ソロモンに咲いた桜   作:ユウ・ベルフ

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以前の投稿からだいぶ空いてすみませんでした!!言い訳させていただきますとリアルが忙しかったのと、話をどう進めてくかなどを決めていたためです…。

大変お待たせいたしました、それでは本編どうぞ!


8話

9月下旬 ソロモン近海 暗礁宙域

 

暗礁宙域に散らばる岩々の間を黒と灰色、左胸に桃色の塗装がされたザクが合間を縫って飛んでいく。

 

先日の補給時の襲撃でファルメルと別れた俺はシーマ艦隊リリー・マルレーンとともにソロモンに帰還し、ザクの修復を終えた俺は慣らし運転を兼ねて単機哨戒任務に就いていた。

 

「いい調子だ、さすが姐さんたちだな。」

 

スラスターを吹かし暗礁宙域を速度を上げて飛んでいく。機体の修復期間中、俺はソロモン司令部から休暇を言い渡されていた。あの時のドズル閣下からの命令は新型モビルスーツの撃破もしくは鹵獲であったが、戦闘データを提出し見てもらったらお咎めなしだった。休暇中、特にすることもなく久々の休暇を満喫しきっている間に連邦の新型艦はルナツーに逃げ込み、特殊部隊が潜入するも撃退されて地球に逃げられた。その間シャア少佐の部隊が追っていたようだが間に合わなかったようだ。まぁ、あの新型艦なら仕方ないとも言えるだろう。ちなみに帰還したらスパナを持った姐さんに機体を半壊させて無理をしたことについて正座で半日ほどコンコンと説教されました。ハイ。

 

「ナガト大尉、こちらソロモンコントロール。そろそろ帰投してください。」

「ソロモンコントロール、こちらナガト。コピー、RTB。」

 

「ナガト、機体の調子はどうだ?」

「いい感じだよ」

 

機体を反転させドズル親衛隊のドックに機体を進めるとドックまで半分の距離で純白の高機動型ザクと左肩のスパイクアーマーと左胸を白く塗装したザクⅡS型2機が左から合流する。

 

ドズル親衛隊第203特務戦闘部隊、シンが隊長を務めるMS部隊でソロモンの要のひとつと言えるだろう。2番機、3番機の腕はエース級であり、人格などもシンの部下としても申し分ない。2番機を務めるはソロモンのパイロットの中で上位に入る女性パイロット、コゼット・ニール中尉。3番機は士官学校からの友であり、腕を着々と上げているアルト・ハインリヒ少尉。2人とも歳は若いがかなり場数を踏んでおり、俺とシンが直接訓練をつけているのでそう簡単に落とせるようなパイロットではない。

 

「ナガト大尉、また摸擬戦と教導、お願いします」

「俺もお願いします。」

「俺もお願いしよう」

 

「まえ二人はいいが、シン、お前はダメだ。」

 

「「ありがとうございます!」」

「なぜだ!!」

「コゼット中尉やアルト少尉は実戦経験がすくないから徹底的にしごくが貴様は教える側だろうが!」

「たまにはいいだろう!」

「いやだ!3対1では俺に不利すぎるだろう!ましてやこの間それでやったら2人の訓練にならなかっただろうが!」

「うっ…」

「ソロモンコントロール、こちらナガト。着陸許可を求む。」

「こちらソロモンコントロール、ナガト大尉、マツナガ隊の着陸を許可する。5番ゲートからアプローチ、第3格納庫へ」

「こちらナガト、了解した。マツナガ隊を先導しアプローチ、第3格納庫へ向かう」

「マツナガ隊了解した。ナガト大尉についていく」

 

5番ゲートに機体を侵入させ第3格納庫に機体を進ませ誘導員の指示に従い駐機すると整備兵のアルハイゼンがやってきてコックピットハッチを開けてこちらを覗く

 

「おかえりなさい大尉」

 

「ただいま、こいつを頼んでいいか?」

 

「はっ、お任せください。完璧に仕上げます」

 

「頼む、休憩したらまた来るよ」

 

コックピットから出てアルハイゼンの肩に手をのせ頼んだあと下に降りるとシン達が待っていた

 

 

「ナガト」

 

「シン、待たせた」

 

「気にするな。着替えて飯を食べに行こう」

 

