「うっ……ここ、は……」
エックスの意識が戻る。
体内時計は2分も経過していなかったが……短時間気絶していたらしい。
身体中が異常をきたし警報を鳴らしている。
『エックス……!急い……く……い!』
セレナードの声がノイズにまみれている。
「くっ……まだ、立てるか……!」
なんとか立ち上がり、フラフラと歩き出す。
オメガにトドメを刺せたかどうかの確認をしなくてはならない。
遠くで戦闘音が鳴っている気がする。
上空にはクロノスと書かれたヘリが飛んでいた。
『エッ……!ま……オ……が……!』
「セレナード……すまない……」
『エ……ス!待……!』
エックスのスマホは、とうとう限界を迎えていた。
画面は割れ、セレナードの姿も見えづらい。
これ以上破損してしまえば中の電脳もタダでは済むまい。
エックスは、セレナードをミレニアムの特異現象捜査部のサーバーへ送った。
「はぁ……はぁ……」
D.U.の戦闘跡地を進む。
そして……巨大化したオメガの残骸が落下しているエリアへやって来た。
「バイルは……?」
オメガの爆発に巻き込まれて死んだのか。
生体感知センサーを起動して周囲を見回す。
「居ない……」
かつて、あれほど賑わっていたD.U.に人影が無い。
皆、避難したのだろうか。
「また……間に合わなかったのか……!」
『いえ、住民達は避難しています』
「アロナか……」
エックスの独り言に反応する声。
アロナが、回線を開いていた。
『先ほどの戦闘、お見事でした。流石はアルティメットアーマー……デカグラマトンを搭載したオメガを撃破するとは』
「……これで、俺の任務は終わりか?」
『はい……ここまで、色々とありがとうございました』
「ヴィアとリコは……?」
『お二人は事後処理がありますのでここは私が責任を持って貴方を元の世界へ帰還させます』
「そうか……」
最後に一声かけたかったものだが、そういうことなら仕方ない。
エックスは一気に肩の力が抜けるのを感じる。
一気にため息が口から漏れていく。
「終わった……んだな……」
『……あら?転送出来ませんね……何故でしょうか。ヴィア?リコ?繋がりませんね』
「アロナ?」
『機材トラブルかも知れません……少々お待ちを』
アロナがそう告げて通信を切る。
少し手持ち無沙汰にになるが……。
(……ノノミに、メッセージだけでも送っておくか)
スマホを取り出し、メッセージを打とうとして……。
……誰かが、歩いてきたのが見えた。
赤いシルエット、特徴的な金の髪。
エックスは、その姿を見た瞬間駆け出していた。
「……ゼロ!」
「………………」
「ゼロ……?」
ゼロ。
エックスの心を許せる親友であり、長い戦いを共に駆け抜けた戦友だ。
どうしてここに居るのか分からないが……。
「ゼ……?!」
ゼロの腕がエックスの胸へ向けられる。
その瞬間、紫色の光がエックスの胸を貫いた。
「え……?」
エックスの理解が遅れる。
今、自分は何をされた……?
自分の胸を……何故ゼットセイバーが貫いている?
ゼットセイバーが抜かれ、エックスは地に膝を付く。
そして……そのまま、斃れた。
「く、くくく……」
ゼロと呼ばれた影は嘲笑う。
「我は
笑い声が、キヴォトスに響いた。