【完結】デカグラマトンハンターX   作:塊ロック

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VSレインボーデビルケセド!

 

「はぁっ!!」

 

先手必勝とばかりにケセドへチャージショットを放つ。

スライムに阻まれ、コアへ攻撃が届かない。

 

「なるほど……厄介だな……」

『攻撃、来ます!』

「くっ!」

 

エックスノ足元へ向けて、分離したスライムが四方八方から跳んでくる。

それをバスターで迎撃しつつ、物陰へ逃げ込む。

 

「こちらの攻撃は防がれるが、向こうの攻撃は無尽蔵に行ってくる……厄介だな」

 

こちらの攻撃が全く効いていない訳ではなく、バスターを撃ち込むと被弾箇所が大きく抉れるケースがあった。

つまり、

 

「奴の再生速度を上回りコアへ攻撃を入れる……!」

 

なるほど、シンプルな戦いだ。

だが、ケセドもじっとしているわけではなかった。

エックスを捕縛しようと腕を伸ばしたり、少しずつこちらへ歩いてくる。

 

「このっ……!」

 

しかし、現状エックスの通常火力では再生速度を上回れない。

後にオメガとバイルが控えている以上……無駄な消耗は減らしたい。

 

(だが……ここで勝てなければ、意味が無い……!)

 

温存し過ぎてここで敗北する。

あまりにも間抜けが過ぎる。

 

『エックス、バスターだけでは埒が明きません……!』

「分かってる、だが……!」

『一撃の破壊力に優れた特殊武器を使うのはどうでしょうか?』

「なるほど……燃費の悪い、使い勝手の良くない代物……!」

 

確かにある。

燃費があまりにも悪いため2、3発で弾切れする特殊武器……以前ノービル·マンドラゴとの前哨戦で使っていた。

 

「よし、行くぞ……っ!?」

 

違和感に気付く。

 

バスターの銃口に……スライムが詰まっていた。

 

「やられた……!?」

 

変形させようにも、動かない。

これでは暴発してしまう。

 

「しまっ……!?」

 

一瞬、気を取られた隙に……右足がスライムに絡め取られた。

動きが止まってしまう。

 

「ぐ、おっ……!?」

 

そして、スライムの塊である腕に掴まれる。

 

「く、くそ……!」

 

どういう理屈か、凄まじい腕力でミシミシとエックスのボディから悲鳴が上がる。

 

「が……!?」

『おいエックス!さっさと振りほどけ!』

「分かってる……!」

 

ギリギリと締め付けられている感覚から脱しようとした瞬間、

 

ボッ!と凄まじい音が鳴ったかと思えばエックスの体は宙に舞っていた。

 

「ぐっ……!?な、なんだ……!」

 

スライムがクッションとなり、床に叩きつけられずに済んだか。

なんとか纏わりつく粘液を振り払って立ち上がる。

 

すると、ケセドに向けて数発ロケットが撃ち込まれた。

 

「えっ……!?」

「ボサッとするな!」

 

エックスの後方から銃撃。

えぐれたケセドの身体の再生を遮るように2種類の弾幕が打ち込まれていた

 

「助かる……!」

 

エックスは素早くバスターをチャージする。

 

「ストックチャージショット!」

 

フルチャージ4発分を一気にケセドのコアに叩き付ける!

更に、先ほどの高威力の弾丸がコアに命中する。

 

「ミサキ!」

「分かってる」

 

近寄って来ようとするスライムは、ミサキと呼ばれたミサイルランチャーの爆発で寄ってこられない。

よく見ると、地面で延焼しているようだ。

 

コアにかなりのダメージを受けたケセドが2、3歩後退する。

無事な方の腕で露出したコアを庇う。

 

「なかなかタフだな」

「君達は……離脱したんじゃ……」

「退路が奴の身体の一部で塞がれていた。どの道倒さねば帰れない」

「……無茶するなよ」

「引き際は弁えてる筈だ……いつぞやの借り、帰す時が来たか」

 

最後の呟きは、エックスの耳には聞こえなかった。

 

ケセドが狙撃によってもがれた腕を再生する。

 

「重い一撃は加えた!あと少しだ!」

『エックス、ケセドの結合が不安定になってるぞ!足元を狙え!』

 

ヴィアに言われた通り、左足が何やら泡立っているのが見えた。

 

「皆、奴の左足が脆そうだ」

「なるほど……」

 

黒髪にキャップを被る少女がリーダー格のようだ。

先ほどのフードの少女は再び仮面を被っている。

 

二人はケセドの左足に向けて突撃する。

エックスは二人を援護する為に特殊武器を選択した。

 

「スピンホイール!」

 

地を這うスライムはスピンホイールで蹴散らし、空から落ちてくるスライムを、

 

「トライアードサンダー!」

 

トライアードサンダーによる電撃のバリアで防ぐ。

既に二人は左足に取り付いて攻撃を行なっている。

ならば、エックスは陽動を行うまで。

 

「ライジングファイア!」

 

