ソロモンに咲いた桜   作:ユウ・ベルフ

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1話 

宇宙世紀0079、1月3日。

俗にいうジオン独立戦争…、1年戦争が始まった。我らがジオンが独立を果たすため、地球連邦軍に対して宣戦布告をおこなって、くそったれな戦争が始まっちまった。俺はひとりのパイロットとして、ジオンの軍人として戦友たちと戦った。そして生き残った。生き残っちまった。

俺は誰だって?あぁ、俺は…、俺はナガト・ヨシノ。ジオンの人間で、パイロットとして戦った。しがないモビルスーツ乗りだ。そして大切な親友を守れなかったくそ野郎さ…。

…少しの間つきあってくれ。誰かに聞いてもらいてぇんだ。

 

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開戦前、艦隊では誰もが意気揚々としていた。将校から末端の兵士まで、全員だ。そりゃそうだ、なにせあの地球連邦のやつらに一泡吹かせれるからな。モビルスーツ ザク、ジオンが開発した高さ20メートル前後の有人操縦式の人型機動兵器。ミノフスキー粒子散布下での戦闘を可能にした新型兵器で、開発された一つ目の機械の巨人。誰もがこいつの存在を心強く思っていた。なにせ戦闘機なんて比じゃねぇ。戦艦だって容易に沈められる、とんでもねぇ兵器だ。すげぇだろ?物量で負けてる俺たちの起死回生の頼みの綱ってやつだ。だが俺はこの兵器を使って戦う…、人を殺すんだ。そう思ったら震えが止まらなかった。俺は争いごとが好きじゃない。ただ地球連邦のやり方が許せなかった。そして幼少期からの幼馴染たちが戦うんだ。二人だけ戦場にいて俺だけ本国でのほほんとしてるなんて、そんなマネできなかった。だから軍人になった。俺の初陣は、ブリティッシュ作戦の日…。コロニー落としのときだった。コロニーを質量爆弾にして連邦軍の総司令部ジャブローに叩き落とす。そんな馬鹿げた作戦が初陣だ。周りのやつはジャブローにコロニーを落としゃあ勝てると思ってやがった。不確定要素が多い作戦で、どれだけの人間が死んでるかもわからんこんな作戦の博打に賭けなくちゃならないほど、連邦とジオンの戦力差は歴然だった。少なくとも開戦当初は連邦はモビルスーツの開発に遅れていたからジオンの優勢だった。まぁ結果は知っての通り、落とすことには成功。だけど落ちた先はジャブローなんかじゃねえ。オーストラリアのシドニー、全く関係ねぇところに落ちちまった。関係ない地球の人たちが大勢死んじまった。あとから聞いた話だがあの落ちたコロニー、アイランドイフィッシュには2000万人の民間人がいて、その人たちを毒ガスで虐殺したあとで質量爆弾として使った。しかもその作戦を行なったのは訓練兵時代の教官で、師匠で、恩人でもあるシーマ・ガラハウ教官だった。俺はそれを聞いたとき耳を疑ったさ、あの人がそんなのとするはずがないって。そしてキシリア閣下と軍上層部に激しい嫌悪感を抱いたのを覚えている。なにせシーマ教官に汚れ仕事をさせたんだ。俺の恩人に。突撃機動軍海兵隊所属でその上司はキシリア閣下だった。同じコロニーの同胞を虐殺し、それを地球に落とす…、それを計画だけじゃなくて実行に移すなんて作戦を立案して命じたやつは少なくともまともじゃない、そう思った。

 

まぁ、そんなクソみたいなことが起きてるとは知らず俺は無数のビームの砲弾が飛び交う中、一等兵としてザクⅡにのり戦場で戦った。

 

 

 

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