【完結】デカグラマトンハンターX   作:塊ロック

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集結!メタルヒーローズ!

 

『エックス……!下方から超高エネルギー反応が……!まだ終わっていません!』

 

セレナードの声にハッとしてバスターを構える。

 

「クヒャッーハッハッハ!!エックス!よくもオメガの()()を破壊してくれたな!」

「外装だって……!?」

 

オメガが墜落した場所から、光の柱が上がる。

土煙が晴れると……巨大な顔が現れる。

 

「さっきよりも……デカい……!?」

 

空に居るというのに振動が伝わるほどの轟音を立てながら、更なる巨人へと進化したオメガが立ち上がる。

赤と、青のレプリロイドの顔のような物を肩に付けた巨躯の化け物が、空へ浮かび上がった。

 

「こんなもの……やれ!オメガ!」

 

オメガが右腕の巨大なバスターを天へ掲げる。

空間を切り裂くかのように、凄まじい出力のビームが撃ち出された。

 

「上空へ……!?」

『やられました……!超高出力ビームによりディメンショナルエリアが破壊されました!』

「なんだって……!?」

 

オメガがゆっくりと動き出した。

 

「サンクトゥムタワーに向かうつもりか……!」

 

ディープログからの連絡はない。

今は、エックスが戦う場面ということ。

 

「行かせるか……!」

『しかし、あの巨体……何処に攻撃をすれば良いのか……』

「目星は着いている……3つの顔のうち、真ん中の顔が恐らく中枢……!そこを叩く!」

 

アルティメットアーマーをオメガに向け全速力で飛翔する。

気がつけば……ミレニアムの敷地を出ようとしていた。

 

「もうミレニアムを通過した……D.U.までそう距離は無いぞ……!」

『エックス、ヴァルキューレが迎撃の為に防衛線を敷いています!時間稼ぎは……』

 

セレナードが押し黙る。

 

「セレナード?」

『……ヴァルキューレの防衛線が今しがた第三者からの襲撃を受けています』

「なんだと!?」

『これは……フェンリー·ルナエッジ!?』

「あの氷の狼か!倒した筈だぞ……!」

『それだけではありません……キヴォトス各地でSNSにアインヘリヤル八闘士の目撃情報が相次いでいます!』

「まさか……復活したのか……!?」

 

エックスはオメガを追うので精一杯だ。

各地に散らばった8体のレプリロイドを相手取るなど不可能。

 

「どうする……どうする……!?」

 

オメガも、各地のレプリロイドも放置出来ない。

だが……エックスは一人しか居ない。

 

『心配するなエックス!何のために俺達が居ると思ってる!』

 

その時、ヴィアの声が通信機から響く。

 

「ヴィア!」

『ディメンショナルエリアは保険としてキヴォトスを覆うように展開してある!つまり……』

 

 

『援軍をキヴォトス全体に実体化し派遣できると言う訳だ……エックスよ』

 

 

 

通信機に、新たに加わる……よく知る声。

 

 

 

 

「お前……は……!」

『そう構えるなエックス。ワシは過去のデータに過ぎぬ……』

「過去ォ……!?」

『今、お前と事を荒立てるつもりは無いと言うことだ』

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「何者だ、キサマ……!」

 

アビドス砂漠にて。

エックスの下へ走るノノミの前に立ちはだかるペガソルタ·エクレール。

 

そこへ、一つの影が乱入する。

 

「私か?私は……」

 

背中の大きな翼を広げ、影は飛翔する。

 

「イレギュラーハンター第7空挺部隊の元隊長……ストーム·イーグリード!」

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

「……ペンギンさん?」

 

巨大なウシのようなロボットが来たかと思えば、イブキの目の前には小さなペンギンのようなロボットが現れて……少し混乱していた。

ゲヘナで少し前から暴れている、磁場を発する巨大なウシ。

その対処にイブキも出ていたのだ。

 

「あぁ?!ペンギンだぁ?」

「ヴモー……なんだぁ……?このチビ……」

「チビだと!?テメェ……!生まれたばっかのペーペーのガキのクセによ……!」

 

小さく愛らしい見た目に似つかわしく無い勇ましい口調に調子が狂う。

イブキはペンギン型レプリロイドの頭をペシペシ叩いていた。

 

「ああもうなんで俺はガキのオモリなんだよ……!エックスがいなけりゃこんな……!」

「……?おにーさんのともだち?」

「ちげーよ!アイツは……その、後輩だ……!」

「なんだ……お前……」

 

「あぁ?!俺は……元第13極地部隊所属の特A級ハンター、アイシー·ペンギーゴ!!」

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「遅い遅い遅い!あくびが出ちまうぜ!」

「くっ……!」

 

D.U.にて。

ヴァルキューレ警察学校はサクゥントゥムタワーへ侵攻する謎の巨大ロボットの対処におわれていたのだが……。

 