「おう」

 

4人はそれぞれ着替えてパイロットスーツから軍服に着替えると食堂に集合し、それぞれ軽食を注文する。シンはおにぎりと唐揚げ、卵焼きのセットにお茶、コゼットはホットサンドとカフェオレ、アルトはブリトーとコーラ、俺はハンバーガーのセットとジンジャーエール。それぞれ自分の食べたいものを同じテーブルで食べる。

 

「今日はハンバーガーなんですねナガト大尉」

 

コゼット中尉が珍しそうにこちらを見てくる。それもそうだ、基本軽食はおにぎりセットを頼む。

 

「今日はジャンキーなものが食べたくてね」

 

「珍しいな、なにかあったか?」

 

アルトが聞いてくる

 

「なぁに、昨日ハンバーガーを食べてる兵士を見てな?明日は絶対ハンバーガーを食べるんだ!って決めたのさ」

 

馬鹿正直に答えると3人は声を出して笑う。

 

「しかし、最近は連邦もセイバーフィッシュやモビルポッドだけではなくモビルスーツも極小数ですが威力偵察に現れるようになりましたね」

 

コゼットが真面目な顔をしていきなり切り出すとアルトがそれに答える

 

「確かに、動きはまちまちだし簡単に落とせるが連邦の事だ。大量に生産して来るに違いない」

 

「あの新型モビルスーツみたいに硬くないだけまだマシだよ、戦場に出た時にトリコロールカラーの2つ目のモビルスーツには特に気をつけろ」

 

「了解です」

 

「分かった」

 

「気をつけよう」

 

その後雑談をしながら軽食を食べ終え、整備班への差し入れとザクを頼んだ兵士用に飲み物を用意してモビルスーツハンガーに戻るとほとんど整備が終わっていた。

 

「ナガト大尉」

 

「お疲れ様。こっちが整備班に、こっちは君にだ」

 

差し入れを手渡すと

 

「ありがとうございます、姐さんに渡してみんなに配ってもらいますね。あ、こっちは持っててください。姐さんに怒られちまう」

 

整備班用の差し入れを先に渡すとアルハイゼンは床を蹴ってコゼットのザクの頭部の整備をしている姐さんに差し入れを渡して戻ってきた。その間に姐さんは

 

「あんたら!休憩だ!!ナガトが差し入れを持ってきてくれたよ!!」

 

姐さんの一声で整備音が響き渡っていたハンガーが静まり、わらわらと姐さんのところに整備兵が集まり俺と姐さんに口々に感謝を言いながら差し入れを受け取り休憩にはいっていく

 

「ありがとうございます、大尉」

 

「気にするな、こちらこそありがとう。私は整備はからっきしだからね」

 

「大尉達が出撃している時は僕たちは何もできませんから、今が働く時なんです」

 

「君たちが整備班として整備してくれるから安心して戦えている、整備班の皆には頭が上がらんよ」

 

「そう言っていただけると我々ももっと頑張れます。話は変わりますが、MS-06ザクⅡF型の改修型が開発されているのはご存知ですか?」

 

「なんだそれは、初めて聞いたが。」

 

「汎用性の高いF型ではありますが、胸部装甲が薄く、F型とJ型の実戦データから更なる改良と統合整備計画による規格統一の目的で開発しています。もちろん我がソロモンでも開発中なのですが、テストパイロットにまで回せる人員がいなくて…。」

 

「ならそのザクのテストパイロットは私が引き受けよう。なに、グラナダでテストパイロットの経験はあるし実戦経験のある人間の方が良い機体を作れるだろう?」

 

「ほんとですか?なら大尉にお願いしたいです!早速ドズル閣下に具申してきます!」

 

「おう、行ってこい」

 

言うやいなやアルハイゼンは姐さんに話をつけ、姐さんとともにドズル閣下の執務室に向かっていった

 

ミヤビ、アルハイゼンsaid

 

「姐さん!ナガト大尉がテストパイロットを引き受けてくださるそうです!!」

 

「なに?!なら話は早い!ドズル閣下に直談判しに行くよ!」

 

「はい!」

 

2人は急いでドズル閣下の執務室に行き、部屋の扉をノックした。

 

