【完結】デカグラマトンハンターX   作:塊ロック

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奇跡の逆転!Aトランス!

 

氷のオブジェだったものは、炸裂弾によりただのガラクタの山に成り下がった。

 

「助かったよ、ミモリ」

 

百鬼夜行の生徒たちが勝利の雄たけびを上げる中、エックスはミモリにそう声をかけた。

 

「いえ……結局、エックスさんが傷付きました」

「良いんだ。俺はいくら傷付いても立ち上がることができる。君たちに一生ものの傷が付くほうが……俺は耐えられない」

『……エックス、その』

 

ヴィアが申し訳なさそうに声をかけてくる。

 

『すまない……まさか、効果が無いとは……』

『……私も、これほど自分の無力を呪ったことは……ありません』

 

ヒマリが、絞り出すように呻いた。

 

『……エックスさん……百鬼夜行の、桜は……』

 

停止プログラムを打ち込む相手が破壊されてしまった。

これでは……百鬼夜行に散らばるナノマシンを止める術は無くなってしまった。

 

「……ヴィア、大丈夫だ。ここにある」

 

エックスは自身の胸を叩く。

……未だ、グライドアーマーを纏ったまま。

 

『……まさか!』

「そうさ!Aトランス!」

 

エックスの胸のコアが光を放つ。

エックスのシルエットが少しずつ変わる。

 

『なん、ですか……これは……』

 

アロナが、呆然と呟く。

手足は細く、触手のように。

脚は鋭く、ドリルの様に。

 

『これがアクセルの力……Aトランス!』

 

エックスの姿は、先ほど撃破したノービル·マンドラゴそのものになっていた。

この変化に周りに居た百鬼夜行の生徒たちはぎょっとする。

 

「ま、待ってください……!この人はエックスさんです!撃たないでください!!」

 

ミモリが慌ててエックスの前で叫んだ。

敵意が引いて、内心エックスはホッとする。

 

「えっと……エックスさん?どうするつもりですか……?」

「コイツの力と、停止プログラムを使うのさ」

 

エックスは細い手でなんとかアクセルバレットを持つ。

 

「この手じゃ撃てないな……ミモリ」

「は、はい……!」

 

ミモリにアクセルバレットを手渡す。

 

「えっ、え?!な、何で……」

「俺を撃ってくれ」

「で、出来ません……!」

「大丈夫だ。俺にダメージは無いから」

「で、でも……!」

「頼む。ミモリが頼りだ」

「……わかり、ました」

 

ミモリが震える手でアクセルバレットを構える。

 

「ありがとう」

 

ミモリがきゅっと目を閉じる。

そして、発砲音。

 

「よし……!」

『プログラム、起動確認!』

『エックスさん……』

「ヒマリ。君は凄いよ。こんなものを作り上げられて」

『ですが……向こうのほうが、一枚上手でした』

「なら……次は俺達が奴の上を行くんだ」

『出来る……でしょうか』

「出来るさ。だって君は……ミレニアムで唯一全知の称号を持つ天才ハッカーなんだろう?」

『……!ふふふっ……!そこまで言われて、まだ落ち込んでいたら全知の名折れ。ミレニアム最高の清楚系美少女、明星ヒマリ……次こそは勝利を!』

 

いつもの調子に戻ったヒマリに苦笑しつつ、エックスは意識を集中させる。

 

この百鬼夜行連合学院に散らばる無数のナノマシンを制御下に置く。

それら全てに停止の命令を送る。

 

そして……自壊。

 

「……き、キツい……!」

 

ここまでやって、流石にエックスも音を上げた。

 

「え、エックスさん……!?」

「ごめん……ミモリ……後を頼む……」

「そんな、エックスさん!?」

 

エネルギーを使い果たしたエックスは、変身を解いてその場に倒れた。

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「……どういうことですか、これは」

 

アロナが、不可解な物をみたかのように呟く。

 

「ハッ!残念だったな!今回は未知数に上を行かれたな」

「………………」

 

上機嫌で皮肉をぶつけるも、アロナは意に介さなかった。

 

「軌道修正が必要……かもしれないですね」

「オイオイ……今度は何する気だよ」

「このままでは……『あまねく奇跡の始発点』に辿り着けない可能性が出てきましたからね」

「ハッ!何をしたいのか分からないがひと言忠告しておくぞ。俺たちはディープログのゲームの管理人……ゲームに勝手に手を加えて別のものに作り変えるのはご法度だろ」

「それは、ご自身の経験談ですか?」

「………………」

 

今度は、ヴィアが黙ってしまった。

 

「あ、あのー……すみません……喧嘩は程々にしていただけませんか……?」

 

リコが、ものすごく勇気を振り絞ってこの場を収めた。

 

 

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