途中、オオカミのようなロボットに乱入され隊列を乱されてしまった。

繰り出す氷の攻撃に、手を焼かされている。

 

そんな中、キリノは住人たちの避難誘導を行なっていた。

 

「皆さん、こちらです……!押さないで!」

 

今のところ市民にけが人が居ないことが幸いだが……これもいつまで保つか。

あのオオカミのロボットは、過去にエックスが交戦したロボットと概ね一致していた。

 

(とても動きが早く、そして氷を操ると聞いています……このままでは、都市機能も麻痺して……)

 

自身では立ち向かえない歯痒さを抱えながら、キリノは懸命に自分の職務を全うする。

……しかし、

 

「キリノ!」

「逃げて!」

「えっ……?」

 

自分を呼ぶ声がする。

振り向くと……ロボットの放った、氷の斬撃波が……こちらに迫っていた。

 

「……っ!」

 

キリノは、自身の生命と後ろの避難民たちの生命を天秤にかけることすらせず、両手を広げて庇う体勢をとる。

 

「キリノ……!」

 

思わず目を閉じる。

しかし、いつまで経っても痛みは来ない。

 

「……?」

 

恐る恐る目を開ける。

……目の前に、誰か立っていた。

 

赤い、ロボットだ。

 

「ど、どなたですか……?」

「ん?私か……エックスの、元同僚だ」

「エックスさんの……?」

「あん?テメェなんだ?どっから来やがった」

 

オオカミのロボット……フェンリー·ルナエッジが赤いロボットに気付いてこちらに向かってくる。

 

「君は避難誘導を続けてくれ。私は……イレギュラーを狩る」

「は、はい……!」

 

赤いロボットがルナエッジに突撃する。

ルナエッジの刃と、赤いロボットのカッターが交差する。

 

「テメェ……随分と古い型のレプリロイドじゃねぇか!」

「そう言う貴様は……高速移動中に思考が止まる欠陥を抱えているな?」

「なっ……!初見で看破するだと……何モンだ!ぐあっ!?」

 

刃を離した瞬間、一瞬でルナエッジの背後に回り蹴りを食らわせる。

 

「名乗るほどでもない、が……元同僚のよしみだ。私は……」

 

「イレギュラーハンター第17部隊、ブーメル・クワンガー!」

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「また、貴方ですか……!」

「ケケーッ!」

 

百鬼夜行連合学園にて。

ミモリは、またしてもニワトリの様なレプリロイド……プープラ·コカペトリと相対していた。

以前、コピーエックスと共に襲いかかってきた連中であり……エックスと共に撃破した相手だ。

 

「前コケにされた借り、返しに来てやったぜ!」

「懲りない人ですね……」

「なんだと小娘!?トサカに来るぜ!オレの本当の恐ろしさを……クギャーッ!?」

 

 

コカペトリが叫んだ瞬間、何者かにふっ飛ばされたかの様にゴロゴロと転がっていった。

 

「ににに……やれやれ……俺の相手はこんな木っ端とは……シグマ様の命令じゃなきゃやんないよ」

「え……どこから……?」

 

何もない空間が歪み……そこに、大型のトカゲのようなロボットが現れる。

 

「ににに。こんにちは、お嬢さん……」

「え、えっと……味方、で良いのでしょうか?」

「敵の敵でまた敵かも知れないよ……」

「……すみません、一緒に戦って頂けないでしょうか」

「………………ににに。聡明なお嬢さんだ。エックスと一緒に戦ってただけのことはある……」

「エックスさんの……お知り合いで……!?」

「ケケーッ!エックスだぁ!?なんだテメェは!!」

「俺か?俺は……」

 

「イレギュラーハンター、第9レンジャー部隊……スティング·カメリーオ……」

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

例外なく、トリニティも戦火に包まれていた。

シスターフッドや正義実現委員会も、すべての垣根は取り払われて抵抗していた。

 

「前進!」

 

その中で、イレギュラー軍団の先頭を歩いているのは……いつぞやの亀型レプリロイド……ヒート·ゲンブレム。

 

甲羅の防御力は健在であり、後に続く軍勢への攻撃を防いでいた。

 

そんな中、マリーは救護騎士団と共に負傷者の手当てを行なっていた。

 

「どうして、こんな……」

 

無論、マリーもニュースを知っていた。

エックスの足取りはしっかりと追ってきたからだ。

あの巨人が現れてから、各地にロボット……エックスの言うところのイレギュラーが再度現れたと言う。

 

(エックスさん……)

 

今も、あの青い英雄は最前線で戦っている。

ならば、自分もこちらの戦いをするしか無い。

 

「はっ……!?」

 

臨時救護テント近くで爆発。

敵の攻撃がこんなところまで飛んできたのだろうか。

 

「皆さん……!大丈夫ですか……!?」

 

煙の中、マリーは叫ぶ。

 

「マリー、逃げて!」

「っ……!?」

 

