【完結】デカグラマトンハンターX   作:塊ロック

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不穏なる影……!

 

「エックスさん、またボロボロになって帰ってきたね」

 

ミレニアム、エンジニア部。

メンテナンスベッドに寝かされ、エックスはウタハに身体を診てもらっていた。

 

「毎度毎度すまないな、ウタハ」

「いやいや……私も中身を見せてもらってありがたいと思っているよ。エックスさんの身体はキヴォトス以上の神秘だからね」

「大袈裟な……」

「本当に興味深いよ。キヴォトスのあらゆる技術を上回る……神秘としか称することの出来ない構造。私も好奇心を抑えられないよ」

「ウタハなら、余計な事はしないと思ってるからな?」

「もちろん。そう言う約束だからね」

 

テキパキとシステムチェックをしていく。

既存の技術で置き換えられる損傷は直す。

……つまり、キヴォトスで直せない部分は……ずっとそのままだということ。

 

アビドスで一度全快したとはいえ……やはり、傷付いているせいで段々とガタついてきている。

 

「よし、これで終わりかな」

「いつも助かってる。ありがとう」

「どういたしまして」

 

エックスは、エンジニア部を後にした。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「おかえりなさい。如何でしたか?」

 

特異現象捜査部に戻ると、ヒマリが出迎えてくれた。

 

「問題はないよ。まだ動ける」

「……こちらにも、ウタハさんの診察結果は来ていますからね?」

「あー……」

「全く。肝心な事を話さないロボットというのも信じられないわ」

 

声が来た方を見やれば……奥に、リオが座っていた。

 

「まだ動ける。これが事実だ」

「分かっているわ。貴方がそう言う存在だというのもね」

「そうか」

 

お互いの溝は、未だ深い。

エックスもリオに苦手意識を抱いているし、リオはエックスの事を認めたがらない。

平行線である。

 

「二人とも。共に困難へ立ち向かうのですからそこまでにしてくださいな」

「「………………」」

 

ヒマリがリオの対面の位置へ戻る。

エックスも、資料の散らばるテーブルの前に立つ。

 

アビドス、トリニティ、ゲヘナ、百鬼夜行連合学院。

 

この4つの土地に現れたアインヘリヤル八闘士。

そして……デカグラマトン。

 

ここのところデカグラマトンの反応は出現せず、ずっとイレギュラーのみが出てきていた。

 

「イレギュラーとデカグラマトンの預言者を同時に攻略できていたとは言え……」

「……Dr.バイルによる攻勢が弱まっている、そう思わされるわ」

「奴はまだ……キヴォトスの支配を諦めていない。何かしらの準備をしている筈だ」

『その通りだ』

 

通信回線が開き、モニターにリコとヴィアが映し出される。

 

『かつて行われていたバイル主導の計画、ラグナロク作戦……それは八闘士を捨て駒にして時間を稼ぎ本命の準備だった。絶対に何かを企んでいるに違いない』

「ラグナロク作戦……」

 

未だ底の知れない相手。

エックスは、胸騒ぎを抑えられずには居られなかった。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「ぐ、ぬうううぅ!!」

 

キヴォトスのどこか。

そこで……1人のレプリロイドが、拘束され呻いていた。

 

「ふむ……洗脳が上手く作用せぬな」

「はぁ……はぁ……例え外道に落ちはしても……エックス様に、刃は……向けられぬ……!」

「強情な奴め。主の敵討ち、したくはないのか?」

「我が主、ファントム様は……己の身よりエックス様を優先せよと命令された……今度こそ、背くわけにはいかぬ……!」

 

テック·クラーケン。

かつて、ネオ・アルカディアの四天王、暗将ファントムの部下として人類を護っていたレプリロイドだった。

 

本来は主ファントムを討ったゼロを斃すため、バイルの配下として屈辱に甘んじ挑んできた。

 

だが……。

 

「手こずっているようですね、Dr.バイル」

「……ベアトリーチェ」

 

フラスコの老人の隣に立つ、燃えるような赤い肌の女性。

 

「このレプリロイドを使ううもりで?」

「そのつもりじゃったが……突然言うことを聞かなくなりおった」

「あの青いレプリロイドと関係が?」

「あるにはある……じゃがそんなもの洗脳次第で忘れさせられるが……思っていたより抵抗しよる」

 

クラーケンは、バイルへの抵抗を続けていた。

先の見えない……絶望の抵抗。

ゴールは見えない。

だが、3度目の死を迎えるだけ。

 

(エックス様に仇なすより、我が死を選ぶとも……!)

 

レプリロイドは自死する事が基本的に出来ない。

痺れを切らしたバイルが、クラーケンを破壊すれば……クラーケンの勝ちである。

 

 

しかし……。

 

「では……このレプリロイドをコアにして……例の預言者を動かすと言うのは?」

「何……?」

 

ベアトリーチェが、そんな事を言った。

 

「デカグラマトンの預言者たちは、デカグラマトンが存在を歪められオメガに組み込まれた時から大半が沈黙。ですが……コアにレプリロイドを使えば、貴方の技術で動かせるのでは?」

「……ククク……クーックックック……!流石だな、ベアトリーチェ!貴様と手を組んだことを心底幸運に思うぞ……!」

(申し訳ありません……ファントム様……エックス様……)

 

クラーケンの意識が落ちる。

彼の身体は、預言者に組み込まれ……エックスに仇なす存在として生まれ変わるだろう。

 

「さぁ起きろ!コクマーよ!」

 

バイルの声が、響いた。

 

 

 

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