【完結】デカグラマトンハンターX   作:塊ロック

110 / 130
申し訳ありません。
生活環境が変わったのとメンタルをやったこと、体調を崩したりと色々ありまして更新が遅くなりました……。


叛逆の男、散る!

戦闘が始まって暫くして。

 

ノノミは、窓の外を見ることしか出来なかった。

 

 

(エックスさん……)

 

エックスが負ける事は微塵も思っては居ない。

ただ、

 

(無茶は……しないでくださいよ……?)

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「ヤンマーオプション!」

 

エックスの周囲に、トンボ型メカニロイドが召喚される。

ミサイルの迎撃をそれに任せ、エックスはエイミ、ヒマリと共に走り出した。

 

氷原は拡がりつつある。

このまま客船を絡め取ってしまえば退路はいよいよ無くなるだろう。

 

「その前に……倒す!」

 

しかし、あの巨体をどう攻略すべきか。

 

「ここに来るまでに駆け足で分析してみましたが……やはり頭頂部にエネルギーが集中している箇所があります。叩くのは……そこかと」

 

ヒマリがライドチェイサーでエックスと同じ速度で並走する。

その背部にはエイミが乗っていた。

 

「登るしかないか……!」

『再度、新たな飛翔体来ます!』

「迎撃しろ!」

 

エックスの周辺を飛び回っていたメカニロイドが一斉に弾幕を張る。

これで走り続けられる。

 

『エックス!ライドチェイサーを送る!最高速度でぶち抜いてやれ!』

「了解!」

 

 

エックスがジャンプし、足元に転送されたライドチェイサーに跨る。

今回は、砂漠や氷原を走破するカスタマイズが成された別タイプの代物。

 

「バリウスか!」

『今度は壊すなよ!』

「確約は出来ないな!」

 

フルスロットル、コクマーを目指す。

途中にある氷柱はチャージショットで破砕。

 

コクマーが掌をこちらに向ける。

一瞬で巨大な氷の歯車が生成された。

 

「くっ……!」

「部長、避けて」

「わかっています!」

 

射出。

それも連続で。

お陰でヒマリ達と分断される……が。

 

「目指す場所は同じだ……!」

 

合流を信じる。

助けに行く時間すら惜しい。

 

「プラズマチャージショット!」

 

バスターの射程内。

エックスはすかさずアルティメットアーマーのバスターで射撃し始める。

 

コクマーの身体に次々とプラズマ球が打ち込まれていく。

 

プラズマチャージショットは着弾点で起爆するタイプのバスターであり、直撃と爆風の二段構えでダメージを与える強力な攻撃だ。

これまで、数々のメカニロイドやイレギュラーを屠ってきた……言わばエックスの切り札のひとつ。

 

コクマーの身体が揺れる。

頭がゆっくりとこちらを向いた。

 

「それで良い……!」

 

攻撃がエックスに集中すれば、ヒマリ達は無事に到達できる。

今は、一人じゃない。

 

(大丈夫だ)

 

自分に言い聞かせる様に心の中で唱える。

 

(今はヤツを倒すことだけを考えろ!)

 

弾幕を掻い潜り、コクマーのもとへ走る。

氷のミサイルは止まない。

エックスの巧みな操縦、ヤンマーオプションの援護が噛み合い進撃は止まらない。

 

そして、

 

「エイミ!」

「行くよ」

 

先に辿り着いたのは、ヒマリ達だった。

ヒマリのライドチェイサーは一次的に空を飛べるようで……気付けばコクマーの頭上へ移動していた。

 

そこからエイミが飛び降りる。

 

コクマーが気付き、迎撃しようとする。

エックスが、コクマーの腕に辿り着き、

 

「させるか!ノヴァストライク!」

 

跳躍。

そしてエネルギーを身に纏う光の鳥となってコクマーの側頭部を殴打する。

ミサイルが明後日の方向へ飛ぶ……が、エイミを狙い直す。

だが、それを迎撃するのはヒマリの役目だ。

 

「ヤンマーオプション!」

「行かせません……!」

 

エックスがヤンマーオプションをヒマリの周りへ移動させる。

ライドチェイサーからショットが放たれ、次々とミサイルを撃ち落とす。

 

そして……。

 

「これで……黙って!」

 

エイミが高度の落下から自身の銃のストックによる打撃を、コクマーの頭頂部に打ち付けた。

 

……巨体が、揺れる。

そして、ゆっくりと地に倒れ伏せた。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「……お見事、イレギュラーハンター」

 

客船の屋上から、事の始末を眺めていたカルレルはそう呟く。

 

「お前の勝ちだ」

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

エックスも遅れてコクマーの頭頂部に到達した。

 

「エイミ!大丈夫か?」

「平気」

 

いえーい、と言わんばかりにエイミがピースしている。

その姿に若干の脱力感を感じつつ、エックスはコクマーの頭頂部に居た人型に近付く。

 

それは、海洋生物をモチーフにされた……。

 

「レプリロイド……?!」

『ああ……こいつはテック·クラーケン……アインヘリヤル八闘士のひとりだ』

「どうしてこんな……」

「エ……ック……ス様……」

「えっ……?」

 

ぎぎぎ、と軋むような音をたてながら、クラーケンはエックスの方を見た。

慌ててエイミがショットガンを向ける。

それをエックスは手で制した。

 

「……ああ。俺がエックスだ」

「あ……なた……様に……刃を向けたご無礼……死を持っ……て償います……」

「何を言っている……!?」

「我が主の、仇を討つため……外道に身を落とした……結果が……これとは……」

『……エックス、クラーケンは元々……ネオアルカディアを守護する四天王の部下だった。だから本来は……未来のお前の部下なんだ』

「なんだって……」

「エックス様……お願い、です……我らの無念を……此奴も……バイルには従いたくなかった……」

「……そうか、コクマーも……キミも、バイルに逆らってこんな事に……」

「今……そちらに逝きます……ファントム、様……」

 

最期にそう呟き、クラーケンは動かなくなった。

 

「クラーケン……」

 

 

最期まで抗ったレプリロイドと預言者は、墓標のように佇んでいた。

 

 

 




VSイレギュラーコクマー、完。

これでアインヘリヤル八闘士を全撃破となりました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。