誰かの叫び。

マリーは咄嗟に愛銃を取り出し撃つ。

見事に襲いかかろうとしていたバリアントの頭を撃ち抜いた。

 

「くっ……!私も……」

「ここに集まっていたでありますか」

「……!?」

 

煙の中から、のそりと大きな影が現れた。

 

ヒート·ゲンブレムがここまで到達していた。

 

「下がってください……!ここは怪我人しかいません!」

「後方の救護施設を叩くのも戦術であります」

「なっ……!?」

 

ゲンブレムの右腕に炎が灯る。

 

「焼き払うであります!」

「やめて……っ!!」

 

マリーも引き金を引く。

だが……ゲンブレムは止まらない。

 

「……イレギュラーとして、その考えは正しい。けど……レプリロイドとしては、間違っているな」

「何奴……ぐわぁぁぁぁ!?」

 

バチッ!電気系統がスパークするような甲高い音がしたと思えば……ゲンブレムが感電したように身体を震わせていた。

 

「あ、貴方は……?」

 

マリーの背後から……ゲンブレムに負けない程の巨躯が現れる。

一見すると……マンドリルの様なデザインのロボットだ。

 

「……あぁ……俺かぁ?俺は……スパーク·マンドリラー……。イレギュラーハンター、第17部隊の……元所属ってやつだぁ……」

「イレギュラー……ハンター……?エックスさんと同じ……?」

「よく知ってるなぁ……俺の仕事は……そいつの処分だ……下がってろ」

「やってくれたでありますな……!」

「やっぱり……こうやってイレギュラーと戦ってる方がなんも考えなくて良いな……」

 

巨大な亀とマンドリルが取っ組み合う。

戦況は変わり始めていた。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「なんという事でしょう……」

 

ミレニアム、特異現象捜査部。

ヒマリとリオは、キヴォトス全土を映したスクリーンから戦況を見ていた。

 

「各地に以前撃破した八闘士が復活……それぞれが破壊活動を始めた……信じられないわね」

「エックスさんが来てから、何もかも想像の範疇を超え始めています」

「……全くそのとおりね……そして、一番歯がゆいのは……この先の未来はエックスにかかっている」

「既に各地へ……ディープログからイレギュラーハンターが送られています」

「ここにきて増援……本気のようね」

「ですが……私達は、今……何も出来ません」

「ええ……」

 

突如鳴り響くアラート。

 

「……ここにも、来ましたね」

「応戦するしか……」

『ここは、我々に任せてもらおう』

「……誰です!?」

『イレギュラーハンター、第8機甲部隊の元隊長……アーマー・アルマージ』

『同じくイレギュラーハンター、元第6艦隊所属ランチャー・オクトパルド』

 

アルマジロ型とタコ型のレプリロイドが、ミレニアムに進軍するイレギュラーの前に立ち塞がっていた。

 

「貴方達が、援軍ですね」

『不本意ながら、ここは我々が対処します』

『オクトパルド。シグマ様のご命令だ……上官の命令には素直に従え』

『ええ分かっていますとも……』

「「………………」」

 

この二人をここに配置しても大丈夫なのだろうか、とヒマリとリオは顔を見合わせるのだった。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

「……フン。アイツらもよくやるものだ」

 

D.U.……サンクトゥムタワーの見えるビルの屋上。

長身のレプリロイドが、遠くに見える巨人を眺めながらそう呟いた。

 

「ヴィアめ……エックスの援護をしろとワシ等に依頼するとは酔狂な奴め」

 

レプリロイド……かつて、イレギュラーハンターの一部を連れて反乱を起こしたリーダー。

エックスの所属していた第17部隊の隊長、シグマ。

 

その男が、今回ヴィアの依頼を受けキヴォトスのディメンションエリアを利用し実体化。

各地のイレギュラー排除の任務にあたっている。

 

「ワシがまたイレギュラーハンターになろうとはな」

「不満か?」

「フン……」

 

背後から声をかけてきたヴィアに、振り向きもせず鼻を鳴らす。

 

「不満だとも。あんな人間の科学者程度にエックスが追い詰められているのがな」

「ハッ!だろうな!」

「まぁー今はこれで充分だろう」

「あぁ……アイツにはオメガに集中してもらいたいからな」

「貴様が出ればすぐに終わったのではないか?」

「俺は……一度やり過ぎたからな。上に睨まれてるし……何よりアロナがおっかねぇからな」

「……後は、エックス次第か」

「とか言ってるが……負けるとは1ミリも思ってないんだろ?」

「フン……」

 

シグマは、自身のブレードを抜き放った。

 

「ならばワシも……今回はそれなりに暴れさせて貰おうではないか」

「行くのか?」

「エックスはワシと顔を合わせるのも嫌だろうからな」

「素直じゃねぇな」

「喧しい。貴様もさっさと行け」

「へいへい」

 

シグマは屋上から飛び降りていった。

 

「さて……頼むぞ、エックス……」

 

 

 

 

 

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