エックスは、何もない真っさらな空間で目を覚ました。
「ここ、は……?」
確かに、エックスは光の剣で貫かれ……倒れた。
ここは、死後の世界だとでも言うのだろうか。
「はじめまして、ロックマンエックス!」
「えっ……?」
気がつけば、目の前に少年が立っていた。
エックスのようにヘルメットをして……左腕がライオンの顔のようになっている。
「キミは……?」
「ボクは……ロックマン」
「ロックマン……?」
「キミもロックマンって言うんだね」
「えっ……?二人目??」
ロックマンと名乗った少年の隣に、別の少年が現れる。
胸にはパーソナルマークのような、赤いエンブレムが付けられていた。
「うん。ボクもロックマンなんだ」
「そ、そうなのか……所で……どうして俺を【ロックマンエックス】と?」
「それは、キミもロックマンだからだよ」
「俺が……ロックマン?」
新しい足音がする。
振り返ると……エックスよりも背の低いロボットが一人、歩いてきた。
「はじめまして、エックス。僕はロックマン」
「……キミも?」
「うん。と、言っても僕は……所謂最初のロックマンと言うやつなんだ」
「最初の、ロックマン……」
「トーマス・ライト博士に作られたヒトの心を持つロボット……それが僕なんだ」
「トーマス・ライト博士……俺は、その名前を知っている気がする……」
エックスは、過去に何度かその人物からアーマーパーツを受け取ったことがある。
詳細は不明だが……エックス用の装備をいつも用意してくれていた。
「キミは、僕のはるか未来の弟なんだ」
「俺が……キミの?」
「うん。ライトナンバーズ、最後のひとり。未知数の可能性……それが、エックスなんだ」
そして……エックスは数多くのロックマンに囲まれていることに気が付いた。
「彼らも……ロックマン?」
「うん。世界はたくさんある。そして……世界の数だけロックマンは存在するんだ」
獅子の顔を付けたロックマンが、エックスの前に立つ。
「キミの結んだキズナの力、見せてもらったよ。とても強いキズナだったよ」
「俺の、絆……?」
「キセキを起こせるほどのキズナ」
「キミの魂に響くほどの強い想いが起こした、キセキなんだ」
エックスの胸に、温かな光がこみ上げてくる。
「これは……」
『………………エックスさん。貴方の助けに、なりたいです』
『負けないでください……!エックスさん……!』
『エックスさん、私達も……一緒に……!』
『おにーさん。イブキも、おにーさんの力になりたい』
『エックスさん……!本官はいつも、貴方に助けられました……だから、今度は、本官が助ける番です!』
『エックスさん。貴方がくれた思い出は……億よりも千よりも、万よりも……私の中で価値があります。返しきれない想いでいっぱいなんです。貴方が受け取ってくれなくても……勝手に、押し付けちゃいますからね』
「ノノミ……それに……マリー、キリノ、ミモリ、イブキ……」
「キミのことを想う人たちが、キミに託したんだ」
「さぁ、立ち上がろう、エックス!」
遠い、過去に存在した兄が……エックスの手を取る。
「僕たちも一緒に、キミと戦うよ!」
「え……?」
「キミに残された力は、もうあと少ししかない。けど……僕たちがそれを補ってあげる」
エックスの目の前に、1枚のチップが現れる。
「目が覚めたら、それを使って」
「それが、キミの力になるから」
「……ありがとう、皆」
「……俺は、必要なかったか」
「……え?」
振り返る。
青いロックマンの中に……ひとりだけ、赤いロックマンが混ざっていた。
「キミは……!」
「エックス」
赤いロックマンは、ひと言だけ告げる。
「迷うな。立ち塞がるなら……叩き斬れ」
「……ああ!」
エックスは、託されたチップ……シンクロチップを手にする。
「行こう……皆!」
ロックマン達の姿が消え、光の粒子になる。
「シンクロチップ、スロットイン……!」
エックスは叫ぶ。
最後の力を振り絞るように。
「クロス、フュージョン……!」
クロスフュージョン、オールロックマン。
誕生、パーフェクトロックマン。