「……オデュッセイア海洋高等学校?」
エックスは例によって例のごとく……カイザーPMC理事長に呼び出されていた。
「ああ、そうだ。そこで第35回PMC交流会があるそうだ」
「交流会……」
「言うなれば、PMCの社交会だな」
理事長がつまらなさそうに説明する。
「PMC同士の交流……と言えば聞こえは良いが、要は有事の際自身の会社で手に負えない案件を他社に丸投げするためのコネ作りだ」
「そういうのもあるのか……」
「今回は私が出席することになっている」
「理事長自らが、か」
「その間の護衛を貴様に任せる」
「俺を……?」
「非常にたちの悪いことに我がカイザーPMCの最強戦力は貴様だからな。他社に舐められんようどこもかなり強力な部隊、護衛を引き連れてくるだろう」
「なるほど」
「部隊編成は貴様に任せる」
「……俺に?」
「どうせ何かあれば1人で飛び出すに決まっている……貴様1人だけだとその間の私の護衛はどうなる」
「………………確かに」
「はぁ……頼んだぞ。要件は以上だ」
――――――――――
「まぁ、オデュッセイアに」
そのあと。
報告も兼ねて特異現象捜査部に戻り、事の些末をヒマリに話した。
エイミは引き続き調査、リオは不在だった。
『海洋高等学校……海の研究機関ということですか?』
百鬼夜行連合学院での戦闘中、電源を落とされ放置されたことに少し傷ついていたセレナードがヒマリに尋ねる。
「いえ、そういうわけではありません。学校が海の上……船上にあるのです」
「船上に?」
「こちらをご覧ください」
「これは……」
ヒマリが天井から吊るされた大型モニターに、旅客船の集団が映し出された。
「この旅客船が全て……学校なのか?」
「はい。海上を航行する学校、そのため情報が外部に漏れにくく中がどうなっているか分からないのが現状です」
『つまり……出るのも入るのも難しいこのロケーションで集まる、と』
「そうなるな。中々難しいミッションになりそうだ」
「最近、オデュッセイアの生徒会の手を離れた不良生徒が一隻を丸ごとカジノ船にしたという話も聞きますね」
「本当にキヴォトスはなんでもありなんだな……」
エックスはしみじみと噛みしめる。
この世界に来てから結構経ったが、未だに驚きに満ち溢れている。
「私からすれば……エックスさんの世界の方が驚きに溢れていますけどね」
『なるほど、隣の芝は青い……と言うやつですか』
「そうかな?」
「どうでしょう……?」
『……?』
セレナードが首を傾げる。
エックスとヒマリは釣られて笑った。
「そういうわけだから……暫く留守にする。オメガやデカグラマトンの反応が出たら遠慮なく呼んでくれ」
「分かりました。お気をつけて」