先ほどのロケットランチャーによる熱が効いているのはセレナードが分析済み。

ならば、と右腕をもぐ為に炎属性の特殊武器で攻撃する。

 

右腕を吹き飛ばすことに成功。

そして、狙撃が飛んできて二人が攻撃を加えていた右足が爆ぜた。

ケセドがバランスを崩して斃れる。

 

「集中砲火!」

 

キャップの少女が告げる。

四人がコアへと集中砲火。

どんどんスライムが崩れていき……本体が露出する。

 

「ゼットセイバー!」

 

エックスがゼットセイバーを抜き放つ。

 

「うおおおおおっ!!」

 

渾身の突きがケセドに突き刺さる。

派手なスパークを撒き散らし、しばらく痙攣する。

 

……そして、ケセドを覆っていたスライムが辺り一面に飛び散る。

 

剥き出しになったコアは、床に転がり……光を失った。

 

『やりました!レインボーデビルケセド、撃破ですぅ!』

「仕留めた……みたいだな」

 

ゼットセイバーの刃を消してしまう。

振り向いて……4人に改めて礼をいう。

 

「すまない、助かったよ」

「……気にするな」

「そう言えば……前に、トリニティで会ったね。ミカとは上手く行きそうかい?」

 

そうエックスが尋ねると……お互いに視線を向け合い……。

 

「ああ」

 

キャップの少女がそう答えた。

 

「そろそろ、脱出する。道も開いただろう」

 

周囲のスライムが溶けるように消えている。

どういう理屈か分からないが、おそらく他の施設のスライムも消えているだろう。

 

「俺は奥に用がある。気を付けて」

 

仮面の少女が、エックスに小さく手を振る。

エックスも振り返して見送った。

 

『時間を食っちまったな』

「ああ……だが、この先だ」

 

ケセドの残骸を退けて、ドアを開ける。

その瞬間、施設全体を地響きが襲った。

 

「今度はなんだ!?」

『巨大イレギュラー反応……!まさか、オメガが起動して……』

「クーックックック!!遅かったな、エックスよ!」

 

研究所の壁を二対の巨腕が破る。

瓦礫を避け、腕にバスターを撃つも弾かれた。

 

……そこには、オレンジ色に装甲が染まったオメガが立っていた。

 

「オメガ……!」

「エックス!キサマと遊んでいるヒマなどもう無い!ここで瓦礫に潰されて死ぬがいい!」

 

オメガの肩に乗るバイルが吠える。

そして、オメガが両腕を分離させ天井を破壊する。

……オメガの身体が、上昇する。

 

「くっ……待て!」

 

エックスが後を追おうとして……足元が突然爆発する。

 

「うわっ……!?まさか、施設を爆破する気か!?」

『至るところから高熱源……!』

『リコ!バイルを逃がすな!ディメンショナルエリアを!』

『エックスさんは!?』

『エックスさん』

 

慌てるリコとヴィア。

そして、アロナの声。

 

「アロナ?手短に頼む」

『貴方に、新しいアーマーを授けます』

「……アーマーを?」

『貴方の今と、未来を繋いだ力です。お願いします……キヴォトスを、救ってください』

「……ああ。任せろ!」

 

『ディメンショナルコンバーター起動!ディメンショナルエリア展開!』

 

『オーバーライド!ロックマンX……DIVE!!』

 

「行くぞ……!」

 

エックスは、アルティメットアーマーを呼び出す。

装着前の飛行形態に飛び乗り、オメガの開けた天井の穴に飛び込む。

 

……アーマーに、レドーム、ミサイルランチャーなどの装備が追加されていく。

 

これは、アビドスで使ったアーマーだ。

 

「見えた……!」

 

足元で研究所が爆破された。

エイミや4人組が無事だと良いが……。

 

ミレニアム郊外上空、空が虹色に染まっていた。

 

「これは……」

『ディメンショナルエリアだ!中から外には出られないようになっている……オメガを仕留めろ!エックス!』

「了解!」

 

アルティメットアーマーに乗り、エックスはオメガに突撃する。

 

「ぬぅ……!エックス!!」

 

「バイル!!」

 

「何処までも邪魔をするか!」

 

「この世界は、キヴォトスの生徒たちのものだ!俺たちに居場所はない!」

 

「だから何だと言うのだ!ワシの居場所を奪ったキサマが言うことか!」

 

「お前は罪を犯した!罰を受けるのは当然だ……!」

 

「罰?罰だと!この不死の身体が相応しい罰だと言うのか!」

 

「それだけのことを、お前は犯した!」

 

「キサマは、キサマはぁぁぁぁ!!」

 

 

オメガの両腕からあらん限りのビームが放たれる。

エックスは飛行形態のアーマーをサーフボードの様に操り回避していく。

 

 

 

「彼女たちの理想を、俺は守る!!」

 

「理想だと?!戯言だ!!」

 

 

 

最後の戦いが、始まる。

 

 




ラストバトル、開幕。
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