「ミヤビ・ビルヘルム・エムデン技術少佐、アルハイゼン軍曹、入ります」

 

「入れ」

 

重厚な扉からドズル閣下の声が聞こえるとできるだけ丁寧に、しかし勢いよく扉を開けて

 

「失礼します」

 

ドズル閣下に敬礼するとドズル閣下の答礼を受け、ドズル閣下の体に合うサイズの机の前に立ち今日来た経緯を話す

 

「ドズル閣下、F型の改修型開発のテストパイロットが決まりました」

 

「なに?」

 

「ナガト・ヨシノ大尉であります」

 

「ナガトが?」

 

「はい、テストパイロットの件を話したところ、ドズル親衛隊の中で程よく自由がきき、テストパイロットとしての経験と実戦経験の豊富なパイロットとして名乗りを上げてくれました」

 

「そうか…、ナガトならやってくれるであろう。わかった、ナガト・ヨシノ大尉をF型改修型のテストパイロットとして起用、開発に着手せよ!」

 

「はっ!」

 

2人はドズルに敬礼、執務室を後にし急いでハンガーに戻るとF型の改修型の開発に取り掛かる。

 

ジオン本国の技術本部からある程度の開発データなどは受け取っているためそれに改良を加えながらの開発となった。

ソロモンのザクのほとんどはF型であるためこの改修が上手く行けばソロモンで建造しているザクを改修型に入れ替え、既存のF型は全機改修する予定であった。

 

早速既存のF型に胸部装甲を増加し一通りの戦闘を行うも問題が生じた。それは機動性の低下である。

 

胸部装甲を増やしパイロットの生存確率が上がる反面、機体重量の増加によりそのままだと機動性が落ちることが判明、脚部のスラスターの数を両足にひとつずつ増やし、再度試験を実施した。

 

結果は成功と言えるだろう。F型、J型のデータからソフトウェアを地上、宇宙両方で使用可能としたものを開発。エースと呼ばれるパイロット達や熟練のパイロットには満足させれる機動性では無いが、一般のパイロットや新人パイロットにはとても喜ばれた機体となった。

 

ドズル 執務室

 

ドズルとナガトがテーブルを挟み向かい合う形でソファーに座っている。

 

「よもやこんなにも早く開発が完了するとはな」

 

「整備班や技術班の腕が良かったからでしょう。」

 

「貴様がテストパイロットを行なっていたと聞いたぞ?」

 

「私は特段何もしていませんよ。RN型の時よりは何も。改修中の機体で実戦に出てそのままその情報をフィードバックして技術班にありのままを伝えてそれを踏まえた改修をしてもらって、それを何度も繰り返してやりました。なにぶん親衛隊の業務と並行して行なっていましたから、常に実戦データを取れていたのが強みでしたね」

 

「そうか、よくやった。現在改修したザクⅡF型をFⅡ型として運用、建造中のザクⅡも全てFⅡ型に改装し現在建造中のものの後のものはFⅡ型を生産する形になっている。」

 

「これで大切なパイロットの生還率が少しは上がったでしょうか?」

 

「上がったさ、確実にな」

 

少しの間雑談をしているといきなり扉が開かれる

 

「ドズル閣下!!」

 

「何事だ?ラコックよ」

 

鬼気迫る顔でラコック大佐が執務室の扉を開いたがドズル閣下の顔を見ると鬼気迫る顔からとても言いずらそうな顔に変わる

 

「それが…、ガルマ様が…。」

 

「ガルマがどうした?」

 

「ガルマ様が…、戦死…なされました…。」

 

「なんだと?!」

 

「連邦軍の新型と交戦し、ガウ攻撃空母にて特攻を仕掛け…。」

 

「なんと…なんということだ…」

0079年 10月4日

 

地球攻撃軍 司令 ガルマ・ザビの戦死がジオン軍並びにジオン公国を震撼させ、デキン公王は持っていた杖を落としたと言われている。ドズル閣下は怒り、仇討ち部隊の編成をラコック大佐に命じ、ナガトを含めたドズル親衛隊の数名と共にムサイ3隻で直ぐにサイドⅢに向かった。

 

 




FⅡ型の開発が成功したと思ったら、唐突のガルマの死。いやぁ、どうなるんでしょうねぇ…。それでは次回もお楽しみに!
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