「えっと……」
エックスは、改めて少女と向き合った。
「私は……その、」
「……君は、どうしてここに?」
「えっと……依頼で」
「なるほど……キヴォトスの生徒はバイトで傭兵業もすると聞いている」
「そうそう。そんな感じ」
「それで、皆と言うのは?」
「私以外に三人居るの。はぐれちゃって」
「なるほど……探してあげたいが……」
ちらり、とエックスは周囲を見る。
こちらを襲ってくる訳ではないが……あちこちでスライムが蠢いている。
それに、この少女……服が少しボロボロになっているしスライムの破片がこびり付いている。
戦闘をしたのだろう。
(……バイルの研究所に行く依頼。この子たちは分かって受けたのだろうか)
エックスは思案する。
(ここに置いていくのは論外。エイミは別の道を見つけたのだろうか……)
「あのー……」
「ああごめん。とりあえず着いてきてくれ」
「……うん」
結局、エックスは彼女を置いていけず同行させることにした。
『エックス、どうする気だ』
「助ける」
『帰るまで面倒見るつもりか……?』
「全員見つけて、帰す」
『こんなとこではぐれてるんだ……最悪の事態は想定してるのか?』
「そんなこと……!」
『生命反応、4!』
「……生きてるさ」
『お前……エックス、帰りたくないのかよ』
「届く手は……伸ばしたい」
『へいへい……』
「えと……」
「ごめん、話は終わったよ。君の仲間を探そう」
「うん」
とりあえず研究所の調査をしなくては。
辺りをウロウロしつつ、何か手がかりになるものはないかと物色する。
その途中、スライムに埋もれていた緑髪の少女を引きずり出したり、ロッカーを開けるとマスクをした少女が中から転がり出てきた。
最終的に、リーダー格の少女ともなんとか合流出来た。
しかし……。
「……気を付けろ。」
そう言い残して4人は去っていった。
「………………」
最後の生命反応は……おそらくバイルだろう。
割れたガラスの先……巨大な預言者が鎮座していた。
「預言者……」
『アレは……ケセド。慈悲深き苦痛を持って断罪する裁定者』
アロナが久しぶりに口を開いた。
「ケセド……」
『元はこの生産工場のAIが預言者化した存在です。何やら……また存在が歪められている様ですね』
『ああ……レインボーデビルのデータが混ぜられている』
地響き。
工場の奥のシェルターが開き……中から大量のスライムが流れ出す。
流出が止まると、人の形を取り始め……球体のコアを覆うようなシルエットになる。
『エックス、こいつの外殻をバスターで削って、本体のコアに攻撃を通せば倒せるはずだ』
「……了解」
『手こずるなよ。このあとにオメガが控えてる』
「分かってるさ」