。五感が機能するまでに数十秒も時間を要する。

 

「くっ・・・これが万華鏡の能力か・・・!なら、右眼はどうかしら・・・!!」

 

瞬間、教会の戦士たちは意識がそこで途切れた。最後に見た光景は左眼を抑えながらも恍惚とした表情を見せる花梨の姿だ。

 

「・・・なるほど。右眼は『自身の時間を加速』し、左眼は『相手の時間を遅延させる』か・・・。いえ、時間と言うよりは感覚と言った方が合っているわね。」

 

花梨は瞼を痙攣させつつ、痛みに耐える。

 

しかしながら、花梨は能力が外れたとも考える。同程度の相手なら使えばするものの、格上なら全く役に立たない能力だと。

 

どちらも相手へ見せる程度の低い幻術。いくら格好よく言ったところで役に立たなければ意味が無い。花梨はそう考えた。

 

万華鏡写輪眼を元の黒目に戻し、滝へと振り返る。そして自身に宿る神器『記憶する図書館(メモリー・オブ・ライブラリー)』へと接続し滝を見据える。

 

この神器は「その場所の過去を見破る」効果を得ており、その場所で起きた過去を録画の様に見る事が出き尚且つ保存出来る。

 

しかし、戦闘向きでは無い上に保存する事の出来る情報にも5つと限りがある為、下位の神器として良く扱われる。

 

しかし、花梨は目に焼き付けるように見た。父である『千住柱間』と母である『うちはマダラ』の激しい戦いを。

 

周辺の地図を書き換える程の攻撃を仕掛けその地に宿る精霊達を道連れにしながら命を懸けて戦う二人の姿を眼に焼き付けた。

 

「ようやく・・・っ!ようやく見えた・・・っ!!」

 

写真でしか見た事の無かった両親。これに涙しない者などいるはずも無い。

 

それと同時に花梨は闘争を愛し求める。二人の戦いは正しく神をも滅ぼせるかもしれないと思わせる。それほどの戦いだ。そして最後は二人とも笑いながら、それでいて何かを憂う様に死んで行った。

 

しばらく立ち尽くしていた花梨だったが、来た道を戻る。その背中は何かを決心した強い背中だった。

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