【完結】デカグラマトンハンターX   作:塊ロック

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エックスのお仕事!

 

「ようこそいらっしゃいました、カイザーPMCの皆様」

 

豪華客船に通され、外見に違わない内装の通路を案内されて歩く。

理事長と……その一歩後ろを、エックスが歩く。

 

本日のエックスの出で立ちは……なんと、スーツを着ていた。

腕や足のサイズの問題で服を着ることはなかったのだが……今回に限り、首から下をそれっぽく見せる技術で解決した。

そのため、いつもよりシルエットが細い。

 

……なお、要するにホログラムや光学迷彩の類なのでこの下は何時も通りである。

 

今回のエックスの仕事は、理事長の護衛。

部隊は控えさせてあるが……エックスは理事長の近くにいなくてはならない。

他のカイザーのメンバーは理事長秘書が1人。

今も理事長に予定を耳打ちしている。

 

(……こうして理事長と仕事をするのは初めてか)

 

理事長……要するに経営の責任者である。

現場担当のエックスとは本来別系統の人間であり関わることはまず無いのが基本だ。

 

だが、エックスは理事長からのヘッドハント就職で何かと暴走(エックスが)しがちなので対面報告を要求されているという基本とは全く言えないケースである。

 

(キヴォトスの生徒とは違う、合理と理性で動き利益を追求する……大人と子どもで、こんなにも違うんだな……)

 

生徒たちは、一見して無駄な事であろうと価値を見出し自らの全てを投げ売ってでも実現しようとする……いわば熱を持っている。

 

特に、エックスが基本的に籍を置いているミレニアムは顕著だ。

 

誰もが自ら掲げる目標に向けて全力で取り組んでいる。

 

(これが、世界のあり方なんだろうか)

 

ずっと戦ってきたエックスとしては……こうして日常を見せつけられて、思うことが無いわけではない。

 

(俺が目指している理想は……ここなのかな)

 

子ども達がやりたい事をする世界。

銃を持たない……というのはキヴォトスで前提として成り立たないのでここは気にしないことにする。

 

「何をボーっとしている。行くぞ」

「え?ああ」

「他の企業の前で不様な姿を晒すなよ。我が社の沽券に関わるからな」

「分かっているさ」

「フン……生徒さえ絡まなければ貴様はそれなりに仕事はする。心配することは無いがな」

「そうか」

 

エックスと理事長の前を、別の企業の代表がすれ違った。

……エックスは、思わず二度見してしまった。

 

何故なら……歩く男性の後ろを、見覚えのある少女が歩いていたから。

 

「……ノノミ?」

「えっ………………エックスさん……?」

 

エックスの呟きが耳に入ったのか、ノノミが立ち止まって振り返る。

 

「………………」

 

理事長は、思わず深いため息を吐いた。

 

 

 

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