ソロモンに咲いた桜   作:ユウ・ベルフ

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大変長らくお待たせしましたm(_ _)m


9話

10月5日 サイドⅢ

 

ドズルsaid

ガルマが死んだ。ラコックから知らされた唐突のガルマの死。あいつほどの男なら俺を使ってみせるぐらいの軍人になったというのに、連邦軍の新型艦とモビルスーツと戦い、死んだ。ガルマの死を弔うために俺は本国に向けて出発し、到着していた。

 

「ドズル、久しいな」

 

「姉上、久しぶりだな」

 

父上の玉座に向かう途中でキシリアと出会い一緒に向かう。道中会話はなかったが、姉上も俺と同じ気持ちだろう。玉座に着くまで会話はなく、姉上は終始顔は険しいままだった。俺も同じく険しいままであろう。

 

「すまない父上、遅くなった」

 

玉座に入ると父上が玉座に深く腰をかけ目を瞑っており、ガルマの死は父上に深い傷を負っているのだろう。そして既に兄貴が来ていた。

 

「早かったな2人とも」

 

父上が目を開けて俺たちを見て声をかけるが声には覇気が篭っていない。

 

「残念です、あのガルマが連邦の新型モビルスーツの前に敗れるなど」

 

「兄貴、俺はまだ信じられん!今でもあいつはひょっこり顔を出すんじゃないかと…」

 

「過去を思ってみても戦いには勝てんぞ?ドズル」

 

「ぬぅ…、しかし、あやつこそ…。ガルマこそ、この俺を使いこなしてくれる将軍にもなろうと…!」

 

俺は悔しくて堪らなかった、可愛い弟が、あのガルマが死んだことは受け入れ難いのだ…。だと言うのになぜ兄貴はこうも冷静なのだ…。

 

「あぁ、ドズルの言う通りだ。だからだ、ギレン。静かに、丁重にガルマの冥福を祈ってやってはくれまいか?」

 

父上は、兄貴の目を見て静かに、しかし力ずよく訴えかける。兄貴は無言のまま一礼し部屋を後にした。

 

「ドズル、キシリアよ」

 

父上は静かに俺たちに声をかける。

 

「なんだ?父上」

 

「どうしましたか父上」

 

「お前たちはガルマの冥福を静かに祈ってやってくれ」

 

「あぁ分かった、父上」

 

「分かりました」

 

その後は部屋を出てシン、ナガトたちの元に向かった。

 

ナガトsaid

俺はドズル閣下護衛のため、俺とシン、コゼット、アルト、マイヤーと共にサイドⅢのズムシティに来ていた。ズムシティのフロアでドズル閣下が戻ってくるのを待つ。

 

…ガルマ様が亡くなった、連邦の新型モビルスーツと木馬と交戦、特攻を仕掛け戦死なされた。あの方は死ぬにはまだ早すぎる。まだ20歳、これからジオンを背負って立つ方だった。だというのに…、これは戦争だ。それは分かる、だが、あまりにも…。

 

「ガルマ様…。」

 

向かいのソファーに座るシンが険しい顔とともにボソッと呟く。その姿は哀しみに染まっていた。シンはガルマ様との交流があり、ドズル閣下と同じくガルマ様を弟のように面倒を見ていた時がある。それ故にガルマ様の死はこたえているのだろう、そんな自分の隊長の姿に、コゼットもアルトも口数は少ない。マイヤーは戸惑った顔を隠せていない。それはそうだろう、士官学校から戻ってきていきなりドズル親衛隊としてサイドⅢに来たら、久々に会ったシンがこんな表情で調子なのだから、困惑もしよう。

 

「マイヤー少尉、アルト少尉。正面玄関に車をまわしておいてくれ」

 

「了解です」

 

「了解しました」

 

そろそろドズル閣下が戻る頃だろう、俺くらいはしゃんとしないとロクな事にならん。かくいう俺もガルマ様とは幼い頃何度も一緒に遊んだ、純粋で真っ直ぐなお方だった。どうかガルマ様が安らかに眠れるように祈ろう。しかし、なんだか監視されてるみたいだ。何人かの明らかに怪しい奴らがこちらをちらちら見ている、変態どもめ。周りのよく分からない奴らに目を光らせていると、

 

「待たせたな」

 

「いえ閣下、お気になさらず。キシリア閣下、ご無沙汰しております」

 

ドズル閣下がキシリア閣下とともにフロアに来た。お2人とも顔は険しい、それもそうだろう。

 

「久しいな、ナガト大尉。話したいこともあるが忙しいのでな、これで失礼するよ。ドズル、またな」

 

「あぁ、姉上」

 

そういうとキシリア閣下は同じフロアにいた側近と思われる兵士とともに玄関から出ていくのを見送る。

 

「さて、我々も行くか」

 

「はっ」

 

ドズル閣下を中心に、右斜め前を俺、左斜め前をシン、後ろをコゼットで囲み周囲に目を光らせながら出口に向かう。入口にはマイヤーとアルトが車を停め待機していた。マイヤーの運転する車にドズル閣下を乗せ、ドズル閣下の隣にシンが乗りこむ。コゼットと俺は後ろに停まっているアルトが運転する車に乗り込みズムシティを後にする。

 

10月6日サイド3・1番地

 

ガルマ・ザビの死を惜しむジオン国民が会場に集まっていた。哀しみに暮れるジオン国民たちの参列者の前にはジオン軍人達が綺麗に整列し、ガルマ・ザビの遺影を見つめていた。その列の中に、ドズル親衛隊であるナガト、シン、コゼット、アルト、マイヤーの姿があった。そして同日、ドズル中将の命の元、仇討ち隊として編成されたランバ・ラル大尉を指揮官とした部隊が先行量産のグフを受領し地球に降下した。

 

葬儀が始まり、暫くするとギレン・ザビの演説が始まる。演説が始まると同時にカメラがまわりはじめる

 

「我々は一人の英雄を失った、しかしこれは敗北を意味するものか?否!始まりなのだ!」

 

「地球連邦に比べ我がジオンの国力は30分の1以下である。にもかかわらず、今日まで戦い抜いてこられたのはなぜか?」

 

「諸君、我がジオン公国の戦争目的が正しいからだ」

 

「1握りのエリートが宇宙にまで膨れ上がった地球連邦を支配して50余年、宇宙に住む我々が自由を要求して何度、連邦に踏みにじまれたかを思いおこすがいい。」

 

「ジオン公国の掲げる人類一人一人の自由の為の戦いを神が見捨てる訳はない。」

 

「私の弟、諸君らが愛してくれたガルマ・ザビは死んだ。なぜだ!?」

 

「戦いはやや落ち着いた。諸君らはこの戦争を対岸の火と見過ごしているのではないだろうか?」

 

「だが、それは罪深い過ちである。地球連邦は聖なる唯一の地球をけがして生き残ろうとしている。」

 

「我々はその愚かしさを地球連邦のエリートどもに教えねばならんのだ。ガルマは、諸君らの甘い考えを目覚めさせる為に死んだ。」

 

「戦いはこれからである。我々の軍備はますます整いつつある。地球連邦軍とてこのままではあるまい。」

 

「諸君の父も兄も、連邦の無思慮な抵抗の前に死んでいったのだ。この悲しみも怒りも忘れてはならない。」

 

「それをガルマは死をもって我々に示してくれたのだ。我々は今、この怒りを結集し、連邦軍に叩きつけて真の勝利を得ることができる。」

 

「この勝利こそ、戦死者全ての最大の慰めとなる。」

 

「国民よ立て。悲しみを怒りに変えて、立てよ国民よ!!ジオンは諸君らの力を欲しているのだ!」

 

「ジーーーク・ジオン!!!」

 

ジーク・ジオン!

ジーク・ジオン!ジーク・ジオン!

ジーク・ジオン!ジーク・ジオン!ジーーーーーク・ジオン!!

 

会場にいた軍人、民間人を問わず大勢の人がジーク・ジオンと声を上げる。その中でジッとギレン・ザビを静かに睨む者が2名。シン・マツナガとナガト・ヨシノの2名である。葬儀が終わり、ドズル中将以下葬儀に参加した者たちはソロモンへの帰路に着く。

 

ソロモンを狙う連邦の魔の手が近づいているのを知らずに。

 

 

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